「ロードヒーティングの電源を切り忘れて、電気代が約360万円余分にかかった」
…こんなニュースが、秋田県横手市で起きました。
X(旧Twitter)でも秋田魁新報の記事が拡散されていて、かなり話題になっています。
- どこで起きたの?
- いつまで付けっぱなしだったの?
- 誰のミスなの?
- 税金はどうなるの?
この記事では、ニュースの内容を整理しながら、
「私たちの生活にどう関係するのか」まで一緒に考えてみます。
横手市ってどんなところ?
まず、「横手市ってどこ?」というところから、軽く見ておきましょう。
- 場所:秋田県の南部
- 特徴:とにかく雪が多い豪雪地帯
- 有名なもの:かまくら、B級グルメの横手やきそば など
冬になると、横手市役所の前にも、人の背より高い「雪の壁」ができるほど雪が積もります。
また、冬の名物イベント「横手の雪まつり・かまくら」では、
雪で作ったかまくらの中に灯りがともり、夜の街がとても幻想的な雰囲気になります。
このように、横手市は「雪とともに暮らす町」。
だからこそ、雪対策の設備もたくさんあります。
- 屋根の雪下ろし
- 消雪パイプ(道路の下から水を出して雪をとかす設備)
- ロードヒーティング(道路や歩道を温めて雪をとかす設備)
今回問題になったのは、このうちのロードヒーティングです。
今回のニュース、何が起きたの?
報道内容を、難しい言い回しを抜いてざっくり整理すると、こんな感じです。
- 秋田県横手市が、道路の雪をとかす市のロードヒーティーティング施設の
電源を今春以降も切り忘れていた。 - その結果、約360万円の電気代が余分にかかった。
- 市が「電源を切り忘れていました」と発表した。
ポイントだけ見ると、
「雪がない季節になってもロードヒーティングがつきっぱなしだった」
ということですね。
ロードヒーティングは、
道路の下に電熱線やお湯を通す配管があり、そこで路面を温める仕組みです。
当然、スイッチが入っている間は、ずっと電気を使い続けます。
雪が積もっている冬なら必要ですが、
春~夏~秋と、雪がない時期にまで動かしてしまうと、
ただひたすら電気代だけがかかることになります。
「どこ」で起きたの?全部の道路なの?
ここが気になる人も多いと思います。
ニュースの報道によると、
- 問題があった現場は、横手市内の「山内(さんない)地区」にある
市のロードヒーティング施設とのことです。
つまり、
市内の「すべての道路」がつきっぱなしだったわけではなく、
特定のエリアにあるロードヒーティングが対象だった
と考えるのが自然です。
横手市は広くて、全部の道路にロードヒーティングがあるわけではありません。
雪が多くて危険になりやすい道や、生活道路として重要な区間を中心に、
一部の場所にだけ設置されています。
なので、
- 横手市全体の道路が「ずっとポカポカだった」という話ではない
- ただし、限られた範囲とはいえ、税金で動かしている設備なのでインパクトは大きい
というイメージでとらえておくと良いと思います。
「誰のミス?」個人より「仕組み」の問題
タイトルにもある「誰のミス?」という点ですが、
今のところ、公開されている情報だけでは
- 「◯◯さんという職員が電源を切り忘れた」
といった個人名レベルの情報は出ていません。
自治体の不祥事では、
・「担当課の確認不足」
・「部署としてのチェック体制の問題」
として発表されることが多く、
個人名まで報じられるケースは、よほど重大な場合に限られます。
今回の件も、おそらく
- 電源をオフにするタイミングのルールがあいまいだった
- 「誰が最終チェックするのか」がはっきり決まっていなかった
- 「電気代がおかしい」と気づく仕組みが弱かった
といった、組織としての「仕組みのミス」だった可能性が高いと考えられます。
私たちの仕事でも、
- 引き継ぎがうまくいってない
- 「誰がやるか」が曖昧
- 忙しくてチェックがスルーされる
こういうときに、ミスって起きやすいですよね。
今回の件も、
「一人の職員のポカミス」というより、
“誰も責任を持って見ていなかった”状態が続いた結果
と言えるかもしれません。
なぜそんなことになった?考えられる原因
報道だけでは設備の詳細まではわかりませんが、
一般的にロードヒーティングの運用で起こりがちな問題を
「こういうパターンがありそうだよね」というレベルで整理してみます。
手動スイッチ・手動運用に頼りすぎ
もし設備が
- 「人がスイッチを入れる/切る」
- 「タイマーや温度センサーがない」
といったシンプルな仕組みだった場合、
- つけるのを忘れる
- 消すのを忘れる
という人間らしいミスが、そのまま電気代に直結します。
最近は、
「一定気温以上になったら自動で止まる」
「シーズンオフになったら自動で停止する」
といったシステムもありますが、
古い設備だと、そこまで気が利いていない場合もあります。
運転期間のルールがあいまい
- 「毎年○月○日までに必ず停止」
- 「停止したらチェックリストに記録する」
といった運用ルールがきちんと紙やマニュアルに書かれていないと、
- 「今年は誰が担当だっけ?」
- 「たぶんあっちの部署が止めてるだろう」
という“なんとなく運転”になりがちです。
この「なんとなく」は、
ミスの温床になりやすいですね。
電気代のモニタリングが弱い
本来なら、
- 毎月の電気料金を見て、
- 「今年はおかしくないか?」と誰かがチェックする
という仕組みがあれば、
数か月もつきっぱなしになる前に気づけたかもしれません。
- 去年:100万円
- 今年:400万円
みたいな差が出ていれば、
どこかで「ちょっと待て」とブレーキがかかるはずです。
つまり、
「止め忘れたこと」と
「止め忘れに長期間気づかなかったこと」
この2つが合わさって、360万円まで膨らんでしまった
と考えられます。
「360万円」ってどれくらいのインパクト?
数字だけ見るとピンと来ないので、
生活レベルの感覚に置き換えてみます。
一般家庭の電気代にたとえると…
仮に、一般家庭の電気代を
- 1か月あたり 1万5,000円
とします。
360万円 ÷ 1万5,000円 = 240か月分
240か月 ÷ 12か月 = 20年分
つまり、
一般家庭の約20年分の電気代を、
雪のない季節のロードヒーティングに使ってしまった
というイメージです。
こう考えると、かなり大きな金額ですよね…。
市の予算から見ると?
もちろん、自治体の年間予算は数百億円~それ以上あります。
その中の360万円なので、
- 市が破綻するとか
- 住民税がいきなり大幅アップ
といったレベルではありません。
ですが、
- ぜんぶ「税金」から出ているお金
- 他の事業に回せたはずのお金
であることを考えると、やはり「もったいない支出」なのは間違いありません。
市はどう対応する?税金はどうなる?
こうした「税金のムダ遣い」が発覚したとき、
自治体がよく取る対応は大きく3つです。
- 住民への説明と謝罪
- 記者会見やプレスリリースで経緯を説明
- 市長や担当部長が謝罪
- 原因の検証と再発防止策
- マニュアル作成・見直し
- 「誰が」「いつ」「どうやって」止めるのかを明文化
- 電気代のモニタリングを強化
- 職員の処分(必要に応じて)
- 戒告や減給などの懲戒処分
- ただし、悪質性や損害額、故意かどうかなどで判断される
今回も、おそらく
- 何らかの形で「再発防止策」が示される
- 場合によっては関係部署の職員が処分される
という流れになる可能性があります。
ただし、現時点で「誰がどの程度の処分を受けるのか」といった具体的な情報は、公表されていません。
ここは今後の続報待ち、という状態です。
「ロードヒーティング問題」から、私たちが学べること
「地方自治体、しっかりしてよ!」
…そう思う一方で、
よく考えると、私たちの身の回りにも似たような“切り忘れ”ってありませんか?
家庭レベルの「つけっぱなし」問題
- エアコンをつけっぱなしで外出
- 床暖房を切り忘れて一晩中オン
- 使っていない部屋の照明がいつもついている
- 使わないゲーム機やルーターがずっと待機状態
1回あたりの金額は小さくても、
積み重なると、かなりの無駄になります。
サブスクやサービスの「解約し忘れ」
- ほとんど使っていない動画配信サービス
- 放置している有料アプリ
- 以前の仕事のために契約したクラウドサービス
これらも、
「たしかにあのときは必要だったけど、
今はほとんど使っていないのに…」
というケースが多いですよね。
ロードヒーティングの電源と同じで、
- 一度「オン」にすると、そのままになりがち
- 面倒で「後でやろう」と思って、そのまま忘れる
これは、自治体でも個人でも、同じ「人間あるある」です。
今日からできる「切り忘れ対策」
せっかくなので、今回のニュースをきっかけに、
自分の生活も少しだけ見直してみませんか?
- 毎月1日は「サブスク見直しデー」にする
- シーズンが終わった家電(こたつ・扇風機など)は、
コンセントから抜く or ブレーカーを落とす - スマホのリマインダーで「暖房オフ」「給湯器オフ」をセット
「人間は忘れる生き物」なので、
覚えておく前提ではなく、
「忘れても被害が出にくい仕組み」
を作っておくのが、いちばん現実的です。
まとめ
最後に、この記事のポイントをもう一度。
- 秋田県横手市で、市のロードヒーティングの電源切り忘れが発生
- 場所は、市内の山内地区の道路にある施設と報じられている
- 雪のない季節にも電源が入ったままで、
約360万円の電気代が余分にかかった - 「誰のミスか?」について、
個人名は公表されておらず、
組織としてのチェック体制の甘さが背景にあると考えられる - 自治体だけでなく、私たち自身も
「電気・サブスクなどのつけっぱなし/払いっぱなし」を
見直すきっかけにできる
最後に
このニュースを知って、
「なんてひどいミスなんだ…!」と眉をひそめつつ、
念のため自分の家計簿アプリを開いてみたら——
3年前にお試しで入ったままの
使っていないサブスクが、
毎月1,500円ずつ引き落とされていた…。
気づけば36か月=合計5万4,000円。
「え、横手市のこと笑えないじゃん…。」
…そんな、自分の“ロードヒーティング(=つけっぱなし)”に
静かにショックを受けたところで、
この記事はそっと電源をオフにしたいと思います。
あなたの家の“切り忘れ”も、この機会に一度チェックしてみてくださいね。
