伯桜鵬は、鳥取県出身の若手力士で、本名は落合哲也(おちあい・てつや)。
「令和の怪物」と呼ばれるほど、ものすごいスピード出世をしている大注目の関取です。
まずはざっくりプロフィールから、その後「5万円(50万円)振り込みミス」のエピソードまで、まとめていきます。
伯桜鵬とは何者?基本プロフィール
本名・しこ名・年齢
- しこ名:伯桜鵬 哲也(はくおうほう・てつや)
- 本名:落合 哲也(おちあい・てつや)
- 生年月日:2003年8月22日(22歳)
- 所属部屋:伊勢ヶ濱部屋(入門時は宮城野部屋)
- 出身地:鳥取県倉吉市
体格は、
- 身長:約181cm
- 体重:およそ155〜160kg前後
得意技は
- 突き・押し
- 左四つ
- 寄り
と、正面からガツンと当たる、スピード感とパワーのある相撲が持ち味です。
番付と戦績のざっくりイメージ
- 初土俵:2023年1月場所(幕下付出でデビュー)
- 新十両:そのわずか1場所後の2023年3月場所
- 新入幕:2023年7月場所(所要3場所という“ほぼ最速級”の出世)
- 最高位:東前頭筆頭(2025年11月場所時点)
入門からのスピード出世と、幕内でもコンスタントに勝ち越しを重ねていることで、「令和の怪物」というニックネームがつきました。
出身・学歴・相撲を始めたきっかけ
鳥取の“相撲の街”で育つ
伯桜鵬は、鳥取県倉吉市の出身です。ここは第53代横綱・琴櫻の出身地でもあり、街の中には琴櫻の銅像など、相撲にゆかりのある場所がたくさんあります。
小学校は、琴櫻と同じ倉吉市立成徳小学校(現在は打吹小学校)。小学校の目の前には琴櫻像があり、「横綱がすぐ近くにいる」ような環境で育ったと言われています。
サッカー少年から相撲エリートへ
意外にも、子どものころはサッカー少年。
本格的に相撲を始めたのは小学校4年生の頃からです。
その後、
- 中学では、鳥取市立西中学校で相撲に打ち込み
- 高校は、相撲の名門 鳥取城北高校 へ進学
- 高2・高3と、インターハイで2年連続「高校横綱」を獲得
- 全日本選手権でもベスト8に入り、アマチュア横綱・実業団横綱のタイトルも手にする
という、まさに「相撲エリートコース」をまっしぐらに進みます。
「落合」から「伯桜鵬」へ:経歴としこ名の意味
アマチュアで結果を出し、幕下付出でプロ入り
高校卒業後はすぐに角界入り…と思いきや、肩のケガの治療のためにプロ入りをいったん見送ります。
その後、実業団で相撲を続けて実業団横綱になり、
「幕下15枚目格付出」の資格を獲得。これを持って、当時の宮城野部屋(師匠は元横綱・白鵬)に入門しました。
2023年初場所(1月場所)で、「落合」としてデビューすると、
- いきなり7戦全勝で幕下優勝
- 史上初、所要1場所で新十両昇進という歴史的なスピード出世
を達成します。
しこ名「伯桜鵬」の由来
「落合」から伯桜鵬に改名したのは、新入幕のタイミング。
しこ名の意味については諸説ありますが、よく言われるのは次の3つのイメージです。
- 伯…「伯耆(ほうき)」など、鳥取の古い国名や地名に使われる字で、地元・鳥取への敬意
- 桜…日本を代表する花であり、華やかさ・満開に咲く将来性
- 鵬…もちろん、師匠である元横綱・白鵬へのリスペクトを感じさせる字
「地元に根ざした桜のような華やかさを持ち、鵬(おおとり)のように大きく羽ばたく力士」という思いがこめられていると考えられます。
どこがすごい?「令和の怪物」と呼ばれる理由
① デビューからのスピード出世
まず何と言っても、デビューからのスピードが異常レベルです。
- 幕下付出でデビュー(2023年1月)
- すぐに7戦全勝で新十両
- たった3場所で新入幕
- 新入幕の場所では11勝4敗と大健闘し、敢闘賞・技能賞のダブル受賞
- 「109年ぶりの新入幕優勝なるか」と騒がれるレベルまで優勝争いに絡む
この「3場所で幕内到達」「新入幕でいきなり優勝争い」という流れは、過去の名力士たちと並ぶ、あるいは超えるほどのインパクトがあります。
② 見た目からは想像できないフットワーク
身長181cm・体重160kgクラスの体格でありながら、
サッカーで鍛えた下半身のおかげもあって、ステップが軽く反応が速いのも特徴です。
- ただ重いだけでなく、「踏み込みの速さ」「相手の動きを読む力」がある
- 攻めるときは一気に前に出る、攻撃的なスタイル
このギャップが、ファンの心をつかんでいます。
③ メンタルのタフさと“研究熱心さ”
インタビューでも、
- 「負けた相撲は勝った相撲の倍の数だけ見直す」
- 「幕内は全員が化け物」と、謙虚に語りながらも攻めの姿勢を崩さない
といったコメントが紹介されています。
勝って浮かれず、負けて腐らず、淡々と自分の相撲を研究し続ける――
こうした勉強熱心な一面も、「令和の怪物」と呼ばれる理由の一つと言えるでしょう。
「5万円振り込みミス」エピソードとは?
では本題、タイトルにもある「5万円(50万円)振り込みミス」の話です。
何が起きたのか?ざっくりストーリー
2025年7月ごろ、伯桜鵬はある支払いのために銀行から振り込みをしました。ところが…
- 振り込み先の口座番号を間違えてしまい、
- まったく知らない「○○○○ヨウコ」さんという人の口座にお金が送金されてしまう
という、冷や汗もののミスをやらかしてしまいます。
もともとの用件は約50万円の振り込みと報じられていて、日刊スポーツの記事の見出しや後追いの記事などでは「5万円ミス」「50万円ミス」と表記が揺れています。
いずれにしても、決して小さくない金額であることは間違いありません。
伯桜鵬の心境:「サギかと思ったっすよ」
その後、本来の振込先から
「まだ振り込まれていませんが…」
という連絡が来たことで、はじめてミスに気づきます。
そこで銀行に確認すると、全然知らない人の口座に振り込んでいたことが判明。
伯桜鵬は取材で、
- 「めっちゃ焦った」
- 「マジかよ!? と思った」
- 「サギかと思った(自分がやったのに)」
と、かなり動揺した様子を語っています。
ここだけ聞くと完全にコントですが、当人からしたら笑えない話ですよね。
「あげます」と言ったのに、相手の対応は…
その時期、伯桜鵬は夏巡業の真っ最中。すぐに銀行に行ったり、複雑な返金手続きをすることが難しい状況でした。
一度は、
「もう大変だし、そのお金はあげます」
とまで考えたそうです。
ところが相手の女性は、
- 「そんな大金、知らない人から振り込まれても怖い」
- 「ちゃんと返したい」
と、非常に誠実な対応をしてくれました。
最終的には、伯桜鵬のお母さんが中心となって銀行で返金手続きが行われ、お金は無事に戻ってきます。
伯桜鵬はこの一件を振り返り、
- 「世の中、捨てたもんじゃないですね」
- 「○○○○ヨウコさんの名前は一生忘れない」
- 「いつか『あのときありがとうございました。落合哲也は僕です』と直接お礼を言いたい」
と語っています。
このコメントからも、相手の善意に本気で感動した様子が伝わってきます。
5万円(50万円)ミスは、伯桜鵬の人柄をどう映し出した?
① ミスを“ネタ”にできる素直さ
普通なら、恥ずかしすぎて絶対に人に話したくないレベルのミスですよね。
しかし伯桜鵬は、取材でこの出来事を自分から話し、
- 「ギリギリのカツカツだった」
- 「金星を取ってたから払えた」
と、自分の懐事情まで含めて、笑い話として語っています。
ここに見えるのは、
- 自分の失敗を隠さない素直さ
- お金にシビアにならざるを得ない立場でも、どこかおおらかで人間味があるところ
です。
② 「世の中、捨てたもんじゃない」と感じられるエピソード
この話がここまで広がったのは、相手の女性の行動と、伯桜鵬の感謝の言葉が、多くの人の心に刺さったからでしょう。
- 見ず知らずの人から振り込まれたお金を、きちんと「返します」と申し出る
- それに対して、「一生忘れない」と感謝し、「いつか直接お礼を言いたい」と話す
ネット上では、
- 「こういうニュースを見るとホッとする」
- 「伯桜鵬も受け取った人も、どっちも良い人」
といった声が多く、ちょっとした“心があったかくなるニュース”になっています。
③ 誤振込トラブルと、今回のケースの違い
近年は、山口県阿武町の4630万円誤振込事件のように、誤送金をきっかけに刑事事件に発展したケースもあり、「振り込みミス=トラブルの元」というイメージが強くなっています。
その一方で、伯桜鵬の今回のケースは、
- 間違えた側:きちんと事実を認める
- 受け取った側:きちんと返金を申し出る
という、双方が誠実に対応した結果、「世の中捨てたもんじゃない」という感想で終わった、かなりレアな“ハッピーエンド型の誤振込”と言えます。
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
伯桜鵬とは?
- 本名は落合哲也、鳥取県倉吉市出身の22歳
- 幕下付出でデビューし、史上初の「1場所で新十両昇進」を達成
- わずか3場所で幕内に上がり、新入幕で優勝争い・三賞ダブル受賞
- そのスピード出世と実力から、「令和の怪物」と呼ばれている
人柄があらわれた「5万円(50万円)振り込みミス」
- 2025年夏ごろ、支払いのための振り込みで口座番号を間違え、見知らぬ女性に送金してしまう
- 夏巡業中で手続きも大変な中、相手女性は「きちんと返したい」と申し出てくれた
- 最終的に返金が無事完了し、伯桜鵬は
- 「世の中、捨てたもんじゃない」
- 「○○○○ヨウコさんの名前は一生忘れない」
- 「いつか直接『ありがとうございました』と言いたい」
と語っている
このエピソードは、
- お金のトラブルが多い時代において、
- 「ちゃんと返す人」と「ちゃんと感謝する人」が出会った、珍しい物語
として、多くの人に“ほっこり感”を与えました。
伯桜鵬は、土俵の上では相手をなぎ倒す怪物級の強さを持ちながら、
土俵の外では、うっかりミスに焦りつつも、素直に笑い話にできる等身大の22歳でもあります。
「強いのにどこか親しみやすい」
「失敗談まで応援したくなる」
そんなギャップが、彼が“令和を代表するスター力士”へと成長していく大きな理由になっていきそうです。


