※この記事は「相棒 season24 第11話『老人と寧々』」のネタバレを含みます。まだ本編を見ていない方はご注意ください。
この記事でわかること
- 第11話「老人と寧々」がどんな話だったのか
- 右京さんの“黒歴史小説”とは何なのか
- 「何の回の話?」=初登場は どのシーズン・何話 なのか
- 過去の再登場(season21「大金塊」)とのつながり
- なぜ右京さんにとって「黒歴史」なのか、今回のテーマとどう絡むのか
X(旧Twitter)を見ていても、
「右京の黒歴史小説って何?」
「前にも出てきた? どの回?」
と戸惑っている人がかなり多かったので、ここで一度整理しておきます。
第11話「老人と寧々」はどんな話だった?
まずは、ざっくりと第11話の流れから振り返ります。
舞台は、とある大学の「読書サロン」。
蔵書のミステリー小説の“余白”に、犯人や真相のネタバレを書き込む犯人が現れます。
この「連続ネタバレ書き込み事件」を追っていたのが、
- ミステリーマニアの女子大生
- そして、元日スペシャル「大金塊」で登場した“女子大生探偵”
としておなじみの 大門寺寧々(茅島みずき)。
彼女は読書サロンの“番人”である老人・蘇我と協力しながら、ネタバレ犯を追っていました。そこへ薫と右京が合流し、特命係も事件に首をつっこむことになります。
そして今回の大きなポイントが、
中学生の頃の右京が書いた、伝説のミステリー小説
『亡霊たちの咆哮(ぼうれいたちのほうこう)』
が、読書サロンのお宝本として登場したことです。
この本こそ、今回のテーマである 「右京の黒歴史小説」 です。
右京の“黒歴史小説”=『亡霊たちの咆哮』とは?
どんな本なのか
作中設定としての『亡霊たちの咆哮』は、こんな本です。
- 杉下右京が 中学生のときに書いた 推理小説
- 同人誌のような形でまとめられた作品集に収録されている
- 一部のミステリーマニアの間では「伝説の作品」と言われている
- 大人になった右京は、できればなかったことにしたい“黒歴史” だと思っている
今回の第11話では、この同人誌「新時代ミステリー作品集」が大学のサロンに所蔵されていて、寧々たちミステリーマニアにとっては“お宝本”になっていました。
一方で右京は、この作品をめちゃくちゃ嫌がっています。薫に
「あの原稿を、焼却処分してきていただけませんか」
と真顔で頼もうとするくらい、本気で封印したい過去なのです。
なぜ「黒歴史」なのか
- 中二病っぽいタイトルと内容(“亡霊”が“咆哮”する)
- 若い頃に没頭して書いた“痛々しい”創作物
- そして何より、その本が 人を危険な事件に巻き込むきっかけになった
こうした理由から、右京の中では
「できればなかったことにしたい。見られたくない」
という、いわゆる 黒歴史 扱いになっている、と考えられます。
「何の回の話?」──初登場は season4 第8話「監禁」
視聴者が一番気になっていたのがここだと思います。
『亡霊たちの咆哮』って、前から出てきた?
何の回の話だったっけ?
この小説が初めて登場したのは、
season4 第8話「監禁」(2005年・放送回)です。
season4 第8話「監禁」のざっくり復習
- タイトル:「監禁」
- シーズン:相棒 season4 第8話
- 放送日:2005年11月30日
この回では、亀山薫がホステスの女性に拉致され、
地下室に監禁されてしまいます。目的は「大金が入った金庫を開けさせること」。
事件の中で鍵になるのが、ある 暗号めいた詩。
この暗号を解くヒントとして、犯人が参考にしていたのが、
中学生時代の右京が書いた推理小説 『亡霊たちの咆哮』 でした。
結果的に、
- 右京の小説が、
- 犯人のヒントとなり、
- そのせいで亀山が事件に巻き込まれ、命の危険にさらされる
という流れになります。
ここが、右京にとって 「一生忘れたい黒歴史」 になった大きな理由の一つでしょう。
再登場その1:season21 元日SP「大金塊」
『亡霊たちの咆哮』が再び登場したのが、
season21 第11話(元日スペシャル)「大金塊」 です。
この回では、
- 熟年探偵団(大門寺たち3人組)の事務所
- 孫である女子大生・大門寺寧々
- そして、政治家の金塊をめぐる騒動
…という盛りだくさんな内容でしたが、実はここでも
「中学生の右京が書いた小説『亡霊たちの咆哮』」
ががっつり登場します。
ミステリー研究会の中で伝説の作品となっていて、寧々はこの本の大ファン。熟年探偵団の面々にも読ませていて、
- 右京は「感想を聞かされるのが怖い」
- そして亀山に「あの原稿を焼いてきてほしい」と頼みかける
という、今回のseason24 第11話にもつながる“黒歴史いじり”が描かれていました。
つまり今回の「老人と寧々」は、
- 初登場:season4 第8話「監禁」
- 再登場:season21 第11話「大金塊」
- そして今回:season24 第11話「老人と寧々」
という 三度目の登場 というわけです。
再登場その2:season24 第11話「老人と寧々」での扱い
今回の「老人と寧々」では、『亡霊たちの咆哮』は次のような立ち位置でした。
- 大学の読書サロンに所蔵されている“お宝本”
- 番人(蘇我)が大切に守っているコレクションの一つ
- ネタバレ書き込み犯のターゲットにされる可能性もある重要なアイテム
そしてなにより、
右京さんが“理性を失いかねないやばいブツ”
として、薫が捜一トリオを呼び出す理由にもなっていました。亀山は、「右京の黒歴史が公の場にさらされるかもしれない」という意味で、本気で危機感を持っているわけです。
ある意味、この回の真の 「お宝」 は、
- 金塊でも
- 殺人事件でもなく
中学生・右京の黒歴史小説 だと言ってもいいでしょう。
なぜ右京にとって「消したい黒歴史」なのか
ここからは少し考察です。
① 右京の「美意識」と黒歴史のギャップ
右京は、
- ロジカルで
- 冷静で
- 言葉の一つひとつも慎重に選ぶ
とても“完成された大人”として描かれています。
そんな彼にも、
- ちょっと気恥ずかしい表現を連発していた
- 若さゆえの「盛りすぎ設定」に浸っていた
そんな 中二病時代 があった。
このギャップが、彼の中で「黒歴史」として強く残っているのだと思われます。
② 他人を危険に巻き込んだ「罪悪感」
season4「監禁」では、
この小説がヒントになったことで、亀山が監禁・負傷という大ピンチに陥りました。
もちろん、直接の悪は犯人ですが、
「自分の作品が、誰かを危険にさらすきっかけになった」
という事実は、右京の性格上、かなり重く受け止めているはずです。
- 作品そのものの気恥ずかしさ
- それが引き起こした結果への罪悪感
この2つが重なって、
『亡霊たちの咆哮』=「絶対に忘れたい過去」になっている、と考えるとしっくりきます。
③ それでも“伝説”になってしまった皮肉
一方で、作中世界ではこの小説は、
- ミステリーマニアの間では伝説級
- 読んだ人たちは本気で評価している
という設定です。
本人だけが「やめてくれぇぇ」と思っているのに、
周りからは「名作!」「神本!」と言われてしまう。
このズレこそが、今回のエピソードの “コメディ部分” を支えていると言えます。
「ネタバレ犯」と黒歴史の対比:今回のテーマを読み解く
第11話のもう一つの大きな軸が、
読書サロンの「連続ネタバレ書き込み事件」です。
- 本の余白に、犯人やトリックを書いてしまう
- 読む人の楽しみを奪う、ある意味「本への暴力」
犯人はサロンの“番人”・蘇我で、
その動機は「寧々の気を引きたい」という、かなり歪んだ恋心でした。
この構図を、「黒歴史小説」と並べてみると、こんな対比が見えてきます。
ネタバレ犯(番人)
- 人の作品を勝手にいじる
- 読者の「初見の驚き」を奪う
- 自分の欲望(寧々への執着)のために、人の楽しみを犠牲にした
右京の黒歴史小説
- 自分の作品を、むしろ封印したがっている
- 誰かの楽しみを奪うのではなく、「自分の恥を隠したい」だけ
- それでも周りは作品としてちゃんと尊重している
同じ「本」や「物語」をめぐる話でも、
- 作品への“向き合い方”
- 他人の楽しみへの配慮
が、きれいに対照的に描かれているのが今回の面白さだと感じます。
歴代エピソードへの目配せ:ファンサービスとしての「黒歴史」
今回の第11話は、
- 『亡霊たちの咆哮』(season4「監禁」初出)
- 元日SP「大金塊」(season21)
- さらに『Wの悲喜劇』(season5 第13話のタイトルもじり)など歴代エピソードを思わせる本のタイトル
といった形で、シリーズの歴史への小ネタ がたくさん盛り込まれていました。
長年のファンからすると、
「あ、このタイトルってあの回だよね?」
とニヤッとできるポイントが多く、「24シーズン目にして“シリーズの歴史そのもの”を楽しむ回」になっていると言えます。
一方で、新規視聴者にとっては、
「何の回だろう?」
「昔のエピソードを見返してみようかな」
と、相棒の“深掘り”に誘われる仕掛けにもなっています。
今回の『亡霊たちの咆哮』再登場は、今後への伏線?
ここから先は、あくまで一ファンとしての推測です。
可能性①:シリーズ25周年へ向けた「総集編モード」
season24は、シリーズとしてもかなりの長寿作品になってきたタイミングです。
- 初期(season4)の人気回
- 近年の元日SP(season21)
- そして現在のseason24
と、長い歴史を一本の線でつなぐ小道具 として、『亡霊たちの咆哮』が再利用されているようにも見えます。
長く続くシリーズでは、
- 過去を振り返る回
- ファン向けの“お祭り回”
がどうしても重要になってきます。その役割を、この「黒歴史小説」が担わされている気もします。
可能性②:寧々の今後のポジション強化
『亡霊たちの咆哮』は、寧々にとっても特別な本です。
- 右京を尊敬するきっかけ
- 熟年探偵団と特命係をつなぐ“記念の一冊”
として機能していて、今回もその延長線上で使われています。
寧々が今後も何度か再登場するのであれば、
- 「右京の黒歴史」
- 「寧々の推し本」
という両面を持つ『亡霊たちの咆哮』は、今後も “ネタとして使いやすいカード” として時々顔を出すかもしれません。
まとめ:『亡霊たちの咆哮』を知ると、第11話がもっと楽しくなる
最後にポイントを整理します。
『亡霊たちの咆哮』とは?
- 杉下右京が 中学生のときに書いた推理小説
- 作中世界ではミステリーマニアの間で伝説級の一冊
- 右京本人にとっては 「消したい黒歴史」
初登場はどの回?
- 初登場:season4 第8話「監禁」
- 亀山が監禁された事件で、ヒントとして使われた
- 再登場:season21 第11話「大金塊」(元日SP)
- 熟年探偵団&大門寺寧々とともに話題になる
- 三度目:season24 第11話「老人と寧々」
- 大学読書サロンの“お宝本”として登場し、ネタバレ事件と絡む
なぜ今また出てきたのか?
- シリーズ初期〜現在までをつなぐ 歴史のアイコン として
- 右京の意外な「黒歴史」をいじりつつ、キャラの人間味を出すため
- 寧々&熟年探偵団とのつながりを強めるファンサービスとして
もし、
「第11話見たけど、黒歴史小説の元ネタがよくわからなかった」
という方は、
- season4 第8話「監禁」
- season21 第11話「大金塊」
を見返してから、もう一度「老人と寧々」を見るのがおすすめです。
同じセリフ・小道具でも、
「あ、これは“亡霊たちの咆哮”のあのエピソードを踏まえてるんだな」
とわかるだけで、楽しさが何倍にも膨らみます。
ここまで読んで、
- 「監禁、また見たくなってきた」
- 「大金塊とセットで見返そうかな」
と少しでも思った方は、すでに右京の黒歴史の“沼”に片足つっこんでいるかもしれません。
そのうち、あなたも『亡霊たちの咆哮』を「黒歴史」ではなく
“相棒史を象徴する一冊” として、かわいく見守るようになるはずです。


