178万の壁でサラリーマンの手取りは?年収300万・400万・500万の違い

178万の壁でサラリーマンの手取りは?年収300万・400万・500万の違い 経済

「年収はそこそこ上がってるはずなのに、手取りが全然増えない…」
「178万の壁って、サラリーマンにも関係あるの?」

そんなモヤモヤを持っている人向けに、
年収300万・400万・500万のサラリーマン目線で、「178万円の壁」が実現したら手取りがどう変わるかを整理していきます。


  1. まずざっくり結論
  2. 「178万円の壁」ってそもそも何?
    1. 年収の壁=「ここを超えると急に損した気分になるライン」
    2. 178万円の壁とは?
  3. 今どこまで決まってるの?
  4. 「178万円の壁」がサラリーマンにも関係ある理由
  5. この記事のシミュレーション条件
  6. 年収300万円:178万円の壁になったら手取りはいくら変わる?
    1. 1)今の制度(160万円の壁)のイメージ
    2. 2)178万円の壁になった場合(国民民主党案)
    3. 3)差額=最低限の「手取りアップ」は?
  7. 年収400万円:178万円の壁になったら?
    1. 1)今の制度(160万円の壁)
    2. 2)178万円の壁になった場合
    3. 3)差額=最低限の「手取りアップ」
  8. 年収500万円:178万円の壁になったら?
    1. 1)今の制度(160万円の壁)
    2. 2)178万円の壁になった場合
    3. 3)差額=最低限の「手取りアップ」
  9. 3つの年収をまとめると
  10. 「手取りアップ」といっても注意したいポイント
    1. ① 住民税・社会保険料は別の話
    2. ② すでに年収300〜500万円だと「扶養の壁」はあまり関係ない
    3. ③ 178万円になるか、168万円になるか、そもそもどうなるかはまだ未定
  11. サラリーマンが今からできる“現実的な”対策
    1. ① 「年収」と「手取り」のギャップをざっくり把握しておく
    2. ② 増えた手取りを「どこに回すか」を先に決めておく
    3. ③ 情報は“見出し”ではなく“中身”まで追うクセをつける
  12. まとめ:年収300・400・500万のサラリーマンと178万円の壁
  13. 本当にこわいのは「178万円の壁」じゃなかった
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まずざっくり結論

長い話になるので、先にざっくり結論から。

  • 「178万円の壁」=「所得税がかからないラインを178万円まで引き上げよう」という案(まだ確定ではない)
  • 2025年12月時点で、すでに決まっているのは「160万円の壁」まで
    → 「103万の壁」が見直され、2025年分の年収から「160万円まで所得税ゼロ」の仕組みが動き始めています
  • 政府・与党の中では、「168万円にする案」と「178万円にする案」が両方ニュースになっていて、まだ最終決定前
  • それでも、もし178万円案がそのまま採用されたと仮定すると
    • 年収300万円のサラリーマン:所得税が年間約1万7,500円減る
    • 年収400万円のサラリーマン:同じく約1万7,500円減る
    • 年収500万円のサラリーマン:所得税が約5万5,000円減る
      → =最低でもその分は手取りが増える、というイメージです(税理士事務所による試算より)

※ここではわかりやすさ重視で
「所得税だけの差」=「最低限これだけは手取りが増える」
という考え方で話を進めます。
住民税や社会保険料は、別のルールで計算されるからです。


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「178万円の壁」ってそもそも何?

年収の壁=「ここを超えると急に損した気分になるライン」

まず基本用語から整理です。

世の中でよく聞く「年収の壁」は、ざっくり言うと

この金額を超えると、税金や社会保険料が一気に増えて
手取りがガクッと減ったように感じる境目

のことです。

有名どころだと、

  • 103万円の壁(所得税の壁・今は仕組みが変わりつつある)
  • 106万円の壁(社会保険加入の壁・大企業パートなど条件付き)
  • 130万円の壁(健康保険の扶養を外れる目安)
  • 160万円の壁(2025年からの「所得税がかからない上限」)

などがあります。

178万円の壁とは?

その中で「178万円の壁」とは、

今の「160万円まで所得税ゼロ」を、さらに178万円まで広げよう

という方向性の案のことです。

この案は、もともと国民民主党
「103万円の壁は、最低賃金が安かった1995年の基準だから古い。
その後の最低賃金の上昇(約1.73倍)を反映させると、
今の基準は178万円くらいが妥当だよね」
と主張したところから出てきました。


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今どこまで決まってるの?

ここは、勘違いポイントなので丁寧に。

  • 2025年分の所得税については、「160万円の壁」まで法改正済み
    → 基礎控除+給与所得控除の合計が160万円になるように見直され、
    年収160万円までは所得税ゼロになります。
  • 一方で「178万円の壁」や「168万円の壁」は、
    → まだ
    「方針」「検討案」の段階です。
    168万円案と178万円案、どちらになるのか、
    いつからスタートするのかは、
    2025年12月時点では確定していません。

なのでこの記事では、

「もし、国民民主党案の178万円の壁がそのまま採用されたとしたら」

という仮定のシミュレーションとして話を進めます。


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「178万円の壁」がサラリーマンにも関係ある理由

「178万の壁って、パートや扶養内の人の話でしょ?」
と思う人も多いのですが、実は会社員にも影響ありです。

なぜかというと、178万円の壁を作るためには、

  • 基礎控除(誰でも使える“税金ゼロの枠”)
  • 給与所得控除(サラリーマンの必要経費みたいな枠)

この2つをドーンと増やす必要があるからです。

この控除の増額は、年収が300万でも400万でも500万でも共通で効いてくるので、
フルタイムの会社員にとっても

「課税される部分(課税所得)が減る → 所得税が下がる → 手取りアップ」

という流れが起きます。
実際、「会社員にも意外な恩恵がある」と解説している記事もあります。


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この記事のシミュレーション条件

数字の話に入る前に、「前提」をはっきりさせておきます。

ここで使う数字は、

  • 税理士事務所が公開している
    「2025年版(160万円の壁)」と
    「国民民主党案(178万円の壁)」の所得税額比較表
    に基づいています。
  • ケースは独身・会社員・他の控除(医療費控除など)はなしというシンプルな前提
  • 表の数字は
    • 社会保険料控除、住民税、復興特別所得税などは入っていない
      と明記されています。

つまり、

ここで言う「手取りが増える額」
=「少なくとも、所得税がこれだけ下がる分は確実に手元に残る」
(実際の手取りは、ここから住民税や社会保険の影響もプラスマイナスあり)

という“最低ラインの手取りアップ額”と考えてください。

ちなみに、社会保険料(健康保険・厚生年金など)は、
人によって差はありますが、

  • 会社員の「本人負担」は、年収のだいたい15%前後

と言われています。
この部分は、178万円の壁ができても基本的には変わりません。


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年収300万円:178万円の壁になったら手取りはいくら変わる?

では、いよいよ本題。
まずは年収300万円のサラリーマンです。

1)今の制度(160万円の壁)のイメージ

税理士事務所の試算では、2025年版(160万円の壁)の条件だと、年収300万円の場合:

  • 給与所得控除:98万円
  • 基礎控除:88万円
  • 課税所得:114万円
  • 所得税額:57,000円

つまり、

年収300万円のうち、
「税金の対象になる部分」は114万円で、
そこに所得税率をかけて5万7,000円の所得税がかかる、
というイメージです。

(住民税や社会保険は別途かかっています)

2)178万円の壁になった場合(国民民主党案)

同じ年収300万円で、国民民主党案(178万円の壁)が採用された場合の試算はこうなります。

  • 給与所得控除:98万円(変わらず)
  • 基礎控除:123万円(ここが大きく増える)
  • 課税所得:79万円
  • 所得税額:39,500円

課税所得が 114万円 → 79万円 にグッと減る分、
所得税も 57,000円 → 39,500円 に減る、という仕組みです。

3)差額=最低限の「手取りアップ」は?

  • 57,000円 − 39,500円=17,500円

年間で1万7,500円の減税=最低1万7,500円の手取りアップです。

月あたりに直すと、

  • 1,500円ちょっと/月

スマホの通信費やサブスク1〜2個分くらいは浮く感じですね。


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年収400万円:178万円の壁になったら?

つぎに、年収400万円のサラリーマンの場合です。

1)今の制度(160万円の壁)

2025年版(160万円の壁)の試算では:

  • 給与所得控除:124万円
  • 基礎控除:88万円
  • 課税所得:188万円
  • 所得税額:94,000円

2)178万円の壁になった場合

同じ年収400万円で、国民民主党案だと:

  • 給与所得控除:124万円
  • 基礎控除:123万円
  • 課税所得:153万円
  • 所得税額:76,500円

3)差額=最低限の「手取りアップ」

  • 94,000円 − 76,500円=17,500円

なんと、年収300万円のケースと同じく、年間1万7,500円の減税です。

こちらも月あたりにすると、

  • 1,500円ちょっと/月

「ランチを1回だけ安く済ませれば、あとは国が出してくれる」
くらいのイメージかもしれません。


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年収500万円:178万円の壁になったら?

そして最後に、年収500万円のサラリーマンです。

1)今の制度(160万円の壁)

2025年版(160万円の壁)の試算では:

  • 給与所得控除:144万円
  • 基礎控除:68万円
  • 課税所得:288万円
  • 所得税額:190,500円

年収500万ともなると、課税所得も税率も上がるので、
所得税もかなりしっかり取られている印象です。

2)178万円の壁になった場合

同じ年収500万円で国民民主党案だと:

  • 給与所得控除:144万円
  • 基礎控除:123万円
  • 課税所得:233万円
  • 所得税額:135,500円

課税所得は 288万円 → 233万円 へ、
所得税は 190,500円 → 135,500円 になります。

3)差額=最低限の「手取りアップ」

  • 190,500円 − 135,500円=55,000円

年収500万円の会社員だと、
年間5万5,000円の減税=最低5万5,000円の手取りアップです。

月あたりにすると、

  • 4,500円/月

電気代・ガス代のどちらかを、
ほぼ丸ごとカバーできそうな金額ですね。


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3つの年収をまとめると

ここまでの話を、ざっくり表にするとこんなイメージです
(※いずれも「所得税だけを見た最低限の手取りアップ額」)

年収2025年版(160万円の壁)所得税178万円の壁になった場合差額(=最低手取りアップ)
300万円約5万7,000円約3万9,500円約1万7,500円アップ
400万円約9万4,000円約7万6,500円約1万7,500円アップ
500万円約19万500円約13万5,500円約5万5,000円アップ

※いずれも税理士事務所のシミュレーション表をもとにした数字です。


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「手取りアップ」といっても注意したいポイント

① 住民税・社会保険料は別の話

ここで見たのは「所得税」だけの話です。

  • 住民税(市民税+県民税)
  • 社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)

は、また別の計算ルールで動いています。

とくに社会保険料は、

  • 会社員の本人負担だけで年収の約15%前後

と言われていて、
手取りを大きく左右する要素です。

178万円の壁ができても、
この「15%前後」の世界が劇的に変わるわけではありません。

② すでに年収300〜500万円だと「扶養の壁」はあまり関係ない

今回のテーマは「サラリーマン本人の手取り」なので、

  • 106万円の壁
  • 130万円の壁

といった配偶者側の社会保険の壁は、
すでに年収300〜500万円で働いている本人には
あまり直接関係しません。

ただし、

  • 自分の配偶者がパートで働いている
  • 子どもがこれからアルバイトを始める

といった場合は、
世帯全体の「年収の壁」マップとして意識しておくとよいです。

③ 178万円になるか、168万円になるか、そもそもどうなるかはまだ未定

そして一番大事なのはここです。

  • 政府・与党内では「168万円案」「178万円案」が報じられているものの、
  • どこに着地するかは2025年12月時点では決まっていない
  • 財源や他の制度とのバランスをどうするか、まだ議論が続いています。

この記事で紹介した数字は、

「もし、国民民主党案がそのまま実現したら」

というたたき台のイメージとして
受け取ってもらえると安全です。


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サラリーマンが今からできる“現実的な”対策

「じゃあ、今のうちから何を意識しておけばいいの?」
という視点で、シンプルに3つだけ挙げておきます。

① 「年収」と「手取り」のギャップをざっくり把握しておく

  • 自分の源泉徴収票や給与明細を見て、
    年収・所得税・住民税・社会保険料
    それぞれどれくらいなのか、一度メモしてみましょう。
  • 「なんとなく引かれてる」から
    「このくらいは社会保険」「このくらいは税金」
    と見えるようになるだけでも、
    お金の不安はかなり減ります。

② 増えた手取りを「どこに回すか」を先に決めておく

もし今後、実際に制度改正が進んで

  • 手取りが年間1〜5万円単位で増える

ようなことがあれば、

「なんとなく生活費で消えた…」

ではもったいないです。

  • つみたてNISA・iDeCoの積立額をちょっと増やす
  • 住宅ローンの繰上げ返済に回す
  • 教育費や老後資金の“別口座”に自動振替する

など、増える前から「置き場所」を決めておくと、
未来の自分がだいぶ助かります。

③ 情報は“見出し”ではなく“中身”まで追うクセをつける

  • 「178万円の壁、決定!」
  • 「168万円案に修正か?」

など、見出しだけ見ると毎回ドキッとしますが、
本文を読むと「方針」「検討」「案」という表現が多いのも事実です。

  • 見出しだけで一喜一憂しない
  • 公式な決定(税制改正大綱・法案成立)を確認する

この2つを意識しておくだけでも、
無駄な不安や焦りはかなり減ります。


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まとめ:年収300・400・500万のサラリーマンと178万円の壁

最後にポイントだけギュッとおさらいすると……

  • 178万円の壁は、「所得税がかからないゾーンを178万円まで広げる案」
  • 2025年時点で確定しているのは160万円の壁まで。178万円はまだ「案」段階
  • それでも、国民民主党案そのままのイメージで計算すると
    • 年収300万円:所得税が年間約1万7,500円減
    • 年収400万円:同じく約1万7,500円減
    • 年収500万円:約5万5,000円減
  • つまり、最低でもその分だけは手取りアップが期待できる
  • ただし、住民税・社会保険料は別のルールで動いており、
    「年収の壁」全体で見るとまだ課題も多い

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本当にこわいのは「178万円の壁」じゃなかった

ここまで

  • 103万円の壁
  • 160万円の壁
  • 178万円の壁 ・・・

と、いろんな「壁」の話をしてきましたが、
記事を書いていてふと気づきました。

サラリーマンにとって
いちばん高くて分厚い本当の「壁」は──

給料日から1週間で消えていく
自分の浪費グセの壁

なのかもしれません。

178万円の壁ができて手取りが増えても、
コンビニの新作スイーツ、
期間限定コーヒー、
気づいたらポチってるネット通販……

結局、自分のお財布の中にある「物欲の壁」を
乗り越えられるかどうかが、
いちばん大事だったりして。

……というわけで、
まずは今日、余計なお菓子を1個ガマンできたら、
それがあなたの「真の手取りアップ政策」かもしれません。

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