サッカー日本代表のメンバー発表で、
「え、この名前、初めて聞いたんだけど?」
と思った人、多いはずです。
- 後藤啓介
- 北野颯太
- 小久保玲央ブライアン
- そして、すでにデビュー済みだけどまだ18歳の佐藤龍之介
今回は、この4人がなぜ日本代表に選ばれたのか、
そしてどんなプレーをする選手なのかを、
サッカーニュースを追いかけていない人でもわかるように、
ゆっくり丁寧に解説していきます。
2025年11月のキリンチャレンジカップ(ガーナ戦・ボリビア戦)に向けて発表されたメンバーでは、
- GK 小久保玲央ブライアン(シント=トロイデン)
- MF 北野颯太(ザルツブルク)
- FW 後藤啓介(シント=トロイデン)
の3人がA代表初招集。
さらに、6月のインドネシア戦で史上最年少クラスのデビューをした
MF佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)も、再びメンバー入りしています。
今回の日本代表メンバー発表、ここがポイント
まず、全体の流れをざっくり整理しておきましょう。
キリンチャレンジカップ2025の相手は?
- 11月14日:ガーナ代表(豊田スタジアム)
- 11月18日:ボリビア代表(国立競技場)
来年に迫ったFIFAワールドカップ2026(北中米大会)を見すえて、
「新しい戦力を試したい」
「世代交代も進めたい」
という意味合いが強いシリーズになっています。
そこで呼ばれたのが、今回主役となる4人の若手です。
- ロス五輪世代の大型ストライカー:後藤啓介
- ドリブルとスピードが武器のアタッカー:北野颯太
- ベルギーで鍛えられた193cmの守護神候補:小久保玲央ブライアン
- W杯最終予選で最年少級デビューの走れるMF:佐藤龍之介
森保監督も会見で、
「可能性のある選手は、どんどん代表に呼んでいきたい」
という趣旨のコメントをしています。
では一人ずつ、もう少し踏み込んで見ていきましょう。
後藤啓介ってどんな選手?
基本プロフィール
- 名前:後藤 啓介(ごとう けいすけ)
- 生年月日:2005年6月3日(20歳)
- 出身:静岡県浜松市
- 身長:191cm、体重:約78kg
- ポジション:FW(センターフォワードがメイン)
- 所属クラブ:シント=トロイデンVV(ベルギー1部)
ジュビロ磐田の下部組織で育ち、
高校生のうちにJ2デビュー&クラブ最年少得点を記録した“早熟ストライカー”。
その後ベルギーの名門アンデルレヒトへ渡り、
2025年夏から同じベルギー1部のシント=トロイデンへ移籍しています。
プレースタイルをざっくり一言でいうと?
「デカくて速くて、足元もある万能ストライカー」です。
ポイントを分けるとこんな感じ。
- 191cmの高さ
- セットプレーやクロスボールで、
「とりあえずゴール前に上げておけば、何か起きる」タイプ。 - 実際にベルギーでも、ヘディングで印象的なゴールを決めています。
- セットプレーやクロスボールで、
- 長身なのに意外とスピードがある
- ただの“ポストマン”ではなく、
裏へ走る動きやサイドへ流れてのプレーもできるのが強み。
- ただの“ポストマン”ではなく、
- ユース時代はDFやボランチも経験
- センターバックやボランチもこなせるほど、
守備力や戦術理解度も高い選手と言われています。
- センターバックやボランチもこなせるほど、
「でかくて速いFW」は、世界基準で見ても貴重な存在。
日本代表としても、今までにあまりいなかったタイプと言えます。
代表で期待される役割
森保ジャパンでの役割を簡単にイメージすると…
- 終盤に投入される「パワープレー要員」
- クロスに飛び込むフィニッシャー
- 相手センターバックと“競り合い続ける”ターゲットマン
あたりが、最初の起用パターンになりそうです。
もちろん、将来的には
「前線のど真ん中を任せるエースストライカー」
候補の一人。
特に、ロス五輪世代の象徴的なストライカーとしても期待がかかっています。
北野颯太ってどんな選手?
基本プロフィール
- 名前:北野 颯太(きたの そうた)
- 生年月日:2004年8月13日(21歳)
- 出身:和歌山県有田市
- 身長/体重:172cm/60kg
- ポジション:FW/MF(主にウイングやシャドー)
- 所属クラブ:レッドブル・ザルツブルク(オーストリア1部)
セレッソ大阪のアカデミー出身で、
Jリーグではルヴァンカップのニューヒーロー賞も受賞。
2025年夏にヨーロッパの育成・強豪クラブとして有名な
ザルツブルクへ完全移籍しました。
プレースタイルをざっくり一言でいうと?
「スピードとドリブルで違いを作れるアタッカー」です。
- 切れ味のあるドリブル
- サイドでボールを持つと、一気にスピードアップして仕掛けるタイプ。
- 相手DFを「縦にちぎる」「中へ切れ込む」の両方ができるのが特徴。
- ゴール前への入り方がうまい
- U-20W杯帰りの試合でいきなり2得点を決めたように、
“ここにいてほしい”場所にスッと顔を出せる嗅覚があります。
- U-20W杯帰りの試合でいきなり2得点を決めたように、
- ザルツブルクで「前からの守備」も磨き中
- レッドブル系のクラブらしく、
前線からのプレスや切り替えの速さも必須になります。 - 走力とハードワークを求められる環境で、
攻守両面のレベルアップが期待されています。
- レッドブル系のクラブらしく、
代表で期待される役割
- 途中出場から流れを変えるジョーカー
- サイドでの「1対1要員」
- 相手のビルドアップにプレッシャーをかける“走れる前線”
今の日本代表は、
・久保建英
・三笘薫
・堂安律
など、タレントが揃っていますが、
その中に割って入るには、
短い出場時間で結果を残せるかどうかがカギになります。
「ドリブルで一人はがせる」
「ファウルをもらってセットプレーにつなげる」
こういった“プチ決定的な仕事”をどれだけ見せられるか、注目ポイントです。
小久保玲央ブライアンってどんな選手?
基本プロフィール
- 名前:小久保 玲央ブライアン(こくぼ れお ぶらいあん)
- 生年月日:2001年1月23日(24歳)
- 出身:千葉県
- 身長/体重:193cm/78kg
- ポジション:GK
- 所属クラブ:シント=トロイデンVV(ベルギー1部)
- ルーツ:父がナイジェリア人、母が日本人のハーフ
柏レイソルU-18時代に
国際大会「アルカスカップ」で最優秀GK賞を受賞し、
そのプレーが評価されて10代でポルトガルのベンフィカU-23に加入。
その後、ベンフィカBやトップチームにも関わりながら経験を積み、
2024年にシント=トロイデンへ完全移籍。2024-25シーズンは33試合に出場し、
ベルギーで正GKとして評価を高めました。
プレースタイルをざっくり一言でいうと?
「193cmの長身+欧州仕込みの現代型GK」です。
- 高さとリーチの長さ
- 193cmの高さを生かしたハイボール処理は、
日本人GKの中でもトップクラス。
- 193cmの高さを生かしたハイボール処理は、
- シュートストップ能力
- ベンフィカBやベルギーのリーグで実戦経験を積み、
至近距離のシュートにも強いと評価されています。
- ベンフィカBやベルギーのリーグで実戦経験を積み、
- 足元の技術・ビルドアップ参加
- 欧州のクラブでは、GKにもパスワークが求められます。
- 小久保も、足元の技術や判断力を武器に
「攻撃のスタート役」としても期待されています。
代表で期待される役割
今回の日本代表のGK陣は、
- 鈴木彩艶(パルマ)
- 早川友基(鹿島)
- 小久保玲央ブライアン(シント=トロイデン)
という顔ぶれ。
すぐに「絶対的守護神」になるかどうかは分かりませんが、
- 三番手からスタートして、徐々にポジション争いに食い込む
- 将来的には、「長身で世界レベルのGK」として定着する
そんなシナリオをイメージしたくなる素材です。
パリ五輪世代の守護神候補としても名前が挙がっていた選手なので、
ここでA代表の経験を積むことは、かなり大きな意味があります。
佐藤龍之介も忘れずチェック!
基本プロフィール
- 名前:佐藤 龍之介(さとう りゅうのすけ)
- 生年月日:2006年10月16日(19歳)
- 出身:東京都
- 身長/体重:171cm/65kg
- ポジション:MF(攻撃的MF~ウイングバックまでこなす)
- 所属クラブ:ファジアーノ岡山
- 代表歴:U-16~U-20日本代表、2025年からA代表
FC東京のアカデミー出身で、
今季はファジアーノ岡山へ移籍してプレーしています。
すでにA代表デビュー済みの“超新星”
佐藤は、2025年6月10日の
W杯アジア最終予選・インドネシア戦でA代表デビュー。
18歳237日での出場は、
W杯最終予選における最年少出場記録を更新しました。
この試合では3-4-2-1の右ウイングバックとして途中出場し、
豊富な運動量と積極的なプレーで存在感を見せています。
プレースタイルをざっくり一言でいうと?
「とにかく走れる、攻守に効く“現代型MF”」です。
- スタミナおばけ級の運動量
- 1試合で13km前後走ることもあると言われるほど、
走力とスタミナに優れています。
- 1試合で13km前後走ることもあると言われるほど、
- 攻撃センスも高い
- 岡山ではトップ下やシャドーの位置で4ゴール1アシストを記録し、
攻撃面でも結果を残してきました。
- 岡山ではトップ下やシャドーの位置で4ゴール1アシストを記録し、
- ポジション適応力
- トップ下、サイドハーフ、ウイングバックなど、
監督の指示に合わせて複数ポジションをこなせる柔軟さがあります。
- トップ下、サイドハーフ、ウイングバックなど、
代表で期待される役割
森保ジャパンの中では、
- 試合終盤に投入される“走れるMF”
- 守備も攻撃もやれる「つなぎ役」
- 将来の「ゲームメーカー候補」
といった役割が見込まれます。
特に、
「試合の終わりに運動量が落ちない選手」
は、どの監督にとってもありがたい存在。
ここから1~2年で、
- 途中出場で試合の流れを変える
- 若手の“心臓”のようなポジションをつかむ
そんな成長曲線を描けば、
W杯本大会メンバー入りも現実的な目標になってきます。
4人はなぜ今、選ばれたのか? 森保監督の狙いをかんたん整理
ここまででそれぞれの特徴は見えたと思います。
ではなぜ、このタイミングで4人にチャンスが回ってきたのか。
ポイントを3つにまとめます。
① W杯に向けた“最後のテスト”+ロス五輪世代の底上げ
- 北中米W杯まで残り半年ほどというタイミングで、
代表の層を最後に一段厚くしておきたい。 - 同時に、28年ロス五輪世代(現在18~21歳くらい)を
「早めにA代表の舞台に慣れさせる」狙いもあります。
後藤、北野、佐藤はまさにロス五輪世代のど真ん中。
ここで代表を経験しておくことは、
W杯と五輪の両方を見据えた投資と言えます。
② ポジションごとの将来不安を埋める
- センターフォワードの層を厚くしたい → 後藤啓介
- サイドアタッカーの新たなオプション → 北野颯太
- 長身で世界レベルを意識したGK → 小久保玲央ブライアン
- 攻守に走れる万能MF → 佐藤龍之介
日本代表が世界の強豪と戦うには、
「同じタイプの選手を何人も揃える」のではなく、
違う強みを持った選手をミックスしていく必要があります。
その意味で、この4人は
「今の代表に足りないピースを埋めてくれそうな存在」
として選ばれたと考えられます。
③ 欧州組としての経験値
4人のうち3人は、
- 後藤啓介:ベルギー1部(シント=トロイデン)
- 北野颯太:オーストリア1部(ザルツブルク)
- 小久保玲央ブライアン:ベルギー1部(シント=トロイデン)
すでにヨーロッパでプレーし、
・フィジカルの強さ
・試合の強度
・戦術の細かさ
といった“世界基準”を肌で感じている選手たちです。
森保監督としても、
「海外で鍛えられている若手を、早めにA代表の戦力として試したい」
という思いがあるはずです。
まとめ
最後に、この記事の内容をざっくりまとめます。
もしあなたが、
- 「次の日本代表の主力になりそうな若手を先取りしたい」
- 「W杯やロス五輪を、今のうちからもっと楽しみたい」
- 「代表戦を見るときに、“通”っぽく語りたい」
と思っているなら、
ガーナ戦・ボリビア戦では、ぜひこの4人の動きに注目してみてください。
ポイントを意識して見るだけで、
同じ日本代表戦でもまったく違った面白さが見えてきます。


