テレビやSNSで
「え、タンクトップで滑ってる人いない!?」
とざわついた、あのスロープスタイルの選手。
結論から言うと、この選手の名前は「クーラ・コイヴィスト」というフィンランドのフリースタイルスキーヤーです。
この記事では、
- どんな大会で
- どんな選手が
- なんでタンクトップだったのか
- そもそもスロープスタイルって何なのか
を解説していきます。
タンクトップのスキーヤーの正体は、クーラ・コイヴィスト
タンクトップ姿で世界中をざわつかせたのは、
フィンランド代表のフリースタイルスキーヤー、
クーラ・コイヴィスト 選手です。
どこの大会だったの?
舞台は、イタリアで行われている
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック。
その中の「男子フリースキー・スロープスタイル予選」で、
コイヴィスト選手はタンクトップ姿でコースに登場しました。
- 会場:イタリア・リヴィーニョの「リヴィーニョ・スノーパーク」
- 種目:フリースキー男子スロープスタイル予選
- 気温:だいたい0度前後(報道によって「マイナス2度」「2度」など)
他の選手は、分厚いジャケットやパーカーを着込んでいましたが、
コイヴィスト選手だけは、肩が全部出たタンクトップ。
そりゃあ、テレビを見ている私たちからすると
「寒くないの!?」
「ウェア忘れたの?」
とツッコミたくなりますよね。
なぜタンクトップ?理由は意外と「実務的」
「目立ちたいから」「ノリでやっただけ」
つい、そう思ってしまいますが、
本人の説明は、意外と真面目でシンプルです。
本人いわく「スピードのため」
海外メディアの取材に対して、コイヴィスト選手は、
だいたいこんなことを話しています。
- 面白くない答えかもしれないけど、理由はスピードだった
- 練習では大きなフーディー(パーカー)を着ていた
- そのせいで、ジャンプの距離を出すのが難しかった
つまり、
布がバタバタして空気抵抗になる
↓
スピードが落ちて、ジャンプで飛べる距離が短くなる
というのを嫌がって、
「いっそタンクトップにしてしまえ」と考えたわけです。
春はよくタンクトップで滑っている
さらに、本人は
- 春になると、いつもタンクトップで滑っている
- 自分にとっては「いつもの感覚」に近かった
と語っています。
つまり彼にとっては、
- 「寒さに挑戦してやるぜ!」というチャレンジというより
- 「いつも通り、自分が滑りやすい格好をしただけ」
という感覚に近そうです。
気温は0度前後、それでもタンクトップはやっぱり寒い?
報道によると、このときの気温は
だいたい0度〜マイナス2度くらい。
普通に考えれば、タンクトップで外に立っているだけでもかなり寒いレベルです。
ただ、ここで少しイメージしてみてください。
- 滑っている時間は、1本あたり約1分ほど
- しかも全力で動き続ける
- コイヴィスト選手は、その下に薄いインナーを着ている可能性もある
本人も
「滑っている時間はたった1分だから」
というニュアンスのことを話しています。
もちろん、見ている側からすると
「いや、それでも寒いでしょ…」
と言いたくなりますが、
- 運動中は体温がかなり上がる
- プロ選手は寒さへの耐性も高い
ということを考えると、
本人からすると「ギリ許容範囲」の寒さだったのかもしれません。
成績は?タンクトップで予選を通過できたのか
結論から言うと、
コイヴィスト選手は予選14位で、
決勝進出ライン(12位以内)には届きませんでした。
解説者は「評価が厳しかったかも」とコメント
フィンランドの国営放送の解説者は、
- 「多くの面でジャッジは正しかったが、
コイヴィストだけは少し評価が低すぎたかもしれない」 - 「彼の着地は並外れていて、別次元だった」
といった趣旨のコメントを残しています。
つまり、プロの目から見ても
コイヴィスト選手の滑りはかなり高レベルだったようです。
本人はジャッジに納得
一方で、コイヴィスト選手本人は、
- 「自分には3つのミスがあった」
- 「もっと上手くできたはずだから、ジャッジには同意する」
と話していて、むしろとても潔い受け止め方をしています。
外から見ると
「あんなに攻めたのに、点数が低すぎない?」
と思ってしまいますが、
本人は冷静に自分のミスを認めている。
このあたりに、トップアスリートらしい
「メンタルの強さ」と「プロ意識」を感じますよね。
そもそも「スロープスタイル」ってどんな競技?
ここで一度、競技そのものを整理しておきましょう。
ニュースを見ていても、
「ジャンプしてクルクル回ってるのは分かるけど、
何を競っているのか、いまいち分からない…」
という人も多いはずです。
コースは「ジブセクション」と「ジャンプセクション」
スロープスタイルのコースは、ざっくりいうと
- ジブセクション(レールや箱に乗るゾーン)
- ジャンプセクション(大きなキッカーで飛ぶゾーン)
のセットになっています。
- 上の方には、手すりのようなレールや、箱(ボックス)が並んでいる
- 下の方には、巨大なジャンプ台がいくつか続いている
選手はこのコースを上から下まで滑りながら、
- レールの上を滑る
- 回転しながら飛ぶ
- スキーをつかみながら(グラブ)スタイリッシュに見せる
といった技をつないでいきます。
どうやって点数がつくの?
ジャッジは、主に次のようなポイントを見ています。
- 難易度:技がどれだけ難しいか
- バリエーション:同じような技ばかりになっていないか
- 完成度:着地がきれいか、途中でバランスを崩していないか
- 大きさ(振り幅):どれだけ高く・遠く飛べているか
- 流れ・スタイル:全体として流れがスムーズでカッコいいか
つまり、単に
「派手な技を1回やればOK」
という競技ではなく、
- 最初から最後までの「1本」を
- どれだけ高いレベルでまとめきれるか
が重要になります。
タンクトップは目立ちますが、
最終的な点数を決めるのは、あくまで滑りの中身そのものなんですね。
クーラ・コイヴィストってどんな選手?
せっかくなので、コイヴィスト選手の人物像も
少し掘り下げてみましょう。
フィンランド北部出身のフリースタイルスキーヤー
コイヴィスト選手は、
北欧の国 フィンランド 出身の
フリースタイルスキーヤーです。
地元メディアによると、
彼は北部の街イヴァロで育ち、
スロープスタイルやビッグエアで活躍してきました。
2160度回転という「未来の技」を成功させたことも
2021年には、オーストリアで行われたビデオコンテスト
「Spring Battle 2021」のスピン部門で優勝。
そのときに披露したのが、なんと
- スイッチ・ダブルコーク2160(2160度回転)
という超高難度トリックでした。
記事では、この技を
「現在の西暦よりも回転数が多い、
いわゆる“フューチャースピン”」
と紹介しています。
- 後ろ向き(スイッチ)で飛び出し
- 2回ひねりながら
- 2160度(6回転)回る
という、とんでもない技です。
こうした経歴を見ると、
- 「タンクトップで滑る」
- 「2160度回転の技を決める」
など、かなり攻めたスタイルの選手だということが分かります。
目標はX Games
同じく地元メディアによれば、
コイヴィスト選手の大きな目標のひとつは、
アメリカで行われるエクストリームスポーツ大会
X Games に出場することだとされています。
- オリンピック
- 世界選手権
- X Games
このあたりは、フリースタイルスキー界では
「三大目標」と言ってもいいくらいのビッグイベントです。
そんな世界を目指してきた彼にとって、
「スピードを出すためにタンクトップになる」
という判断は、ある意味で当然の選択だったのかもしれません。
タンクトップ騒動から見える「攻め続ける人」の生き方
ここからは少し、
大人向けに「生き方」の話もしてみます。
コイヴィスト選手の行動を、
単に
「変わり者」
「目立ちたがり屋」
で片づけるのは、もったいない気がします。
自分にとっての「最適解」を選ぶ勇気
多くの選手は、
- 寒さ
- 常識
- 周りの目
を気にして、
「まあ、普通にウェアを着ておこう」と選ぶはずです。
でもコイヴィスト選手は、
- 自分の滑りを最大限にするにはどうすべきか
- 練習で感じた「フーディーだと飛びにくい」という感覚
を優先して、
「じゃあ、タンクトップでいこう」
と決めたわけです。
これは日常生活でも同じで、
- みんなと同じ服を着ていたほうが安心
- みんなと同じ働き方をしていたほうが無難
と分かっていても、
- 自分にとって本当にやりやすいスタイル
- 自分の力を一番出せる環境
を選べる人は、そう多くありません。
結果よりも「自分のスタイル」を貫く
そして彼は、
タンクトップで世界中の注目を集めながらも、
結果としては14位で予選落ち。
それでもインタビューでは
- 自分のミスを素直に認め
- ジャッジに文句を言うことなく
- それでも「また同じ選択をすると思う」と語っています。
この姿勢は、
「結果が出なかったら、全部間違いだった」
と考えがちな私たちに、
ちょっと違う価値観を見せてくれているように思えます。
- 結果ももちろん大切
- でも「自分で選んだ道を貫くこと」も、同じくらい大切
タンクトップ姿の彼から、
そんなメッセージを受け取った人も
少なくないのではないでしょうか。
ルール的にタンクトップはOKなの?
ここが気になる人も多いと思います。
国際スキー連盟(FIS)のルールでは、
- ヘルメット着用は必須
- ゼッケン(ビブ)をちゃんと身につけること
が定められていますが、
袖の長さなどについて細かい規定はありません。
つまり、
- ヘルメット
- ゴーグル
- グローブ
- ゼッケン
といった安全面・大会運営上必要なものを守っていれば、
タンクトップでもルール違反にはならない、というわけです。
もちろん、主催者やコーチが
安全上の理由から止めるケースもあるでしょうが、
今回のように許可されることもある、ということですね。
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
タンクトップで宙を舞う姿は、
単なる「ネタ」や「話題作り」にも見えますが、
その裏には、
- 自分の感覚を信じること
- 自分にとっての最適解を選び抜くこと
- 結果がどうであっても、自分の選択に責任を持つこと
という、かなり“大人な”生き方がにじんでいます。
おまけ:この記事を読んだあなたへ
もし次にスロープスタイルの中継を見る機会があったら、
- ウェアの色
- 服のゆとり感
- ジャンプ前のスピードの付け方
なんかにも、ちょっと注目してみてください。
「なぜこの選手はこの服装なんだろう?」
「このスタイルにはどんな理由があるんだろう?」
と考えながら見ると、
競技がぐっとおもしろくなりますよ。

