まずは、ざっくりプロフィールから確認しておきましょう。
- 名前:中島 ひとみ(なかじま ひとみ)
- 生年月日:1995年7月13日
- 年齢:30歳前後(2025年時点)
- 出身地:兵庫県
- 身長・体重:公式では細かい数値は非公開だが、スラッとした体型のスプリント・ハードラー
- 種目:女子100mハードル、60mハードル、100m
- 所属:長谷川体育施設(実業団)
- 自己ベスト
- 100mハードル:12秒71(日本歴代上位、世界選手権参加標準もクリア)
- 60mハードル:8秒15
- 出身校:夙川学院高校(現・夙川高校)→ 園田学園女子大学
- 特徴:
- 「遅咲きの新星」と呼ばれる、30歳近くになって一気に日本トップに躍り出た選手
- 明るい性格と“モデル級”のビジュアルで、バラエティ番組や情報番組への出演も増加中
デビューまでの道のり|中学~高校時代
中学時代:全国トップレベルの“天才ハードラー”
中島ひとみ選手は、中学時代からすでにハードルの全国トップレベルで活躍していました。
全国中学校大会やユース年代の大会で優勝経験があり、早くから「将来の日本代表候補」と期待される存在でした。
当時から、
- スピードが速い
- リズム感が良く、ハードルの間隔をきれいに刻める
- レース中でも笑顔を見せるほど、走ることが好き
といった特徴があり、“楽しそうに走る選手”として印象に残っていた人も多いようです。
高校時代:夙川学院でユースタイトルを獲得
高校は、陸上の強豪として知られる夙川学院高校へ進学。
ここでも女子100mハードルで結果を残し、日本ユースや国体少年Aで優勝するなど、順調に階段を上っていきます。
今、ニュースなどで「元・“消えた天才ハードラー”」「高校時代は将来を嘱望された」と紹介されるのは、この高校時代の実績があるからです。
“一度消えた”理由|大学~20代前半のスランプ
園田学園女子大学へ進学
高校卒業後は、地元・兵庫の園田学園女子大学へ。ここでも陸上を続けます。
ただ、ここからの数年間は、本人いわく
「私は一度、消えているので……」
とインタビューで語るほど、長いトンネルの時期でした。
競技を離れるほどの不調とメンタル面の苦しさ
報道やインタビューによると、大学から社会人になってしばらくの間は、
- 思うように記録が伸びない
- ケガや体調、メンタル的な負担も重なり、レースの舞台から遠ざかる
- 「将来どうしよう」「もう自分は終わったのかな」と感じる時期もあった
といった“見えない苦しさ”の時間が続いていたと語っています。
日本代表クラスの選手というと、順風満帆に見えますが、
中島選手の場合、「中学・高校のスター」から「一度、表舞台から消えた人」になってしまった時期があるのが大きなポイントです。
再起のきっかけ|実業団チーム・長谷川体育施設へ
長谷川体育施設所属となり、本格的に再スタート
そんな中で出会ったのが、現在所属している長谷川体育施設です。
- 環境を変えたこと
- 指導者やチームメイトとの出会い
- 「もう一度、本気でやってみよう」という気持ち
これらが重なって、20代後半に入ってから再び本格的に競技へ戻ってきます。
「中学生の頃みたいに、もう一度日本一になりたい」
インタビューでは、
- 「中学生のころの“日本一になりたい”という気持ちを思い出した」
- 「東京世界陸上に出たいという、燃えるような気持ちで練習してきた」
と話しています。
ここから、中島ひとみ選手の“第2章”が一気に動き出します。
遅咲きの開花|2022~2024年のブレイク前夜
2022年:日本選手権で初の決勝進出
2022年の日本選手権で、女子100mハードル決勝に初進出し、4位に入ります。
この時点では、まだ“代表常連”というほどではありませんでしたが、
- 「あの中学生の頃の選手が戻ってきた」
- 「中島ひとみ、また名前を聞くようになった」
と、陸上ファンの間では再び注目され始めました。
2024年:自己ベスト更新&初の12秒台へ
2024年の全日本実業団対抗選手権では、女子100mハードルで12秒99をマークし、自身初の12秒台に突入。
ここから、
- 「日本人7人目の12秒台ランナー」
- 「もう一段上のステージへ行った選手」
として位置づけられるようになります。
長年のスランプを経験しながらも、ここまで一歩一歩積み上げてきた背景を知ると
この“12秒台突入”が、どれだけ大きな意味を持っていたかがわかります。
飛躍の2025年|12秒71&世界陸上代表へ
2025年春:織田記念で日本歴代5位の12秒93
2025年4月の織田記念(日本GPシリーズ)では、女子100mハードルで12秒93の好記録を出し優勝。
これは当時、日本歴代5位に入る記録でした。
ここで、
- 「高校時代以来の主要タイトル」
- 「世界大会を本気で狙えるレベル」
と大きく評価が変わります。
2025年5月:セイコー・ゴールデングランプリで日本歴代3位タイ
続くセイコー・ゴールデングランプリ(GGP)では、
12秒85をマークし、日本歴代3位レベルまで記録を更新。
このレースは、海外選手も出場するハイレベルな大会。
ここで、
- トップクラスの海外勢と互角に戦い
- 自己記録を大きく更新
- 世界ランキングでも世界選手権出場圏内に入る
という、大きなターニングポイントになりました。
2025年夏:フィンランドで12秒71、日本歴代上位&世界陸上標準突破
さらに、フィンランドで行われたWA Athletics Motonet GPでは、
12秒71をマークして自己ベストを更新。
- 世界陸上東京大会の参加標準記録(12秒73)を上回る
- 日本歴代2位タイ相当の記録(2025年時点)
となり、ついに世界選手権・東京2025の日本代表に内定します。
2025年9月:世界陸上・東京2025で準決勝進出
世界陸上東京大会では、女子100mハードル日本代表として出場し、
予選を突破して準決勝まで進出しました。
- 予選:12秒88でタイム順通過
- 準決勝:13秒02で7着、決勝進出はならず
それでも、
- 「30歳で初代表」
- 「一度競技から離れかけた選手が、世界の舞台に返り咲いた」
というストーリーは、多くの人の心を動かしました。
世界陸上後の活躍|バラエティ出演&“猗窩座ポーズ”で話題に
『鬼滅の刃』猗窩座ポーズがバズる
世界陸上のレース後、写真撮影で中島選手が見せた
アニメ『鬼滅の刃』の人気キャラ・猗窩座(あかざ)のポーズがSNSで話題になります。
その後も、
- 「そのポーズやってください!」と頼まれる
- 写真撮影のたびに猗窩座ポーズをする流れが定着
と、競技だけでなく“親しみやすいキャラ”としても人気に。
バラエティ番組や情報番組への出演
2025年秋以降は、
- 『ニノさん 2時間SP』
- 『上田と女が吠える夜』
などのバラエティ番組に出演し、トーク力や明るいキャラクターが話題に。
番組内では、
- 「アンチコメントへの向き合い方」
- 派手めなネイルやメイクへのこだわり
- 陸上選手とは思えない“モデル級の雰囲気”
などが取り上げられ、「バラエティ向きのアスリート」と評されることも。
人柄・エピソード|“私らしさ”を大事にするハードラー
「私は派手な方なので」ネイル・メイクへのこだわり
インタビュー記事では、自分のことを
「私はネイルもメイクも、派手な方なので」
と表現しています。
- カラフルなネイル
- しっかりめのメイク
- 髪色やファッションも、自分らしさを大事にしている
こうした“ビジュアル面のこだわり”も、
今の中島ひとみ選手の魅力のひとつです。
「楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ」
所属チームのプロフィールでは、好きな言葉として
「楽しいから笑うのではない、笑うから楽しいのだ」
を挙げています。
- しんどい練習の中でも笑顔を忘れない
- 自分から楽しさを作りにいく
- その姿勢が、スランプを乗り越える力になった
と言ってもいいでしょう。
年表で見る:中島ひとみの主な経歴・受賞・話題レース
※年代は公開情報に基づきつつ、一部は流れをわかりやすくするために整理したものです。
~2010年代前半:ジュニア時代
- 中学時代
- 女子100mハードルで全国大会優勝
- 「天才ハードラー」として注目される
- 2011~2012年頃(高校2年)
- 夙川学院高校で、日本ユース・国体少年Aなどで優勝
- 高校世代のトップハードラーとして活躍
2013~2018年頃:大学~社会人初期(スランプ期)
- 園田学園女子大学へ進学
- 競技は続けるが、ケガや体調、メンタル面も含めて苦しい時期が続く
- しばらく全国メディアで名前を見る機会が少なくなり、“消えた天才”のような状態に
2019~2021年頃:再スタートの準備期間
- 長谷川体育施設に所属
- 実業団で本格的に再出発
- スプリント力やハードル技術の土台を作り直す時期
2022年:日本選手権決勝4位
- 日本選手権女子100mハードルで初の決勝進出&4位
- “中島ひとみ”の名前が再び注目され始める
2024年:12秒99で初の12秒台
- 全日本実業団対抗選手権などで、12秒99をマーク
- 日本人7人目となる12秒台の100mハードラーに
2025年:ブレイクの年
- 4月:織田記念(広島)
- 12秒93で優勝(日本歴代5位)
- 高校時代以来の主要タイトル獲得
- 5月:セイコー・ゴールデングランプリ
- 12秒85をマークし、日本歴代3位相当
- 世界ランキングでも世界選手権出場圏内にランクイン
- 7~8月:フィンランド・Motonet GPなど
- 12秒71の自己ベストをマーク(日本歴代2位レベル)
- 世界陸上東京大会の参加標準記録(12秒73)を突破
- 7月:日本選手権 100mH
- 田中佑美選手に次ぐ2位
- 日本女子ハードル界の“二枚看板”として注目される
- 9月:世界陸上・東京2025
- 予選で12秒88、準決勝進出
- 準決勝は13秒02で7位、決勝は逃すも大舞台で存在感を示す
- 秋以降:メディア・バラエティ出演多数
- 『ニノさん』『上田と女が吠える夜』などに出演
- 「猗窩座ポーズ」や、派手めなメイク&ネイルが話題になる
まとめ
中島ひとみ選手の経歴をざっくりまとめると、
- 中学・高校時代:全国レベルの“天才ハードラー”
- 大学~20代前半:スランプで表舞台から遠ざかる
- 20代後半:実業団で再起し、12秒台ランナーへ
- 30歳目前の2025年:12秒71&世界陸上代表で一気にブレイク
- 現在:競技とメディアの両面で注目される“遅咲きのスター”
という、かなりドラマチックなストーリーになっています。
「一度、競技から離れかけた人が、30歳近くになって世界の舞台に戻ってくる」
というのは、多くの大人にとっても励みになるストーリーですよね。
- 昔うまくいかなかったことがあっても、やり直せる
- 年齢を重ねてからの挑戦でも、世界のトップに近づける
- 自分らしいスタイル(メイクやファッション)を貫きながら結果も出せる
中島ひとみ選手は、まさにそんなメッセージを体現しているアスリートです。
今後も、
- 日本記録の更新
- オリンピック出場
- さらなる世界大会での活躍
- そして、メディアを通じた発信
など、いろいろな場面で名前を見る機会が増えていきそうです。


