フィギュアスケートの「クワッドゴッド(4回転の神)」こと、イリア・マリニン選手。
ものすごいジャンプの動画がバズる一方で、日本語の検索では
「マリニン スケート 事故」
「マリニン 飛行機事故」
といったキーワードも出てきます。
「え、マリニンって事故にあったの?」
「ケガしたの? スケートは大丈夫なの?」
と不安になって調べている人が多い、ということですね。
結論からいうと、
- マリニン本人がスケートの大事故や、飛行機墜落事故に巻き込まれた事実はありません(2025年末時点)。
- ただし、マリニンの仲間たちが犠牲になった、アメリカの大きな航空機事故があり、それとセットで報じられたため
「マリニン 事故」という検索が増えたと考えられます。
この記事では、
- 「マリニン スケート事故」検索が増えた背景
- 何が起きたのか?ワシントンD.C.近郊の飛行機事故
- マリニンと事故との関係(実際のところ)
- それでもリンクする「スケート」と「空の事故」
- マリニンはいまどうしているのか
を解説していきます。
最後には、ちょっとだけホッとできる(?)オチも用意しておきますね。
「マリニン スケート事故」という検索はどこから来た?
きっかけは「飛行機」と「フィギュア」のニュース
2025年1月29日、アメリカ・ワシントンD.C.近郊の上空で
旅客機と陸軍のヘリコプターが空中衝突する大事故が起きました。
- アメリカン航空 5342便(小型旅客機)
- 米陸軍のブラックホーク・ヘリコプター
この2機がぶつかり、そのままポトマック川に墜落。
乗っていた67人全員が亡くなるという、非常に痛ましい事故でした。
ここで大きく報じられたのが、
乗客の中に、フィギュアスケート選手やコーチ、その家族が多数いた
という点です。
アメリカフィギュアスケート連盟によると、乗客のうち20人以上がスケート関係者だったと報じられています。
「世界王者マリニン」の名前も一緒に出てきた
日本のニュースやスポーツ記事では、
「事故で亡くなった人たち」の話と一緒に、
- 「同じ大会に出ていた世界王者・マリニン選手」
- 「事故に心痛めるマリニン」
といった見出しが並びました。
そのため、
- 「事故にマリニンも乗っていたの?」
- 「マリニンって、スケート中にケガしたの?」
と不安になった人が、
「マリニン 事故」「マリニン スケート 事故」と検索した――
これがサジェストに出るようになった大きな理由と考えられます。
何があったのか?ワシントンD.C.近郊の飛行機事故
ここからは、少しだけ丁寧に事故の内容を整理します。
できるだけ専門用語は避けて書きますね。
どんな飛行機だったの?
問題の飛行機は、
- アメリカン航空(地域線ブランド「アメリカン・イーグル」)の 5342便
- 使用機材:ボンバルディア CRJ700(小型ジェット旅客機)
この飛行機は、
カンザス州ウィチタ → ワシントンD.C.のロナルド・レーガン・ナショナル空港
というルートで飛んでいました。
なぜフィギュアスケート関係者が乗っていたの?
同じ時期、ウィチタでは
- 2025年 全米フィギュアスケート選手権
- それに合わせて行われた「若手有望選手の強化合宿(ナショナル・デベロップメント・キャンプ)」
が開催されていました。
この強化合宿に参加した
- 10代の若手選手
- その保護者
- コーチ
- 著名な元世界チャンピオンのペア(ワジム・ナウモフ&エフゲニア・シシコワ)夫妻 など
が、ウィチタからワシントンに戻るために、この便に乗っていたのです。
どうして衝突したのか(ざっくり)
まだ詳しい原因は調査中ですが、報道では
- 空港周辺の混雑した空域で
- 旅客機と軍用ヘリがお互いを認識できないまま接近し、空中で衝突
- そのまま2機ともポトマック川に墜落
という流れが伝えられています。
アメリカの運輸安全委員会(NTSB)が、
管制のやり取りやレーダー記録などをもとに、
時間をかけて原因を調べている段階です。
マリニンと飛行機事故の「本当の関係」
では、マリニン本人はこの事故とどう関わっていたのでしょうか。
マリニンは事故機には乗っていない
まず一番大事なポイントです。
- マリニン本人は、この5342便には乗っていません。
- 事故でケガをした、命を落としたという事実はありません。
マリニンは、同じウィチタで行われた全米選手権で
男子シングル3連覇を達成したあと、
別ルート・別のタイミングでワシントンに戻っています。
毎日新聞など日本の報道でも、
「マリニン選手自身も、事故機と同じルートで27日に空港に戻った」
と書かれており、
「同じルートではあるが同じ便ではない」
ことがはっきり説明されています。
「仲間を失った」世界王者としてコメント
事故のあと、マリニンは
- 「仲間を失って心が痛む」
- 「スケート界は家族のような存在だ」
といった内容のコメントを発表しています。
特に、日本のスポーツメディアでは
「世界王者マリニン『心が傷ついている』」
といった感情面にフォーカスした見出しが多く、
ここでも「マリニン」「事故」の文字が並んだため、
検索が増えたと考えられます。
亡くなった人たちとの“つながり”
一部報道によれば、マリニンの家族は
- 事故に巻き込まれたコーチ一家と「長い付き合い」があった
とインタビューで語っています。
スケート界は、日本のクラブチーム同士と同じように、
- 試合や合宿で顔を合わせる
- コーチ同士、家族ぐるみで仲がいい
という、かなり狭くて濃いコミュニティです。
だからこそ「仲間を失った」という表現になるわけですね。
それでも「マリニン スケート事故」と検索される理由
ここまで読むと、
「あれ? 直接の被害者じゃないのに、
なんで『マリニン 事故』でこんなに検索されるの?」
と感じるかもしれません。
その理由を、読者目線で整理してみます。
ニュースの見出しだけを見ると勘違いしやすい
ニュースサイトやポータルのトップでは、文字数の関係で
- 「フィギュア関係者ら死亡 世界王者マリニンも『心痛む』」
- 「米機墜落 マリニン選手が哀悼コメント」
のように、事故のニュース+マリニンの名前がセットで出ます。
スマホで見出しだけパッと見た人が、
「え、マリニンって事故にあったの?」
と一瞬思ってしまうのは自然なことです。
「スケート事故」と「飛行機事故」が頭の中で混ざる
もうひとつは、日本語ならではの“言葉のイメージ”です。
- フィギュア選手=リンクでの転倒や衝突などの「スケート事故」
- 今回のような「飛行機事故」
この2つが、頭の中でごっちゃになってしまい、
「マリニン スケート 事故」
というワードで、とりあえず検索してみる人が多いと考えられます。
「マリニンって危ない技やってるし…」という不安
マリニンといえば、
- 史上初の4回転アクセル成功
- 6種類の4回転ジャンプを1プログラムに入れるチャレンジ
- バックフリップ(後方宙返り)まで飛ぶ攻めた構成
など、とにかく「限界突破タイプの選手」です。
そのためファンの側も、
「あんなに回ってて、危ないんじゃない?」
「着氷で大ケガしたりしない?」
と、もともとケガや事故への心配を抱えています。
そこに「飛行機事故のニュース+マリニン」の情報が乗ってくると、
- 「え、どの事故のこと?」
- 「スケート中の事故? 飛行機? 両方?」
と混乱してしまうわけですね。
「スケート」と「空の事故」が交差してしまった背景
ここからは、少しだけ踏み込んだ話です。
なぜ今回、ここまで大きく取り上げられたのか。
フィギュア界にとって「空の事故」は特別な記憶
実は、フィギュアスケート界には、
飛行機事故で多くの仲間を失うという悲しい歴史が、過去にもあります。
- 1961年、アメリカ代表チームが乗った旅客機が墜落し、
選手・コーチ・家族ら全員が亡くなる事故があった(サベナ航空548便事故)。
今回の事故も、それを思い出させるような出来事として、
世界中のスケート関係者に受け止められました。
だからこそ、世界王者マリニンのコメントに注目が集まった
いまの男子フィギュア界で、
- 世界選手権2連覇
- 全米3連覇
- 4回転アクセルを跳べる唯一の選手
というマリニンは、
現役スケーターの中でも象徴的な存在です。
そんな彼が
「とても心が傷ついている」
「仲間を失った」
と語ったことで、
「フィギュア界全体が悲しみに包まれている」ことを象徴するようなニュースになりました。
その結果として、
- 「マリニン 事故」
- 「マリニン 飛行機」
といった検索が増え、
サジェストにも出るようになった、という流れです。
マリニン本人の「スケート事故」やケガは?
では、マリニン本人のスケート中の事故や大ケガはどうでしょうか。
過去にケガで大会を欠場したことはある
過去には、
- 2020年の全米選手権をケガで欠場
- 2021年の全米選手権の予選も、足首のケガで出られなかった
といった経歴があります。
ただし、これはどのトップアスリートにもあるレベルのもので、
- 長期離脱するような重傷
- 命に関わる「事故」
ではありません。
4回転やバックフリップは、もちろんリスクが高い
技の難度が高ければ高いほど、
着氷の失敗や転倒のリスクは大きくなります。
マリニンは、
- 本番で7本目の4回転を挑んで転倒した
- バックフリップを巡って「ケガしないか心配」という声がある
など、攻めすぎてヒヤッとするシーンもあります。
ただし、2025年末時点で、
- 4回転やバックフリップが原因で
- 大きな骨折や、競技生命を脅かすような事故を起こした
という報道は出ていません。
「事故」ではなく、「常に紙一重のチャレンジ」
要するに、今のところマリニンに関しては
「危険な技に挑戦している」=「いつも事故と紙一重」
という状況ではあっても、
具体的な大事故を起こしたわけではない
というのが事実です。
それでもファンが「マリニン スケート 事故」と調べてしまうのは、
- 飛行機事故のニュース
- 攻めた技の映像
- 「もし失敗したら…」という不安
これらが頭の中でミックスされてしまうから、
と言えるでしょう。
事故後のマリニンはどうしている?現在の活躍
最後に、「今のマリニン」も簡単にまとめておきます。
全米3連覇&世界選手権2連覇
- 2025年 全米選手権で3連覇達成(合計333点台という高得点)。
- 同年の世界選手権では、6本の4回転ジャンプを決めて2連覇。
シーズンベスト318.56点で、2位を30点以上引き離す圧勝でした。
「事故のニュースの直後に、普通にとんでもないスコアを出してくる」
このあたりも、「人間離れしている」と言われるゆえんですね。
追悼ショー「Legacy on Ice」での演技
2025年3月、ワシントンD.C.のアリーナで
飛行機事故の犠牲者を追悼するチャリティショー
「Legacy on Ice」
が開催されました。
ここにマリニンも出演し、
- 亡くなった仲間たちへのメッセージ
- いつも以上に感情のこもった演技
で、多くの観客の涙を誘ったと報じられています。
2026年ミラノ五輪へ向けての“本気モード”
世界選手権2連覇、グランプリファイナル連覇と、
いまや2026年ミラノ五輪の金メダル候補筆頭と言われているマリニン。
- ジャンプ構成はさらに進化するのか
- アート面(表現力)とのバランスをどう取るのか
など、「次は何をやってくれるんだろう?」という期待と不安が、
世界中のファンの頭の中で入り混じっています。
まとめ
最後に、この記事のポイントをギュッとまとめます。
最後に
世界中のフィギュアファンが抱いている本音は、たぶんこうです。
「飛行機でも、リンクでも、
とにかくマリニンには“落ちない”でほしい」
…ただし、ジャンプだけは別。
4回転アクセルも、バックフリップも、
リンクの上ではこれからもどんどん「落ちない」でいてほしい――
でも、観客席で見ているこっちは、
毎回ヒヤヒヤして心のシートベルトを締め直すことになりそうです。


