チャントとは?(意味・語源・イメージ)
チャント(chant)は、短いフレーズをみんなで繰り返し唱える/歌う応援です。サッカーが発祥として有名で、リズムに合わせた合唱やコールがスタジアム全体に広がります。
野球でも「かっとばせー!○○!」「レッツゴー!○○!」のような短いコールの反復を広い意味でチャントと呼ぶことがあります。
語源は「歌う・唱える」から来ており、繰り返し・一体感・簡単に参加できるのがポイントです。
チャントの特徴(3つ)
- 覚えやすい:短いフレーズの反復なので、初観戦でも参加しやすい。
- 一体感をつくる:手拍子やステップもそろい、空気が温まる。
- 状況に合わせて変える:攻撃・守備・流れによって強弱や内容を切り替えやすい。
チャンステーマ(チャンテ)とは?(野球ならではの“勝負曲”)
チャンステーマ(チャンテ)は、野球で得点のチャンスに流れる専用の応援曲のこと。
私設応援団などが、選手個別の応援歌に代えて“今が山場”というタイミングで鳴らします。曲や手拍子の型はチームごとに固有で、1球団でも複数のチャンテを持ち、状況に応じて使い分けることがあります。
要するに、「合図つきの、みんなで歌う決まった曲」です。
例:ファン投票などでも人気のチャンテが多数挙がります(ヤクルト「夏祭り」、阪神「我らの阪神」「チャンスマーチ」、ソフトバンク「チャンステーマ1」など)。「この曲が流れたら総立ち」という“合図力”がチャンテの真骨頂です。
「チャント」と「チャンステーマ」はここが違う
| 比較項目 | チャント | チャンステーマ(チャンテ) |
|---|---|---|
| ざっくり意味 | 応援の型(短いコールや歌を繰り返す) | チャンス専用の“特定曲” |
| 主な文脈 | スポーツ全般(サッカーが有名/野球でもあり) | 野球文化のど真ん中 |
| 使うタイミング | いつでも(攻守や流れに応じて) | 得点機(山場)に発動 |
| 中身 | コール/短い歌/手拍子など | 曲(歌詞・メロディ・手拍子の型が決まっている) |
| 役割 | リズム作り・一体感作り | 攻撃スイッチを入れる・場内の温度を一気に上げる |
| 覚えやすさ | 超カンタン(真似しやすい) | 予習するともっと楽しい(歌詞・型あり) |
ひとことで:チャント=やり方、チャンテ=曲。(混同しやすいけれど、野球の会話では“チャンテは曲名のあるやつ”と覚えると通じます。)
大谷のチャントは?
MLBでは日本のプロ野球のような定番チャンテ(固定曲)が各選手に必ずあるわけではありません。代わりに、状況に応じたコール(その場で湧くチャント)が自然発生します。
大谷翔平選手の場合、「Ohtani!」や活躍時の「MVP!」などのコールが起きるのが典型です。さらに、敵地ではヤジ系のチャントがぶつけられることもあります。
2025年のワールドシリーズ(トロント開催の第1戦〜)では、ブルージェイズファンが「We don’t need you!(お前なんていらない)」と繰り返し大合唱。
大谷選手はその空気の中でシリーズ初本塁打を放ち、皮肉にも球場をどよめかせました(ロバーツ監督は“大谷は動じていない”とコメント)。敵地のチャントも含め、MLBでは“現場で自然発生しやすいコール文化”が根付いているのが特徴です。
初観戦でも迷わない!「いま何をやればいい?」
- 太鼓・トランペットが長めのフレーズを鳴らし、周囲が一斉に立つ/歌う → チャンステーマ(チャンテ)の可能性大。手拍子の型&サビから参加すればOK。
- 短い掛け声が何度も続く/名前コールや「レッツゴー!」等 → チャント(コール)に乗ればOK(リピートで覚えられる)。
- ビジョンに“CHANCE”や歌詞表示 → チャンステーマ確定の合図。手拍子とコーラスを合わせよう。
実例でイメージをつかむ
ルール&マナー
- 差別・侮辱的表現はNG。チャントは“ノリ”が命ですが、リスペクトが大前提。
- 視界の配慮:旗・バンザイ・ジャンプは周囲の様子を見て。
- 鳴り物の可否/時間帯ルール:球場・試合によって違うので事前確認。
- 撮影とSNS:長時間の定点録画や周囲の迷惑になる撮影は避ける。映り込みへの配慮も忘れずに。
- 子ども連れは耳対策:太鼓が近い席は音量が大きい。イヤーマフや耳栓が安心。
予習に便利:チャンステーマの“型”を掴む
「歌詞は覚えられない…」という人は、手拍子の型だけ先に覚えましょう。多くのチャンテは繰り返しの拍パターンが基本。YouTubeやまとめ記事、球団・ファンサイトの紹介が参考になります(チャンステーマまとめ系のガイドも便利)。
コツ:“最初の入り”の合図(太鼓の連打やトランペットのフレーズ)を覚えると、曲が始まってから慌てません。
よくある勘違いQ&A
Q1:チャント=チャンテでしょ?
A:違います。チャントは“応援の型”、チャンテは“チャンス用の固定曲”。野球の会話では“チャンテ=曲名のあるやつ”と覚えると通じます。
Q2:チャンテはどのチームでも同じ?
A:いいえ。球団ごとに固有で、同一球団でも複数。人気のチャンテはファン投票でも常連です。
Q3:歌えなくても参加できる?
A:手拍子だけで戦力。サビや合いの手から少しずつ真似すればOK。
Q4:大谷の“専用チャンテ”はある?
A:MLBは固定曲より“状況コール”が主流。大谷には「Ohtani!」「MVP!」などのチャントが自然発生します。敵地ではヤジ系チャントが投げられることも(2025年ワールドシリーズのトロントでは「We don’t need you!」が話題)。
今日からできる“参加の順番”
- 手拍子だけ合わせる:音の“強いところ”に合わせて叩く。
- 合いの手を覚える:「おーおー!」など母音を伸ばすだけでもOK。
- サビを口ずさむ:何度も繰り返されるので、自然と耳に入ります。
- 入りの合図をつかむ:太鼓の連打やトランペットのフレーズが合図。
- チャンテ名を覚える:好きな球団の代表チャンテを1つ持てば自信に。
“現場の空気”が作るチャント文化(MLBとNPBのちがいも)
- NPB(日本):応援団主導の“曲(チャンテ)文化”が強い。決まった手拍子・歌詞で全体が一気にそろう。
- MLB(米国):状況に応じた自然発生チャントが中心。ヒーローやスターに「MVP!」、敵に対する揶揄コールなど“現場の空気”で生まれやすい(2025年WSの大谷へのヤジ系チャントは好例)。
どちらが上という話ではなく、文化の違い。日本は「合図で一体化」、アメリカは「その瞬間の感情を声に」。どちらもスポーツの楽しみ方です。

