昔の中島ひとみ選手と、今の中島ひとみ選手。SNSなどでは「昔と別人みたい」「顔が変わった?」「急に記録が伸びたけど何があったの?」といった声もちらほら見かけます。
この記事では、中島ひとみ選手の「昔」と「今」で、何がどう違うのかを、
- 顔・見た目の印象
- 記録(タイム)の変化
- インタビューでの発言の変化
という3つのポイントから事実ベースで整理してみます。
まずは、どんな選手なのかをサクッとおさらいしておきましょう。
中島ひとみってどんな選手?
基本プロフィール
中学生のときにハードルを始め、全中(全国中学校大会)で優勝。高校でも国体や日本ユースで優勝するなど、「若い頃から才能抜群のハードラー」でした。
ところが、ここからが波乱です。
- 高3のとき、インターハイを目前にストレス性胃腸炎になり、本命の大会に出られず
- そこから約10年ほど、なかなか勝てない時期が続く
- 大学では日本インカレ5位が最高
- 社会人になってもしばらくは「消えた天才」と表現されるほど、表舞台から遠ざかる
そこから戻ってきて、日本歴代2位の記録を出し、世界陸上の準決勝まで進んだ――。
この「ジェットコースター人生」そのものが、今の中島選手の大きな魅力になっています。
「昔の中島ひとみ」はどんな成績だった?
ここでいう「昔」は、大きく分けて2つあります。
- 中学〜高校時代の“天才ハードラー期”
- 社会人になってから2022年ごろまでの“くすぶり期”
① 中学〜高校:タイトルはあるけど、まだ“完成前”
- 中学2年でハードルを始め、全国中学でいきなり優勝
- 高校2年では、国体と日本ユースで優勝
- 一方で、高3のインターハイは体調不良で出場できず
この頃は、フォームも体つきも「まだ若い」「伸びしろたっぷり」という感じです。
タイムとしても、13秒台前半〜中盤が中心。今の12秒7台から見ると、まだ1秒近く遅い世界です(ハードルで1秒は“別人級”の差)。
② 2010年代〜2021年ごろ:結果が出ず、苦しい時間
- 大学の最高成績は日本インカレ5位
- 社会人になっても、しばらくは大きなタイトルなし
- 2018年に長谷川体育施設に所属
- 2022年、日本選手権の決勝に初めて残り、13秒37で4位。このあたりからようやく“再浮上”が始まります。
この時期のタイムは、だいたい13秒1〜13秒5あたり。
日本トップクラスではあるものの、「世界を目指すレベル」までは届いていませんでした。
本人もインタビューで、
「勝つことからも負けることからも逃げていた」
といった趣旨のことを振り返っていて、メンタル面でもかなり苦しかった時期だったことがわかります。
記録の伸び方をざっくり整理してみる
「昔と今、記録が全然違う」と言われるのは、2022年以降の伸び方がハッキリしているからです。
ざっくり年ごとの流れを文章で追うと、こんな感じです。
この数年で、
13秒台前半 → 12秒71(日本歴代2位)
まで一気に詰めてきたわけです。
そりゃあ「昔の中島ひとみ」と「今の中島ひとみ」は、別人級に強く見えるのも当然です。
顔・見た目は本当に変わったのか?
検索キーワードを見ると、
- 「昔の中島ひとみ 顔」
- 「昔と別人」
- 「痩せた?」
など、「見た目の変化」を気にしている人も多い印象があります。
① 競技中の表情の違い
まず、競技中の顔つきは確かに変わっています。
- 昔:
- 顔の余計な力が入っていた
- 苦しそう・必死そうな表情が多い
- 今:
- 目線がぶれず、リラックスしながらも集中している
- レース後は笑顔で観客に手を振る写真が増えた
これは単純に、
フォームが安定して、レースに余裕が出てきた
心理的にも「楽しめる段階」に入ってきた
という、アスリートとしての成長が大きいと考えるのが自然です。
② 髪型・メイク・服装の変化
もうひとつ大きいのが、「競技場以外での姿」です。
2025年には、ファッション誌「Safari」の撮影で、
- 髪をおろしたスタイル
- ヘソ出しのトップス+Gジャン
- モデルのようなポージング
といった写真が公開され、「別人みたい」「モデルさんかと思った」と話題になりました。本人もSNSで「プロの方々に別人に仕上げてもらいました」と、かなり楽しそうに報告しています。
つまり、
スタジオ撮影用のメイクやスタイリングをしている
撮影チームが「映える見せ方」を全力で作っている
という前提があるわけです。
競技ユニフォーム+結んだ髪の“ガチアスリートモード”と、雑誌用の“モデルモード”では、同じ人でも印象がガラッと変わるのは当然です。
③ 「整形?」みたいな憶測について
ネットでよくあるのが、
「昔と顔が違う=整形では?」
といった短絡的な決めつけです。
ですが、現時点で
- 本人が公にそうした事実を語っている
- 信頼できるメディアがそう報じている
といった情報は見当たりません。
根拠のない「整形認定」は、ただのデマになってしまいます。
- 髪型
- メイク
- 体づくり(頬まわりが絞れるなど)
- カメラ・照明・レタッチ
こういった要素だけでも、人の見た目はかなり変わるので、
「昔と比べてキレイになった、垢抜けた」
くらいの受け止め方にしておくのが、本人へのリスペクトとしても健全だと思います。
発言から見える「中身」の変化
「昔と今で一番変わったのは、顔よりも言葉じゃないか」と感じる人も多いと思います。
① 昔:結果が出ず、「空っぽだった」時期
インタビューでは、高校〜社会人にかけての苦しい時期を、
- 「陸上を辞めると思っていた」
- 「自分が空っぽだと感じていた」
と振り返っています。
周りから期待される一方で、結果は出ない。
かつて「天才」と呼ばれた人ほど、こうしたギャップに苦しみやすいものです。
② 2022年以降:「チャレンジ」と「感謝」が口ぐせに
2022年の日本選手権で決勝に残ってからは、コメントのトーンも変わってきます。
- 「またここに戻ってこられてうれしい」
- 「チャレンジする気持ちを忘れずに」
- 「支えてくれる人たちに結果で返したい」
といった「感謝」と「前向きさ」がにじむ言葉が目立つようになります。
2025年の快進撃についても、
- 「めちゃくちゃしんどいけど、すごく幸せ」
- 「足りないピースを少しずつ埋めていきたい」
と語っていて、“結果が全て”ではなく、“成長を楽しめるステージ”に入っていることが分かります。
③ 世界陸上後のコメントにも、成長がにじむ
東京世界陸上を走り終えたあとも、
- 「大輪の花束を皆さんからいただいた気分」
- 「これからもっと強くなって、またここに帰ってきたい」
という趣旨のコメントを残していて、
自分一人の物語ではなく、「応援してくれる人と一緒に作る物語」として陸上を見ていることが伝わってきます。
なぜ「昔の中島ひとみ」と「今」が別人に見えるのか?3つの理由
ここまでの話をまとめると、「昔と今が違って見える理由」は、ざっくりこの3つです。
理由① 単純に記録レベルが“別次元”になったから
- 13秒台前半 → 12秒71(日本歴代2位)
- 世界陸上に出場し、準決勝まで進出
これだけ記録が伸びれば、「昔とは違う選手」に見えるのは当然です。
フォーム、スピード、体の使い方、筋肉のつき方……どれも数年前とは別物になっています。
理由② メンタルが整い、「表情」が変わったから
- 昔:プレッシャーに押され、楽しめていない表情
- 今:レース後も笑顔で観客に手を振る、インタビューで自分の言葉をしっかり話す
心が整うと、顔つきは本当に変わります。
これは日常生活でも同じですよね。
理由③ メディア露出とスタイリングで、印象が変わったから
- 競技中の“戦闘モード”
- 雑誌やCMでの“モデルモード”
- SNSでの“素のオフショット”
この3つが重なると、「あれ、本当に同じ人?」と感じることも多くなります。
でも、それは
仕事の幅が広がった=活躍のステージが広がった
という、むしろポジティブなサインです。
「昔の写真探し」がバズりやすい時代だからこそ
今は、SNSで簡単に「昔の写真」が掘り起こされる時代です。
- 「昔の○○がヤバい」
- 「別人レベルで変わった芸能人」
- 「昔と顔が違う人まとめ」
こういったコンテンツは、どうしてもバズりやすい傾向があります。
でも、実際に中島ひとみ選手の足跡を追ってみると、
- 10年近く結果が出ない苦しい時期に耐えたこと
- メンタルの谷を越えて、またハードルと向き合い直したこと
- 世界陸上という「夢の舞台」に手が届くレベルまで、自分を鍛え直してきたこと
がわかります。
「昔と違う」の裏側には、
見えないところで積み重ねてきた“努力の時間”
が、静かに横たわっています。
まとめ
この記事のタイトルは「昔の中島ひとみは何が違う?」でしたが、
最後に、ポイントをもう一度まとめておきます。
結局のところ、
一番「別人になった」と言えるのは、顔そのものではなく「歩んできたストーリー」です。
昔の中島ひとみを知る人ほど、
今の彼女の走りや言葉には、きっと重みと説得力を感じるはず。
SNSでは「昔と違う」部分だけが切り取られがちですが、
その裏側にある“積み重ね”にも、少しだけ思いを馳せながら、
これからのレースを楽しんで見ていきたいですね。


