睡眠の質が人生の質を決める—。世界的睡眠研究者・柳沢正史教授が開発した革新的な睡眠測定技術が、私たちの眠りを変えようとしています。
自宅で簡単に医療レベルの睡眠計測ができる「InSomnograf」。AIが解析した詳細なデータがあなたの睡眠の真実を明らかにします。
健康、仕事、人間関係。すべては良質な睡眠から始まります。あなたの眠りを科学の目で見つめ直してみませんか?
柳沢正史教授とは
柳沢正史教授は、世界的に著名な睡眠研究者であり、睡眠科学の分野で革新的な発見を成し遂げた第一人者です。
柳沢教授は、1988年に血管制御因子エンドセリンを発見し、1998年には睡眠・覚醒を制御するオレキシンを発見しました。これらの発見により、睡眠のメカニズム解明に大きく貢献し、世界中から高い評価を得ています。
- 1960年5月25日生まれ
- 筑波大学医学専門学群卒業、同大学院医学研究科博士課程修了
- テキサス大学サウスウェスタン医学センター教授を経て、現在は筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構機構長・教授
- 文化功労者、米国科学アカデミー正会員
柳沢正史教授は、睡眠研究の分野で世界をリードする科学者であり、その研究成果は睡眠医科学の発展に多大な貢献をしています。
S’UIMINの設立と睡眠測定サービス
柳沢教授は、自身の研究成果を社会実装するため、株式会社S’UIMINを設立し、革新的な睡眠測定サービス「InSomnograf(インソムノグラフ)」を開発しました。
S’UIMINは、筑波大学「国際統合睡眠医科学研究機構」を母体とする大学発スタートアップ企業です。InSomnografは、睡眠脳波を高精度に測定できるテレメトリー式脳波計で、2022年12月27日に医療機器認証を取得しています。
- 会社名:株式会社S’UIMIN
- 設立:2017年10月17日
- 代表取締役社長:柳沢正史
- 事業内容:医療レベルの睡眠検査を自宅で行える睡眠計測サービス「InSomnograf」の開発・提供
S’UIMINの設立により、柳沢教授の研究成果が実用化され、一般の人々も高精度な睡眠測定を受けられるようになりました。これは、睡眠科学の進歩が社会に還元された好例といえます。
在宅での高精度睡眠測定
InSomnografは、従来の睡眠検査とは異なり、自宅で簡単に高精度な睡眠測定が可能な革新的なデバイスです。
従来の睡眠ポリグラフ検査(PSG)は入院が必要で、大掛かりな装備を着けて慣れない環境で眠る必要がありました。一方、InSomnografは軽量で装着しやすく、自宅等のあらゆる場所で医療レベルの睡眠計測が可能です。
- 測定方法:額と耳の後ろに電極シールを貼り付けるだけ
- 測定項目:レム睡眠、ノンレム睡眠などの睡眠経過図、眠りの深さ、中途覚醒指数など約20の睡眠指標
- 特徴:IoTによる即座のデータ送信、AIによる迅速な解析
InSomnografの登場により、高精度な睡眠測定が身近になり、多くの人々が自身の睡眠の質を客観的に知ることができるようになりました。これは、睡眠健康の向上に大きく貢献する可能性を秘めています。
AIによる睡眠解析
InSomnografは、最先端のAI技術を活用して睡眠データを解析し、詳細な睡眠情報を提供します。
取得した脳波データをAIが迅速に解析し、一晩ごとに約20の睡眠指標を算出します。これにより、従来の活動量計による睡眠推定とは異なり、科学的かつ客観的な睡眠の質の評価が可能となりました。
AIが解析する主な睡眠指標
- 深い眠りの割合
- 途中で目が覚めていた時間の割合
- 眠るまでにかかった時間
- レム睡眠、ノンレム睡眠の経過
AIによる睡眠解析は、個人の睡眠パターンを詳細に把握し、睡眠の質の改善に向けた具体的なアドバイスを可能にします。これは、個人化された睡眠ケアの実現に大きく貢献するものと期待されています。
睡眠測定サービスの活用事例
InSomnografを用いた睡眠測定サービスは、健康診断やスポーツチームのパフォーマンス向上など、様々な分野で活用されています。
健診センターでは健診メニューのオプション検査として導入が始まっており、スポーツチームでもパフォーマンス向上に役立てられています。また、ホテルでの宿泊プランにも組み込まれるなど、幅広い分野での活用が進んでいます。
- 健康診断でのオプション検査
- スポーツチームでのパフォーマンス向上支援
- ホテル椿山荘東京での睡眠改善ステイプラン
- 期間:2024年3月15日~2024年12月28日
- 内容:自宅とホテルでの睡眠測定、医師によるアドバイス
InSomnografを用いた睡眠測定サービスは、医療、スポーツ、ホスピタリティなど多岐にわたる分野で活用されており、人々の健康増進やパフォーマンス向上に貢献しています。今後さらに多くの分野での活用が期待されます。
医療機器認証取得と今後の展開
InSomnografは医療機器認証を取得し、今後は創薬支援や睡眠医療、予防医療の分野への進出を目指しています。
2022年12月27日に医療機器認証を取得したInSomnografは、創薬の治験や市販後調査、睡眠障害の診断や治療、プライマリーケアでの予防医療などの分野に進出する計画です。
今後の展開予定
- 創薬支援:治験や市販後調査での活用
- 睡眠医療:睡眠障害の診断や治療への応用
- 予防医療:プライマリーケアでの活用
医療機器認証の取得により、InSomnografの信頼性と安全性が公的に認められました。これにより、医療分野での幅広い活用が可能となり、睡眠に関する研究や治療の発展に大きく貢献することが期待されています。
睡眠改善がもたらす社会的インパクト
睡眠改善は個人の健康増進だけでなく、社会全体のウェルビーイング向上にも大きな影響を与えます。
日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、OECD加盟国30カ国中最も短いとされています。厚生労働省は「適正な睡眠時間の確保」と「睡眠休養感の向上」を全ての国民が取り組むべき重要課題としています。
睡眠改善がもたらす効果
- 健康増進:生活習慣病リスクの低下
- 生産性向上:仕事や学業のパフォーマンス向上
- メンタルヘルス改善:うつ病などのリスク低下
- 医療費削減:睡眠関連疾患の予防による社会的コスト削減
まとめ
睡眠改善は個人の健康と生活の質を向上させるだけでなく、社会全体の生産性向上や医療費削減にもつながる重要な課題です。
InSomnografのような革新的な睡眠測定技術の普及により、多くの人々が自身の睡眠の質を把握し改善することで、社会全体のウェルビーイング向上に貢献することが期待されています。