ここからは、この試合を整理します。
じっくりいきましょう。
試合の基本情報まとめ
まずは試合の事実をおさえておきます。
そして八村塁は…
正直に言うと、これは“ただのそこそこの活躍”ではありません。
「チームが本気で勝ちにいく試合で、ちゃんと1人分の役目を果たした先発フォワードの数字」です。
そして大事なのは「これが偶然ではない」というところです。八村はこの試合で4試合連続の二桁得点(10点以上)という流れになっていて、安定して得点源として計算できる状態になってきています。
八村はスタメンで、どんな役割だったの?
「スタメンだったってだけでそんなに大事?」と思うかもしれませんが、レイカーズではこれはかなり大事な意味があります。
NBAでは「スタメン」と「ベンチ」の役割はハッキリ分かれています。
・スタメン=試合の最初から出る5人。チームの“メインプランそのもの”に組み込まれている選手。
・ベンチ=途中から流れを変えたり、穴を埋める「第2プラン」として使われる選手。
このウルブズ戦では、レイカーズのスターター(先発5人)は以下の通りです。
この並びからわかることが2つあります。
① レイカーズは八村を“ウイング(フォワード)として主力扱い”している
レブロン・ジェームズのような大ベテランエースが欠場する試合や、ラインナップを調整する試合では、誰がレブロンの代わりに「サイズがあって点が取れるフォワード」をやるの?が課題になります。
その穴に八村が入り、しっかり2桁得点を続けている。これはチーム的に超ありがたい。
② インサイドのエイトンと並べて、フィジカル勝負を怖がっていない
レイカーズはこの試合、エイトン(17点10リバウンド)というセンターと一緒に八村を並べています。
これは「高さ・パワーで負けないぞ」というメッセージでもあります。
ウルブズは本来サイズが大きくてゴール下が強いチームなので、そこで押し負けないことはめちゃくちゃ重要です。
つまり八村は、“とりあえず点を取ってくれるベンチスコアラー”ではなくて、
「体の強さ・高さ・フィニッシュ力を含めて、最初から試合のプランに組み込まれてる存在」なんです。
これはレイカーズでのポジションが1段階上がったサインだと言えます。
17点という数字の価値:ただの「そこそこ」じゃない
17点って、NBAの世界だと何点くらいの重さ?という話もしておきます。
NBAの平均的なローテーションフォワード(スタメンもしくは主力級のフォワード)が1試合で10点〜15点くらい取れれば「ちゃんと役に立ってる」扱いです。それより上の20点台は、もう“エース級”の領域になってきます。
今回の八村は17点。これは「準エース級の数字」を、強い相手(ウルブズ)に対して叩き出した、ということになります。
さらに、内容も軽くない。
これは偶然の1本勝負じゃなくて「セットプレー(チームで決めている攻めの形)の中でボールを受けて決めた得点」も多い、ということです。過去の試合後コメントでも、八村自身が「チームでボールを共有して、セットプレーをしっかり回すのが大事」と話しています。
つまり“たまたま自分が暴れた”のではなく、“チームの決め事の中でちゃんと点を取る役目”をこなしているということなんです。
NBAでは、これは信頼の証です。信頼される選手には、決めごとの中でシュートの順番が回ってくる。その順番がちゃんと八村に来ている=チームが頼っている、ということになります。
試合終盤はどうだったの?「1点差ゲーム」の意味
この試合は、途中でレイカーズが20点差リードを作ったのに、最後の最後にウルブズに追い上げられ、残り10秒で逆転されてしまいます。
ここからわずか数秒で、レイカーズのリーブスがクラッチショット(勝負を決める一撃)を決めて逆転勝ち、という展開でした。
はっきり言って、これはチームにとって“勲章級”の勝ち方です。
なぜかというと、レイカーズはここまで「リードを守り切れない」「第4クォーターで崩れる」という課題をずっと指摘されてきたからです。プレーオフでも、ウルブズ相手に終盤で押し切られてシリーズを落としたことがまだ記憶に新しいですよね。
つまり、ウルブズはレイカーズにとって「終盤でやられる天敵」でもあったわけです。
そこに対して今回、接戦のまま勝ち切れた。これはメンバー全体、特に先発組に対する信頼にもつながるし、こういう試合でスタメンとして37分もコートに立っていた八村の価値は、数字以上に大きいんです。
「最後の5分だけ出てました」ではなく、「試合の空気が重くなる時間帯も全部、その場にいた」というのは、NBAではめちゃめちゃ評価ポイントになります。
じゃあ今の八村はレイカーズでどんな立ち位置なの?
ここまで聞くと、こう思いませんか?
「つまり八村って、もうレイカーズの主力のひとりってこと?」
かなり正直に言うと、はい、そうです。そう言っていいフェーズに入っています。
理由は3つあります。
① スタメンで計算できる得点源になっている
チームは八村に“10点〜20点を安定して出してほしい”という役割を与えていて、実際にそれを現実にしている。17点という数字もそうだし、別の試合では23点を取ってチームを助けているゲームもあります。
これは「控えの爆発」ではなく「ふつうに毎試合やっていいやつ」という扱いです。
② サイズのあるウイング(フォワード)はNBAで一番価値が高い
現代のNBAでは、2メートル級で走れて、フィジカルで押せて、リム(ゴール下)でフィニッシュできて、ミドルや3Pもある程度決められるフォワードは、どのチームも喉から手が出るほど欲しいタイプです。
レイカーズにとって八村は、まさにその“現代型ウイング”として起用されています。
③ レブロンの負担を減らせる存在
レブロン・ジェームズはチームの象徴ですが、年齢的に40歳近いシーズンを戦っています。レギュラーシーズン全部を全力でやるのは正直キツい。だからこそ「レブロン不在の時間帯に、フォワードの得点・フィジカルをどうやって維持するか」がレイカーズにとっての最大テーマなんです。
そこを八村が埋めている、というのはチーム運営的にかなり大きい意味を持ちます。
具体的にどんなプレーが評価されているの?
数字だけだとイメージしにくいので、プレー内容をもう少し具体的に説明します。
フィニッシュ力(ゴール下の決定力)
八村はドライブ(ボールを持ってゴールへ突っ込む動き)や、カッティング(マークを外してゴールに走り込む動き)から豪快なダンクを決める場面が多い選手です。実際に今回のウルブズ戦でも、強いフィニッシュで会場をどよめかせる場面がありました。
“フィジカルで押し切れるフォワード”って、相手からすると本当にイヤなんです。止めようとするとファウルになってフリースローを与えるリスクが高いから。
キャッチ&シュート(もらってすぐ打つ3ポイント)
ただゴール下で暴れるだけじゃなくて、開いたところでパスを受けて3ポイントも打てる。実際この試合でも3Pを沈めています。
これは「八村を放置できない」という意味でディフェンスを広げる効果があります。チームのスペーシング(コート上の距離感)をよくするので、ガード陣が攻めやすくなる。
オフボールの動き(ボールを持ってない時の働き)
これは日本のファンには伝わりにくいのですが、NBAでは“ボールを持ってない時にどこへ立っているか”がものすごく大事です。
最近のレイカーズでは、八村がチームのセットプレーの中でちゃんと決められた位置に動き、そこから高確率のシュートにつなげている、という評価が出ています。
これは、チームのシステムにしっかり組み込まれてきた証拠です。単なる1on1要員じゃなくて、戦術の一部なんです。
「この試合の八村はどう評価される?」をまとめると
このウルブズ戦の八村を、一言でいうならこうです。
「勝負どころまでずっとコートに立って、17点取って、ちゃんと“主力”として扱われているフォワード」
それって、具体的にどんな評価になるの?と聞かれたら、次の4つに分けられます。
- 安定感がある
4試合連続で2桁得点という流れは、偶然ではなく“安心して任せられる”というサイン。 - サイズを活かしたフィニッシュが効いている
ダンクやゴール下のフィジカルな得点でチームを助けた。 - ラインナップの中心にいる
スタメンとして37分も出場し、チームの基本形の一部になっている。 - 勝った試合で結果を残した
チームは1点差ゲームをものにした。接戦で勝った試合に貢献している、というのは評価でめちゃくちゃ大きい。
つまり、「今日はシュートタッチが良かった」みたいなレベルではなく、「今のレイカーズに必要なピースです」と胸を張って言える内容だったということです。
ファンとして今後どこを楽しみにすればいい?
最後に、八村ファンとして“次にチェックすべきポイント”を3つだけ挙げておきます。これは試合を見るときの「見るべき場所リスト」だと思ってください。
① 先発固定になるか?
今回のようにスタメンで長い時間使われ続けるなら、それはもうチームが「八村はこのチームの骨格」と考えているサインです。怪我人が戻ってきたあともスタメンをキープできるのかは、大きな注目ポイントです。
② 15〜20点ペースをキープできるか?
17点という数字は、チームの2〜3番目のスコアラー級の価値があります。
これを毎試合近い形で続ければ、対戦相手はスカウティング(事前研究)で「八村を止めろ」と本気で対策してきます。そこからが、本当の勝負。
③ 終盤のディフェンスでどれだけ信頼されるか?
大きな試合、特にプレーオフでは「最後の3〜4分にコートに残っているか」が完全な信頼のバロメーターです。
この試合では、接戦の終盤フェーズでも八村は起用され続けた。これはすでに良いサインです。今後もこの“クラッチタイム起用”が続くかどうかは、かなり注目です。
まとめ
レイカーズにとって八村塁は、もはや“便利なサブ”ではありません。
チームの勝ちパターンの中で、最初から最後まで計算できるフォワードになりつつあります。これは日本バスケファンにとって、かなりワクワクする段階です。

