まず、伊藤蒼唯(いとう・あおい)ってどんな選手?
- 所属/学年:駒澤大学 陸上競技部・4年(2004年1月12日生)
- 出身:島根県出雲市・出雲工業高校
- 主戦場:長距離(5000m/10000m/ハーフ)
- 自己ベスト(主なもの)
- 5000m:13:32.88(2025年5月、ゴールデンゲームズinのべおか)
- 10000m:28:28.15(2022年11月、日体大記録会)
- ハーフマラソン:1:01:16(2024年2月、丸亀ハーフ)
大学では1年時に箱根駅伝6区で区間賞を獲得し、一気に全国区へ。2025年4月には日本学生個人選手権10000m優勝(28:53.75)で“勝ち切る力”も証明しています。
端的に言うと、「山下りで強いスピード持久型」+「トラックでもタイトルを取れる勝負強さ」。ニューイヤー駅伝(実業団駅伝)でも即戦力になりやすいタイプです。
公式発表は出た?
2025年9月29日現在、伊藤選手本人や大学、主要メディアの進路確定リリースは確認できていません。
一方で、同学年・同大会世代の4年生には、富士通・住友電工・GMOインターネットグループ・NTT西日本・JFEスチール・九電工など大手実業団への加入内定が今春〜夏にかけて公表されています(例:青学勢の住友電工、駒澤・篠原倖太朗の富士通、早大・伊藤大志のNTT西日本、他)。
つまり、2025年卒のトップ層は順次“実業団で継続”に流れている。伊藤選手クラスの実績と成長曲線なら、実業団行きが最有力シナリオと見るのが自然です(ここは“推定”)。
「実業団」と「一般就職」
- 実業団:企業の陸上部に所属して競技を続ける働き方。給料+競技環境が用意され、合宿・遠征・医療体制も整いがち。年末年始のニューイヤー駅伝やトラック主要大会が主戦場。
- 一般就職:競技を一区切りし、会社の通常部門に就職。市民ランレベルで競技を続ける人もいるが、トップ競技は離れるケースが多い。
伊藤選手の最新成績(学生個人1万m優勝、5千m13分32秒、ハーフ61分16秒)から逆算すると、実業団で“即戦力〜伸び代込みの戦力”として評価される材料が揃っています。
有力候補先はココ!──“名前ピン指し”ではなくタイプ適性×最近の補強動向で絞る
注意:以下は公開実績とチーム傾向からの仮説です。伊藤選手の意思・内情や未公表情報には立ち入りません。
1)富士通(トラック強化×駅伝総合力のメガクラブ)
- 根拠:2025年卒の超有力どころ(例:駒澤・篠原倖太朗)が内定。毎年、日本選手権や世界大会を見据えるトラックの厚みを作りつつ、ニューイヤー駅伝でも総合力が高い。
- 伊藤選手の適性:13分32秒の5千mと学生個人1万m優勝の勝負勘は、富士通の“スピード×結果”の志向に合致。
2)住友電工(関西拠点・トラックの底上げが進む)
- 根拠:2025年卒の青学エース格(例:野村昭夢、白石光星)が加入予定と報じられ、スピード型の積み増しが目立つ。関西の名門で環境も良い。
- 伊藤選手の適性:箱根6区で見せた高速耐性+トラックの勝負強さは、チームの新しい色にフィット。
3)GMOインターネットグループ(5千m〜1万mのスピード層を厚く)
- 根拠:ここ数年、5千m〜1万mの“速い人”を厚くし、駅伝でも面を作る補強が続く(2025卒でも青学・鶴川らが報じられた)。
- 伊藤選手の適性:5千m13分台前半はチームの戦略に直球でハマる。
4)NTT西日本/JFEスチール/九電工(西日本拠点での“伸びしろ採用”)
- 根拠:2025年卒でもNTT西日本(伊藤大志=早稲田)、JFEスチール、九電工など西日本勢の加入報もあり、西側の補強が活発。伊藤選手は島根出身で、地理的相性・生活導線の適合も考えやすい。
- 伊藤選手の適性:1万m28分台&ハーフ61分台は、西日本各チームが求める“駅伝の即戦力+マラソン化”に親和的。
まとめると、富士通・住友電工・GMOの“トラック即戦力狙い”と、西日本拠点(NTT西日本/JFE/九電工など)の“駅伝軸+マラソン育成”の2本立てが、現実味のある候補群と考えられます(仮説)。
「なぜ、実業団が最適解っぽいの?」を3行で
- 数値が一流の入口を超えている:5千m13分32、ハーフ61分16は、上位実業団で“勝負できる”レンジ。
- 勝ちグセがある:学生個人1万mで優勝=本番でまとめる力。
- 箱根での“超高速耐性”:6区の高速ダウンヒルは、駅伝の長い距離にも効く“脚の強さ”の証拠。
マラソン適性という“伸びしろ”
ハーフ61分16は、フルマラソン転向の素質サインとしても強烈。実業団では20代半ばでのマラソン挑戦→代表争いを設計しやすい。
駒澤の長距離育成は実業団〜マラソンへつながる導線が太く、「スピードのあるうちにトラックでタイトルを狙い、その後マラソン」という王道が描けます。
仮に「一般就職」だとしたら?
もちろん本人の人生設計が最優先。一般就職で競技を一区切りする選択も、尊重されるべき決断です。
が、トップで戦える今の競技価値と、実業団のサポート環境(コーチ・治療・遠征費など)を天秤にかけると、競技継続の“機会損失”が大きいのも事実。ここはファン目線でも「もう少し見たい!」が本音でしょう。
ファン向け“やさしいQ&A”
Q. もし富士通じゃなかったら?
A. 住友電工・GMOの“スピード強化”路線や、西日本拠点(NTT西日本/JFE/九電工など)の“駅伝&マラソン強化”路線も十分あり得ると見ています(根拠:同世代の補強実績とチーム方針)。
Q. 山下りが得意でも、ニューイヤー駅伝に“山”はないよね?
A. その通り。ただ高速下りで鍛えたスピード持久力と脚耐性は、フラットでも活きます。実際、伊藤選手はトラックでも勝っているので“下り専用”ではありません。
Q. マラソンはいつ頃?
A. 多くの実業団は20代中盤〜後半に本格転向。ハーフ61分台は素質十分なので、トラックでスピードを磨きつつ、段階的に上げるプランが王道です。
本稿の結論(短く)
- 現状公式発表なし → ただし、実績と市場(実業団の補強傾向)からは「実業団継続」が最有力。
- 有力候補タイプ:
- 富士通/住友電工/GMO=トラック即戦力×駅伝強化
- NTT西日本/JFEスチール/九電工=西日本拠点×駅伝&マラソン育成
- 根拠:伊藤選手の数値(5千m13:32、1万m優勝、ハーフ61:16)と、2025年卒の主要選手の内定動向。
最後に
進路は本人の意思とチームの方針が合致して初めて決まります。ここまでの“仮説”は、あくまでファンができる公開情報ベースの読み解き。
伊藤蒼唯選手のベストな選択と、新天地での活躍を心から応援しましょう。
(参考)
- 駒澤大・伊藤蒼唯:選手プロフィール/自己ベスト 駒澤大学陸上競技部 | 原点と夢~藤色の挑戦~
- 学生個人10000m 優勝(2025年4月)記事 4years
- 2025年卒トップ層の実業団内定動向(住友電工/富士通/GMO/NTT西日本/JFE/九電工ほか)Number Web