新型エルグランドって、そもそもどんなクルマ?
- 2025年10月29日、Japan Mobility Show 2025で世界初公開。発売は2026年夏の予定。展示車は“量産前モデル”。
- キモは第3世代e-POWER(エンジンは“発電”が主役、走行はモーターが主役)と、四輪の駆動力を細かく制御する最新e-4ORCE。雨や雪、高速の合流やコーナーで“姿勢の安定”に効きます。
- 室内は“プレミアムなラウンジ”をイメージ。ゼログラビティのキャプテンシート(2列目)、BOSE、アンビエントライトなど、移動をくつろぎの時間に変える作りこみ。
- ProPILOT系の運転支援を搭載。低速域の“ハンズオフ”対応などが報じられています(市場やグレードで機能差が出る可能性あり)。
旧型(E52)エルグランドとの違い
1. 走り(パワートレーン)
- 旧型(E52):V6中心のガソリンエンジンやCVTで“伸びやかな走り”が持ち味。
- 新型:e-POWERで発進から中速まで“電気らしい力強さと静かさ”。e-4ORCEで直進安定や段差越えの揺れを抑える方向。家族が酔いにくく、会話しやすいキャビンを狙います。
2. サイズ・使い勝手
- 参考値(会場取材):新型は4995×1895×1975mm(長×幅×高)。現行E52の主要グレード(2WD 350 Highway STAR)は4965×1850×1815mm。長さ+30mm / 幅+45mm / 高さ+160mmと“ひとサイズ上”に。3列目や荷室の余裕が期待できます。※正式諸元は発売時確定。
3. 乗り心地・静粛性
- 新型はモーター駆動がメインなので、街中のストップ&ゴーで静か。アイドリング振動が気になりにくいのも利点。路面のギャップでもe-4ORCEやインテリジェントダイナミックサスペンション(IDS)で揺れの収まりを狙っています。
4. 運転支援・安全
- 新型は最新のProPILOT系を採用。渋滞路のハンズオフ対応や、高速の負担軽減にフォーカス。複数のカメラ・センサーと制御の進化で、“家族を乗せた長距離”がラクになります。
5. 室内の質感
- 新型は“プレミアムラウンジ”を掲げ、TailorFit™レザー、木目加飾、組子(くみこ)モチーフで“和の上質”を演出。2列目はゼログラビティシート+オットマンで、在宅勤務の延長みたいに移動時間を活用できます。
アルファード/ヴェルファイアとの違い(気になる対抗馬)
1. 走りのキャラクター
- 新型エルグランドはシリーズ式ハイブリッド(e-POWER)で、“電動の加速と静かさ”が核。e-4ORCEでの車体の安定や直進性の高さを訴求。
- アル/ヴェルはパラレル式のハイブリッドが中心(エンジンも走行駆動に関与)。高速の伸びや燃費に強みがあり、熟成が進んでいます。
→ つまり、“静かな電動感×姿勢の安定”のエルグランドか、“総合完成度が高いアル/ヴェル”か、好みの世界に。渋滞のラクさはエルグランドの運転支援構成に分がある可能性。
2. 室内の世界観
- エルグランドは“和の上質×ラウンジ”。組子モチーフ、アンビエントライト、BOSEなどでしっとり静か。
- アル/ヴェルは“ショーファー(おもてなし)”色が強い路線。
→ “乗って休む/くつろぐ”をより重視するならエルグランドの新内装は刺さります。接待・公用での見栄え重視ならアル/ヴェルの世界観も根強い支持。
3. 運転支援
- エルグランド:ProPILOT系の進化を前面に。低速ハンズオフ等の“渋滞でのラクさ”が売り。
- アル/ヴェル:トヨタの最新安全パッケージで広い作動域をカバー。
→ 渋滞多めの首都圏通勤や帰省が多いなら、エルグランドの“低速ラク”は強い武器になり得ます。高速長距離主体なら双方で要試乗。
4. 価格レンジ(予想)
- 新型エルグランドの価格は未発表。ただし、“プレミアム×電動×先進”の内容から、アル/ヴェルの主要グレード帯と真っ向勝負のはず。まずは公式発表待ちで、装備と合わせて“値ごろ感”を見極めるのが安全です。
セレナとの違い(兄弟車の住み分け)
- セレナは家族の“日常”万能選手。扱いやすいサイズ、価格、使い勝手重視。
- 新型エルグランドは“非日常のくつろぎ”と“電動の上質走り”を前面に出すフラッグシップ・ミニバンへ。シートや静粛性、運転支援の厚みで差別化。
- まとめると、セレナ=普段づかいの主力、エルグランド=家族旅行や遠出を“ご褒美時間”に変える上のグレードという住み分けです。
「新型と旧型」主要ポイント早見表
| 比較軸 | 旧型エルグランド(E52) | 新型エルグランド(2026年夏発売予定) |
|---|---|---|
| 駆動の中心 | ガソリン(V6中心) | 第3世代e-POWER(電動駆動メイン) |
| 4WD制御 | 機械式中心 | e-4ORCE(電動4輪駆動制御) |
| サイズ感 | 4965×1850×1815mm(例:2WD 350 HS) | 4995×1895×1975mm(参考:会場取材値) |
| 室内テーマ | 上質路線だが“王道ミニバン” | プレミアム・ラウンジ(組子モチーフ/BOSE等) |
| 運転支援 | 先代世代の支援 | ProPILOT系進化(低速ハンズオフ報道あり) |
| 発売・価格 | 販売終了域/中古中心 | 2026年夏に日本発売予定/価格は未発表 |
※新型の細かな諸元・機能階層は量産発表時に確定します。展示車はプレプロトタイプです。
こんな人には新型エルグランドが合う
- 渋滞のストレスを減らしたい(低速での運転支援が手厚い方向性)。
- 家族と会話を楽しみたい/子どもが酔いやすい(静かで揺れが少ない電動走行+e-4ORCEに期待)。
- 2列目を“自分の書斎・サロン”にしたい(キャプテンシート+アンビエント+BOSE)。
- “和の上質”が好き(組子モチーフなど日本的ディテール)。
価格は? 納期は?(現時点の見通し)
- 価格:未発表。装備の厚みと電動化コストを踏まえると、アル/ヴェルの主力帯と競合する設定になる可能性が高いですが、公式の続報待ちです。
- 発売:2026年夏(日本)。初期需要が集中すると納期が延びるのがこのクラスの“あるある”。早めの情報収集→試乗→見積比較の順で進めましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. e-POWERって、普通のハイブリッドと何が違う?
A. エンジンは基本“電気をつくる発電機”。タイヤを回すのはモーターが主役です。スタートが力強く、街中で静か。高速では効率面をどう仕上げるかが腕の見せどころ。
Q2. e-4ORCEは何をしてくれる?
A. 4輪それぞれの駆動力とブレーキ力を細かく調整し、姿勢を安定させます。雨の路面やコーナーの立ち上がりで安心感が増します。
Q3. ProPILOTって完全自動運転?
A. いいえ。あくまで運転支援です。ドライバーが常に責任者。低速の“手放し”に対応する設定が報じられていますが、使える条件や機能はグレードや法規で変わる前提です。
Q4. 旧型(E52)からの乗り換えメリットは?
A. 静粛性・乗り心地・先進安全で大きく進化。燃費・維持費も電動化で有利になる可能性。反面、車体が大きくなる分、立体駐車場や細道は事前に確認を。
Q5. アル/ヴェルとなにが一番違う?
A. 一言で言えば、“走り味の作り方”。エルグランドは電動のトルクと姿勢制御で“疲れにくさ”を狙う。アル/ヴェルは完成度の高さとショーファー的世界観が強み。試乗で自分の感覚に合う方を。
失敗しない選び方
- 家族の使い方を書き出す(週何回・誰が・何km)。
- 渋滞の頻度を数値化(週○回・○分)。→渋滞が多いならProPILOTの作動条件を要チェック。
- 駐車場の制限(全高・全幅)を確認。新型は高さ約1.98mクラスの報(正式値は後日)。
- 2列目の座り心地を“家族代表”で実地確認(オットマンやUSB、テーブル位置)。
- 試乗は2回:①街中の発進停止、②高速の合流・追い越し・レーンキープ。
- 見積は3パターン:装備“盛る/普通/控えめ”で、総支払額と残価を比較。
- 保険・タイヤ・充電家電(インバーター需要)まで“総コスト”を可視化。
まとめ
新型エルグランドは、電動の静かさと力強さ、そして姿勢のいい乗り味、渋滞でのラクさを武器に戻ってきた“プレミアム・ミニバン”です。旧型(E52)からは思想がガラッと変わり、アル/ヴェルとはキャラクターの軸が違います。
「家族で長く乗る1台」を探しているなら、発売前のいまからサイズ/駐車場/使い方を整理しておくのが得策。価格発表と試乗が始まったら、“静かな電動感×安定感×くつろぎ”が自分たちの生活にハマるか、体で確かめてみてください。

