いま日本代表として注目されているカーリング選手・小谷優奈さん。
テレビなどで試合を見ていて、
「この人、前は富士急で働いてたって聞いたけど、実際なにしてたの?」
と気になった人も多いと思います。
実は小谷さんは、高校を卒業してすぐに山梨の実業団チーム「チーム富士急」に就職し、
遊園地の富士急ハイランドで働きながらカーリング選手として戦ってきた、“二足のわらじ”アスリートです。
この記事では、
- 小谷優奈さんが富士急で「どんな仕事」をしていたのか
- どうやって「遊園地勤務」と「カーリング」を両立していたのか
- そこから見えてくる、働きながら夢を追うヒント
を解説していきます。
小谷優奈ってどんなカーリング選手?
まずは、ざっくりプロフィールから。
- 1998年5月26日生まれ
- 神奈川県相模原市出身
- 小学4年生のとき、お父さんに連れられてカーリングを始める
- 高校卒業後、山梨の「チーム富士急」に就職&加入
- 2018年 日本カーリング選手権で優勝(チーム富士急)
- 現在は札幌を拠点とする女子カーリングチームフォルティウスに所属し、日本代表として活躍
ポジションは「セカンド」や「バイス(副司令塔)」として紹介されることが多く、
ショットの正確さだけでなく、試合を読む力やメンタルの強さも評価されています。
そんなトップレベルの選手が、なぜ遊園地で働いていたのか?
その背景には、「実業団チーム」という仕組みがあります。
チーム富士急と「遊園地勤務」の関係
小谷さんが所属していた「チーム富士急」は、
山梨県富士吉田市などを本拠地とする女子カーリングチーム。運営しているのは、鉄道やバス、そして遊園地の富士急行グループです。
実業団ってなに?
実業団チームとは、簡単にいうと
「会社に勤務しつつ、その会社の“看板選手”としてスポーツで活躍する」
というスタイルです。
- 日中は会社の一社員として働く
- 合間やシーズン中は、会社の理解を得ながら練習・試合に出る
- 給料は社員として会社からもらう
という形なので、「仕事」と「競技」を両立する働き方になります。
チーム富士急の場合、カーリング部の選手たちは
遊園地の富士急ハイランドで働きながら、
オフの時間にカーリング場「カールプレックスフジ」などで練習していました。
つまり、
「遊園地のキャスト」と「日本トップレベルのアスリート」
という、なかなかレアな二つの顔を持っていたわけです。
富士急ハイランドで実際になにをしていたの?
一番気になるのがここですよね。
エントランス周りでの接客が中心
スポーツメディアのインタビューで、同じチームのスキップ・小穴桃里選手が、
「ふだんの仕事」について具体的に語っています。
内容をかんたんにまとめると、
- 主に春〜夏のシーズンは、選手全員が「エントランス付近」で勤務
- 物販(グッズ販売)や入園ゲート周りの仕事を担当
- 特にコロナ禍の時期には、
- 来園者の検温
- 消毒の案内
- チケット販売
などを行っていた
といった役割です。
小谷優奈さんも、小穴選手と一緒に、
入園ゲートでお客さんの検温をしたり、アルコール消毒をお願いしたりしながら、
チケットを販売する仕事をしていました。
つまり、私たちが富士急ハイランドに遊びに行ったとき、
入口で迎えてくれるスタッフの中に、
実は日本代表クラスのカーリング選手がいた
ということになります。
お土産ショップやイベントの手伝いも
同じインタビューでは、チームメイトの一部が
エントランス近くのお土産ショップで働いていたことも紹介されています。
- お客さんに人気商品を案内したり
- レジで会計をしたり
- 売り場の整頓をしたり
と、一般的な接客業もこなしていたようです。
また、別の記事では、チーム富士急の選手たちが
- 使わなくなったカーリング用具をジュニア選手に寄付したり
- 勤務先の遊園地内で、お客さんに「ストーン投げ体験」をしてもらったり
といった取り組みも紹介されています。
遊園地の中でカーリングに触れてもらうことで、
「カーリングって面白そう!」
「こんなスポーツがあるんだ!」
と知ってもらう、いわば“カーリングの営業”も仕事の一部だったわけですね。
「遊園地勤務 × カーリング」小谷優奈の一日イメージ
では、そんな小谷さんの一日は、どんな流れだったのでしょうか。
正確なタイムテーブルは公表されていませんが、
実業団アスリートやインタビュー内容からイメージできる、一例を描いてみます。
※ここからは「事実+推測」をまじえたイメージです。
※方針として、現実の制約に合うように組み立てています。
朝:仕事前から「アスリートモード」
- 6:00 起床
- 軽いストレッチや体幹トレーニング
- 朝食をしっかり食べて、体調チェック
- 7:30ごろ
- 社宅や寮から職場へ移動
- 通勤中は試合動画を見て、フォームや戦術を頭で整理
カーリングは「氷上のチェス」といわれるほど頭を使うスポーツなので、
移動時間もムダにせず、頭の中でイメージトレーニングをしていた可能性は高いでしょう。
日中:富士急ハイランドのスタッフとして働く
- 9:00〜17:00ごろまでが勤務(シフト制の可能性も大)
この時間帯は、完全に「富士急ハイランドのキャスト」です。
- 入園ゲートでチケット販売
- 検温や消毒の案内(コロナ禍の時期)
- 混雑時は列整理や案内
- 困っているお客さんに声をかけたり、道を教えたり
など、現場の状況に合わせながら動き続ける仕事です。
一日中立ちっぱなしになることも多く、
夏は暑さ、冬は寒さとの戦い。
体力的にも「楽な仕事」とは言えません。
それでも、笑顔でお客さんを迎えながら、
休憩時間には仲間とカーリングの話をしたり、試合の反省をしたり。
遊園地での経験は、
- 接客で鍛えられる「コミュニケーション力」
- どんな状況でも笑顔で対応する「メンタルの強さ」
など、カーリングにも生きるスキルにつながっていったはずです。
夕方〜夜:カーリング場で本格練習
- 仕事が終わったあと、カーリング場「カールプレックスフジ」などへ移動
- チーム練習やフィジカルトレーニング
チーム富士急は、全国トップレベルの成績を残していたチームです。
- 日本選手権で優勝(2018年)
- 何度も表彰台に上がる常連チーム
という結果を出すためには、「仕事終わりに少し練習」くらいでは足りません。
氷上練習だけでなく、
- 体幹トレーニング
- 筋力トレーニング
- 映像を使った戦術ミーティング
なども必要になります。
おそらく、
- オフシーズン:仕事メイン+夕方からの練習
- シーズン中:会社の理解を得て、練習や遠征のために休みや時間を確保
という形で、会社とチームが一体になって調整していたと考えられます。
週末:試合や遠征で全国を飛び回る
日本カーリング選手権などの大会シーズンには、
- 北海道や長野などのリンクへ遠征
- 一週間以上、ホテルとリンクを往復する生活
になることもあります。
このときは、会社から「選手としての活動」を優先するためのサポートを受け、
平日は遊園地のスタッフ
シーズンは日本代表レベルのアスリート
という生活をしていたわけです。
富士急を卒業し、新たなステージへ
そんなチーム富士急ですが、2022年にカーリング部の「休部」が発表されました。
このとき、
- 小穴桃里選手
- 小谷優奈選手
- 小谷有理沙選手
など、主力選手は会社を退職し、新たな道へ進むことになります。
小谷優奈さんは、その後
- 北海道・札幌を拠点とするフォルティウスへ加入
- 日本代表争いの中で頭角を現し、ミラノ・コルティナ五輪の代表メンバーに選出
と、大きくステージを変えていきます。
富士急ハイランドでの勤務は一区切りつきましたが、
- 会社員として働きながら競技を続けた経験
- 一般の人と毎日接する中で育ったコミュニケーション力
- 忙しい中でも練習を続けてきた継続力
は、その後のキャリアにも確実に生きているはずです。
「二足のわらじ」から見える、小谷優奈の強さ
遊園地勤務とカーリング。
一見まったく違う世界ですが、小谷さんのエピソードからは、共通するポイントがいくつも見えてきます。
① どんな場所でも「プロ意識」を持つ
- 富士急ハイランドでは、「お客さんの楽しい一日」を支えるプロ
- 氷の上では、「チームの勝利」を支えるプロのアスリート
というふうに、場面ごとに役割は違いますが、
大切なのは「目の前の人のためにベストを尽くす」という姿勢です。
エントランスでの検温や消毒の声かけも、
ただのルーティンではなく、
「この人に、安心して遊んで帰ってもらいたい」
という気持ちでやっていたなら、
それはもう立派な“プロの仕事”と言えます。
② 忙しいからこそ「時間の使い方」がうまくなる
実業団アスリートには共通して、
- 「時間の使い方がうまい」
- 「優先順位のつけ方がはっきりしている」
という特徴があります。
仕事と競技の両立の中で、
- 今日は体力がきついから、練習はショットの精度に絞ろう
- 今日はフィジカル中心、明日は戦術ミーティング多め
- オフの日はしっかり休んで、メンタルを整えよう
と、限られた時間と体力の中で「何をするか」を選ぶ力が自然に鍛えられていきます。
これは、私たちのふつうの仕事や家事にも、そのまま生かせる考え方ですよね。
③ 夢を追うには「働き方の選択肢」を広く見る
小谷さんは、大学進学ではなく、
高校卒業と同時にチーム富士急へ就職する道を選びました。
- 大学でのんびり学生生活を送る道
- 社会人として会社で働きつつ、実業団で競技に打ち込む道
どちらが正解というわけではありませんが、
「自分がやりたいことを叶えるには、どんな働き方がいいか?」
と考えた結果の選択だったことは間違いないでしょう。
いまの日本では、
- フルタイムの会社員
- パートやアルバイト
- フリーランス
- 複業・副業
など、働き方の選択肢が増えています。
小谷さんのように、
「仕事をしながらでも、夢はあきらめなくていい」
という実例は、スポーツだけでなく、
音楽・創作・資格勉強など、さまざまなチャレンジをしている人の励みにもなります。
私たちへのメッセージ:「今の仕事も、夢につながるかもしれない」
最後に、小谷優奈さんの「富士急での日常」から、
私たちが受け取れるメッセージをまとめてみます。
- どんな仕事も、やり方次第で“自分の強み”になる
- 接客で鍛えたコミュニケーション力は、チームスポーツでも大きな武器になる
- 立ち仕事で鍛えられた体力は、長時間の試合にも役立つ
- 忙しいからこそ、時間の使い方を工夫できる
- 「時間がないからできない」ではなく、
「時間がないから、どう工夫するか」を考える
- 「時間がないからできない」ではなく、
- 働きながら夢を追う生き方も、立派なキャリアのひとつ
- フルタイムで夢だけを追い続けるだけが「挑戦」ではない
- 日常の仕事と夢の活動を両立する道も、同じくらい価値がある
- 環境を変える決断も、成長の一部
- 富士急カーリング部の休部をきっかけに、チームを移籍し、日本代表としてさらに活躍の場を広げた
- 「ひとつの環境が終わること」は、必ずしも「夢の終わり」ではない
おわりに
「小谷優奈は富士急で何をしていた?」という問いに、一言で答えるなら、
「遊園地で働く“普通の社会人”でありながら、
氷の上では日本トップレベルのカーリング選手でもあった」
ということになります。
入園ゲートでチケットを売り、
お客さんに消毒をお願いし、
ときにはカーリングの体験イベントで子どもたちにストーンを投げてもらう。
そんな何気ない日常の積み重ねが、
今の日本代表・小谷優奈を形づくっているのだと思うと、
富士急ハイランドという遊園地の風景も、少し違って見えてきませんか?
もしあなたにも、
- 「仕事が忙しくて、夢をあきらめそう」
- 「このままの働き方でいいのか不安」
という気持ちがあるなら、
小谷さんの“遊園地勤務×カーリング”の日々を思い出してみてください。
今の場所でがんばることも、
夢に向かう、立派な一歩なんだ。
そんな勇気をくれるストーリーだと感じています。






