「フォーエバーヤングがヤバい」と言われている理由は、ただ「強いから」ではありません。血統がヤバい。持ち主(オーナー=馬主)がヤバい。稼いだお金もヤバい。
つまり、この1頭は「日本の競馬が世界のど真ん中に殴り込んだ象徴」です。
この記事では、競馬に詳しくない大人でもわかるように、次の3つをやさしく説明します。
- フォーエバーヤングってどんな馬?
- 血統はどれくらいヤバいの?
- 馬主は誰?どれくらい稼いでるの?
これを読めば、ニュースやSNSで「フォーエバーヤング30億円」「日本馬が世界一」と騒がれている理由がスッと入ります。
フォーエバーヤングとは?まず正体をハッキリさせよう
フォーエバーヤング(Forever Young)は「日本生まれのサラブレッド競走馬」です。2021年2月24日、北海道のノーザンファームという超有名牧場で生まれました。毛色は鹿毛(こげ茶〜黒っぽい茶)。オス馬(牡馬)です。
調教師は、海外G1を次々と取ることで有名な矢作芳人(やはぎ よしひと)調教師。
騎手は、若手スターの坂井瑠星(さかい りゅうせい)騎手。
そして馬主(オーナー)は、サイバーエージェント社長としても知られる藤田晋(ふじた すすむ)さんです。
このチームがそろった1頭が、世界中の大レースを取りまくっているのがフォーエバーヤングです。
では、どれくらい勝っているの?
成績は「13戦10勝」という超ハイアベレージ(13回走って10回1着)。しかも残りの3回もすべて3着以内という、ほぼ負けなしの安定感です。
普通の馬なら国内で地道に走ります。でもフォーエバーヤングは違います。日本だけじゃなく、サウジアラビア・UAE(ドバイ)・アメリカと、世界を転戦して勝ちまくっている「世界ツアー型の馬」なんです。
代表的な勝ちレースがヤバい
フォーエバーヤングが注目されたのは、日本だけのスターではなく「世界の一流決戦で勝っている」からです。主な勝利は次の通りです。
- サウジダービー(サウジアラビア):2024年
- UAEダービー(ドバイ):2024年
- ジャパンダートクラシック(日本・地方ダートの大レース):2024年
- 東京大賞典(日本のダートの名門G1級レース):2024年
- サウジカップ(サウジアラビア・世界最高賞金クラスのダートG1):2025年2月
- ブリーダーズカップ・クラシック(アメリカ・ダートの世界タイトル戦と呼ばれる最重要レース):2025年11月
これを見てわかる通り、
「日本で無双」→「海外も挑戦」→「海外でも勝っちゃった」→「ついにはアメリカの“ダート世界一決定戦”まで優勝」という、とんでもない物語をリアルタイムでやってのけているわけです。
特にブリーダーズカップ・クラシック(BCクラシック)は、アメリカのダート2000m級では最高峰とも言われるレースで、優勝馬は「世界最強クラス」とみなされます。このレースを日本調教馬が勝ったというのは、歴史的な大事件レベルと報じられています。
つまり、フォーエバーヤングは「たまたま強い馬」じゃなくて→ “世界の本場アメリカ”でダート王者の証明をした、日本の革命児。
血統がエグい:父はリアルスティール、祖父はディープインパクト
競走馬の世界では「血統=エンジンの設計図」です。
フォーエバーヤングの血統を分かりやすくいうと、「日本の天才血統」と「アメリカの爆発力血統」のハイブリッドです。
父:リアルスティール(Real Steel)
リアルスティールは、ドバイターフという海外のG1レースを勝った名馬です。スピードと切れ味を武器に、世界の強豪を相手に結果を出した、日本を代表する国際派ホースでした。
さらに言うと、そのリアルスティールの父(= フォーエバーヤングの祖父)が、あのディープインパクト。
ディープインパクトは日本競馬の伝説級で、世界的にも「サラブレッドとして完成度が高い」と評価されている存在です。
つまり、フォーエバーヤングには「日本のトップ中のトップ」の血がしっかり流れているわけです。
母:フォーエバーダーリン(Forever Darling)
母はアメリカの牝馬フォーエバーダーリン。アメリカでG2(グレード2)レースを勝っている実力馬です。
母の父(母父)はCongrats(コングラッツ)。このラインはいわゆる「アメリカのガチなダート血統」。アメリカのダートはスピードとパワーが極端に必要と言われます。そのパワー側のエンジンがここです。
この父×母の組み合わせをシンプルに言うとこうなります。
- 上(父方):日本の超一流サラブレッドの伸びやかさ・持続力
- 下(母方):アメリカ式のダートで通用するパワー&初速
この“ハイブリッド性能”が、サウジ・ドバイ・アメリカといった世界のダート戦線で勝てる理由の1つと考えられています。
さらに血統オタク向けの細かい話をすると、フォーエバーヤングは「ミスタープロスペクター」という有名な種牡馬の血を父系と母系の両方に4代目で持つ「4×4のインブリード」だと紹介されています。これはスピード型ダート馬に多い“勝てる血の濃さ”の1つと言われています。
要するに、偶然ではなく「世界ダートで勝つために生まれたような配合」なんです。
馬主・藤田晋という存在がヤバい
フォーエバーヤングの馬主は藤田晋さん。サイバーエージェントの創業者・社長として知られるIT業界の有名人です。ABEMA、Cygamesなどのエンタメ・ゲーム事業でも広く知られています。
藤田さんがすごいのは「お金を持っている」だけではありません。考え方・スケール感・目標設定が、もう完全に“世界基準”なんです。
①「世界で勝てる馬を買う/育てる」と最初から決めている
フォーエバーヤングは、子馬(まだデビュー前の段階)としてセール(競走馬オークション)に出されたとき、約1億円ちょっと(1億780万円、約1億円規模)という高額で落札されています。
藤田さんはその段階から「海外のダートで勝てる馬」を狙っていたと言われています。
普通の馬主なら「とりあえず日本の重賞を勝てたらいいな」と考えがちですが、藤田さんは最初から「サウジ・アメリカで勝つ馬」をイメージして投資している、というわけです。
② 海外挑戦が前提のローテーション
フォーエバーヤングは、サウジアラビアのサウジダービーやサウジカップ、アメリカのブリーダーズカップ・クラシックなど、日本馬にとってはハードルの高い国際G1級レースを次々と走っています。
これは「強い馬ができたから海外に行った」のではなく、「海外で勝つためにスケジュールを組んでいる」という動き方です。
③ ビジネスとしても大正解になっている
藤田さん本人も「ダート血統の馬は海外の高額賞金レースで稼げる。だからそこに投資するのは合理的」と語っていて、つまり“夢とロジック”が同時にあるんです。
競馬って「ロマンでしょ?」と思われがちですが、藤田さんはロマン+経営目線の両方で世界に殴り込んで、結果まで出している。これが業界から見ても本当にヤバいところです。
いちばん気になるお金の話:フォーエバーヤングはいくら稼いだの?
正直ここが一番バズってますよね。「え、馬ってそんなにお金になるの?」というところ。
フォーエバーヤングの獲得賞金はすでに日本円で30億円近い水準に達した、と報じられています。これは日本調教馬として歴代トップクラスの金額です。
もう少し内訳・イメージをかんたんに分解してみましょう。
- サウジカップ(サウジアラビア):優勝賞金は1着で約1000万ドル(10億円以上)と言われる、地球上でもトップクラスの“超・超・高額レース”。フォーエバーヤングはこれを勝っています。
- ブリーダーズカップ・クラシック(アメリカ):アメリカ競馬の看板レースの1つで、優勝賞金も非常に高額。ここも勝っています。
- さらにサウジ・UAE・日本の重賞を次々と勝利していて、その積み上げがケタ違い。
アメリカの取材向けプロフィールでは、フォーエバーヤングのキャリア総獲得賞金は約1,570万ドル(約15〜16億円相当)と紹介されており、ドル換算でもすでに「世界の大金持ちホース」クラスです。
一方、日本および各国の通貨ベースで集計すると、サウジ・UAE・アメリカでの高額賞金が重なって、日本円換算では最終的に30億円近いとSNSやメディアで話題になっています。
ここで大事なのは、これは「走って稼いだ金額」だけの話だということ。
この先もっとヤバいのは、“種牡馬入り後”のお金です。
フォーエバーヤングはすでに「世界のダート最強クラス」「アメリカでも通用する日本馬」という証明を手に入れているので、将来、種牡馬(お父さん馬)になれば、1回の種付け料がとても高くなる可能性があります。
つまりフォーエバーヤングの“ビジネス価値”は、もう「数十億円稼いだ」で終わらず、「これから何十頭、何百頭と子どもを残すことでさらに価値がふくらむ」段階に入っている、ということなんです。
なぜこの稼ぎ方は日本競馬にとって革命なのか?
フォーエバーヤングのストーリーは、日本の競馬の未来にとっても大きな意味を持っています。
ポイントは3つあります。
① 「日本のダート馬=世界レベル」と証明した
これまでも、日本の芝(しば=芝コース)では世界トップレベルの評価がありました。ディープインパクトや、海外芝G1で勝った馬たちがその証拠です。
でもダートは「アメリカ本場が最強、日本はまだこれから」というのが長年のイメージでした。
そこにフォーエバーヤングが登場して、アメリカ、サウジ、ドバイのトップレースで勝ってしまった。
つまり「日本のダート馬も世界最強クラス」という証明になったわけです。
② 海外賞金=巨大市場 ということがハッキリ見えた
サウジカップやブリーダーズカップ・クラシックのように、海外には1レース勝つだけで日本のG1を何戦分も上回る賞金が手に入る舞台があります。
フォーエバーヤングはその扉を実際にこじ開けて、「行ける」「勝てる」「持ち帰れる」ということを証明した。
これは日本の馬主・生産者にとって、ビジネス面でとんでもなく大きい意味を持ちます。
③ “世界で勝てる血”を日本が持つことになる
フォーエバーヤングが将来、種牡馬になれば、その子どもたちは「サウジもアメリカも取れる血」というブランドを背負います。
つまり、日本国内で生まれた子馬が、世界の超高額レースを狙う時代が本当に現実になるんです。
これは、日本の競走馬産業そのものの価値を引き上げる可能性があります。
言いかえると、フォーエバーヤングは「1頭の名馬」というより→ “日本の競馬ビジネスを世界仕様に進化させるキー(鍵)になった存在”なんです。
まとめ
ここまでの内容を3行でぎゅっとまとめます。
- フォーエバーヤングは、日本生まれの競走馬で、世界の超一流ダートG1(サウジカップ、ブリーダーズカップ・クラシックなど)を勝ったモンスター級の存在。
- 血統は「父リアルスティール×母フォーエバーダーリン」。祖父にディープインパクトという日本最高峰の血と、アメリカのダート向きパワー血統をあわせ持つ設計になっている。
- 馬主はサイバーエージェント社長の藤田晋さん。海外の超高額賞金レースを“最初から本気で取りに行く”戦略で動き、結果としてフォーエバーヤングは30億円近いレベルの賞金を稼ぐ日本史上屈指の“億稼ぎホース”になった。
フォーエバーヤングは、ただの「強い馬」ではありません。
「日本の馬が世界で稼ぎ、世界で勝ち、世界の血統として認められる」未来そのものです。
この1頭の名前は、これから何年も競馬ニュース・ビジネスニュース・エンタメニュースに出続けるはずです。
覚えておいて損はありません。フォーエバーヤングはもう“歴史の馬”になったのです。


