ミラノ冬季オリンピック開会式の「仕掛け人」として名前が出てきた
Balich Wonder Studio(バリッチ・ワンダー・スタジオ)。
「何者なの?」「どんな実績がある会社?」
と思った方も多いはずです。
この記事では、
- Balich Wonder Studioってどんな会社?
- 創業者・マルコ・バリッチはどんな人?
- 過去にどんなビッグイベントを手がけてきたの?
- 演出の“特徴”と“評価”
- ミラノ開会式では何を仕掛けてくるのか?
を解説していきます。
ミラノ開会式の演出を担当する「Balich Wonder Studio」とは?
まずは会社の基本情報から整理しておきましょう。
イタリア発のライブエンタメ集団
Balich Wonder Studioは、
イタリア・ミラノを拠点にした「ライブエンターテインメント専門」のクリエイティブ集団です。
公式サイトでは自分たちのことを、ざっくり言うと
・ライブ体験を企画・演出・プロデュースするエンタメグループ
・人の感情を動かす“体験”を作ることがミッション
と説明しています。
手がけている主なジャンルは、
- オリンピックなどの式典・開会式
- 各国の国の記念行事・ナショナルデー
- サッカーやスポーツのビッグマッチのショー演出
- 大企業のブランドイベント・プロモーション
- 富裕層向けのラグジュアリーイベント
など。「とにかく人が集まって“うわぁ…”となるイベント」を専門に作る、職人集団のような会社です。
設立は2013年、今や世界レベルのブランドに
会社として設立されたのは2013年。
もともとは「Balich Worldwide Shows」という名前でスタートし、その後いまの社名に。
創業から10年ちょっとですが、
- オリンピック関連の式典
- 中東やヨーロッパのナショナルイベント
- 世界的スポーツ大会の開会式
- ドバイやカタールの巨大ショー
などを次々と担当し、あっという間に「世界有数のライブイベント制作会社」として知られるようになりました。
フランスの大手メディアグループ傘下に
今は、世界的な映像・エンタメ企業グループである
Banijay Groupの傘下にも入っています。
- 巨大メディアグループのバックアップ
- 現場の演出・制作はBalich Wonder Studioの“職人チーム”
という組み合わせなので、資金力・ネットワーク・技術面でもかなり強力な体制と言えます。
創業者マルコ・バリッチってどんな人?
会社を語るうえで欠かせないのが、創業者のMarco Balichです。
「マスター・オブ・セレモニー」と呼ばれる男
各種メディアでは、彼のことを
Olympic Ceremonies Master(式典の達人)
と紹介する記事もあるほど。
公式プロフィールなどをまとめると、
- 1962年生まれのイタリア人
- もともとは法律を学んでいたが、イベント業界へ転身
- 1989年、地元ヴェネツィアでピンク・フロイドのフローティングコンサートを企画し、一気に名が知られる
- その後、30年以上にわたり世界各地で大規模イベントをプロデュース
- オリンピック関連だけで16件以上の開閉会式や式典を担当した記録を持つ
といった経歴の持ち主です。
バリッチのキーワードは「感情」と「物語」
インタビューや公式サイトの文章を読むと、彼が大事にしているのは
- 人の感情を動かすこと
- 国や都市の物語をステージ化すること
- 「一度見たら忘れられないシーン」を作ること
という、かなり“物語ベース”の考え方です。
派手な花火や最新テクノロジーも使いますが、
「すごい映像でしたね」では終わらせず、ちゃんと心に残るメッセージを仕込んでくるのがバリッチ流と言えます。
ミラノ開会式との関係:「仕掛け人」とはこの人たち
では、今回のMilano Cortina 2026開会式との関係を整理しましょう。
開会式の制作を正式に任された会社
国際オリンピック委員会(IOC)や関連メディアの情報によると、
- ミラノのサン・シーロ競技場で行われる
ミラノ冬季オリンピック開会式の制作会社として
Balich Wonder Studioが選ばれている - 公式サイトでも「Opening Ceremony produced by Balich Wonder Studio」と明記
とされています。
つまり今回の開会式は、
企画・構成・演出・実際のステージ運営までを
Balich Wonder Studioが中心になって作り上げている
というイメージでOKです。
クリエイティブリードはマルコ・バリッチ
さらに、開会式のクリエイティブリード(創造面のトップ)として名前が挙がっているのが、先ほど紹介したマルコ・バリッチ本人です。
- 全体のコンセプト
- ストーリーライン
- 各シーンの意味づけ
といった“骨組み”部分は、彼が中心となってデザインしていると考えてよいでしょう。
ミラノ開会式のコンセプトの一端
報道やインタビューによると、今回の開会式は
- ミラノとコルティナ、さらに複数の会場にまたがる「分散型」のセレモニー
- 「ハーモニー(調和)」や「自然と芸術」など、イタリアらしいテーマ
- レオナルド・ダ・ヴィンチやイタリアのデザイン文化へのオマージュ
といったキーワードが語られています。
もちろん、細かい演出内容は本番まで極秘ですが、
「イタリアらしさ」「芸術」「自然」「調和」
といったテーマを、Balich Wonder Studioが
得意の“感情を動かす見せ方”で形にしてくるだろう、というのは想像しやすいところです。
Balich Wonder Studioの主な過去実績
では、具体的にどんなイベントを手がけてきたのか。
公式サイトの「Ceremonies」一覧などから、主な実績をピックアップしてみます。
オリンピック・パラリンピック関連
■ トリノ2006冬季オリンピック開閉会式
- Torino 2006の開閉会式で
マルコ・バリッチはエグゼクティブプロデューサー兼クリエイティブディレクターを担当。 - ここでの成功が、その後のオリンピック仕事の大きなきっかけになりました。
■ ソチ2014パラリンピック/オリンピック閉会式
- ロシアのソチ2014パラリンピック開閉会式や、
オリンピック閉会式もBalich Wonder Studioが制作に関わっています。
■ リオ2016オリンピック開閉会式
- Rio 2016では、
マルコ・バリッチが開会式・閉会式の制作に深く関わり、
特に環境問題へのメッセージを盛り込んだ演出が話題になりました。
■ 北京2022での「旗引き継ぎ」演出
- 北京2022冬季大会の閉会式で実施された
「ミラノ・コルティナへの旗引き継ぎセレモニー」の演出もBalich Wonder Studioが担当。 - ここからすでに「2026への伏線」が張られていたとも言えます。
その他の国際スポーツイベント
オリンピック以外にも、スポーツの大舞台でたくさんの実績があります。
- FIFAワールドカップ カタール大会 2022 開会式の演出
- UEFAチャンピオンズリーグ決勝・キックオフショー(Pepsi提供)
- アジア競技大会、アジアパラ競技大会の開閉会式(ジャカルタなど)
スポーツファンが世界中から注目する場面で「一発目の印象」を作るのが、本当に得意なチームだと分かります。
ナショナルデーや都市の記念イベント
さらに、
- UAEの建国記念日(ナショナルデー)の式典
- ドバイでのドローンショー
- 中東各国の国主催セレモニー
など、「国の顔」となるイベントの制作も多数担当しています。
Balich Wonder Studioの“演出スタイル”の特徴
ここまで読んで、
結局、どんな雰囲気の演出をする会社なの?
というのが気になってきた方も多いはず。
過去の作品やインタビューから見えてくる“傾向”を、わかりやすく整理します。
① とにかく「感情」を揺さぶる見せ方
バリッチ自身が「感情がすべての出発点」とよく語っている通り、
派手なだけのショーにはしないのが大きな特徴です。
例えば、
- 歴史や文化の重いテーマでも、「難しい話」ではなく、誰でも共感できる“物語”に変換する
- 音楽・照明・映像・ダンサーの動きを連動させて、一つの感情の流れを作る
- 終わったあとに「なんか胸が熱くなった」「ちょっと泣きそうになった」と感じるような構成
こうした「感情設計」が、Balich Wonder Studioの真骨頂です。
② 国や都市の“らしさ”を最大限に引き出す
オリンピック開会式といえば、開催国の“自己紹介”の場でもあります。
Balich Wonder Studioが手がける式典では、
- その国の歴史・文化・アイコンを、ステージ上で「ビジュアル化」する
- 伝統と最新テクノロジーをミックスして、古さと新しさの両方を見せる
- 観客だけでなく、テレビ越しの世界中の視聴者にとってもわかりやすい構成にする
という工夫がよく見られます。
③ 巨大スケール×最新テクノロジー
もちろん、見た目の“ド派手さ”も外せません。
- ドローンショー
- プロジェクションマッピング
- LEDテクノロジー
- 大規模なセットチェンジ
など、最新技術を惜しみなく投入しつつ、
それをストーリーとちゃんと結びつけるのがBalich流。
「技術がスゴい」だけで終わらないのがポイントです。
④ 多国籍チームで作る“世界標準”のショー
Balich Wonder Studioは、イタリアを拠点にしつつも、
- 世界各国のアーティスト・デザイナー・音楽家
- 現地のボランティアやパフォーマー
- テレビ中継スタッフやテクニカルチーム
など、多国籍なメンバーとチームを組んでプロジェクトを進めます。
そのため、演出も
「イタリアだけが分かる内輪ネタ」ではなく、
世界中の人が楽しめる“共通言語”に落とし込まれている
のが大きな強みです。
Balich Wonder Studioへの評価・評判
では、世間からの評価はどうでしょうか。
いくつかの観点から見てみます。
1. オリンピック界からの信頼感
- トリノ2006から始まり、リオ2016、ソチ2014、北京2022の旗引き継ぎ演出など、
オリンピック関連の式典を何度も任されていること自体が、大きな信頼の証拠です。 - ミラノ・コルティナ2026の招致プレゼンでも、Balich Wonder Studioが映像・ステージ演出を担当し、見事に開催地獲得に貢献したと紹介されています。
オリンピックのような巨大イベントは、
「一度失敗したら世界中から叩かれる」くらいプレッシャーの大きい現場ですが、
それでも繰り返し依頼が来ている、というのはかなり高い評価だと言えます。
2. メディアからの呼び名は“式典の達人”
海外メディアの記事では、
- 「Olympic ceremonies master(式典の達人)」
- 「最も経験豊富な開会式クリエイターの一人」
といった表現で、マルコ・バリッチやBalich Wonder Studioを紹介するものが多数あります。
「式典の達人」という肩書きは少し大げさに聞こえるかもしれませんが、
実績を見れば、あながち誇張とも言い切れません。
3. ビジネス面でも高く評価
ビジネス系メディアの紹介では、
- 「世界のライブエンタメ業界を代表するプレイヤー」
- 「ブランド体験・都市のブランディングにも強いクリエイティブハウス」
と評されています。
オリンピックのような公共性の高いイベントだけでなく、
企業や都市が「自分たちのブランドを世界に見せたい」と考えたときにも、
頼れるパートナーとして選ばれている、ということですね。
4. 批判や課題もゼロではない
一方で、どんな大規模イベントにも付きものですが、
- 予算規模の大きさ(お金をかけすぎではないか?)
- スポンサー企業との関係
- サステナビリティ(環境負荷)
などへの議論は、オリンピック全体として常に存在します。
Balich Wonder Studio単体への直接的なバッシングというよりは、
「巨大イベントをどうサステナブルにするのか?」という、業界全体の課題と言えるでしょう。
ミラノ開会式では何を“仕掛けてくる”のか?
最後に、「じゃあミラノ開会式では何をやってきそう?」という点を、
これまでの傾向から“予想”という形で整理してみます。
※ここから先はあくまで「これまでの実績や発言から見た予想」です。
公式に発表されている内容以外は、断定ではなく可能性として読んでください。
① イタリアの「美・デザイン・芸術」を全面に
報道ではすでに、
- レオナルド・ダ・ヴィンチへのオマージュ
- ファッションやデザイン大国としてのイタリア
- 自然や山岳地帯の美しさ
といったテーマが示唆されています。
Balich Wonder Studioは、開催地の“らしさ”を
視覚的にわかりやすく見せるのが得意なので、
- ルネサンス絵画のような構図
- 建築・ファッション・音楽が融合したシーン
- アルプスの雪山をイメージした大規模なステージ演出
など、「イタリアの美」を押し出した構成が期待できます。
② 複数会場を使った“分散型セレモニー”
今回のミラノ冬季オリンピックは、
- ミラノのサン・シーロ競技場
- コルティナ・ダンペッツォ
- プレダッツォ
- リヴィーニョ
など、複数の場所を使って開会式の一部が同時進行する“分散型”形式が特徴とされています。
この構造自体がかなりチャレンジングですが、
「空間をどうつなぎ合わせて一つの物語に見せるか」という発想は、
まさにBalich Wonder Studioの得意分野です。
- 各会場ごとに違うテーマのパート
- 映像中継やドローン映像で会場同士をつなぐ
- 最後に全会場がシンクロするようなクライマックス
といった見せ方が考えられます。
③ 音楽とダンスで“感情のうねり”を作る
過去の作品を見ると、Balich Wonder Studioは
- 地元アーティストのライブ
- 伝統舞踊+現代ダンスのミックス
- オーケストラと電子音楽の融合
など、「音楽の振れ幅」がかなり大きいのも特徴です。
報道では、国際的アーティストの出演もすでに話題になっていますし、
- イタリアらしいメロディ
- 世界中が知っているヒット曲
- クラシックとエレクトロニックの融合
などを組み合わせながら、「感情の波」を作ってくるはずです。
④ サステナビリティや多様性へのメッセージ
リオ2016開会式では、環境問題や地球温暖化へのメッセージが盛り込まれ、多くの人の印象に残りました。
今回のミラノ冬季大会でも、
- 冬季スポーツと気候変動
- 持続可能な未来
- 多様性と共生
といったテーマが、どこかのシーンに織り込まれる可能性は高いでしょう。
まとめ:ミラノ開会式の“裏側”には、経験値モンスターのチームがいる
ここまでの内容をざっくりまとめると…
という構図になっています。
開会式は、テレビで見ると「数時間のショー」に見えますが、
その裏には何年も前から準備を進めてきた超ベテランの“仕掛け人チーム”がいます。
ミラノの開会式を見るときは、
「あ、このシーンはイタリアの“らしさ”をどう見せるか考え抜いたんだろうな」
「この感情の盛り上げ方は、まさにBalich Wonder Studioっぽいな」
といった目線で見ると、より楽しめるはずです。
オリンピックのハイライトだけでなく、
その“裏側のクリエイターたち”にも、ちょっと意識を向けてみてください。


