テレビやネットで、細長い白と茶色の動物と、小さな花のキャラクターを見て
「あの子たち、いったい誰?」
と思った人も多いと思います。
2026年のミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックには、公式マスコットが3つのグループ登場します。
- オリンピックのマスコット:白いオコジョのティナ(Tina)
- パラリンピックのマスコット:茶色いオコジョのミロ(Milo)
- 2匹の仲間:6人組のスノードロップ(雪の小さな花)Flo(フロー)
どれも、イタリアの小中学生が考えたキャラクターで、一般投票で選ばれた“国民総出”のマスコットです。
この記事では、
を解説していきます。
まずは大会の前提:ミラノ五輪ってどんな大会?
開催地と期間
2026年冬季大会は、イタリアの2つの都市が共同で開催します。
- ミラノ:開会式・閉会式、フィギュアやアイスホッケーなど“氷の競技”が中心
- コルティナ・ダンペッツォ:スキー、リュージュなど“雪・そり系”が中心
期間は2026年2月4日〜22日(現地時間)。競技は4つのエリアに分かれて行われます。
そのため、マスコットも
- 都会の顔:ミラノ
- 山のリゾート:コルティナ
この2つをつなぐ存在としてデザインされています。
ティナ&ミロって誰?ざっくりプロフィール
種類:2匹とも「オコジョ」(エルミン)
ティナとミロは、どちらも「オコジョ」という小さな動物がモデルです。英語では stoat / ermine と呼ばれる、イタチの仲間ですね。
夏は茶色、冬は真っ白に毛の色が変わる
雪山や森など、環境の変化に強い
という特徴を持つ動物で、「変化に強く、柔軟に生きるイタリアの今」を表す存在として選ばれました。
2匹の関係:兄妹(きょうだい)
公式設定では、
- お姉さん:白い毛のティナ(オリンピック担当)
- 弟:茶色い毛のミロ(パラリンピック担当)
という兄妹(きょうだい)コンビです。
名前の由来
名前は、とてもシンプルです。
- ティナ(Tina):コル“ティナ”・ダンペッツォ
- ミロ(Milo):“ミロ”=ミラノ
というふうに、2つの開催都市の名前をもじって付けられました。
誰がデザインしたの?
ここが、ティナ&ミロの一番おもしろいところかもしれません。
- イタリア中の6〜14歳の小中学生から、約1,600案のマスコット案が応募される
- その中から候補が絞られ、国民投票で人気No.1になったのがティナ&ミロ
- デザインしたのは、南イタリア・カラブリア州にある「タヴェルナ総合学校」の生徒たち
という流れで決まりました。
とくにおもしろいのは、「2位だったアイデア」もそのまま捨てなかったこと。
この“2位のアイデア”が、あとで紹介するFlo(フロー)の元になっています。
ティナの性格とストーリー
最初に、オリンピックのマスコットであるティナから見ていきましょう。
見た目のポイント
- 全身は白い毛(冬毛のオコジョがモデル)
- 首にはマフラー(スカーフ)
- 体には五輪マークと、ミラノ・コルティナ2026のロゴ
白い体は「雪」をイメージしながら、
- 新しいスタート
- 純粋さ
- 夢見る気持ち
なども表しています。
ティナの性格
公式サイトでは、ティナについてこんなふうに紹介されています。
- 生まれは山だが、自分から都会へ出てきた“行動派”
- 新しいものが大好きで、いつも好奇心いっぱい
- コンサートやショー、美術などを通じて、「美しさの力」を知る
- 自分も誰かをワクワクさせたいと思っている
簡単にまとめると、
「地方から都会に出てきて、自分の世界を広げていくZ世代の女の子」
といったイメージです。
ティナのキーワードは「Dream big!」
ティナを表す言葉として、公式には「Dream big!(でっかい夢を持とう)」というフレーズが紹介されています。
- 小さな体でも、大きな夢を持っていい
- 住む場所を変えて、新しい自分を見つけてもいい
そんなメッセージが込められています。
ミロの性格とストーリー
つづいて、パラリンピックのマスコット、ミロです。
見た目のポイント
- 全身は茶色の毛(夏のオコジョがモデル)
- 首にグリーンのスカーフ(イタリア国旗が小さく入っていることも)
- 体にはパラリンピックのロゴ
- よく見ると、片足がない
この「片足がない」という設定が、ミロのいちばん大きな特徴です。
ミロの性格
各国メディアや公式の説明では、ミロはこんなキャラクターとして紹介されています。
- ちょっと夢見がちなドリーマー
- 雪遊びやスポーツが大好き
- 新しいことを想像するのが得意
- いつも姉のティナと一緒に、ゲーム(大会)を目指して旅をしている
「障害を力に変える」キャラクター
ミロは生まれつき片足がないという設定ですが、その代わりに
しっぽを上手に使って歩く
というストーリーになっています。
つまり、
- 「みんなと同じ」形ではない
- でも、工夫と前向きさで、自分なりの動き方を見つけている
という、パラリンピックらしいメッセージを持ったキャラクターです。
スペイン語版の紹介では、ミロを表す言葉として
「障害は“壁”ではなく、“ジャンプ台(トランポリン)だ」
というイメージが語られています。
日本語にすると、
「できないことがあるからこそ、そこから飛び上がれる」
という感じの、とても前向きなメッセージですね。
ティナ&ミロの共通テーマ:「Z世代マスコット」って何?
大会組織委員会は、ティナとミロを
「史上初の“オープンにZ世代を名乗るマスコット”」
と表現しています。
ここには、いくつかのキーワードがあります。
好奇心とチャレンジ精神
- 山から都会へ出ていくティナ
- 障害があっても工夫して夢を追うミロ
どちらも、「変化を怖がらず、まずやってみる」タイプです。
多様性(ダイバーシティ)
- 毛の色が違う(白と茶色)
- 住む場所の好みも違う(都会が好き/雪山が好き)
- 身体の特徴も違う(ミロは片足が生まれつきない)
それでも「兄妹」として、一緒に旅を続けているところに、「違いを持つ人どうしが当たり前に一緒にいる社会」を重ねています。
変化への適応力
オコジョという動物自体が、
- 季節に合わせて毛の色を変える
- 雪山から森まで、さまざまな環境に適応する
という性質を持っています。
気候変動や社会の変化が大きい今の時代に、「柔軟に変わりながら、生きのびていく」という象徴としても選ばれているわけです。
2匹の“物語”をざっくりまとめると?
公式サイトでは、ティナとミロの“ショートストーリー”が紹介されています。内容を中学生レベルの日本語にすると、だいたいこんな流れです。
- イタリアの山で生まれた、白と茶色のオコジョの兄妹、ティナとミロ
- 2匹はスポーツや雪遊びが大好きで、五輪のことを夢見ている
- 「もっと世界を見てみたい」と思ったティナは、ミロを誘って山を出る
- 都会でアートや音楽、人との出会いを通じて、2匹はどんどん世界を広げていく
- 旅の途中で、小さな雪の花「Flo」と出会う
- Flo たちと一緒に、「ミラノ・コルティナ2026」の会場を目指していく
要するに、
山育ちの2匹が、世界中の人と出会いながら、仲間と一緒に五輪という大きな舞台を目指す物語
になっています。
仲間の「Flo(フロー)」とは?雪の花の6人組
ここからは、タイトルにもある仲間キャラ、Floを紹介します。
Flo の正体:スノードロップという花
Flo は、スノードロップ(Snowdrop)という白い小さな花がモチーフです。
- 冬の終わり〜春のはじめ、雪の中から顔を出す花
- 「希望」「復活」「春の訪れ」の象徴として知られる
このイメージから、Flo は
- 希望
- たくましさ(レジリエンス)
- 新しいスタート
の象徴として描かれています。
Flo の人数:6人(6つ)のキャラクター
Flo は1人ではなく、6人のキャラクターの総称です。
- 公式では「6つの小さなスノードロップの仲間たち」
- ティナ&ミロの“サポートチーム”として一緒に旅をする
と説明されています。
Flo は「準優勝案」から生まれた
最初のマスコットコンテストでは、ティナ&ミロ以外にも、いくつかの案が最終候補に残っていました。
その中の1つが、
「エーデルワイスとスノードロップ、2つの花が山から都会に旅していく」
というアイデアでした。
投票の結果、勝ったのはオコジョのティナ&ミロでしたが、
- せっかくの素敵なアイデアを捨てるのはもったいない
- 花のキャラクターも一緒に登場させたい
ということで、準優勝案のスノードロップが Flo として採用されました。
「負けた案も、形を変えてちゃんと主役のそばに残る」というのも、ちょっと温かい話ですよね。
Flo それぞれのキャラクター
Flo は6人組ですが、グッズ展開などでは、それぞれ少しずつ性格づけがされています。
ファン向けのまとめサイトや、公式ライセンスのぬいぐるみシリーズなどでは、例えば次のようなFloが紹介されています。
- Sport Flo(スポーツ・フロー):スポーツが大好きで、応援も全力
- Super Flo(スーパー・フロー):ヒーローマントをつけた、頼れる存在
- Rock Flo(ロック・フロー):音楽とダンスが大好き
- Genius Flo(ジーニアス・フロー):メガネをかけた“頭脳派”
- Cute Flo(キュート・フロー):あどけない表情が特徴
- Fashion Flo(ファッション・フロー):おしゃれが大好き
公式ストーリーでは「6人そろって Flo」として扱われることが多いですが、グッズやファンの間では、
「どの Flo がいちばん自分に似てる?」
と“推し Flo”を決めて楽しむ、という遊び方もできそうです。
ティナ・ミロ・Flo に込められたメッセージ
ここまで紹介してきた内容を、「どんなメッセージが込められているのか」という視点で整理してみます。
変化を楽しむ
- 季節で毛の色を変えるオコジョ
- 山から都会へ移り住むティナ
- 片足がなくても、自分のやり方で前に進むミロ
どれも、「変化に合わせて自分をアップデートしていく存在」です。
オリンピック・パラリンピックそのものが、
- コロナ禍
- 気候変動
- 働き方や価値観の変化
など、多くの変化の中で開かれるようになった今、**“変化を恐れずに進む”**姿勢をマスコットが体現しているとも言えます。
多様性とインクルージョン
- 見た目の違い(白/茶色、花/動物)
- 体の違い(足の有無)
- 興味の違い(アート、スポーツ、勉強、音楽…)
こうした「違い」を、誰も気にせずにチームとして動いている姿は、そのまま多様性(ダイバーシティ)とインクルージョン(包摂)のメッセージです。
希望と“リスタート”
Flo のモチーフであるスノードロップは、「雪の間から顔を出す春の花」です。
- 冬が終わって、また季節が巡ってくる
- 何度でもやり直せる
- つらい時期のあとには、必ず新しい季節が来る
そんな“リスタート”のイメージが重ねられています。
テレビ観戦がちょっと楽しくなる「ティナ&ミロ&Flo の見方」
最後に、実際に大会を観ながら楽しめる「ちょっとした視点」を紹介します。
ロゴと色に注目してみる
ティナの体には五輪ロゴ、ミロにはパラリンピックロゴが入っています。
- 白いオコジョを見かけたら「オリンピック」
- 茶色いオコジョを見かけたら「パラリンピック」
と、なんとなく頭の中で切り替えて見ると、ニュース映像でも整理しやすくなります。
会場演出の“隠し味”として探してみる
マスコットは、単に着ぐるみで出てくるだけではなく、
- 会場の看板やフラッグ
- テレビ中継のオープニング映像
- 表彰式の背景デザイン
- 公式グッズ(マフラー、帽子、ぬいぐるみなど)
など、さまざまなところにちょこちょこ登場します。
試合だけでなく、
「今日はどこにティナ&ミロが隠れているかな?」
と“ウォーリーをさがせ!”感覚で見ると、大会全体が少し立体的に見えてきます。
「自分はどのキャラタイプ?」と考えてみる
- 行動派で都会に飛び込むティナ
- 障害を工夫で乗りこえるミロ
- スポーツ、音楽、勉強、おしゃれ…タイプの違う Flo たち
どれか1つを「自分っぽいな」と決めて、その視点で大会を追いかけてみると、ニュースの感じ方も変わってきます。
たとえば、
- 新しいチャレンジを始めたばかりの人は「ティナ視点」で
- 病気やケガ、ハンディを抱えながら頑張っている人は「ミロ視点」で
- 応援が好きな人は「Sport Flo視点」で
というふうに、自分の日常と重ねて見るのも面白いはずです。
まとめ|マスコットの“裏設定”を知ると、五輪がもっと面白くなる
最後に、この記事のポイントをまとめます。
マスコットは、「ただのゆるキャラ」ではありません。
- どんな動物がモデルなのか
- どんなストーリーやメッセージが込められているのか
そこまで知ってから大会を見ると、開会式・競技・ニュース・グッズなど、あらゆる場面がちょっと違って見えてきます。
これからミラノ五輪・パラ五輪の情報を見るときは、
「今、ティナたちはどんな気持ちでこの場面に立っているんだろう?」
と、マスコット目線でもう一度眺めてみてください。
きっと、画面の向こうの世界が、少しだけ“物語”として感じられるようになるはずです。




