森重清龍(もりしげ せいりゅう)選手の進路がどうなるのか――
「実業団に行くのか? それとも普通に就職するのか?」
箱根駅伝ファンとしては、どうしても気になるところですよね。
まずは結論から書いておくと、
今のところ、具体的な進路先の「公式発表」は出ていません。(2025年12月19日時点)
ただし、これまでの成長曲線やレース内容を見ていくと、
「実業団で競技を続けるコースがかなり有力」
と考えるのが自然だろう、というのがこの記事の立場です。
この記事では、
を深掘りしていきます。
森重清龍ってどんな選手?
まずはプロフィールから整理しておきましょう。
- 名前:森重 清龍(もりしげ せいりゅう)
- 生年月日:2003年11月5日(2025年で22歳)
- 大学:駒澤大学 文学部 社会学科
- 出身高校:山口県・高川学園
- 専門種目:長距離(5000m〜ハーフマラソン)
駒澤大学陸上競技部の公式プロフィールによると、
自己ベストはおおよそこんな感じです。
- 5000m:14分05秒31(2023年・第4回世田谷陸上競技会)
- ハーフマラソン:1時間02分51秒(2024年・上尾シティハーフマラソン)
10000mの記録はまだ公表データが少ないですが、ハーフのタイムを見るかぎり、
「トラックよりも“ロード”で本領を発揮するタイプ」
と言ってよさそうです。
高校時代は山口・高川学園のエース格
出身は、駅伝でもおなじみの「高川学園」(山口県)。
高校時代から県高校駅伝、中国地区のレースで活躍していて、
5000mの高校自己ベストは14分36秒81とされています。
超ド派手な“高校日本記録クラス”ではないものの、
- 県ではエース級
- 地区大会でも上位に絡む実力者
というポジション。
ここから「箱根常連校・駒澤大学」に進むわけですから、
高校の時点でポテンシャルはかなり高かったと言えます。
駒澤大学で「こつこつ伸びるタイプ」として開花
駒澤大学に入ってからの森重選手を一言で表すなら、
「4年間、こつこつじわじわ強くなってきた選手」
です。
箱根駅伝ファン向けX(旧Twitter)アカウントでも、
「4年間こつこつと力を伸ばしてきた選手」
と紹介されていて、まさにそんなイメージどおりの成長を見せています。
とくに印象的なのが、ハーフマラソンでの伸びです。
- 2024年2月 第46回神奈川マラソン
→ 初ハーフで1時間03分14秒、大学男子の部3位 - 2024年3月 日本学生ハーフ
→ 1時間03分20秒で30位(「調子はいまいち」と本人談) - 2024年11月 上尾シティハーフマラソン
→ 1時間02分51秒の自己ベスト
数字だけ見ると地味かもしれませんが、
「63分台 → 62分台と着実にタイムを縮めている」
この“積み上げ”が、森重選手らしさです。
札幌マラソンでの優勝
さらに、2024年の札幌マラソンでは、
男子ハーフマラソンで優勝しています。
タイムは1時間05分58秒と、自己ベストから見ると“少し余裕のある”記録ですが、
- コースや気象条件
- 実業団選手も混じる顔ぶれ
を考えると、勝ち切ったこと自体に大きな意味があります。
また、駒大スポーツのインタビューでは、
「もっと力をつけて箱根駅伝で活躍したい」
とコメントしていて、
大学3~4年生のタイミングで、しっかり“駅伝の舞台”も見据えていることがわかります。
そもそも「実業団」と「就職」ってどう違うの?
進路の話に入る前に、
よく出てくる「実業団」と「普通の就職」の違いを整理しておきます。
実業団とは?
陸上で言う「実業団」は、
企業に所属しながら、競技を“仕事として”続けるランナーたちの集団
です。
- 企業の陸上競技部の選手として採用される
- 給与や社会保険は「社員」として受け取る
- 仕事の大部分が「走ること」+企業PRやイベント参加など
- ニューイヤー駅伝や全日本実業団ハーフなどに出場
という形になります。
イメージとしては、
「会社に所属しながら、プロに近い環境で走る」
と思っておくとわかりやすいです。
普通の就職+市民ランナーという道も
一方で、
- 一般企業へ“普通の総合職・一般職”として就職
- 競技は、クラブチームや市民ランナーとして続ける
という選択もあります。
この場合、
- 日中はフルタイムで仕事
- 朝か夜に自分で練習を組む
- 休日にレース
といった生活スタイルがメインになるので、
世界を相手にするトップレベルで戦うのはかなり難しい のが現実です。
どちらが良い・悪いではなく「何を優先するか」
- 世界大会や大きな駅伝で戦いたい → 実業団のほうが有利
- 競技は趣味やセカンドキャリアとして続けたい → 一般就職でもOK
というように、
何を軸に人生を組み立てたいか
で選択が変わってきます。
では、森重清龍選手の場合はどうでしょうか?
森重清龍の「走り方」から見えるもの
進路を考えるうえで大事なのは、記録だけでなく「走りの中身」です。
学生ハーフのインタビューからは、こんな言葉がありました。
- 「前回のハーフで後半一気にペースが落ちたので、後半の垂れる部分を修正したかった」
- 「途中10キロ通過あたりで62分台が出るかなと思ったが、結果的に自己ベストも出なかった」
- 「三大駅伝のメンバー入り、そして出走を目標にしている」
このコメントから見えてくるのは、
- 自分の課題をかなり冷静に分析している
- ハーフを“通過点”として、とにかく駅伝メンバーに入りたい
- タイムより「チームでの勝負の場」を強く意識している
という姿です。
駒大の藤田監督も、
学生ハーフ全体の総括の中で、
「状態が良くなくてもまとめる走り、勝負に絡める走りができる選手にならないと強くなれない」
と語っています。
この言葉の文脈の中で、
森重は“まとめる走り”ができていた
という評価もちらっと出てきます。
つまり森重選手は、
- ド派手な爆発タイプというより「安定してまとめる長距離屋」
- ロードで粘り強く、駅伝の“仕事人”として期待されるタイプ
と言えるわけです。
これは、実業団駅伝チームが一番欲しがる人材像でもあります。
進路の現状:公式情報は「まだ」
ここで、肝心の進路情報を整理しましょう。
- 箱根2025の進路一覧をまとめたサイトでは、
森重選手(当時3年)は「進路:未定(ー)」となっていました。 - 2025年8月時点での「駒澤・戦力分析記事」でも、
記録は紹介されているものの、進路先についての記述はありません。 - 2025年12月19日時点で、
大学や実業団側から“進路決定”の公式リリースは出ていません(検索ベース)。
つまり、
まだ「どの企業に行く」といった確定情報は公表されていない
というのが現状です。
ネット掲示板レベルでは「こうじゃないか?」という書き込みもありますが、
公式ソースではないので、ここでは“噂話”として扱うにとどめます。
それでも「実業団有力」と言える3つの理由
ではなぜ、それでもこの記事が
「実業団入りが有力」
と見るのか。その理由を3つに整理します。
① 駒澤の主力クラスは、ほぼみんな実業団へ
駒澤大学は、言わずと知れた駅伝の名門校。
ここ数年の主力メンバーを見ると、
- 篠原倖太朗 → 富士通
- 田澤廉 → トヨタ自動車
- 鈴木芽吹 → トヨタ自動車 など
「箱根を走るレベルの主力」が、そのまま強豪実業団に進むケースがほとんどです。
森重選手は、まだ“箱根で大エース級の実績”までは届いていないものの、
- 62分台のハーフ
- 各地のロードレース優勝・上位
- チーム内でもハーフ要員として計算される存在
という位置づけ。
駒澤の選手層を考えれば、
「十分、実業団から声がかかっていてもおかしくないレベル」
と考えるほうが自然です。
② レース選択が“マラソン・駅伝志向”
出場している大会を見ても、
- 学生ハーフ
- 上尾シティハーフ
- 札幌マラソン
- 神奈川マラソン(ハーフ)
と、「トラックよりロード重視」のスケジュールが目立ちます。
学生のうちからハーフのレース経験を積んでいるのは、
- ニューイヤー駅伝の長い区間
- 将来のマラソン転向
を見据えている選手に多いパターンです。
「将来的にマラソンも視野に入れているロード型ランナー」
と考えれば、
いちばん環境が合うのは、やはり実業団だと言えます。
③ 本人の目標が「三大駅伝のメンバー入り」
学生ハーフのインタビューで、
「今年度の目標は、三大駅伝(出雲・全日本・箱根)のメンバー入りと出走」
とはっきり語っています。
- 卒業後は陸上から離れます
- 就職が第一で、競技はほどほどに…
というタイプなら、
ここまで“駅伝での存在感”にこだわったコメントにはなりにくいでしょう。
もちろん、
「大学時代で燃え尽きて一般就職」という展開もゼロではありませんが、
ここまで積み上げてきたキャリアを考えると、
「実業団で駅伝・マラソンを続けたい」気持ちのほうが強い
と見るのが自然です。
「有力候補先」は会社名ではなく“チームのタイプ”で考える
さて、タイトルにもある
「有力候補先は?」
という部分。
本当は「○○社に内定!」と書きたいところですが、
前述のとおり 現時点で会社名レベルの情報は出ていません。
そこでこの記事では、
会社名ではなく「こういうタイプのチームが有力」という視点
で整理してみます。
タイプA:駅伝重視の“オールラウンド型”実業団
- ニューイヤー駅伝で優勝争い常連
- 5000m・10000m・ハーフと幅広く起用
- 若手にもロードの長い区間を任せるチーム
森重選手のように、
- 安定して粘れる
- ハーフで62分台
- ロード経験が豊富
という選手は、
こうした「駅伝重視の強豪チーム」にとって非常に使い勝手が良い存在です。
区間賞を取る“スター型”というよりは、
「崩れない7〜9番手として、チームの厚みを作る選手」
として、価値が高いタイプと言えます。
タイプB:マラソンも視野に入れた“ロード強化型”チーム
最近は、
- マラソンで世界を狙う
- そのためのステップとして駅伝やハーフを位置づける
というチーム方針の実業団も増えています。
森重選手は、
学生時代からハーフを積極的に走っている「ロード適性」が強いタイプ。
- 20代前半:ニューイヤー駅伝+ハーフ
- 20代後半:フルマラソンに本格的に挑戦
というキャリアプランが描きやすいので、
マラソン志向のチームとも相性が良さそうです。
タイプC:地元・中国地方を拠点にする実業団
森重選手の出身は山口県。
中国地方には、
- 中国電力
- マツダ
- 黒崎播磨 など、実業団駅伝でおなじみの企業チームがいくつもあります。
高川学園出身のOB・OGが、地元や近隣の実業団で走る例も少なくありません。
「地元に近い企業で走りたい」という気持ちを重視するなら、
こうした中国地方のチームを選ぶ可能性も考えられます。
もっとも、駒澤の選手の多くは
“全国区の強豪チーム”へ進むことも多いので、
「地元にこだわるか」「全国トップの環境を取るか」
このあたりの価値観しだい、といったところでしょう。
一般就職の可能性は本当にないの?
ここまで読むと、
「もう実業団一択じゃない?」
と感じる方も多いかもしれません。
ただ、実際には、
- 教員や公務員として働きながら、地域クラブで走る
- 一般企業に就職して、市民ランナーとしてマラソンに挑戦する
という道を選ぶ元・箱根ランナーも、近年は少しずつ増えています。
森重選手クラスの実力があれば、
- 実業団からの誘いがある
- 一般就職の内定も普通に取れる
という“二刀流の選択肢”を持っている可能性は高いでしょう。
ただし、
- 学生ハーフでの「三大駅伝のメンバー入りを目標に」という発言
- ハーフで62分台まで引き上げてきたロード志向
- 駒澤というチーム文化
を合わせて考えると、
「大学で燃え尽きて一般就職に切り替える“引退ルート”」
というイメージは、今のところあまり強くありません。
もしこうなったら面白い!3つの未来シナリオ
ここからは、完全に“妄想ベース”です。
「もしこうなったら面白いな」という未来を、3パターンで描いてみます。
シナリオ①:駅伝強豪実業団で“仕事人ランナー”になる
- ニューイヤー駅伝常連の強豪チームに加入
- 1〜3年目は、長めの区間で安定した走りを見せる“まとめ役”
- 徐々にハーフ・マラソンのタイムを伸ばし、
20代後半でマラソン挑戦
このシナリオだと、
「派手なスターではないけれど、気づけばチームに欠かせない存在」
という立ち位置になりそうです。
箱根でいうと、
「区間賞は少ないけど、いつも仕事をしてくれる6区の人」
みたいなイメージですね。
シナリオ②:マラソン特化チームで“後半型ランナー”へ
学生ハーフのコメントにもあったように、
森重選手の課題は「後半の落ち込み」。
逆に言えば、
ここを克服できれば、
「終盤でどんどん前を拾っていくマラソンランナー」
に化ける可能性もあります。
- 実業団で30km走や40km走を積み重ねる
- 20代半ばで2時間10分前後のマラソンを出す
- そこから2時間8分切り、さらには日本代表争いへ…
という、ロマンあふれるルートです。
シナリオ③:地元企業に就職しつつ、市民マラソンで“優勝請負人”
もし仮に、
「一般就職+市民ランナー」という道を選んだ場合
でも、
ハーフ62分台、札幌マラソン優勝クラスの実力があれば、
地方のハーフやフルマラソンでは“優勝候補筆頭”になります。
- 会社員として働きながら、年に2~3本のマラソンに集中
- 地方大会で何度も優勝し、“地元のヒーロー”的存在に
- やがて、地元の高校やクラブチームの指導者になっていく
という人生も、それはそれでとても素敵です。
まとめ
ここまでの内容を、ざっくりまとめると――
という感じです。
最後に
ここまで真面目に、
- ハーフのタイム
- 大会結果
- 進路パターン
- 実業団と就職の違い
なんて語ってきましたが――
どんなに森重清龍の進路を分析しても、
我々の上尾シティハーフのタイムは1秒も縮まりません。
むしろ、この記事を読み終わるころには、
ポテチの袋は空っぽ、コーヒーは飲み干し、
カロリーだけがしっかり増えている可能性すらあります。
でも、それでいいのかもしれません。
- 森重選手は、トラックで苦しみながらもハーフで前に出ようとしている
- 我々は、ソファの上から「おお、頑張ってるなあ」と見守る
役割分担って、大事です。
進路はそのうち発表されます。
そのとき、テレビの前でこう言えたら最高です。
「あ、この名前知ってる。ハーフでじわじわ伸びてきた、あの森重くんだ!」
そしてその横で、
走るどころかストレッチすらしていない自分を見て、
そっとテレビを消し、こうつぶやきましょう。
「よし、まずは…家から駅まで歩く距離を、
バスじゃなくて足で“まとめる走り”に変えるところからだな。」
森重清龍は箱根の道を駆け抜け、
私たちは今日も、最寄り駅までの道を“実業団並みの気持ちだけ”で歩いていくのでした。

