女子ハンマー投げで大きく記録を伸ばし、日本選手権を大会新で制した村上来花（むらかみ・らいか）選手。
大学最終学年を迎え、次の進路として「実業団」か「一般就職＋競技継続」か、どの道を選ぶのかに注目が集まっています。
本記事では、村上選手の最新成績と実績、ハンマー投げ界の受け皿となる実業団の現状、就職と両立モデルまで、分かりやすく整理します。
なお、所属内定など未発表の情報は推測せず、公開ソースに基づいて「可能性の高い選択肢」を示します。
村上来花選手のプロフィールと最新ハイライト
村上来花選手は青森・弘前実業高校から九州共立大学へ進学し、ハンマー投げで国内トップクラスに成長してきた投てきのホープです。学生時代から日本選手権入賞を重ね、U20世界選手権では銅メダルも獲得しています。
月刊陸上競技の選手名鑑では、弘前一中→弘前実高→九州共立大の経歴と、大学3年時点で66m台のベストを記録していることが整理されています。
2025年7月、日本選手権の女子ハンマー投げ決勝で66m88を投げ、大会新記録で初優勝。これは学生記録の更新にも当たり、日本女子ハンマーの勢力図に大きな変化をもたらしました。公式結果と連盟の記事が、この勝利と記録更新を明確に示しています。
国際的なプロフィールでも、世界U20銅メダル、自己ベスト66.88の情報が確認できます。世界陸連の選手ページには自己ベストや世界ランキングの情報が並び、2025年シーズンの充実ぶりがわかります。
いまの立ち位置――国内トップ争いの中心へ
大学2〜3年時から日本選手権で表彰台に絡み、大学4年時に頂点へ。競技のピークが合ってきたこと、国内のライバルを乗り越えたことが、日本陸連の優勝コメントからも読み取れます。大舞台での安定感と記録の伸びは、次のステージ（実業団・企業所属）をめざす上で大きな説得材料です。
さらに、大学主催のリリースや学生大会の結果からも、早い段階から学生世代のトップとして活躍してきた足跡が分かります。
進路の基本選択肢――大きく分けて2ルート
A. 実業団（企業チーム）に所属する
企業のスポーツ支援制度を利用し、所属選手として練習・試合に集中しやすい環境を得るルートです。国内の女子ハンマー投げでは、近年の全日本実業団のエントリーリストや企業の選手紹介ページから、複数の受け皿企業があることが分かります。例えば、オリコ、コンドーテック、染めQテクノロジィ、Team SSP などが女子ハンマー投げ選手を抱えて大会に出場しています。
実業団のメリットは、専門コーチや練習設備、遠征・用具などのサポートが受けられ、競技に集中しやすいこと。日本選手権優勝クラスの選手に対しては、国際大会を見据えた計画も立てやすくなります。
B. 一般就職＋競技継続（クラブチームや地域拠点での活動）
競技を続けながら企業の通常部署で働くケースもあります。企業のスポーツ支援が直接チーム運営ではなくても、勤務調整や遠征支援を受ける「両立」モデルは投てきでも存在します。エントリーリストや企業ブログなどを見ると、部署に所属しつつ全国大会で戦う選手もいます。
このルートのメリットは、競技引退後のキャリア移行がスムーズになりやすいこと。デメリットとしては、練習時間や遠征調整の難しさがあり、トップレベルの記録更新には環境面の工夫が不可欠です。
実業団で「有力候補先」になりやすいのはどこか（根拠ベースで抽出）
ここでは「最近も女子ハンマー投げ選手を抱え、実業団主要大会にエントリーしている」という客観的事実をベースに、受け皿として現実味のある企業・チームを挙げます。内定・交渉の有無ではなく、「競技環境がある（あった）」「女子ハンマーで実績がある」ことを根拠にしています。
上記はいずれも「女子ハンマー投げの受け皿として活動実績が確認できる」点が共通しています。村上選手クラス（日本選手権優勝・学生記録保持）の選手は、国際大会を見据えた強化枠として、これらの企業・チームからの誘致対象になりやすいと考えられます。根拠は各社公式情報や実業団のエントリー資料です。
就職＋競技継続のリアル――どんな形がある？
実業団としての「競技専任」に近い環境ではなくても、勤務と練習を調整しながら全国レベルで戦う例があります。企業側の理解が深い場合、国内主要大会の期間や合宿時期に合わせて勤務シフトを柔軟に組んだり、用具・遠征費の一部を支援するケースもあります。コンドーテックの選手紹介ページにあるように「所属部署」を持ちつつ結果を残している例は、就業と競技の両立イメージを掴む参考になります。
村上選手ほどの実績があれば、完全競技寄りの条件（勤務軽減や制度面の優遇）での採用提案が来る可能性もあります。大学と地縁のある九州エリアの企業・拠点で練習環境を確保しながらの両立モデルも考えられます。エントリー資料で九州勢の受け皿が確認できる点も、地理的親和性を後押しします。
進路の判断材料――村上選手が重視しそうなポイント
- 記録向上のためのコーチングと設備
大会新で勝つ力をさらに国際舞台で磨くには、技術コーチ、ウェイト・投てき設備、用具・分析環境が必要です。実業団はこの部分で優位になりやすいです。 - 海外遠征・国際大会へのサポート
世界大会の経験を積むための遠征体制や費用補助は、実業団の支援力が鍵になります。世界陸連のランキングや国際大会への出場歴がある選手は、この点のサポートが結果に直結します。 - キャリアの両輪（競技と仕事）
就職＋競技継続も選択肢ですが、世界と戦うピーク期には練習・遠征の量が増えます。実業団的な支援がないと、パフォーマンスとの両立が難しくなる可能性があります。両立モデルの実例はありますが、個人差が大きい点に注意が必要です。
「有力候補先」はここ――客観的根拠からの候補抽出（当サイト見解）
ここからは、あくまで公開情報に基づく「受け皿の土台がある企業・チーム」を、村上選手の次段階（世界を視野に入れるトップ強化）に適合しやすい順で挙げます。いずれも実業団主要大会のエントリーや企業公式情報で女子ハンマー投げの活動が確認できるところです。
- オリコ
長年にわたり女子ハンマーを支援。選手の多い投てき系企業の一つで、競技環境の継続性が強み。 - コンドーテック
競技と就業の両立モデルが確立されており、上位レベルの選手が在籍。企業広報も積極的で、社内理解が深いことがうかがえます。 - 染めQテクノロジィ
実業団のエントリー常連で、女子ハンマー投げ選手の受け皿として継続活動。 - Team SSP（地域拠点）
九州エリアとの親和性という観点で候補に含められます。大学との地理的な連続性は移行のしやすさにつながります。
繰り返しますが、これは「所属の内定情報」ではありません。女子ハンマー投げの受け皿としての実績が公的資料で確認でき、トップ選手の強化に必要な基盤を持つチームが「候補になりやすい」という意味です。
もし「一般就職＋競技継続」を選ぶなら
働きながら競技を続ける場合の最大のカギは、勤務調整と理解ある職場です。
遠征や合宿に合わせて休暇やシフトを組めるか、近隣に投てき環境があるか、指導者・トレーナーにアクセスできるか――この3点が重要になります。
企業の選手ページで「所属部署」を明記し、選手ブログで活動が発信されている例は、両立の具体像をつかむ助けになります。
直近成績が示す「伸びしろ」――世界を見据えた計画がカギ
日本選手権の優勝記録66.88は、国内の歴代上位帯に食い込む水準で、アジア大会・アジア選手権でも勝負できるレンジです。
世界陸連のランキングにも名前が載り、海外転戦の必要性が増していく段階にあります。
こうしたフェーズでは、遠征費用、国際大会のスケジュール、人材（コーチ・アナリスト）の確保が成績に直結します。実業団の強化力は大きな魅力となるでしょう。
よくある疑問（Q&A）
Q1. もう進路は決まっているの？
公開情報の範囲では、具体的な所属内定は確認できません。2025年の日本選手権後も、報道は主に結果と記録更新に集中しており、所属先の確定情報は出ていません。本記事は、受け皿の実績がある企業やチームを根拠に「候補になりやすい先」を挙げたものです。
Q2. 大学からそのまま九州のチームへ行く可能性はある？
地理的な親和性は十分にあります。九州圏のチームや拠点はエントリー資料にも見られます。生活環境の継続性、指導者ネットワークの維持という観点からも相性は良いと言えます。
Q3. 一般就職でもトップレベルを維持できる？
可能ですが、職場の理解と支援が不可欠です。実例として、所属部署を持ちながら全国で戦う投てき選手もいます。個人の工夫と企業側の制度設計次第で実現します。
年表で見る歩み
- 高校時代にU18・高校記録を更新し頭角を現す。
- 2022年：世界U20選手権で銅メダル。
- 大学2〜3年：日本選手権入賞、学生タイトルを複数獲得。
- 2025年：日本選手権優勝・大会新、自己ベスト66.88に到達。
当サイトの見立て――最も現実的なシナリオ
現時点の実績と将来性を踏まえると、実業団（企業チーム）での強化が最も現実的です。理由はシンプルで、トップレベルで戦い続けるには、投てき特有の設備・用具・人材・遠征の継続投資が不可欠だからです。特に、アジア・世界大会を視野に入れると、年間を通じた国内外転戦が発生しやすく、企業のバックアップは大きな安心材料になります。国内で女子ハンマー投げを継続的に支えている企業の存在は、有力候補先を具体化する強い根拠です。
もちろん、本人が「競技とビジネススキルの両輪」を重視し、あえて一般就職＋競技継続を選ぶ可能性も否定できません。その場合は、練習拠点と勤務調整、支援制度の三拍子がそろう企業を見つけられるかが鍵になります。
まとめ――村上来花選手の「次の一歩」に期待
村上来花選手は、学生世代の枠を超えて日本の女子ハンマー投げを牽引する存在になりました。日本選手権での大会新による初優勝は、ただの通過点にすぎません。
次のステージは、実業団での本格強化か、一般就職と両立か。いずれの道でも、必要なのは「投てきに集中できる環境」と「長期の視点での支援」です。女子ハンマー投げを継続的に支えている実業団が複数ある今の日本なら、世界に挑むための土台を作ることは十分可能です。
村上選手の努力と環境が噛み合えば、アジアの頂点、そして世界の大舞台でもっと大きな投てきを見せてくれるでしょう。
