川田将雅のエリキング2着健闘に『前が強すぎた』悔しさ爆発!菊花賞の神騎乗裏話と次なる三冠ロードの禁断予測

川田将雅が菊花賞2着 スポーツ

菊花賞(京都・芝3000m)は、3歳クラシックの最終章。スタミナ、折り合い、運、そして騎手の判断力――すべてが試されます。

2025年10月26日、この長丁場でエリキング(川田将雅)は2着。勝ったのはルメール騎乗のエネルジコでした。勝ち時計3分04秒0、エリキングは2馬身差の3分04秒3。最後まで脚は使ったのに、わずかに及ばず。結果だけ見れば「前が強すぎた」。そう言いたくなる内容でした。

この記事では、

  1. レースの全体像(馬場・流れ・上がり)
  2. 川田将雅の“神騎乗”と呼びたくなる判断の中身
  3. エリキングという馬の現在地(強み・課題)
  4. ここから先の「三冠ロード」= 来季へ続く王道路線の“禁断予測”

を深掘りします。


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レースの全体像――“スローからのロングスパート”

当日の京都は小雨で馬場は稍重。レースは前半が遅く、後半で一気に加速する「スロー→ロングスパート」の形になりました。公式ラップを見ると、後半に向けてじわじわと速くなり、上がり3Fが35秒3という締まった競馬。

勝ち馬エネルジコのラスト3Fは35.0、対するエリキングは35.2。極限の我慢比べで、ほんの“0.2秒”の差がそのまま着差に反映された格好です。

上位は

  • 1着 エネルジコ(ルメール)
  • 2着 エリキング(川田将雅)
  • 3着 エキサイトバイオ(荻野極)

という並び。とくにエネルジコは、ロングスパート戦で4角4番手に取りつく完璧な進路取り。ここが“強すぎた前”の正体です。


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神騎乗の中身――「届かせるための準備」を3000m続ける

「神騎乗」という言葉は簡単に使いたくありませんが、今回はあえてそう呼びたくなる内容でした。大事なのは“直線の派手さ”ではなく、直線に至るまでの準備です。

1. 折り合いに全振り

3000mは“引っ張らない勇気”が必要です。エリキングは後方外目で折り合い最優先。早めに押し上げて脚を使い切るのではなく、「動かずに我慢」→「勝負どころだけ最大加速」の設計を選択。

結果、直線入り口での“脚の残り具合”は十分でした。実際、上がり35.2は上位級。これだけ使えて2着――つまり勝ち馬のポジション取りがベストすぎたということでもあります。

2. “進路の自由”を守る外運び

長距離戦の不利は致命傷。川田騎手は外を回してでもブレーキを踏まない進路を確保。直線で一瞬のモタつきもなく、スムーズに加速へ。結果的に距離ロスは出ますが、減速→再加速のロスよりは小さい。これが「届かせる準備」でした。

3. 勝ち馬の“早め圏内”に入れなかった理由

強い馬を4角で視界に入れて射程に収める――理想はここ。しかし今回は勝ち馬が先に完璧な位置にいた。道中で脚を温存する設計と、馬場・流れの噛み合わせを考えれば、無理に動いてバテるより、伸び切る道を選んだのは合理的。「勝ちにいく最善」=「2着になった」という、勝負の残酷さが出たレースでした。


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エリキングの現在地――“切れる末脚×持続力”のハイブリッド

エリキングは2024年京都2歳S勝ち、2025年神戸新聞杯勝ち。特に神戸新聞杯ではラスト600mを32.3秒でまとめ、同世代トップクラスの“切れ”を証明しました。

一方で、皐月賞11着、ダービー5着という春クラシックの結果は、コース形態や立ち回り、ペース適性など「切れの見せ方」がかみ合わなかった面も示しています。夏を越えて神戸新聞杯で再点火、そして菊花賞でロングスパート戦でも伸び切る“持続力の新境地”を見せたことは、「古馬になってからの伸びしろ」を強く感じさせます。

まとめると

  • 瞬発力…G2で32秒台の上がりを出せるトップクラス。
  • 持続力…3000mでも減速せず伸び切る。
  • 課題…4角までに“勝ち馬射程”へ入る位置取りの最適化
    この3点が“今のエリキング”です。

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「前が強すぎた」の正体――“4角圏内”の小さな差

今回の差は、ラスト3Fの0.2秒と、ポジショニング。勝ち馬は15→14→8→4番手早めに戦闘圏内へ。対してエリキングは17→17→12→8番手から差す形。

最後の脚の質は互角級でも、動き出しの“手前の距離”が違うぶん、差し切るには物理的に短い直線でした。こういうときは「騎手が消極的だった」と見られがちですが、実際は3000mで脚を出し切るための構えとして合理的。勝ちに行った結果の2着と評価すべき内容です。


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裏話的に読む“川田の手の内”――3つの職人技

※ここからは公開データを踏まえた戦術的推測です。

  1. “脚を残す我慢”
     ハミを噛ませず、呼吸を整える。我慢が利くから最後の0.2秒差まで詰められた。
  2. “減速ゼロのコース取り”
     3000mでブレーキ=致命傷。外であってもノーブレーキ優先
  3. “直線入口の角度”
     直線の入り口で外へ振りすぎない。目標(エネルジコ)を視界に置いたまま真っ直ぐ伸ばす。

これらを成立させるには、馬の操縦性体力配分が絶対条件。エリキングの従順さと、夏明けの上積みがあったからこそ、“届かない2着”まで上げられたと読めます。


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禁断予測――エリキングの「三冠ロード」はこうなる

「三冠」は本来皐月賞・ダービー・菊花賞で完結します。では、ここからの“三冠ロード”とは何か。古馬王道路線に置き換えて考えるのが現実的です。具体的には――

1. 長距離“春の盾”ルート

阪神大賞典(3000m)→天皇賞・春(3200m)
菊花賞で持続力を証明したエリキングとの相性は上々。折り合いの良さとロングスパート適性は、春の盾の条件に合致します。

2. 中距離の格上げ“宝塚”ルート

大阪杯(2000m)or 京都記念(2200m)→宝塚記念(2200m)
神戸新聞杯で見せた瞬発力(32.3)と、近走の持続力の両立を考えれば、内回り2200mのロングスパート合戦にも対応可能。勝ち切るには4角位置の最適化が鍵。

3. 凱旋門賞への“妄想票”

スタミナ・持続力・操縦性は欧州のタフ馬場で価値が上がります。もちろん馬場適性・輸送・体調という高いハードルがありますが、血統背景(父キズナ=ディープ系×母父ハイシャパラル)も踏まえると洋芝チャレンジの夢は見ていい。現実路線は国内王道→秋天/JC/有馬ですが、長距離G1制覇→海外遠征の“禁断ルート”は、ファンの胸を高鳴らせます。


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ライバル研究――“前が強すぎた”エネルジコは何者?

今回の勝ち馬エネルジコは、菊花賞という最長G1での立ち回りが完璧でした。4角4番手から上がり35.0で押し切り。京都外回り3000mのツボを知り尽くした、ロングスパート適性の塊です。位置取りの差がそのまま勝敗差になったことが、上の数字からもわかります。


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ここが伸びしろ――「勝ち切るための0.2秒」をどう埋める?

  1. スタート後の“最初の30秒”
     無理せずとも、1列前を取れる工夫。縦長になりやすい長距離戦では、この最初の30秒が後々の“届かない”を生みます。
  2. 3角手前の“予備動作”
     ペースが上がる前のほんの2~3秒の位置押し上げで、4角の射程が変わる。
  3. ギアチェンジのキレ
     末脚の“総量”は足りている。4角の加速初動をもう半馬身だけ速く。

この3つが叶えば、国内長距離G1のタイトルは見えてきます。菊花賞2着という実績は、言い換えれば「勝ち切るための宿題がハッキリした」ということです。


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エリキング物語――“高額取引馬”の責任とロマン

エリキングは2023年セレクトセールで2億3100万円の高額取引馬。ノーザンファーム生産、馬主・藤田晋氏、中内田充正厩舎という超一流布陣です。

京都2歳S神戸新聞杯という重賞2勝に加え、クラシック最終章での2着は、この期待値にふさわしい足跡。“強豪としての責任”“ロマン”を背負いながら、来季の王道路線へ挑む――そんな物語がいま、続いています。


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まとめ

今回の菊花賞は、勝ち馬が完璧でした。その完璧に、エリキングは限りなく近い答えを出しました。“0.2秒の壁”を壊す鍵は、スタート直後と3角手前のほんの少しの位置取り。菊花賞2着は、負けではなく“次への設計図”です。

  • 短距離の切れを持つ馬が、長距離の持続戦でも伸び切った
  • 3000mの我慢を覚え、直線でノーブレーキの脚を出せた
  • それでも届かない“強い前”がいた――だから次は勝ちにいく

来年、春の盾(天皇賞・春)で「前が強すぎた」「前をねじ伏せた」に書き換える。その最短ルートに、いま立っています。

エリキングの逆襲は、ここから。


参考・根拠

  • 2025年菊花賞の着順・時計・通過順・上がり(京都芝3000m、稍重、1着エネルジコ3:04.0/2着エリキング3:04.3/エリキング上がり35.2)を確認。競馬ラボ
  • エリキングの戦績・神戸新聞杯勝利・ラスト600m32.3などの馬データ。netkeiba
  • エリキングのプロフィール(生産者・馬主・取引価格など)の基本情報。netkeiba
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