「悪いことは言いません、なるべくお早めの購入をオススメします!!本当に!!」
2025年12月10日、マウスコンピューター公式X(旧Twitter)がこんなポストをして、PC好き界隈がざわつきました。
しかも同じタイミングで、メモリ価格の急騰や、海外メーカーによる「PC値上げ予告」のニュースも次々と出てきています。
「え、そんなにヤバいの?」「今パソコン買ったほうがいいの? それとも様子見?」
この記事では、なるべく専門用語をかみくだきながら、
- なぜメモリが高騰しているのか
- それでパソコンはいくらくらい値上がりしそうなのか
- 今、損しないパソコンの買い方・選び方
を、順番にわかりやすく整理していきます。
最後にちょっとしたオチも用意しているので、気楽に読み進めてください。
そもそも「メモリ高騰」って何が起きてるの?
まず押さえておきたいのが、「メモリ価格がとんでもない勢いで上がっている」という事実です。
● メモリ=パソコンの「作業机」
ここでいう「メモリ」は、PCの中に入っている「RAM(ラム)」のこと。
よく「16GB」「32GB」と書かれている、あの部分です。
イメージとしては、作業机の広さだと思ってください。
- 机がせまい(メモリが少ない) → すぐにグチャグチャ&動作モタモタ
- 机が広い(メモリが多い) → いろんなアプリを同時に開いても余裕
最近はブラウザもアプリも重くなっていて、「16GBでもギリギリ」「32GBあると安心」と言われることが増えています。
● 2025年秋から、メモリ価格が2〜3倍になった例も
自作PCショップのブログなどによると、2025年9月末ごろから、特にDDR5メモリの価格が急に跳ね上がり、わずか数カ月で2〜3倍になったケースもあると言われています。
これ、ざっくりいうと、
- 9月:16GB×2枚(合計32GB)が○○円 →
- 11〜12月:同じ製品が2倍、3倍の値段に…
という世界です。笑えませんが、実際に起きています。
● なぜそんなに高騰? 一番の犯人は「AIブーム」
原因はいくつかありますが、いちばん大きいのは AI向けのメモリ需要 です。
- ChatGPTのような生成AI
- 画像生成、動画生成AI
- それらを動かす巨大なデータセンター
こうしたAIを動かすには、とてつもない量のメモリが必要です。
世界のメモリメーカーは、今いちばん儲かるAI向けの高級メモリ(HBMなど)に力を入れていて、普通のPC向けメモリは「後回し」にされ気味。
さらに、数年前の「メモリ安すぎ問題」で赤字になった反省から、各社は生産量をあえて増やしすぎないようにしているとも言われています。
その結果、
需要(ほしい人)>供給(作ってる量)
となり、メモリの価格はうなぎ登り、という状況です。
メモリ高騰で、パソコンはいくら値上げされるの?
次に気になるのがここですよね。
「結局、パソコン本体の値段ってどれくらい上がるの?」
● 海外メーカーは「15〜20%値上げ」の可能性
海外の調査会社の情報によると、
- Dell:早ければ2025年12月中旬から、PC価格を15〜20%値上げする可能性
- Lenovo:2026年1月1日から価格見直しを予告
- HP:2026年後半に、状況次第ではさらなる値上げもあり得る、という発言
などが報じられています。
もちろん、これは海外メーカーの話ですが、メモリの仕入れ価格が世界的に上がっている以上、日本のメーカーだけが無傷でいられるわけではありません。
● マウスコンピューターがXで「早めの購入」を呼びかけ
そこで登場するのが、今回話題になったマウスコンピューターのポストです。
「現在パソコン購入をご検討中の方へ」
「悪いことは言いません、なるべくお早めの購入をオススメします!!本当に!!」
とかなり強めの言い方で“今のうちに決断を”と呼びかけていて、
その後アクセスが集中したのか、マウスの公式サイトがつながりにくくなったという報道もありました。
さらに同社は「冬のボーナスセール」で、ゲーミングPCやクリエイター向けPCを最大数万円単位で値引きするキャンペーンも展開しています。
「今のうちに在庫をさばきつつ、
これからの仕入れは高くなるかもしれない」
そんな空気が、行間からひしひしと伝わってきます。
「今すぐ買うべき?」タイプ別に考える
とはいえ、
「メーカーが急かしてるから、とりあえず今のうちに一台ポチるか!」
と考えるのは、ちょっと危険です。
大事なのは、「あなたの状況」と「パソコンの用途」です。
ここでは、タイプ別に考えてみましょう。
A. 1〜2ヶ月以内にどうせ買うつもりだった人
- すでに買う機種をある程度しぼっていた
- 仕事や学校で「来月までにPC必須」と決まっている
- 今使っているPCが、もう本当に限界(起動に10分・よく落ちるなど)
こういう人は、「値上げ前ボーナスセール」の今が動きどきです。
- メモリ価格はこの先も上がる予測が多い
- PC本体も、15〜20%値上げの可能性がある
- セールやクーポンがあるうちに買えれば、その分ダメージ軽減
「数ヶ月以内に必ず買うなら、先に買ったほうがトータル得」という状態になりつつあります。
B. 「そのうち欲しいけど、まだ決めてない」人
- 何となく買い替えたい
- でも今のPCもまだ動く
- 予算もスペックもハッキリしてない
このタイプの人は、慌てて買う必要はありません。
やるべきことは、
- まず「何に使うか」を整理する
- ネット・動画・Officeメイン
- 写真・動画編集
- ゲーム(どのタイトルをどの画質で?)
- その用途に必要なスペックをざっくりメモ
- いくつかのメーカーで、似たスペックの価格を比較
「何となく不安だから今買う」だと、
- オーバースペックでお金をムダにしたり
- 逆にケチりすぎてすぐ買い替えになったり
と、別の意味で損をしてしまう可能性があります。
C. 今のPCで特に困っていない人
- ブラウザとメール、動画を見るくらい
- 仕事の資料作成もサクサク動いている
- 特に「重い」と感じる場面がない
この場合、正直に言うと 「様子見でOK」 です。
ここからさらに数年使えるなら、
- その間に新しいCPUや省電力モデルが出る
- メモリ価格も、数年単位ではまた下がる可能性がある
など、今あわてて買わなくてもいい未来もあり得ます。
「今めちゃくちゃ困っている人」から順番に、
現行在庫やセールを狙っていくイメージで大丈夫です。
損しないパソコンの選び方:6つのポイント
ここからは、実際に買うと決めた人向けに、
「メモリ高騰時代の損しない選び方」を、なるべくシンプルにまとめます。
① 予算より先に「やりたいこと」から決める
ありがちな失敗が、
「予算10万円だから、この中からテキトーに…」
と値段基準で選んでしまうパターンです。
先に決めるべきは、
といった「用途ベースのスペック」です。
これを決めたうえで、「そのスペックを満たす最安ライン」を探すほうが、結果的にコスパがよくなります。
② メモリは「必要最低ライン+ちょい上」を狙う
今のメモリ相場をふまえると、
- ほとんどの人にとって、16GBはもう“ギリギリライン”
- 仕事でいろいろアプリを開く人や、ちょっと重い作業をする人は32GBが現実的な選択肢
「64GBや128GBじゃないとダメ!」という人はかなりのヘビーユーザーなので、
そういう人は逆に、メモリ高騰とか関係なくガチ構成を組むはずです。
一般ユーザーなら、
- 16GB → 最低限
- 32GB → ちょっと余裕あり(おすすめ)
このあたりを目安に、「必要最低ライン+ちょい上」くらいを狙うと、
長く使えて、買い替えサイクルも伸ばせます。
③ 「あとから増設」は今だと割高になりやすい
以前なら、
「とりあえず8GBで買って、足りなくなったら自分でメモリを足す」
という節約術もよくありました。
でも今回のようにメモリ単体が2〜3倍に高騰している状況だと、
- 本体+メモリ増設の合計 → 結局高くつく
- それなら最初から16GB or 32GB搭載モデルを選ぶほうがマシ
というケースが増えます。
特にBTOメーカー(マウスなど)のキャンペーンでは、
- セール中だけ、メモリ増量が「実質かなり安い」
- 他パーツとのセット価格で、単体購入より得
となっていることも多いので、
「最初から必要な容量を積んでしまう」
という発想のほうが、今の相場では損しにくいです。
④ ストレージ(SSD)は“あとから足す枠”として考える
メモリと比べると、SSD(ストレージ)はまだ価格上昇のダメージが小さめです。
もちろん今後どうなるかはわかりませんが、少なくとも現時点では、
- メモリほどの“爆上げ”はしていない
- 外付けSSDや追加の内蔵SSDで後から増やしやすい
という特徴があります。
そのため、
- メモリ:できるだけ最初から必要量を確保
- ストレージ:足りなくなったら後から外付けで増設もアリ
という考え方にすると、トータルコストを抑えやすくなります。
⑤ 型落ちモデルや中古も「スペック優先」でチェック
「新品の最新モデル」にこだわりすぎると、
どうしてもメモリ高騰の影響をまともにくらいやすくなります。
そこで選択肢に入れてほしいのが、
- 1世代~2世代前の「型落ち新品」
- 信頼できるショップの中古PC(保証あり)
です。
ポイントは、
- CPUは1〜2世代古くても、体感差はそこまで大きくないことが多い
- それよりもメモリ容量がしっかりあるかどうかのほうが快適さに直結する
という点です。
「最新CPU+8GB」より「1世代前CPU+16GB」のほうが、
日常利用では快適、ということも全然あります。
⑥ 延長保証とサポートは「長く使うための保険」
メモリ高騰・PC値上げの時代にいちばんやってはいけないのは、
「安いけどすぐ壊れるPC」を買って、
数年で買い替え地獄にハマること
です。
多少の追加料金はかかっても、
- メーカー直販で延長保証をつける
- 修理対応やサポートの評判がいい会社から買う
などして、“長く使える1台”を選ぶことが結果的には節約になります。
マウスコンピューターは国内サポートや電話サポートに力を入れているメーカーでもあるので、
「パソコン詳しくないけど、ちゃんとした1台が欲しい」という人には合いやすいでしょう。
具体例:こんな人は「今買い」、こんな人は「様子見」
ここまでの話を、もう少しイメージしやすくするために、
いくつかケース別にまとめます。
今買ったほうがいいかも?な人
- 「今のPCが仕事に支障を出している」人
- Zoom会議で毎回フリーズ
- エクセルが重くて締め切りに間に合わない
- 社内から「そろそろ買い替えたら…?」と言われている
- 大学入学・就職などで“期日が決まっている”人
- 来春から大学でノートPC必須
- 会社から「来月からリモートワーク」と言われた
- ゲーミングPCやクリエイティブPCを予定していた人
- もともと20〜30万円クラスを検討していた
- メモリ32GB・グラボ搭載がほぼ必須
このあたりの人は、値上げ前のセールやキャンペーンを使って、早めに動くメリットが大きいです。
逆に、まだ様子見でいい人
- 「今のPCで全く困っていない」人
- 「使いみちがふわっとしている」人
- 「なんかみんな買い替えてるし…」レベル
- 「スマホとタブレットでほぼ足りている」人
こうした人は、焦って買うより、
- 情報収集をしつつ
- 自分の生活で「PCがないと本気で困る場面」が出てくるまで待つ
くらいでちょうどいいです。
まとめ
ここまでの話をギュッとまとめると──
という感じです。
最後に
ここまでエラそうに
「16GBは最低ラインで〜」
「32GBあると安心で〜」
「高騰前に賢く選びましょう!」
なんて語ってきた僕ですが、
この記事を書き終わってから、ふと自分のPCスペックを確認してみました。
- メモリ:8GB
- ストレージ:HDD(しかも残り容量ギリギリ)
- 購入年:2016年モデル
……そりゃ最近、ブラウザ開くだけでファンが全力で回るわけです。
マウスコンピューターさんの
「悪いことは言いません、なるべくお早めの購入をオススメします!!本当に!!」
というポスト、
実はいちばん刺さっていたのは、この記事を書いている僕なのかもしれません。
さあ、あなたはどうしますか?
- 「よし、ちゃんと用途を決めて探してみよう」と思った人
- 「うちはまだ様子見でいいや」と判断した人
- そして「いや、その前にお前がPC買い替えろ」とツッコんだ人
誰の判断も、きっと正解です。
ただひとつ言えるのは──
損するかどうかは、「値上げそのもの」よりも、
情報を知らないままテキトーに買ってしまうかどうか
そこが分かれ道、ということですね。
