2025年秋スタートの新作『仮面ライダーゼッツ』で、一気に名前が知られるようになったスーツアクター・鍜治洸太朗(かじ こうたろう)さん。
ニュースでは「仮面ライダーの中の人」として報じられることもあり、
「そもそもこの人、どんな作品に出てきた人なの?」
と気になっている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ニンニンジャーの映画出演から、最新作『仮面ライダーゼッツ』までの主な出演作をまとめます。
特撮ファンの方はもちろん、「最近ゼッツで初めて名前を知った」という人にも読んでもらえる内容を目指しました。
鍜治洸太朗ってどんな人?プロフィールをざっくり紹介
まずは簡単にプロフィールから押さえておきましょう。
- 名前:鍜治 洸太朗(かじ こうたろう)
- 生年月日:1995年1月23日(30歳)
- 出身地:長崎県
- 身長:175cm / 体重:70kg
- 所属:ジャパンアクションエンタープライズ(JAE)45期生
- 特技・資格:水泳、スキューバーオープンウォーター、普通自動車免許
JAEは、仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズのアクションを長年支えてきた日本を代表するアクション集団です。
その中で鍜治さんは、若手~中堅クラスのスーツアクターとして、ここ10年ほどのライダー・戦隊作品に多数参加してきました。
SNS(X)のプロフィールでは、
「仮面ライダーゼッツを演じさせて頂きます」
と自ら書いており、『仮面ライダーゼッツ』で仮面ライダーゼッツのスーツアクターを務めることが分かります。
ここからは、そんな鍜治さんの出演作を「ニンニンジャーからゼッツまで」の流れで見ていきます。
デビュー初期~ニンニンジャー時代
「帰ってきた手裏剣戦隊ニンニンジャー」で映画デビュー
鍜治さんの映画での代表的な初期出演作としてよく挙げられるのが、2016年の
『帰ってきた手裏剣戦隊ニンニンジャー ニンニンガールズ VS ボーイズ FINAL WARS』
です。
JAEの公式プロフィールでも、このニンニンジャーのVシネマが映画出演作として載っており、アクションクルーとして参加しています。
この頃の鍜治さんは、
- 戦隊ヒーロー本人
- 追加戦士
- 敵怪人
- 戦闘員
などのスーツを、場面ごとに着替えながら演じていた時期と考えられます。
若手のスーツアクターは、とにかく「たくさん着る」「たくさん動く」ことで経験を積んでいきます。ニンニンジャーの現場で、全身を使ったアクションの基礎をたたき込まれていったのでしょう。
平成ライダー映画での活躍
『仮面ライダー1号』にも参加
同じく2016年には、映画
『仮面ライダー1号』
にもアクションクルーとして参加しています。
昭和ライダーの象徴ともいえる「本郷猛(仮面ライダー1号)」が主役の作品で、ここでも鍜治さんは変身ヒーローや敵キャラのスーツアクター、スタントとして裏側を支えました。
2018年『パンク侍、斬られて候』にも出演
意外なところでは、綾野剛さん主演の時代劇アクション映画
『パンク侍、斬られて候』
に「腹ふり衆」役として出演し、同時にアクションクルーも務めています。
こちらは特撮ではありませんが、激しい立ち回りやダイナミックな動きが求められる作品。
JAE所属のアクション俳優として、映画の世界でも着実にキャリアを広げていきました。
テレビシリーズでの積み重ね
平成仮面ライダーシリーズの“縁の下の力持ち”
テレビシリーズでは、2013年頃から仮面ライダーシリーズにほぼ途切れなく参加しています。JAE公式やテレビ情報サイトによると、主な参加作品は次の通りです。
ここまで並べてみると、
「ほとんど毎年、仮面ライダーに関わっている」
ことが分かります。
しかも、敵怪人、サブライダー、モブキャラ、スタントダブルなど、たくさんの役をこなしながら、作品ごとのアクションの色に合わせて演技を変えていく必要があります。
視聴者は「役者さんの顔」を見てドラマを楽しみますが、その裏で
- 走る
- 跳ぶ
- 落ちる
- 吹っ飛ばされる
といった体を張った動きを担当しているのがスーツアクターです。
鍜治さんは、まさにその「影のヒーロー」の一人として、平成~令和のライダーを支えてきました。
スーパー戦隊シリーズでもフル稼働
仮面ライダーだけでなく、スーパー戦隊シリーズにも多数参加しています。
さらに東京ドームシティ・シアターGロッソで行われる戦隊ショーでも、ルパパト、リュウソウジャー、キラメイジャー、ゼンカイジャー、ドンブラザーズ、キングオージャーなどのショーでメインキャラクターやレギュラーキャラクターを担当。
テレビとステージの両方で、子どもたちの目の前でヒーローとして戦い続けてきたことが分かります。
映画・Vシネでの代表作
「純烈ジャー」でヒーロー役・純バイオレットに
映画や配信作品では、名前付きのヒーロー役も多くなってきます。
中でも特に分かりやすいのが、ムード歌謡グループ「純烈」とコラボした特撮映画
- 『スーパー戦闘 純烈ジャー』(2021年)
- 『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』(2022年)
での「純バイオレット」役です。
この作品では、鍜治さんは純バイオレットとして変身後のスーツアクションを担当。
Vシネマの世界でも、彼の名前が少しずつ知られるようになってきました。
令和ライダー映画でも常連に
JAE公式の出演歴を見ると、令和以降の劇場版ライダーにも多数参加しています。
敵幹部やゲストキャラなど、物語のキーマンをスーツアクターとして演じる立場も増えてきているのが分かります。
ドラマ・舞台・WEB作品での顔出し出演も
スーツアクターとしての印象が強い鍜治さんですが、顔出しの出演もいくつかあります。
たとえば、テレビドラマでは
- NHKドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』でSIT隊員役(2016年)
- NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』61・62話で客役(2016年)
- NHK大河ドラマ『青天を衝け』アクションクルー(2021年)
などに参加。
舞台では
- 『Endless SHOCK』
- 『曇天に笑う』
- 『ROCK MUSICAL BLEACH~もう一つの地上~』
- 『里見八犬伝』
など、人気舞台でもアンサンブルやアクション要員として出演しています。
また、配信作品では
- 『Specサーガ完結編 SICK’S 恕乃妙』公安役
- 東映特撮ファンクラブ(TTFC)のスピンオフ作品群
- TELASAやYouTubeオリジナルの戦隊/ライダー番外編
などにも多数参加。
「顔が出る俳優」としても、「中の人」としても両方こなせるのが、鍜治洸太朗というアクション俳優の強みと言えます。
『仮面ライダーガヴ』でレギュラーに
ゼッツの一つ前の作品で存在感アップ
『仮面ライダーゼッツ』の一つ前、令和ライダー第6作にあたる
『仮面ライダーガヴ』
でも、鍜治さんはレギュラーキャラクターとしてクレジットされています。
さらに、東映特撮ファンクラブ(TTFC)で配信されている
- 『仮面ライダーガヴ』オーディオコメンタリー
では、仮面ライダーヴァレンのスーツアクターとしてゲスト出演し、撮影裏話を語っています。
ここで
- 作品の世界観
- スーツアクターとしての視点
- アクションへのこだわり
などをファンに向けて発信しており、「表に出る機会が増えた時期」と言えます。
その流れの先に、『仮面ライダーゼッツ』での抜擢があると考えると、キャリアの階段を一段一段上がってきたことがよく分かります。
最新作『仮面ライダーゼッツ』で主役ライダーのスーツアクターに
本人のXで「仮面ライダーゼッツを演じさせて頂きます」
2025年9月から放送が始まった
令和仮面ライダー第7作『仮面ライダーゼッツ』
この作品で鍜治洸太朗さんは、仮面ライダーゼッツのスーツアクターを務めています。
本人のX(旧Twitter)でも
「仮面ライダーゼッツを演じさせて頂きます。たくさんの方から愛される作品になるよう全身全霊で頑張ります」
とコメントしており、長年ライダーシリーズを支えてきたスーツアクターが、ついに主役ライダーを担当する立場になったことがファンの間でも話題になりました。
現場での負傷事故と、あらためて注目されたスーツアクターの過酷さ
2025年11月には、『仮面ライダーゼッツ』のアクションシーンのリハーサル中に、鍜治さんが高さ2メートルから落下して頭蓋骨骨折などのケガを負ったことがニュースになりました。
東映の発表によると、
- ワイヤーで吊られた状態から壁を蹴る
- その流れの中でバランスを崩して落下
という状況だったとのことです。
幸い、発表時点では「2週間程度の入院見込み」とされており、命に別条はないと報じられています。
このニュースをきっかけに、
- スーツアクターという仕事の危険さ
- 特撮アクションがどれだけギリギリのバランスの上に成り立っているか
に、あらためて注目が集まりました。
子どもたちがワクワクしながら見る「かっこいい変身」や「派手な爆発」の裏で、命がけで挑んでいる人たちがいる――
鍜治洸太朗さんは、その現実を体現している一人と言えるでしょう。
まとめ:ニンニンジャーからゼッツへ――10年以上積み上げた「影のヒーロー」のキャリア
最後に、ここまでの内容を簡単に整理します。
- ニンニンジャーのVシネマや映画『仮面ライダー1号』で映画デビューし、若手スーツアクターとして戦隊・ライダーの現場で経験を積む。
- 平成後期~令和にかけて、ほぼ毎年のように仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズにアクションクルーとして参加。テレビだけでなく映画やVシネ、配信作品にも多数出演。
- 『スーパー戦闘 純烈ジャー』シリーズでは純バイオレット役としてヒーローのスーツアクターを担当し、名前付きキャラクターの比重が大きくなる。
- 『仮面ライダーガヴ』ではレギュラーキャラクターとして参加し、TTFCのオーディオコメンタリーにも出演。表に出て語る機会が増えた時期となる。
- そして2025年、『仮面ライダーゼッツ』で主役ライダーのスーツアクターに抜擢。リハーサル中の事故での負傷も報じられたが、それだけギリギリを攻めるアクションに挑み続けている証でもある。
ニンニンジャーから始まり、戦隊とライダーを行ったり来たりしながら、徐々に役の重さを増やしていき、ついに仮面ライダーゼッツという一つの到達点にたどり着いた鍜治洸太朗さん。
華やかな主役俳優の影で、
- 何度も転がり
- 何度も飛び
- 何度も立ち上がってきた
その積み重ねこそが、今の彼のキャリアを作っています。
もしあなたがこれから『仮面ライダーゼッツ』や過去作のライダー・戦隊作品を見るなら、
「このかっこいいアクションの中に、鍜治洸太朗という一人のスーツアクターがいる」
という視点で見てみてください。
物語の見え方が、きっと少し変わってくるはずです。



