流経大柏の右サイドバック、乙川宙(おとがわ・そら)は、このあとどこへ進むんだろう?
第104回全国高校サッカー選手権で名前が一気に広がり、「エンジンが違う」「爆発力がえぐい」と話題になっている乙川宙。冬の選手権を見て、「あの子の進路が知りたい!」と気になっている人も多いはずです。
この記事では、
- 乙川宙ってどんな選手?
- 高校サッカー選手の代表的な進路パターン
- 乙川宙の実際の進路はどこなのか
- もしJリーグ直行や海外を選んでいたら?という“もしも話”
- 進路に悩む高校生・保護者へのヒント
を解説していきます。
乙川宙ってどんな選手?
まずは基本情報から整理しておきましょう。
- 名前:乙川 宙(おとがわ そら)
- 学校:流通経済大学付属柏高校(流経大柏)
- 学年:3年
- ポジション:主に右サイドバック(DF)だが、MF表記もありサイドハーフもこなす
- 背番号:2
- 身長・体重:身長176cm/体重66kg前後
- 前所属:FC多摩ジュニアユース
プレミアリーグEAST(高校年代のトップリーグ)や選手権予選、そして本大会でのプレーを見たスカウトや記者からは、
- 「他とは違うエンジンを持っている」
- 「縦への推進力とスピードがずば抜けている」
- 「90分を走り切るスタミナと、試合の終盤でも落ちないギア」
といった評価を受けています。
ポイント①:爆発的なスピードと推進力
乙川選手のいちばんの武器は、「縦への推進力」です。
- サイドでボールを受ける
- 一気にスピードに乗る
- 相手DFをぶっちぎる
- そのままクロス、あるいは自分でシュート
という形を何度も繰り返せるのが強み。相手からすると「また来た…」と嫌になるタイプのサイドバックです。
ポイント②:攻守に顔を出す“サイドのエンジン”
サイドバックなのに、気がつくと前線のゴール前にいたり、逆に自陣の深い位置で相手のカウンターを止めていたり、「どこにでも顔を出す」タイプの選手でもあります。
- 攻撃:オーバーラップして高い位置まで上がる
- 守備:しっかり戻って1対1も戦える
- 連続ダッシュを繰り返せる体力
こうした要素がそろっているので、「現代型のサイドバック」としてプロから見ても魅力的なプロフィールです。
高校サッカー選手の進路は大きく4つ
では、こういう有力選手は卒業後、どんな進路を選ぶのでしょうか。
ざっくり分けると、次の4つです。
- Jリーグクラブに“プロ”として入団
- 大学サッカー(強豪大学)へ進学
- 社会人・実業団チームへ進む
- 海外のクラブ・アカデミーなどに挑戦
ひとつずつ、イメージしやすいように説明します。
① Jリーグクラブに“プロ”として入団
一番わかりやすいのが、いきなりJ1・J2・J3のクラブとプロ契約を結ぶパターンです。
- 高校卒業と同時に「プロサッカー選手」になる
- 給料をもらってサッカーに専念する
- U-18の頃からそのクラブの下部組織にいた選手も多い
ただし、ここに入れるのは本当に一握り。全国レベルで見ても、ごく限られたトップ中のトップだけです。
② 大学サッカー(強豪大学)へ進学
ここ数年で一番増えているのが、この「大学サッカー経由でプロを目指す」パターンです。
- 関東・関西の強豪大学(明治、早稲田、筑波、法政、流通経済大、桐蔭横浜大など)で4年間プレー
- 大学リーグはJクラブのスカウトも常にチェック
- 4年かけて身体づくりや戦術理解を深められる
- 学歴もつくので、もしプロになれなかった時の選択肢も広がる
実際、今のJリーグには「高校→J」ではなく、「高校→大学→J」というルートを通った選手がたくさんいます。
③ 社会人・実業団チームでプレー
Jリーグではないものの、企業チームや地域リーグの強豪クラブでプレーする道もあります。
- 会社に就職しながらサッカーを続ける
- 練習は夕方〜夜、週末は公式戦
- 社会人としてのキャリアを優先したい人には合う
「プロ一択じゃないよね」と考える選手には、現実的で堅実なルートです。
④ 海外へ挑戦(留学・下部リーグなど)
最近は、高校卒業後すぐに海外へ出る選手も少しずつ増えています。
- サッカー留学として、欧州や南米のクラブ・アカデミーに参加
- 海外の大学に進学してサッカーを続ける
- 下部リーグから這い上がる覚悟で挑戦する
チャレンジ精神が必要で、リスクも大きいですが、その分、成功したときのリターンも大きい夢のある道です。
結論:乙川宙の進路は「桐蔭横浜大学」への進学
では、本題です。
乙川宙の進路はどうなったのか?
高校サッカーの進路・進学先をまとめているサイトなど複数の情報を確認すると、乙川宙(流経大柏)の進路は 「桐蔭横浜大学」進学 と紹介されています。
つまり、選択肢でいうと、
- Jリーグ直行 → ではなく
- 社会人チーム → でもなく
- 海外挑戦 → でもなく
大学サッカーの強豪・桐蔭横浜大学でプレーする道 を選んだ、ということになります。
なぜ桐蔭横浜大学なのか?(わかる範囲で)
本人や学校から、細かい理由が公式に語られているわけではありません。なので、ここから先は「事実+一般的な傾向」からの推測になります。
ただ、桐蔭横浜大学サッカー部について調べると、こんな特徴があります。
- スローガンは「TOUGH & INTELLIGENT」
→ フィジカルだけでなく、頭を使ったサッカーを重視 - これまでに日本一を経験している、大学サッカーの強豪
- 毎年のようにJリーグへ多くの選手を送り出している
- 川崎フロンターレの橘田健人
- 名古屋グランパスの野上結貴
- そのほか複数のJリーガーが桐蔭横浜大出身
- 「人間力の向上なくして競技力の向上はない」と掲げ、人としても成長することを大事にしている
乙川選手は、
- サイドで走り続けられるフィジカル
- 縦への推進力
- 攻撃にもガンガン関わる積極性
が持ち味の、まさに“エンジン型”のサイドバックです。
こうしたスタイルは、攻撃的なサッカーを志向する桐蔭横浜大とも相性がよさそうで、「大学でさらに走力と判断力を磨いて、その先のプロを狙う」というルートは、非常に納得感があります。
大学サッカーを選んだ場合のメリット
ここからは、乙川宙が選んだ「大学サッカー進学ルート」のメリットを、進路を考えている高校生や保護者の目線で、整理してみます。
メリット① 身体づくりと戦術理解に4年間使える
高校3年生の時点では、
- まだ体ができていない
- ケガしやすい
- メンタルの波が大きい
という選手も多いです。
大学では、4年という時間を使って、
- ウェイトトレーニングで筋力アップ
- 食事や睡眠の管理を学ぶ
- ポジションに合った身体の使い方を身につける
- 戦術理解を深めて「考えて走る」選手になる
といった“土台づくり”ができます。
乙川選手のように「エンジン型」のサイドバックは、プロに行ってからも走力+判断力が絶対に必要です。その準備期間として大学を選ぶのは、理にかなった選択と言えます。
メリット② プロの“入口”が広がる
大学サッカーは、Jクラブのスカウトがかなり真剣に見ているカテゴリーです。桐蔭横浜大のような強豪校なら、なおさらです。
- 関東大学リーグの試合
- 天皇杯でのJクラブとの対戦
- 練習試合でのアピール
こうした場で活躍すれば、J1〜J3クラブから声がかかる可能性があります。
しかも、大学からプロになる選手は、
- 高校時代に比べて、フィジカルもメンタルも一段階成長している
- ある程度の“即戦力”として見てもらえる
という強みもあります。
メリット③ 万が一プロになれなくても“学歴”が残る
これは親御さん目線でかなり大きいポイントです。
- 大学を卒業すれば、一般企業への就職もしやすい
- 教員免許など、資格取得も視野に入る
- サッカー指導者、フィジカルトレーナーなどサッカーに関わる仕事にもつなげやすい
「プロを目指しながら、引退後の人生も考えておきたい」という意味でも、大学進学はバランスのとれた選択です。
もしJリーグ直行や海外を選んでいたら?メリット・デメリット
記事タイトルに合わせて、「もし乙川宙が別の道を選んでいたら?」もイメージしてみましょう。
もちろんこれは“もしも話”ですが、「自分が進路を選ぶなら?」と考えるときに参考になると思います。
パターン① 高校からJリーグへ直行していた場合
メリット
- 18歳からプロとして給料をもらえる
- 毎日、プロの環境でトレーニングできる
- 早くからトップレベルのスピード・強度を体感できる
デメリット
- 競争が一気に激しくなる(試合に出られない可能性も高い)
- 結果を急ぎ過ぎて、ケガやスランプでつまずくリスク
- うまくいかなかったときの“次の選択肢”が限られる
サイドバックのようなポジションは、監督からの信頼がとても大事です。その信頼を得るまで時間がかかることを考えると、「大学を挟んでからプロ」というルートの方が、トータルでは安全な場合も多いです。
パターン② 社会人・実業団を選んでいた場合
メリット
- 安定した収入を得ながらサッカーを続けられる
- 社会人としての経験も早く積める
- 引退後のキャリアにスムーズにつながる
デメリット
- どうしてもサッカーに使える時間は減る
- Jリーグへの“逆輸入”はゼロではないが、ハードルは高い
「絶対にプロになりたい」というタイプの選手の場合、やや物足りなく感じる選択かもしれません。
パターン③ 海外挑戦を選んでいた場合
メリット
- 若いうちから海外の文化・サッカーを体験できる
- 日本では得られない価値観や人脈が広がる
- うまくハマれば、一気に名前が売れる可能性もある
デメリット
- 言葉・生活・文化の壁がかなり高い
- うまくいかなかったときに、戻ってくる場所をどうするか問題
- 契約面でトラブルになるケースもある
かなり“ギャンブル性”の高い道なので、本人の性格・家族の考え方・サポート体制が重要になります。
乙川宙の選択は「堅実さ+伸びしろ」を感じるルート
ここまで見てきたように、乙川宙は
高校 → 強豪大学(桐蔭横浜大) → その先にプロも見据える
という、とても現実的でありながら、夢も捨てていないルートを選んだと言えます。
- 高校時代:流経大柏でプレミアEAST・選手権を経験
- 大学時代:桐蔭横浜大学でさらに4年間、全国トップクラスの環境で鍛えられる
- その先:毎年Jリーガーを輩出している大学なので、プロへのチャンスも十分ある
「いきなりJリーグじゃないから、夢をあきらめた」ということでは全くなく、
夢を叶えるために、“準備期間をプラスした”
と考える方がしっくりきます。
進路に悩む高校生・保護者へのヒント
最後に、乙川宙のケースから学べる「進路の考え方」を、簡単なチェックポイントにまとめてみます。
① まずは「自分の現在地」を正しく見る
- 県レベル? 地方大会レベル? 全国レベル?
- 体の強さは? ケガは多い?少ない?
- メンタルの波は? 調子が悪いときにどれくらい崩れる?
ここを冷静に見ないと、「背伸びしすぎて苦しくなる」「逆にチャレンジが足りない」という状態になりがちです。
② どんなサッカー人生を送りたいのかを言葉にする
- 少しでも長く“選手”としてプレーしたいのか
- 将来は指導者やトレーナーも視野に入れているのか
- サッカーを通じて、どんな人間になりたいのか
このあたりを紙に書き出してみると、「自分には大学進学が合っているかも」「いや、今すぐプロを目指したい」といった方向性が見えてきます。
③ 家族とも”お金と生活”の話をきちんとする
- どの進路はどれくらいお金がかかるのか
- 寮生活か、一人暮らしか、自宅通いか
- 将来、お金の不安をどこまで減らしておきたいか
サッカーの話だけでなく、こうしたリアルな部分も含めて話し合うことが大事です。
④ 「誰かの正解」ではなく「自分の正解」を選ぶ
- あの有名選手が高校→Jだったから、自分もそうしなきゃ…
- 周りのチームメイトが大学進学だから、自分もなんとなく…
こういう理由で進路を選ぶと、後からモヤモヤしやすいです。
乙川宙の選択も、誰かのコピーではなく、「自分のプレースタイルと、今後の成長を考えたうえでの大学進学」だと考えると、とても筋が通っています。
まとめ
この記事のポイントを、最後にもう一度整理します。
乙川宙が、桐蔭横浜大学でどんなサイドバックに成長し、数年後どのクラブのユニフォームを着ているのか。高校サッカーで彼を知った私たちは、その“続きの物語”を見守る楽しみを手に入れました。

