XGのメンバー・COCONAさんのニュースをきっかけに、
「ノンバイナリーって何?」
「AFABってどういう意味?」
「COCONAはこれからどうなるの?」
と気になりますよね。
この記事では、
- COCONAさんが発表した内容のおさらい
- 「ノンバイナリー」「AFAB」「トランスマスキュリン」の意味
- COCONAさんはこれからどうなっていくのか?
- ファンとして、私たちはどう受け止めればいいのか?
を、中学生でも読めるレベルの言葉で整理していきます。
(ただし想定読者は大人なので、内容はしっかりめです)
1. まずはニュースのおさらい:COCONAさんが語ったこと
2025年12月6日、20歳の誕生日にあわせて、
XG公式インスタグラムにCOCONAさんの長いメッセージが投稿されました。Instagram
その中で、COCONAさんはこんなことを伝えています(要約):
- 自分は
「AFAB Transmasculine Non-binary(AFABトランスマスキュリン・ノンバイナリー)」
であること - 今年、胸の切除手術(トップ手術)を受けたこと
- 生まれたときは「女性」として扱われてきたけれど、
自分の中ではそのラベルにずっと違和感があったこと - 自分を受け入れるまでの時間が、とても苦しかったこと
- 同じように悩んでいる誰かにとって、
「少しでも光になれたらうれしい」と思っていること
海外メディアでも、
- 「トランスマスキュリンのノンバイナリーとしてカミングアウト」
- 「トップ手術を受けたことを明かした」
といった内容で大きく報じられています。
つまり、
「自分は“女の子のアイドル”というラベルに収まらない存在です。
だから、そのことをちゃんと自分の言葉で伝えたい」
という、とても個人的で、勇気のいる告白だったわけですね。
「ノンバイナリー」とは?ざっくり言うと…
「男か女か」だけじゃない、という考え方
多くの人は、「性別」と聞くと
「男性」か「女性」かの二択を思い浮かべますよね。
でも実際には、
- 「完全に男とも言い切れないし、女とも言い切れない」
- 「日によって、場面によって、しっくりくるあり方が違う」
- 「“どちらでもない自分”として生きたい」
という人たちもいます。
そうした人たちの性自認(自分で自分をどう感じるか)を
まとめて表す言葉のひとつが、「ノンバイナリー(non-binary)」です。
ノンバイナリー=「中間」ではなく「自分なりの位置」
よくある誤解が、
ノンバイナリー=男と女の真ん中
というイメージです。
でも実際は、
- 男性寄りに感じる人
- 女性寄りに感じる人
- そのどちらでもない感覚を持つ人
- 日や状況で変わる人
など、とても幅が広いです。
大事なのは、
「自分はこうだ」と本人が感じているその感覚を、
そのまま尊重すること
です。
「AFAB」「トランスマスキュリン」ってどういう意味?
今回、COCONAさんが自分を説明するときに使ったのが、
AFAB Transmasculine Non-binary
という少し長めの言葉です。
一つずつ分解して、やさしく見ていきましょう。
AFAB(エイファブ)とは?
AFAB = Assigned Female At Birth の略です。
日本語にすると、
「生まれたときに、周りから“女の子”として扱われた人」
という意味です。
出生届や母子手帳、学校生活、周りの人からの扱いなど、
社会的にはずっと「女性」として見られてきた、ということですね。
ただし、
AFAB = 今も女性として生きている
という意味ではありません。
「生まれたときはそう扱われていたけれど、
自分の心はそうじゃない」という人もいます。
COCONAさんは、まさにそのケースです。
トランスマスキュリン(transmasculine)とは?
トランスマスキュリンは、
「生まれたときは女性として扱われたけれど、
自分の性自認は“男性的なあり方”に近い」
人たちを広く指す言葉です。
- 「トランスジェンダー男性」と名乗る人
- 「ノンバイナリーだけど、男性寄り」と感じる人
など、いくつかのパターンを含む“大きめの傘”のような言葉だと考えるとイメージしやすいかもしれません。
つなげるとどうなる?
ここまでをつなげると、
- AFAB
→ 生まれたときは「女の子」として扱われた - Transmasculine
→ 自分の性自認は「男性的なあり方」に近い - Non-binary
→ 男か女かの二択に、自分は当てはまらない(ノンバイナリー)
つまり、
「生まれたときは女の子として扱われたけれど、
自分は“男性的だけど完全な男性とも言い切れないノンバイナリー”として生きていきたい」
ということを表している、と理解すると分かりやすいです。
COCONAさんが語った「生きづらさ」と、いまの気持ち
報道や翻訳をもとに要約すると、COCONAさんはメッセージの中で、だいたい次のようなことも話しています。
- ずっと自分の性別に違和感があったこと
- でも、それを認めるのが怖くて、長いあいだ心の中にしまっていたこと
- 自分を少しずつ受け入れられるようになって、
「0.1歩でも前に進めた」と感じていること - 同じように悩んでいる誰かの、小さな光になれたらうれしいこと
インスタの文中では、
「いま自分は、前よりもずっと、自分らしく生きられている」
というニュアンスも伝えています。
海外ファンのリアクションも、
- 「誇りに思う」
- 「勇気をくれてありがとう」
- 「音楽も人としても、ますます推せる」
といったポジティブな声が多く、
「これはK-POP・J-POP業界にとっても大きな出来事だ」と評価するメディアもあります。
いちばん気になるところ:「COCONAはこれからどうなるの?」
ここからが、この記事のタイトルにもある
「COCONAはこれからどうなるの?」の部分です。
結論から言うと、現時点(2025年12月6日)で公式に分かっているのは次の通りです。
XGのメンバーであることは変わっていない
- ニュース記事や音楽メディアでは、「XGのメンバー・COCONAが〜」という形で報道されており、
脱退や活動休止などの発表は出ていません。 - XG自体も、今後のアルバムリリースや活動予定がすでにアナウンスされている「現役バリバリのグループ」です。
つまり、
「性自認を公表したから、すぐにグループをやめる」
という話にはなっていない
というのが、今わかる範囲での事実です。
活動スタイルが“少しずつ変わる”可能性はある
今後考えられる変化としては、たとえば:
- スタイリング(衣装)がより“マスキュリン寄り”になる
- プロフィール文やインタビューで、性自認について触れられる場面が増える
- 英語圏では「they/them」など、性別を限定しない代名詞が使われる
といったことがあり得ます。
ただし、これらは「こうなる可能性が高い」レベルの話であって、
まだ公式に細かく決まっているわけではありません。
「ガールズグループなのに?」というモヤモヤについて
XGは
XG = Xtraordinary Girls
という意味を持つ、いわゆる「ガールズグループ」として紹介されることが多いです。
ここで、
「メンバーの一人がノンバイナリーなら、“ガールズグループ”って呼んでいいの?」
と感じる人もいるかもしれません。
この点については、
- グループ名やブランドとしての「Girls」
- 個々のメンバーの性自認
は、別の“レイヤー”の話だと考えると少し整理しやすいです。
たとえば、
- 「少年漫画」というジャンルだけど、女性作家もいる
- 「女子会」という名前の集まりに、ノンバイナリーの人が参加する
といったことは現実にもありますよね。
なので、
「グループ名の“Girls”はブランド名として残しつつ、
メンバー個人の性自認はその人のものとして尊重する」
という形になる可能性は十分あります。
このあたりは、今後の公式コメントやインタビューを見守るしかありません。
恋愛・結婚・戸籍…生活面はどうなるの?
ここは、みんな気になりやすいポイントですが、正直なところ「まだ分からない」「本人のプライベートの範囲」がほとんどです。
一般的な話としてだけ整理しておくと:
- 日本の法律では、現状「戸籍上の性別」は男性/女性の二択
- ノンバイナリーという性自認が、法律にそのまま反映される仕組みはまだ整っていない
- 医療や戸籍の変更などは、とても個人的で、医師や専門家と相談しながら決めていく内容
です。
今回の発表は、あくまで「心の性(性自認)」についてのカミングアウトであって、
戸籍や法律上の手続きに関することは、何も語られていません。
そのため、
「結婚できるの?」「戸籍はどうなるの?」
といった部分を、外からあれこれ推測するのはやめておいたほうが良いでしょう。
ここは完全にプライベートな領域です。
ファンとして、どう受け止めればいい?
では、ファンやリスナーとして、私たちはどう接していけばいいのでしょうか。
ポイントをいくつか挙げてみます。
本人が使っている言葉を、そのまま尊重する
COCONAさんは、自分のことを
「AFAB Transmasculine Non-binary」
と表現しました。
まずは、
- この言葉をそのまま受け止める
- 「結局どっちなの?」と二択を迫らない
ということが大切です。
呼び方に迷ったら「COCONAさん」でOK
日本語だと、三人称での呼び方に
「彼」「彼女」を使う場面がありますが、
- 無理にどちらかを選ばず
- 単に「COCONAさん」「COCONA」「ここな」と呼ぶ
だけで会話は十分成り立ちます。
英語圏では、メディアやファンが
they/them(ジェンダーニュートラルな代名詞)を使う例も出てきていますが、
日本語ではそもそも代名詞をあまり連発しないので、
「本人の名前で呼ぶ」
というシンプルな形で、かなりカバーできます。
好奇心でプライベートを掘りすぎない
- 手術の細かい内容
- 戸籍や家族の反応
- 恋愛や過去の経験
など、本人が話していないことを勝手に詮索するのはNGです。
「もっと知りたい」という気持ち自体は自然ですが、
「本人が公表した範囲」だけを
ていねいに受け止める
というスタンスが、いちばん安心です。
アンチや差別的発言を“見て見ぬふり”しない
残念ながら、こうしたカミングアウトには
差別的なコメントや心ない言葉が付き物です。
- そうした発言に乗っからない
- 「それは違うと思う」と冷静に指摘する
- 話題にするときは、敬意ある言葉を選ぶ
といった、小さな行動の積み重ねが、
COCONAさんや、同じように悩んでいる人たちの安全な環境づくりにつながります。
よくある誤解と、その整理
最後に、SNSなどでよく見かけそうな「誤解」を、いくつか先回りで整理しておきます。
誤解① 「ノンバイナリー=ただの“流行り”では?」
性自認に関する言葉が増えると、
「なんか新しいラベルをつけたがっているだけでは?」
という意見も出がちです。
しかし、COCONAさんが語っているのは、
- 長いあいだ続いた違和感
- 自分を受け入れるまでの苦しさ
- 手術という大きな決断
など、とても重い経験です。
“流行り”という軽い言葉で片付けられるような話ではありません。
誤解② 「手術しないとノンバイナリーじゃないの?」
これもよくある誤解です。
手術の有無と、性自認は別問題です。
- 手術をする人もいれば、しない人もいます
- したくても、経済的・身体的・社会的な理由でできない人もいます
今回COCONAさんは、たまたま自分の経験として
トップ手術について語りましたが、
「ノンバイナリー=手術している人」
というわけではありません。
誤解③ 「これでXGは“普通じゃないグループ”になってしまう?」
むしろ、世界的な音楽シーンでは、
- LGBTQ+のアーティスト
- ノンバイナリーやトランスジェンダーのアーティスト
は年々増えており、
それが「普通」になりつつあります。
XG自体も、
「ジャンルや国籍の枠を超えていくグローバルグループ」
として評価されてきました。
その中で、COCONAさんのカミングアウトは、
XGというグループが「多様性」を体現する存在であることを、
さらに強く印象づける出来事
と言えるかもしれません。
まとめ
この記事の最初の問い、
「COCONAはこれからどうなるの?」に、改めて答えるなら——
- XGのメンバーであることは変わらない(現時点で脱退の話はない)
- 性自認を公表したことで、衣装やインタビューなど、
見え方が少しずつ変わっていく可能性はある - でも、ラップもパフォーマンスも、
「アーティストとしてのCOCONA」が急に別人になるわけではない - いちばん大きく変わるのは、
「私たちがCOCONAのことを、より深く知れた」という事実
なのかなと思います。
これから先、XGとしての活動の中で、
COCONAさんがどんな表現を見せてくれるのか。
そして、このカミングアウトが
同じように悩む誰かの「小さな光」になっていくのか。
外からできることは多くないかもしれませんが、
・本人が選んだ言葉を尊重する
・プライベートを必要以上に詮索しない
・アンチや差別から距離を置き、静かに応援し続ける
この3つだけでも、
ファンとしての大きなサポートになるはずです。

