この記事の主役は、ノルウェーのクロスカントリースキー界のスター、ヨハンネス・ヘスフロト・クレボです。
日本のニュースやSNSでは、名前が長いので「クレボ」と略されて呼ばれることが多いですよね。
ポイントだけ先にまとめると、
- ノルウェー出身のクロスカントリースキー選手
- 1996年生まれの29歳(2026年時点)
- 冬季オリンピックの金メダル 8個 を持つ、史上最強クラスの選手
- 2026年ミラノ大会で、冬季五輪の金メダル数「歴代最多タイ」の記録に到達
- 代名詞は、急な登り坂で一気に引き離す「クレボステップ」
- 家族ぐるみで彼を支えており、父はマネージャー、祖父は長年コーチを務めてきた
「冬のボルト」「北欧の王子」なんて呼ばれることもある、華のあるトップアスリートです。
ここからは、
- プロフィール
- 主な戦績(オリンピック・世界選手権・W杯)
- 話題の「クレボステップ」とは?
- 家族構成と人柄
- クレボが“異次元”と言われる理由
- クレボ観戦をもっと楽しむポイント
という流れで解説していきます。
クレボの基本プロフィール
基本データ
- 名前:ヨハンネス・ヘスフロト・クレボ(Johannes Høsflot Klæbo)
- 国籍:ノルウェー
- 種目:クロスカントリースキー(距離)
- 生年月日:1996年10月22日(2026年で29歳)
- 身長:およそ183cm
- 出身地:生まれはオスロ、育ちはトロンハイム(ノルウェー中部の都市)
- 所属クラブ:Byåsen IL(ビオーセンIL)
子どものころに首都オスロからトロンハイムへ引っ越し、そこで育ち、今もトロンハイムに住んでいると言われています。
競技スタイルのイメージ
クレボの滑りを一言で言うなら、
「スプリント力+テクニック+レース運びのうまさが全部そろったオールラウンダー」
です。
特に、
- スプリント(短距離レース)での爆発的な加速力
- 上り坂で一気に抜け出す「クレボステップ」
- ゴール前の直線勝負でのキレのあるスパート
このあたりが、ファンから「反則級」と言われる理由です。
クレボの主な戦績
ここでは、オリンピック・世界選手権・ワールドカップという三つの大きな舞台に分けて、ざっくり整理してみます。
オリンピックでの成績
クレボはこれまで 3大会連続でオリンピックに出場 しています。
- 平昌2018冬季オリンピック(韓国)
- 北京2022冬季オリンピック(中国)
- ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(イタリア)
平昌2018(初出場でいきなり3冠)
- 男子スプリント:金メダル
- 男子4×10kmリレー:金メダル
- 男子チームスプリント:金メダル
オリンピック初出場で、いきなり「3つの金メダル」を獲得。
このとき、クレボは クロスカントリーで金メダルを取った最年少の男子選手 になりました。
北京2022(プレッシャーの中でもメダル量産)
北京では、全種目で勝ち続けることはできなかったものの、
- 金メダル:2個
- 銀メダル:1個
- 銅メダル:1個
と、合計4つのメダルを獲得しています。
特に男子スプリントでは再び金メダル。
「短距離ならクレボが最強」と言われるイメージを、さらに固めた大会になりました。
ミラノ・コルティナ2026(冬季五輪の“頂上”へ)
そして現在進行形で行われているミラノ・コルティナ2026。
クレボはここでも、
- 男子スキーアスロン(クラシカル+フリー):金メダル
- 男子スプリント・クラシカル:金メダル
- 男子10kmフリー:金メダル
と、すでに 3つの金メダル を獲得。
これにより、オリンピック通算の金メダルは 8個 となり、冬季五輪の金メダル数で歴代トップに並ぶ記録となりました。
まだ出場予定の種目もあり、「単独トップ」に届くかどうかも大きな注目ポイントになっています。
世界選手権での成績
クレボはオリンピックだけでなく、世界選手権でも「勝ちまくり」です。
- 世界選手権のメダル:18個
- 金メダル:15個
- 銀メダル:2個
- 銅メダル:1個
特に話題になったのが、2025年トロンハイム(ノルウェー)での世界選手権。
- 自国開催&地元の会場
- 出場した6種目すべてで金メダル
- これで世界選手権の金メダル通算14個 → 男子最多記録を更新
地元の観客の前で「6種目6冠」を達成し、「もう別のスポーツをやっているレベル」とまで言われました。
ワールドカップ(W杯)での強さ
クロスカントリースキーには、シーズンを通して行われる「ワールドカップ」もあります。
クレボはここでも歴史的な記録を量産中です。
- W杯個人勝利数:100勝超え(男子史上最多)
- 総合優勝:5回(2018、2019、2022、2023、2025シーズン)
- 特にスプリント種目では、歴代最高の勝利数を持つ「スプリントの王様」
シーズンを通しても、世界大会でも、とにかく「勝つのが当たり前」のレベルの選手だと分かります。
「クレボステップ」って何?
日本のSNSでもトレンド入りした言葉が「クレボステップ」です。
どんな動き?
クレボステップとは、簡単に言うと
「急な上り坂で、スキーを細かく素早く動かしながら、ものすごい速さで駆け上がっていく滑り方」
のことです。
特徴をざっくり言うと、
- ストライド(1歩あたりの幅)はそこまで大きくない
- その代わり、歩数(ピッチ)が異常に速い
- 上半身と腕の動きがリズミカルで無駄がない
- 体がぶれず、スキーのエッジがしっかり雪面を捉えている
という感じ。
ある元日本代表選手のブログでも、「クレボステップがトレンド入りするほど話題」「他の選手を寄せ付けない異次元の走り」と表現されています。
また、ランナーのあいだでは「9分台で上りを走るレベルの“スキー版ランニングエコノミー”」なんて声も出ています。
なぜそこまで強力なのか
上り坂は、どの選手にとっても一番きついポイントです。
普通は、
- 筋肉に乳酸がたまって足が動かなくなる
- 重心が後ろに残ってしまい、スキーが前に出ない
といった問題が出ます。
ところがクレボは、
- 筋力と心肺能力が高い
- 体重移動が非常にうまく、重心を常に前に置ける
- 上半身と下半身の連動が上手で、ムダに力まない
といった理由から、上り坂でもスピードを落とさず、むしろ「ここで勝負を決める」ような攻めの滑りができるのです。
結果として、
「平地では大差がついていなくても、上りで一気に引き離される」
という、見ている側からすると少し理不尽に感じるくらいの強さにつながっています。
家族構成と素顔
家族構成
公表されている情報を整理すると、クレボの家族はおおよそ次のような構成です。
- 父:ハーコン・クレボ(Haakon Klæbo)
- クレボのマネージャーを務める存在
- 祖父:コーレ・ヘスフロト(Kåre Høsflot)
- 長年、クレボのコーチを務めてきた人物
- きょうだい:弟のオーラ(Ola)など、複数のきょうだいがいて、YouTubeの編集や翻訳を手伝っている
国際スキー連盟(FIS)のプロフィールでは、クレボは「独身」で、子どもはいないとされています(2026年時点)。
家族との関係
クレボはインタビュー等で、
- 「家族と過ごす時間を大事にしている」
- 「祖父と一緒にトレーニングをしてきた」
- 「家族の支えがなければ、今の自分はいない」
といった趣旨の話をよくしています。
とくに祖父のコーレは、
- 小さいころから滑りを見てきた“師匠”
- 世界トップになったあともクレボを指導し続けた存在
として知られており、ノルウェー国内でも有名な“名コーチ”です。
YouTubeやSNSで見せる「素顔」
クレボは競技だけでなく、YouTubeやSNSでも人気があります。
- 弟と一緒に運営するYouTubeチャンネルでは、
- トレーニングの様子
- 遠征先での生活
- 家族との日常
などをVlog形式で発信
- 若いファンも多く、「ノルウェーのジャスティン・ビーバー」なんて言われたことも
「世界最強のアスリート」なのに、動画では素朴にふざけたり、家族と笑い合う姿が見られるため、親しみを感じる人も多いようです。
クレボが“異次元”と言われる3つの理由
ここからは、少し「スポーツ観戦オタク目線」で、なぜクレボがここまで“別格”なのかを整理してみます。
理由1:スプリント力+持久力の両立
通常、クロスカントリーには
- スプリント(1~2km前後で数分のレース)
- 距離系(10km以上の長いレース)
があります。
多くの選手は、
- スプリントが得意
- 長距離が得意
のどちらかに寄るのですが、クレボは どちらも世界トップクラス です。
- スプリント種目では、W杯の勝利数が歴代最多
- 50km級のレースでも世界選手権優勝を経験し、スタミナも証明済み
「100m走でもマラソンでも優勝してしまう陸上選手」のような存在、と言うとイメージしやすいかもしれません。
理由2:クレボステップに象徴される“技術の高さ”
先ほど触れた「クレボステップ」は、単なる脚力のゴリ押しではなく、
- 体重の乗せ方
- スキーの角度
- 上半身と腕のリズム
- 呼吸のコントロール
まで含めた“技術の結晶”です。
元五輪選手も「異次元」「技術の新時代」と表現しているように、
「強い+うまい」 を高い次元で両立しているのがクレボの特徴です。
理由3:レース運びとメンタルの強さ
トップアスリートは、体力や技術だけでなく「頭脳」も重要です。
クレボは、
- 集団の中でどの位置を取るか
- いつ仕掛けるか
- どこまで体力を温存するか
といった レース戦略 が非常にうまく、
重要な局面で「ここしかない」というタイミングでスパートを仕掛けてきます。
2026年のミラノ・コルティナのレースでも、
- 終盤の上りで一気に加速 → そのままゴールまで押し切る
- ラストの直線で、ライバルを寄せ付けない伸びを見せる
といったシーンが何度もあり、「ここぞ」で勝ち切るメンタルの強さが光っています。
こんな人に「クレボ観戦」がおすすめ
「クロスカントリースキーは、距離が長くて地味そう…」と思っている方ほど、クレボのレースを一度ちゃんと見てみるのがおすすめです。
ランナー・マラソン好きの人
クレボの走り(滑り)は、ランナー目線で見てもかなり面白いです。
- 上りでのピッチの速さ
- 接地時間の短さ
- 体のぶれの少なさ
など、「ランニングフォーム」にも通じる要素がたくさんあります。
実際、クレボが上りで「1マイル(約1.6km)を6分切るペース」に相当するスピードで滑ったことが話題になった記事も出ています。
トレイルランや登山が好きな人
クレボステップは、「山を駆け上がる動き」に近いものがあります。
- 急斜面での足さばき
- 上半身の使い方
- 呼吸とリズムの取り方
など、登りのテクニックとして参考になるポイントがたくさんあります。
「自分も坂道を速くなりたい」という人が、クレボのフォームを真似しようとするのも納得です。
戦略・駆け引きが好きな人
クロスカントリースキーは、単純なタイムレースではなく、
- 風よけとして他選手のうしろにつく
- コーナーの入り方で位置取りを変える
- 上りで無理をするか、下りで休むか
といった、チェスのような「駆け引き」があります。
クレボはその中でも一歩先を読んで動くタイプなので、
「あ、ここで動いた!ここで行くのか!」
と、観ていて戦略ゲームとしても楽しめます。
まとめ
最後に、この記事の内容をざっくりまとめます。
クレボは、ただ記録を積み上げているだけではなく、
- 祖父と二人三脚で頂点に登りつめた「物語」
- 家族とともに戦い続ける「チーム感」
- 自分の滑りでクロスカントリーのイメージを変えつつある「影響力」
も合わせ持った選手です。
ミラノ・コルティナ2026の残り種目で、
金メダルの「単独最多記録」を打ち立てるのか。
そして、この先の世界選手権やワールドカップで、どこまで記録を伸ばしていくのか。
これから数年間、冬のスポーツシーンを語るうえで、
クレボの名前は間違いなく中心に出てくるはずです。

