「仙台育英の台湾留学生ランナー・簡子傑(かん・しけつ)は、高校を卒業したらどこに進むんだろう?」
駅伝ファン・陸上ファンなら、一度は気になったことがあるテーマだと思います。
結論から先に言うと――
簡子傑選手の進路は「大学」です。
しかも進学先は“箱根の名門・中央大学”と公式に発表されています。
この記事では、
- 簡子傑選手ってどんな選手?
- 高校時代の成績・持ちタイム
- なぜ「大学進学」なのか?実業団の可能性は?
- 進学先・中央大学はどんなチームで、どんな4年間になりそうか?
を解説していきます。
簡子傑ってどんな選手?
台湾から仙台育英へやってきた長距離エース
まずは、プロフィールをざっくり整理します。
- 名前:簡 子傑(かん しけつ)
- 出身:台湾
- 高校:仙台育英学園高校(宮城)・陸上競技部長距離ブロック
- 種目:1500m・5000m など中距離〜長距離
簡子傑選手は、台湾から日本に留学している長距離ランナーです。
中学時代から1500m・5000mで台湾記録を出すほどの実力者で、高校からは日本の“駅伝の名門”である仙台育英に進むことを決断しました。
Number Webのインタビュー記事では、
「台湾にいたままだと、アジアで戦えるレベルにはなれないと思った」
と話していて、「もっと強くなりたい」という思いから、日本での挑戦を選んだことが紹介されています。
高校では“台湾最強ランナー”として成長
仙台育英に来てからも、どんどん記録を伸ばしていきます。
- 男子1500m
- インターハイ決勝で3分45秒26をマーク
- なんと、42年ぶりに台湾記録を更新
- 男子5000m
- 日本体育大学長距離競技会で13分48秒99
- これも台湾新記録としてニュースになりました
- アジア選手権
- 韓国で行われたアジア選手権5000mに、
台湾代表として出場(18歳・高校3年生) - 記録は14分18秒52で12位ですが、アジアの舞台を経験したことが大きな財産になっています
- 韓国で行われたアジア選手権5000mに、
さらに、日本の大会でも、
- 東北インターハイ男子1500mで優勝(3分50秒13)
- 全国高校駅伝や各種記録会で、チームのポイントゲッターとして活躍
と、「台湾代表」かつ「仙台育英のエース級」という二つの顔を持つ選手になりました。
持ちタイムから分かる「世界に近い高校生」
陸上ファンとしては、やはり“タイム”が気になりますよね。
主な自己ベスト(高校時代)
- 1500m:3分45秒26(2025年インターハイ決勝)
- 5000m:13分48秒99(2025年11月・日体大長距離競技会)
男子高校生で1500m3分台半ば、5000m13分40秒台というのは、
「箱根駅伝を目指す大学から見れば、
ほぼ“即戦力候補”と言っていいレベル」
です。
しかも簡子傑選手の場合、
- これが台湾記録でもある
- すでにアジア選手権・世界大会への出場も視野に入っている
という背景があるので、
「高校生にして、すでに“国家代表レベル”」
というのがポイントです。
そもそも進路は「大学か実業団か?」
ここで、一度整理しておきたいのが、
高校トップクラスの長距離選手は、
普通どんな進路を選ぶのか?
という点です。
大学進学(箱根駅伝ルート)
多くの日本人高校トップランナーは、
高校 → 強豪大学(箱根駅伝) → 実業団 or マラソン
という“王道ルート”を歩みます。
大学進学のメリット
- 学歴を取りながら競技を続けられる
- 箱根駅伝・全日本大学駅伝・出雲駅伝など大きな舞台がある
- 同世代のトップ選手たちと4年間しっかり鍛え合える
- 20代以降のマラソン・世界大会へのステップとしてちょうどいい
デメリット
- お金をもらう“プロ”ではなく、あくまで学生
- 勉強と練習の両立が必要
- チームや監督との相性も重要
実業団(企業チーム)へ直接進む
高校卒業後、すぐに実業団に入る選手もいますが、
- 日本選手権優勝クラス
- 世界ジュニア・U20でメダル級
といった“超エリート”が中心です。
実業団は、
- 給料をもらいながら競技できる
- サポートも手厚い
一方で、
- 結果を出せなければ契約が続かないこともある
- 高校卒業時点で、かなり完成度の高い実力が求められる
という“シビアな世界”でもあります。
簡子傑の進路:公式に「中央大学進学」が発表済み
さて、本題の進路です。
2025年12月に、陸上専門メディア「月刊陸上競技(WEB)」が、
「中大が来春の新入生を発表!長距離は栗村凌、簡子傑ら」
という記事を公開しました。
この記事の中で、はっきりとこう書かれています。
「台湾からの留学生で、現在は仙台育英高(宮城)に通う簡子傑の入学も決定。」
「11月末の日体大長距離競技会では5000mで13分48秒99の台湾記録を樹立している。」
つまり、
簡子傑選手の進路は“大学進学”で、
進学先は“中央大学”と公式に決定している
ということです。
「高校長距離の進路スレ」などの掲示板でも、
早い段階から「簡子傑(仙台育英)→中央」と書き込みがあり、
それが今回、公式発表で裏付けされた形になりました。
なぜ実業団ではなく大学(中央大学)なのか?
ここからは、少し理由を考えてみます。
もちろん、本人や関係者にしか分からない部分もありますが、
公開情報から見えてくる“納得のいく理由”はいくつかあります。
理由1:まだ伸びしろが大きい年代だから
簡子傑選手は、この記事を書いている時点で18歳の高校3年生です。
長距離選手としては、まだまだ“成長期のど真ん中”。
- 1500mで3分45秒
- 5000mで13分48秒
という記録はすごいですが、将来的に
- 1500mで3分3○秒
- 5000mで13分10〜20秒台
- 10000mで27分台
を目指すなら、あと数年かけてじっくり土台を作る時期が必要です。
大学4年間は、そのための“育成期間”としてちょうど良いタイミングと言えます。
理由2:箱根駅伝という大きな舞台
中央大学は、箱根駅伝で何度も優勝している歴史ある名門校です。
- 山の神・藤原正和さん(現監督)
- 多くのオリンピアン
など、日本長距離界を引っ張ってきたスターを多く輩出しています。
いま中央大学は、
- 学法石川の栗村凌(5000m13分34秒)
- 佐久長聖の酒井崇史(13分55秒)
- 九州学院の門間蒼大(13分57秒)
といった強力な世代トップランナーたちとともに、
簡子傑選手の入学を発表しました。
このメンバーで、
「中央大で箱根優勝を狙う4年間」
というのは、選手としてもかなりワクワクする選択肢だったはずです。
理由3:台湾代表としてのキャリアにもプラス
簡子傑選手は、すでに台湾代表としてアジア選手権を走っています。
今後、
- アジア大会
- 世界選手権
- オリンピック
を目指す上でも、
「日本の大学駅伝のハイレベルな環境で、
20〜22歳の黄金期をしっかり育ててもらう」
ことには大きな価値があります。
実業団にすぐ入るより、
- 語学
- 学問
- 日本での生活基盤
を整えながら競技を続けられる大学4年間は、
“台湾代表ランナーとしても賢い選択”と言えるかもしれません。
中央大学での4年間はどうなりそう?
ここからは少し“未来予想”です。
もし中央大学で順調に成長していったら、どんな姿が見られそうでしょうか。
1年目:トラックと学生駅伝で経験を積む
1年目から、
- 5000m・10000mのトラックレース
- 全日本大学駅伝や出雲駅伝のメンバー争い
- 箱根駅伝予選会
などに出場する可能性があります。
5000m13分48秒という記録と、アジア選手権経験を考えると、
“ルーキーとしてはかなり高いスタートライン”に立つことになります。
2〜3年目:箱根駅伝の主要区間へ?
中央大学は毎年「優勝を狙う」と公言するチームです。
簡子傑選手のようなエース候補は、
- 区間2(花の2区)
- 区間3・4(流れを作る区間)
- 区間9(復路のエース区間)
などで起用されることも考えられます。
特に、
- 1500mのスピード
- 5000m・10000mのスタミナ
- アジア選手権など国際経験
を持つ簡子傑選手は、スピードとタフさの両方が必要な区間で輝きそうです。
4年目:チームの“顔”として箱根を走る?
理想的な成長をした場合、4年目には、
「箱根駅伝でチームを引っ張るエース」
として名前が出てくるはずです。
- スタメン発表で「2区・簡子傑」「3区・簡子傑」と紹介される
- レース前の特集記事で「台湾代表・簡子傑、最後の箱根へ」と取り上げられる
そんな未来も、十分にありえます。
実業団入りはいつ頃になりそう?
簡子傑選手がもし将来、実業団に進むとしたら、そのタイミングはおそらく
中央大学を卒業する22歳前後
になるでしょう。
その頃には、
- 10000mで27分台〜28分0○秒台
- ハーフマラソンで60分台前半
- マラソンも視野に入る
ような世界レベルのタイムを狙っていくことになります。
今はまだ、「高校 → 大学」の一歩目が決まったところ。
「大学4年間でどこまで伸びるか」
「どの実業団が声をかけてくるか」
は、これからの走り次第です。
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
という状態です。
これから先は、
- 中央大学でどれだけ記録を伸ばすのか
- 箱根駅伝でどんな走りを見せてくれるのか
- 将来、どの実業団・どの世界大会で活躍するのか
を、長い目で楽しみにしていきたいところですね。
台湾の期待と、日本の駅伝ファンの期待。
2つの国から応援されながら走る簡子傑選手のこれからの物語は、きっとまだまだ面白くなっていくはずです。

