中村芝翫・三田寛子ファミリーといえば、
「歌舞伎界きっての“イケメン三兄弟”」としてもよく話題になりますよね。
この記事では、
- そもそも成駒屋・中村家ってどんな家なのか
- 父・八代目中村芝翫と母・三田寛子
- 長男・橋之助、次男・福之助、三男・歌之助それぞれの歩み
- 祖父・七代目中村芝翫(人間国宝)とのつながり
をじっくりまとめていきます。
成駒屋・中村家ってどんな家?
まず押さえておきたいのが、「成駒屋(なりこまや)」という屋号(やごう)です。
歌舞伎の世界では、苗字のように「屋号」があり、
舞台の掛け声「なりこまや!」はこの中村家の屋号です。
家系図をざっくり言うと…
- 祖父:七代目 中村芝翫(しかん)
→ 女形(おんながた)の大名優で、人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定されたレジェンド。 - 父:八代目 中村芝翫
→ 七代目の次男として生まれ、三代目中村橋之助を名乗ったのち、父の名跡「芝翫」を継いだ現在の当主。 - 母:三田寛子(みた ひろこ)
→ 元アイドルでタレント。1991年に三代目橋之助(現在の八代目芝翫)と結婚し、三人の息子を授かります。 - 三兄弟
- 長男:四代目 中村橋之助(1995年生まれ)
- 次男:三代目 中村福之助(1997年生まれ)
- 三男:四代目 中村歌之助(2001年生まれ)
おじいちゃんが人間国宝で、お父さんも大看板。
その背中を追いかけるように、三兄弟も幼い頃から歌舞伎の世界に入りました。
父・八代目 中村芝翫とはどんな人?
プロフィールと略歴
- 本名:中村 智行(なかむら ともゆき)
- 生年:1965年8月31日、東京都生まれ
- 父:七代目 中村芝翫(人間国宝)
1970年、国立劇場の舞台で中村幸二として初舞台。
その後、三代目 中村橋之助を襲名し、2016年の歌舞伎座公演で父の名跡を継ぎ、
八代目 中村芝翫となりました。
得意な役どころ
八代目芝翫は、父ゆずりの端正な顔立ちで、
武将、町人、恋愛もの…と、幅広い役柄をこなす立役(たちやく)のスターです。
近年は、義太夫狂言(ぎだゆうきょうげん)と呼ばれる
セリフや物語性の強い演目にも力を入れていて、
「伝統を守りつつ、新しい世代に歌舞伎の魅力をどう伝えるか」
という課題に真正面から向き合っている俳優と言えます。
父としての顔
三田寛子さんとの間に生まれた三兄弟は、
みんな歌舞伎役者としての道を選びました。
舞台では厳しい師匠、家では父親として支える――
芝翫親子4人で挨拶する歌舞伎座の写真を見ると、
「一家で歌舞伎を背負う」という覚悟のようなものが伝わってきます。
母・三田寛子|アイドルから“梨園の妻”へ
かつての人気アイドル
三田寛子さんは、1980年代に大人気だったアイドル・タレントです。
『笑っていいとも!』のコーナー「寛子のおかし大好き」などで、
天然キャラとしてお茶の間の人気者になりました。
歌舞伎の世界へお嫁入り
1991年、当時「三代目中村橋之助」だった芝翫と結婚。
その後は、
- 夫の仕事を支える
- 三兄弟を歌舞伎役者として育てる
- 家の行事・付き合いを切り盛りする
という、いわゆる“梨園(りえん)の妻”の役割を担いながら、
今も「主婦タレント」としてテレビや雑誌にも登場しています。
インスタで見せる“成駒屋の母”の顔
近年はInstagramで、家族の写真や日常の様子を発信。
夫・芝翫と三兄弟が並ぶ写真や、自主公演に挑む息子たちへのメッセージなど、
「舞台の裏にある家族の物語」が垣間見える投稿が話題になっています。
長男・四代目 中村橋之助|三兄弟のまとめ役
プロフィール
- 生年月日:1995年12月26日
- 本名:中村 国生(くにお)
- 屋号:成駒屋
- 事務所:太田プロダクション所属(俳優としての仕事も)
2000年、歌舞伎座の『京鹿子娘道成寺』などで
初代 中村国生を名乗り初舞台。
2016年には歌舞伎座『一谷嫩軍記』で
四代目 中村橋之助を襲名しました。
役者としての特徴
橋之助は、がっしりした体格を生かした立役が持ち味です。
勇ましい武士や、江戸っ子気質の若者など、
「男らしさ」と「明るさ」を兼ね備えた役に定評があります。
また、テレビドラマやバラエティにも出演するなど、
歌舞伎以外の場でも活躍の幅を広げています。
三兄弟の中でのポジション
インタビューなどを見ていると、
長男として「弟たちを引っ張っていく」という意識が強く、
成駒屋全体をどう盛り上げるかも、常に考えている様子が伝わってきます。
次男・三代目 中村福之助|“新星”と呼ばれる伸び盛り
プロフィール
- 生年月日:1997年11月13日
- 本名:中村 宗生(むねお)
- 屋号:成駒屋
2000年に初代 中村宗生として初舞台を踏み、
2016年に三代目 中村福之助を襲名しました。
評価されているポイント
歌舞伎俳優名鑑では、
「歌舞伎の未来を担う新星の1人」
と紹介されています。
父・芝翫と同じく立役として活躍していて、
- 『金閣寺』の松永大膳
- 『仮名手本忠臣蔵』の大星力弥
- 『熊谷陣屋』の堤軍次
など、骨太な役柄を着実にものにしつつあります。
三兄弟の中での役割
三兄弟での写真やコメントからは、
明るくムードメーカー的な存在でありつつ、
芝居の話になると一気に真剣な表情になるギャップが印象的です。
SNSでは家族のエピソードを投稿することも多く、
「舞台の外でもファンとの距離が近い」役者と言えるかもしれません。
三男・四代目 中村歌之助|末っ子でも油断ならない実力派
プロフィール
- 生年月日:2001年9月10日
- 本名:中村 宜生(よしお)
- 屋号:成駒屋
2004年、『菊薫縁羽衣』の宿星の童子で
初代 中村宜生を名乗り初舞台。
2016年、歌舞伎座で四代目 中村歌之助を襲名しました。
若さあふれる演技
歌舞伎俳優名鑑では、
2009年の舞台で国立劇場特別賞を受けるなど、
幼い頃からすでに才能を評価されてきたことが分かります。
若さゆえの勢いと柔らかさが持ち味で、
踊りの場面や、軽快な動きが求められる役で力を発揮しています。
末っ子ならではの存在感
三兄弟で並ぶとまだ“弟感”がありますが、
年々顔つきも大人になり、
「歌之助の成長ぶりがすごい」と話題になることも増えてきました。
三兄弟の共演と“成駒屋三兄弟”の現在
自主公演「神谷町小歌舞伎」など三人ならではの場
三兄弟は、歌舞伎座や地方公演で父と共演するだけでなく、
三人だけで自主公演を企画するなど、
「自分たちの世代の歌舞伎」を発信し始めています。
たとえば、成駒屋三兄弟による自主興行では、
- 企画・構成の一部にも自分たちが関わる
- 若い観客にも楽しんでもらえるよう工夫する
といった挑戦を行っています。
あるインタビューでは、
「自分たちも、お客さんも一緒に成長していける場にしたい」
という言葉も出ていて、
三兄弟の視線の先には、たんに「家を守る」だけでなく、
歌舞伎そのものの未来があるのだと感じさせられます。
メディアでの家族ショット
結婚披露宴に家族5人で出席した写真や、
三兄弟そろってのイケメンショットは、
ネットニュースでもしばしば取り上げられます。
「梨園の厳しさ」と「現代の家族らしい柔らかさ」が同居しているのが、
このファミリーの大きな魅力です。
祖父・七代目中村芝翫は“人間国宝”の大名優
タイトルにもあるように、
三兄弟の祖父にあたる七代目 中村芝翫は、
人間国宝として知られた大女形(おおおんながた)です。
人間国宝とは?
正式には「重要無形文化財保持者」といい、
日本の伝統芸能などで「この人の技は国の宝」と認められた人に与えられる称号です。
七代目は、
- 1968年:人間国宝に認定
- 文化功労者、紫綬褒章、日本芸術院会員 など、多くの栄誉を受ける
という、まさに「昭和・平成の歌舞伎を支えたレジェンド」でした。
孫たちへの影響
七代目が亡くなったのは2011年。
三兄弟はまだ子どもでしたが、
家の中にはいつも「おじいちゃんの存在」が語り継がれているはずです。
実際、八代目芝翫が2016年に「芝翫」の名跡を継いだのも、
七代目の遺言によるものだとされています。
つまり、
祖父(七代目) → 父(八代目) → 三兄弟
と、芝居のDNAがまっすぐつながっているわけですね。
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 成駒屋・中村家は、祖父が人間国宝の大名門
- 七代目中村芝翫は、女形として日本を代表する歌舞伎俳優で、人間国宝・文化功労者としても知られる存在でした。
- 父・八代目中村芝翫は、その名跡を継いだ“現在の柱”
- 三代目橋之助として人気を集めたのち、2016年に八代目芝翫を襲名。
- 立役として幅広い役をこなしながら、成駒屋一門を率いています。
- 母・三田寛子は、アイドルから“4人の歌舞伎役者の母”へ
- 1991年に芝翫と結婚し、三人の息子を歌舞伎役者に育て上げた梨園の妻。
- インスタでは、舞台の裏側にある温かな家族の姿を発信し続けています。
- 三兄弟は、それぞれ個性の違う“次世代スター”
- 長男・橋之助:頼れるまとめ役。立役としての存在感+テレビなどでも活躍。
- 次男・福之助:若手の“新星”。父と共演しながら着実に経験を積む、正統派立役。
- 三男・歌之助:伸び盛りの末っ子。踊りや軽快な役で、今後の成長が楽しみな存在。
- “家族で歌舞伎”という物語そのものが、すでに一つのドラマ
- 三兄弟そろい踏みの自主公演や、家族ショットがニュースになるたびに、
「歌舞伎ってちょっと気になるな」と思う人が増えているのではないでしょうか。
- 三兄弟そろい踏みの自主公演や、家族ショットがニュースになるたびに、
歌舞伎というと、少し敷居が高く感じるかもしれませんが、
「中村芝翫・三田寛子ファミリー」という視点で見てみると、
- おじいちゃんの代から受け継がれてきた“技”
- それを背負おうとする父と三兄弟の覚悟
- その舞台裏を支える母の存在
と、とても人間味のある“家族の物語”が見えてきます。
もしこのファミリーに興味を持ったら、
ぜひ三兄弟が出演している公演情報をチェックしてみてください。
「成駒屋!」という掛け声を送ると、
この記事で読んだ家族の姿が、きっと頭に浮かんでくるはずです。


