“マヌケなおじさん誘拐犯”と“記憶喪失の天才少女”。
— ふたりの逃避行と謎が連鎖するテレビ朝日系火9ドラマ『誘拐の日』は、手に汗にぎる展開にふさわしく、都市の雑踏から由緒ある和邸宅、下町の商店街、リアルな官庁庁舎まで多彩なロケーションが物語の緊張感を底上げしています。
本記事では、実際に足を運べるロケ地の場所・行き方・見どころを、放送情報や制作の一次情報と付き合わせながら、聖地巡礼の注意点まで一気にまとめました。まずは作品の基本情報からどうぞ。
- 作品の基本情報(おさらい)
- ロケ地1:七瀬家の“重厚な和邸宅”— Re;PLACE KOISHIKAWA(東京・文京区)
- ロケ地2:第1話の緊迫アクション— 沖縄タウン 杉並和泉明店街(東京・杉並区)
- ロケ地3:雨の対話シーン— 木更津・富士見ビル東側非常階段下(千葉県木更津市)
- ロケ地4:臨場感ある“警察署内”シーン— 深谷市 川本総合支所跡周辺(埼玉県)
- そのほか判明・有力ロケーション候補(放送・資料から読み解く)
- 巡礼便利ワード(Googleマップ用キーワード)
- 写真の撮り方のヒント(“それっぽく”写す)
- 聖地巡礼のマナー(超重要)
- 物語とロケーションの相性を“プロ目線”で解説
- ルート提案(半日モデルコース)
- 参考・出典(主要)
- まとめ『誘拐の日』を“風景からもう一度”
作品の基本情報(おさらい)
※本作は韓国ドラマ『The Kidnapping Day(유괴의 날)』の日本版リメイク。原作情報は海外配信情報やWikipediaも参照できます。
ロケ地1:七瀬家の“重厚な和邸宅”— Re;PLACE KOISHIKAWA(東京・文京区)
ここが見どころ
凛(永尾柚乃)の実家シーンの要となる、重厚で端正な和邸宅。大正9年築・元財閥別邸という来歴を持つ撮影スタジオで、広い和室と縁側、手入れの行き届いた庭が“上質な静けさ”を映像にもたらしています。外観も内観もクラシカルで、本作のダークなトーンと対比的に、事件の“非日常”を際立たせる舞台装置に。
住所/アクセス
東京都文京区小石川2-17-30(※施設公式サイト参照)
都営三田線・大江戸線「春日」駅から徒歩圏。撮影利用の有無は公式サイトで要確認。
トリビア
Re;PLACE KOISHIKAWAは商業撮影向けのロケーションスタジオ。一般の見学は不可のことが多いので、外観鑑賞のみ・私有地に立ち入らないのが基本マナーです。
ロケ地2:第1話の緊迫アクション— 沖縄タウン 杉並和泉明店街(東京・杉並区)
ここが見どころ
代田橋駅から徒歩数分。昭和レトロ×沖縄テイストが共存する下町商店街は、第一話の“路地アクション”に臨場感を与えた舞台。狭い生活路地に看板やポールが点在し、自然光の陰影が緊張感を増幅。映像的に“音の密度”も高く、追跡や対峙のシーンに最適なロケーションでした。
住所/アクセス
東京都杉並区和泉1-11-12 周辺/京王線「代田橋」駅 徒歩3分〜5分。商店街は生活道路なので、撮影の再現や長時間の撮影行為はNG。買い物や飲食で地域に還元しながらの散策がおすすめ。
歩き方のコツ
- アーケードのゲート(写真の「沖縄タウン」門)から入り、曲がりくねる“キリンの首”のような通りを散策。
- 夜は赤や青の装飾・提灯が点き、色温度の違う照明がドラマ的。撮影時は通行の妨げにならない位置から。
ロケ地3:雨の対話シーン— 木更津・富士見ビル東側非常階段下(千葉県木更津市)
ここが見どころ
第1話で、雨に打たれながら政宗と汐里が“言葉をぶつけ合う”印象的な場面の撮影地。富士見ビルの東側非常階段下に雨具・照明を組んで収録されたとされ、生活感ある業務ビルの側面が、登場人物の切迫と諦念を静かに映し出します。
住所/アクセス
千葉県木更津市富士見2-3-34 付近(木更津駅西口から徒歩約10分)。現地は業務施設が混在し、通行車両・騒音・私有地に要注意。階段下へ立ち入らず、歩道から短時間で鑑賞を。
ロケ地4:臨場感ある“警察署内”シーン— 深谷市 川本総合支所跡周辺(埼玉県)
ここが見どころ
多数のエキストラを動員した警察署の場面は、埼玉県深谷市の旧庁舎(川本総合支所跡)を中心に撮影実施。官公庁のスケール感と動線の取りやすさが“捜査のリアリティ”を増す要。深谷フィルムコミッション等の発信でも、同所の活用が告知されています。
最寄り/補足
JR八高線「用土」/秩父鉄道「武川」エリア(同市公式の新複合施設「ワモア川本」情報も参考に地理把握を)。訪問は業務の妨げにならない時間帯に。
※“署内”はセット併用の可能性も。公式の場面写真・放送映像で柱やサインの形状を照合すると、外観=実在施設/内観=一部セットの“分割ロケ”が見えてきます。
そのほか判明・有力ロケーション候補(放送・資料から読み解く)
- Kアリーナ横浜(みなとみらい)外周・駐車場まわり
大規模動員が可能な多機能アリーナ。夜景を背景にした広場・歩道シーンのまとめ撮りに適性が高い施設としてロケ誘致も公表。該当話数の夜間カットと地形が合致するショットがあり、候補地として押さえておきたい。撮影の可否は施設と要調整。 - 国立市・ダイヤ街裏路地、外房・太東埼灯台 ほか
各話の電話/独白カットで見覚えのある路地や、海沿いの高台ショットの候補地として挙がる地点。巡礼時は地元交通・住民生活への配慮を第一に。
巡礼便利ワード(Googleマップ用キーワード)
- 「Re;PLACE KOISHIKAWA」…文京区・小石川の和邸宅スタジオ。
- 「沖縄タウン 杉並和泉明店街」…代田橋駅北側の商店街。
- 「木更津 富士見2-3-34」「富士見ビル 非常階段」…雨の対話シーン地点。
- 「深谷 川本総合支所跡」「深谷 フィルムコミッション」…警察署シーンの主舞台。
写真の撮り方のヒント(“それっぽく”写す)
- 狭い路地は縦構図×長めの焦点距離
沖縄タウンの路地は望遠で圧縮すると看板の密度が増し、一気に“ドラマの画”に。通行の邪魔にならない位置から。 - 和邸宅は黄金色の時間帯に外観のみ
夕景のコバルトブルー×電灯のアンバーで、物語の“余韻”が出ます。敷地外からフェンス越しに短時間で。 - 官庁施設はサインを入れすぎない
“実在の表示”は個人・団体に迷惑がかかる場合あり。画角をタイトにしてディテールの抽象度を上げるのが吉。
聖地巡礼のマナー(超重要)
- 私有地・営業施設・住宅の敷地内に入らない(スタジオ見学不可が原則)
- 住民・商店の営業を妨げない(長時間の立ち止まり、機材設置は避ける)
- 商店街では“買って応援”
- SNSへ位置情報を細かく貼りすぎない(混雑誘発の回避)
- 撮影隊と遭遇したら撮影の妨げになる行為は厳禁。公式の案内・掲示に従いましょう。
物語とロケーションの相性を“プロ目線”で解説
『誘拐の日』が巧いのは、静と動のコントラスト。
- 静=Re;PLACE KOISHIKAWAの端正な日本建築は、“理性ある日常”の象徴。そこで起きる事件は、視覚的な違和感が強く、非日常の突発性を増幅します。
- 動=沖縄タウンの路地は、生活の音が反響する“密”。追跡・格闘・会話の緊張を音と距離で語れる稀有な空間。
- 官公庁=旧庁舎は、捜査の制度感・手続き感を絵にしやすい。通路・応接室・会議室の直線的導線が、「追う側の論理」をカメラの動きで表現できます。
- 雨の非常階段下の会話は、都市の隙間に潜む感情の滞留を象徴。ノイズ混じりの環境音が、セリフの“重さ”を増し、人物の“諦観/決意”を観客の身体に落とし込みます。
ルート提案(半日モデルコース)
- 午前:文京区
春日駅→徒歩でRe;PLACE KOISHIKAWA外観周辺を短時間チェック(立入禁止厳守) - 午後:杉並区→千葉
代田橋で沖縄タウンを散策(ランチは沖縄そば・チャンプルー)→総武線〜内房線で木更津へ→夕方に富士見ビル東側非常階段下周辺で“雨の会話”アングルを研究。 - 別日:埼玉・深谷
深谷市方面へ日帰り。旧川本総合支所周辺は稼働施設もあるので短時間・静かに。近隣のカフェで映像を見返し“カット割り研究”すると楽しい。
参考・出典(主要)
- 公式サイト:作品情報・イントロ・ストーリー・キャスト。テレビ朝日+3テレビ朝日+3テレビ朝日+3
- 深谷フィルムコミッション/関連発信:川本総合支所跡での撮影告知・報告。X (formerly Twitter)+1
本ガイドは、公式一次情報とフィルムコミッションの発信を軸に、複数のロケ特定記事を照合して構成しています。各施設は営業・運営事情により公開状況が変わる場合があります。訪問前に最新の公式情報をご確認ください。
まとめ『誘拐の日』を“風景からもう一度”
ドラマは、脚本と演技と音楽の総合芸術。そこに“場所”が加わると、空気の匂い・光の温度までが記憶に刻まれます。
東京の古邸宅の静けさ、代田橋の路地のざわめき、旧庁舎の直線的な冷たさ、そして雨が打つ非常階段の金属音——。
あなたの足でたどる『誘拐の日』は、画面の外で続く“もう一つの物語”になるはず。巡礼はマナー第一で、どうぞ良い旅を。