現役ドラフトの速報を見て、
「え、濱田太貴が阪神!?誰やねん…でも数字見るとちょっとワクワクするんだが?」
と思った阪神ファン、多いはずです。
2025年12月9日、第4回現役ドラフトが行われ、阪神はヤクルトの外野手・濱田太貴(25)を指名しました。
ヤクルトでは出場機会が増えたり減ったりをくり返してきた若き右のスラッガー。通算18本塁打を放っている「長距離砲候補」で、今季も34試合で4本塁打と、一発の魅力はしっかりアピールしています。
そして一部メディアでは、こんな見出しも出ました。
「ヤクルト7年目の長距離砲が現ドラで阪神へ!ネクスト細川になれるか?」
ここでいう「細川」は、中日ドラゴンズの主砲・細川成也のこと。現役ドラフトで移籍して、一気にブレイクした代表例です。
つまり今回の移籍は、
「阪神が“次の細川成也”候補を引き当てたかもしれない」
という、かなりロマンのあるニュースなんです。
この記事では、
- 濱田太貴ってそもそもどんな選手?
- なぜ「ネクスト細川」と期待されているのか?
- 阪神でどう起用されそうか?
を解説していきます。
濱田太貴ってどんな選手?プロフィールとこれまで
まずは基本情報から整理しておきましょう。
- 名前:濱田 太貴(はまだ たいき)
- 生年月日:2000年9月4日(25歳)
- 出身地:福岡県
- 身長/体重:177cm/81kg
- ポジション:外野手
- 投打:右投げ右打ち
- 経歴:明豊高(大分・甲子園常連) → ヤクルト(2018年ドラフト4位)
ヤクルト時代の背番号は「51」。思い切りの良いフルスイングが持ち味で、「ハマちゃん」というニックネームでも親しまれてきました。
一軍成績のざっくりイメージ
数字を全部並べると難しくなるので、「どんな選手像か」がわかるところだけざっくりまとめます。
- プロ通算:255試合
- 通算本塁打:18本
- 主なシーズン
- 2022年:6本塁打(当時キャリアハイ)
- 2023年:103試合出場、打率.234、5本塁打、22打点(初めて「ほぼ1年一軍」にいたシーズン)
- 2024年:打率.077と大きくつまずき、一軍は10試合のみ
- 2025年:34試合で21安打・4本塁打、打率.221と復調の気配
派手な打率というより、「当たれば飛ぶタイプ」の右の大砲候補、というイメージですね。
なぜヤクルトでは伸び悩んだのか?
ヤクルトの外野陣といえば、
- 青木宣親
- 塩見泰隆
- サンタナ
- 山崎晃大朗
- 丸山和郁 など
レギュラークラスや、守備・走塁に優れた選手がずらっと並んでいます。
若手の濱田にとって、ここに割って入るのはかなり高いハードルでした。実際、
- 2023年は出場試合数こそ多かったものの、打率は.234
- 2024年は打率.077と大きく苦しみ、多くを二軍で過ごすシーズンに
「長打は魅力だけど、コンスタントに使うにはちょっと物足りない」
フロントや首脳陣からは、そう見られていた可能性があります。
とはいえ、2025年シーズン後半に一軍に上がると、短い出場の中で4本塁打。シーズン最終戦でも先制ソロを放ち、「あ、やっぱりパンチ力あるな」と思わせる締め方をしました。
そんなタイミングでの現役ドラフト→阪神移籍。
「環境を変えれば一気に覚醒するのでは?」という期待が生まれるのも当然です。
そもそも現役ドラフトって何?カンタンにおさらい
ここで一度、現役ドラフトをシンプルに整理しておきます。
- 各球団が「今の一軍だと出番が少ないけど、力はあるよ」という選手をリストアップ
- その中から、他球団が指名して獲得できる制度
- 目的は「埋もれている選手に新しいチャンスをあげること」
わかりやすく言うと、
「うちではあまり出番がないけど、そっちならレギュラー候補やで?」
という「お見合いシステム」です。
現役ドラフト成功例の代表が“細川成也”と“大竹耕太郎”
この制度が「成功している」と言われる一番の理由が、まさに細川成也の存在です。
- DeNAから中日に現役ドラフトで移籍
- 2023年は打率.253、24本塁打、78打点と、いきなり主軸に定着
「DeNA時代はなかなか殻を破れなかった選手が、中日で一気に開花した」
これが、細川=“現役ドラフト成功の象徴”と言われる理由です。
さらに、阪神ファンにはおなじみの大竹耕太郎も、現役ドラフト出身の大成功例。
- ソフトバンクから阪神へ現役ドラフトで移籍
- 2023年は防御率2.26、12勝2敗とエース級の活躍
この2人の存在があるからこそ、今回の濱田太貴に「ネクスト細川」「現ドラ成功の再来」という期待が乗っているわけです。
「ネクスト細川」と期待される3つの理由
では、なぜ濱田が「ネクスト細川」と言われるのか。ポイントを3つに分けて見ていきます。
理由① 現役ドラフト発の「右の長距離砲」という共通点
まず一番わかりやすいのが、
- 現役ドラフトで移籍
- 右打ちの長距離砲タイプ
という肩書きが細川とそっくりなこと。
実際、アマチュア時代から「飛距離は一級品」と評されてきたのが濱田です。
- 高卒2年目でプロ初ホームラン
- 一軍での出場が増えた2022年・2023年もしっかり本塁打を記録
- 2025年も、わずか34試合で4本塁打と、試合数のわりにホームラン数は悪くない
まだフルシーズン出たことがほとんどないだけで、
「1年通して使ったら、2桁ホームランは普通に狙えるのでは?」
というポテンシャルは十分です。
「現役ドラフトでくすぶっていたスラッガーが、移籍先で覚醒」
このストーリーが、細川のケースと重なるわけですね。
理由② 阪神が一番ほしかった“右の一発要員”
阪神の打線はここ数年、
- 近本光司
- 中野拓夢
- 木浪聖也
- 佐藤輝明
など、左打者に主力が多い構成になりがちです。
もちろんこれは悪いことではないのですが、「相手が左腕先発のときに出したい右の大砲」が足りない、という声は前からありました。
そこで、
- 守れるポジションが外野
- 右の長距離砲
- まだ25歳で伸びしろ十分
という濱田は、条件的にピッタリです。
しかも今回の現役ドラフトでは、
- 阪神からは、同じく右の大砲候補だった井上広大がロッテへ移籍
- 代わりに、ヤクルトから濱田を獲得
と、「右の大砲の入れ替え」ともいえる形になりました。
ネット上でも、
「井上を出して濱田…これは当たればデカいぞ」
「現ドラ細川の再現を狙ってる感じする」
といった声が上がっています。
理由③ すでに“横浜キラー”の片鱗あり?相性の良さに期待
日刊スポーツの現役ドラフト関連記事では、阪神ファンから
「ハマる予感しかない」
「横浜キラーやん」
といった反応が紹介されています。
DeNA戦での相性の良さや、ハマスタ・横浜との対戦で結果を出しているイメージが、ファンの間にすでにあるようです。
阪神としては、
- 甲子園での試合
- 横浜スタジアムなどビジターでの試合
で「ここ一発打ってくれる右のヤクルト出身打者」という、相手にとっては非常にイヤな存在になりそうです。
細川成也も、中日に来てから「神宮キラー」「阪神キラー」的な試合を何度も見せています。
濱田も阪神にフィットすれば、
「また現役ドラフトからとんでもない打者を引き当てたな…」
と他球団ファンに言われる日が来るかもしれません。
阪神での起用法を妄想してみる
では、実際に阪神ではどんな使われ方になりそうでしょうか。
もちろん最終的には首脳陣の判断ですが、タイプ的に考えられるのはこんなパターンです。
シナリオ1:右の代打&交流戦DH要員
一番現実的なのはここです。
- 七回・八回あたりの勝負どころでの代打
- 交流戦・ビジターでDHがある試合のスタメン候補
「一発で試合をひっくり返す役」としてベンチに置いておくと、相手投手からするとかなり嫌な存在になります。
シナリオ2:対左投手用スタメン外野手
相手先発が左ピッチャーのとき、
- 左打者の外野手を1人ベンチに下げて
- 濱田をスタメン右翼や左翼に起用
という形も十分ありえます。
右打ちのスラッガーは、左投手と相性が良くなるケースが多いです。阪神が「対左投手オーダー」を組むときのキーマンになれるかもしれません。
シナリオ3:打撃がハマれば、“右の主砲”候補へ
一番夢があるのはこのパターン。
- 代打で結果を出す
- 対左投手スタメンで結果を出す
- そのうち「右も左も関係なくスタメンでええやん」となってくる
実は細川成也も、いきなり「開幕からフル出場確定」だったわけではなく、
少しずつ結果を積み重ねて信頼を勝ち取っていきました。
濱田も同じように、
「代打で一発」→「スタメンで結果」→「気づいたらクリーンナップ」
という階段を登っていけるかどうかがポイントになりそうです。
本人コメントににじむ“覚悟”
ヤクルトの公式発表では、濱田は移籍にあたって
「新天地で活躍することが皆さまへの恩返しになると思いますので、心機一転頑張ります」
とコメントを出しています。
ここには、
- ヤクルトで7年間育ててもらった感謝
- それでも結果を出しきれなかった悔しさ
- 阪神で絶対にモノになってやる、という覚悟
がぎゅっと詰まっています。
現役ドラフトは、言い方を変えると
「今のチームでは戦力として計算しにくくなった選手」
が対象になる制度でもあります。
選手本人にとってはショックもあるはずですが、細川成也や大竹耕太郎のように、
「ここで変わらなかったら終わりだ」という覚悟を持って飛び込んだ選手だけが、大きく羽ばたいていきました。
濱田もまさに、そのステージに立ったと言えるでしょう。
まとめ
ここまでをざっくりまとめると──
阪神ファンとしては、
「また現役ドラフトからええ選手拾ってきたなぁ…」
となるのか、
「いや、やっぱり細川クラスはそう簡単に出てこんか…」
となるのか。
ここから先の物語は、濱田本人のバット次第です。
最後に
現役ドラフトの一覧を見て、
- 井上広大がロッテに行くのを見て「うわぁぁぁぁ井上がぁぁぁぁ」と叫び、
- 濱田太貴が阪神に来るのを見て「ネクスト細川きたぁ!」と手のひらクルーし、
- 開幕してしばらくすると、「なんであのとき不安になってたんやろ」と言いながら、しれっと濱田のユニフォームを着て甲子園に行く──
そんな虎党の“現役ドラフトムーブ”こそが、
実は一番の 「ネクスト細川」並みの成長曲線 なのかもしれません。
……結局、一番早く覚醒するのは、
ファンの手のひらと通販サイトの購入ボタン だった。

