※この記事は、台東区・東京都・厚生労働省などの公表情報をもとに、できるだけわかりやすく整理したものです。体調の判断や受診の要否は、必ず医療機関や保健所の案内に従ってください。
まず結論:心配な人がやることは「これだけ」
今回のポイントはシンプルです。
- 台東区内で麻しん(はしか)の患者(0歳の男の子)が確認されました。
- 不特定多数の人と接触した可能性がある場所と時間として、
2025年12月2日(火)14時〜17時ごろの「台東区役所」が公表されています。 - その時間帯に区役所を利用した人は、しばらく体調に注意し、
発熱・発しん(ブツブツ)・咳・鼻水・目の充血などが出たら、医療機関に事前に電話してから指示に従って受診する、という流れになります。
「行ってたかも…」と思った方は、この記事の後半にある “やる順番リスト” をそのまま使ってください。
台東区が発表した内容を、やさしく整理
台東区の公表内容は、ざっくり言うと次の通りです。
患者さんの概要(区が公表した範囲)
- 男性、0歳
- 発病日:11月28日
- 症状:発熱、咳、鼻水、コプリック斑、発しん
(コプリック斑=口の中のほほの内側に出る小さな白いブツブツ、と説明されています) - 海外渡航歴:あり
- ワクチン接種歴:なし
ここで大事なのは、患者さんの個人情報を詮索することではなく、「同じ時間・場所にいたかも?」という人が、落ち着いて体調を見られるようにすることです。東京都も、プライバシーに配慮するよう呼びかけています。
接触の可能性がある施設・時間
- 2025年12月2日(火)14時〜17時ごろ:台東区役所
東京都の発表でも、同じ施設・時間が示されています。
「麻疹(はしか)」って、結局どんな病気?
ニュースで聞くと怖く感じますよね。まずは“敵の正体”を、必要な範囲で知っておきましょう。
1)感染力がとても強い
麻しんは、感染力が非常に強いとされています。
しかも感染経路がやっかいで、空気感染・飛沫感染・接触感染がある、と厚労省も説明しています。
要するに「近くで咳をされたらアウト」だけではなく、条件がそろうと広がりやすい病気、ということです。
2)症状は「風邪っぽい→高熱→発しん」の順が多い
典型的には、
- まず 発熱、咳、鼻水、目の充血など、風邪みたいな症状
- いったん熱が落ち着きそうになってから
- 39℃以上の高熱と発しん(ブツブツ)が出てくる
という流れが多い、と説明されています。
3)潜伏期間(感染してから症状が出るまで)が長い
麻しんは、感染してすぐ症状が出る病気ではありません。
通常、潜伏期間は10〜12日くらい、とされています。
「区役所に行ったのは12/2。今日(12/13)まで平気だから大丈夫!」と即決はしない方が安心です。体調の変化は少し長めに見るのがコツです。
4)うつしやすい期間が「症状の前」から始まる
厚労省の説明では、周りに感染させる可能性がある期間は
発症日の1日前から、解熱後3日間を経過するまでとされています。
つまり、症状が出る前から感染力があることがある、という点が厄介です。
ここが重要:台東区役所を利用した人への「注意点」
東京都も台東区も、共通して次の点を呼びかけています。
症状が出たら「いきなり病院へ突撃」しない
発熱や発しんなどが出て「もしかして…」と思ったら、
- 医療機関に電話等で、麻しんの疑いがあることを先に伝える
- 受診の要否や注意点を聞く
- その指示に従って受診する
これが基本です。
なぜかというと、待合室で他の人にうつしてしまうリスクがあるからです。
移動は「できるだけ公共交通機関を避ける」
受診することになった場合も、
公共交通機関の利用は可能な限り避けるよう案内されています。
タクシーや自家用車が難しい場合もあるので、そこは医療機関・保健所の指示に従うのがいちばん安全です。
施設に問い合わせは控える
東京都の発表では、施設への問い合わせは遠慮するよう明記されています。
これは、窓口がパンクして本来の業務が止まるのを防ぐ意味もあります。
もし「12/2(火)14〜17時ごろに台東区役所にいた」かも…やる順番リスト
ここからは、行動を“順番”にします。
不安なときって、正しいことを知っていても、順番がわからないと動けなくなるんですよね。
STEP1:まず事実をメモ(記憶はすぐズレます)
- 「12/2(火)」「14〜17時ごろ」「台東区役所」
- どのフロア、どの窓口、滞在時間(だいたいでOK)
- 一緒に行った人(家族・同僚など)
公表されている接触可能時間はこの枠なので、まずここを基準にします。
STEP2:体調チェックを“しばらく”続ける
麻しんは潜伏期間があるので、短期決戦ではありません。
- 朝と夜に体温(できれば)
- 咳、鼻水、目の充血、だるさ
- 皮ふの発しん(いつもと違うブツブツ)
を、メモに残すだけでも安心材料になります。
(不安は「見えないもの」が大きくします。見える化すると落ち着きます)
STEP3:症状が出たら「電話→指示→受診」
発熱・発しん・咳・鼻水・目の充血などが出たら、
必ず事前に医療機関へ連絡し、麻しんの疑いを伝えて指示に従う。
そして受診の移動は、可能な限り公共交通機関を避ける。
STEP4:家族に「接種歴チェック」をお願いする(ここが効きます)
麻しんは、予防の中心はワクチンです。
子どもの場合(定期接種の基本)
厚労省によると、MRワクチンの定期接種は原則2回で、
- 第1期:1歳の1年間
- 第2期:小学校入学前の1年間(5歳以上7歳未満)
となっています。
「うち、2回受けてたっけ?」となったら、母子手帳で確認が早いです。
大人の場合(意外と“曖昧ゾーン”がある)
大人は母子手帳が見つからないことも多いし、世代によって接種回数や記録が違っていたりします。
不安なら、かかりつけ医や自治体の相談窓口で相談するのが現実的です。
STEP5:もし“接触直後”なら(参考)「早い対応」がある
これは一般論ですが、東京都のQ&Aでは、免疫がない人が麻しん患者と接触した場合、
接触から72時間以内のワクチン接種、または4〜6日以内のガンマグロブリンという方法が紹介されています(ただし確実に防げるとは限らない、とも書かれています)。
今回の件はすでに日数が経っている人が多いと思いますが、今後のために「知っておくと早く動ける知識」です。
「0歳の男の子」って書かれていて不安…赤ちゃんは大丈夫?
まず、ニュースの見出しで「0歳」と見るとドキッとしますよね。
ただ、ここで落ち着いて知っておきたいのは、MRワクチンの定期接種は基本“1歳から”という点です。
つまり、0歳の赤ちゃんは、制度上「まだ定期接種のタイミング前」のことが多いです。
だからこそ、周りの大人やきょうだいがワクチンを受けて、家庭内に持ち込まないことが大切になります。
妊娠中の人・持病がある人は、特に“早め相談”が安心
麻しんは、重症化や合併症のリスクがある感染症です。厚労省も肺炎や脳炎などの合併症に触れています。
妊娠中の方や、免疫が弱い治療中の方などは、一般の人より慎重に動いた方が安全です。
「接触したかもしれない」「体調が怪しい」と思った時点で、医療機関や保健所の指示を仰いでください(自己判断で我慢しないのがポイントです)。
よくある疑問に、やさしく答えます
Q1. 区役所に行ったけど、時間が少しズレてる。大丈夫?
公表されているのは 12/2の14〜17時ごろです。
時間が完全に外れていて、しかも滞在も短いなら、可能性は下がります。
ただし「前後の移動」「同じエリアの混雑」など不確定要素もあるので、不安なら体調をいつもより丁寧に見るのが現実的です。
Q2. マスクしてたら100%防げる?
麻しんは空気感染を含むとされ、感染力も非常に強いと説明されています。
マスクは大事ですが、「していれば絶対OK」と言い切れるタイプの話ではありません。
だからこそ、症状が出たときの “電話してから受診” が重要になります。
Q3. 「発熱」と「発しん」って、どっちが先?
典型的には、まず風邪っぽい症状(発熱など)が出て、その後に高熱と発しんが出る流れが多いとされています。
ただし病気は個人差があるので、気になる症状があれば早めに相談を。
まとめ
最後に、要点だけもう一度まとめます。
不安をゼロにするのは難しいですが、「やることが決まっている不安」は小さくできます。
この記事が、その“やること”の整理になればうれしいです。
最後に
「よし、じゃあ接種歴を母子手帳で確認しよう!」と思って引き出しを開けたあなた。
……ない。
棚にもない。
押し入れにもない。
家中を探して、気づいたら汗だく。体温を測ったら、微熱。
そこであなたはハッとします。
「これ…麻しんじゃなくて、母子手帳捜索で発熱しただけじゃん!」
――安心してください。まずは深呼吸。
そして次にやることは、体温を測る前にひとつだけ。
母子手帳の“保管場所”を、家族LINEに固定メッセージで残す。
未来のあなたの発熱を、今日のあなたが予防できます。

