※この記事は ドラマ『良いこと悪いこと』第9話「カノン」までのネタバレ を含みます。未視聴の方は、まず視聴してから戻ってきてください。
まず結論:9話までで「何が分かった?」を一言で
第9話までで大きいのはこの2つです。
- “もう1人のドの子”=瀬戸紫苑(せと・しおん)の存在が、事件の鍵だとハッキリした
- そして第9話で、宇都見が一連の事件について自白し、動機も語られる流れになる
ただし、最終回に向けて「じゃあ本当に全部それで終わり?」という 引っかかり(=伏線) がまだ残っています。
9話までの流れ(超ざっくり・置いていかれない用)
この作品は、同窓会とタイムカプセルをきっかけに、過去の“いじめ”が掘り返されていきます。
- タイムカプセルから出てきた卒アルに、顔を塗りつぶされた人物がいる
- さらに「将来の夢」に沿うような形で、同級生が次々と命を落としていく(=“見立て”っぽい展開)
- 第9話で、DVDに映った少女が「瀬戸紫苑です」と名乗り、キング(高木将)が強く動揺する
ここから「園子(どの子)とは別の“ドの子”がいた」と話が一気に深くなります。
【伏線まとめ】9話までに撒かれた“違和感”たち
ここからが本題。
「後から見ると怖い」タイプの伏線を、できるだけ分かりやすい言葉で整理します。
伏線①:そもそも“ドの子”が1人とは限らない?
第9話で 瀬戸紫苑=もう1人のドの子が示されます。園子が知らないのも、転校のタイミングがズレていたから、という説明がつく
ここ、めちゃくちゃ重要。
「被害者は園子だけ」と思い込んでいた視聴者の前提が壊れます。
伏線②:DVDが“抜き取られていた”こと
森(花音の担任)が、タイムカプセルから抜き取られたDVDを持っていた──この事実自体がもう不穏
- 誰が抜いた?
- なんで森が持ってる?
- その情報はどこまで共有されてた?
「情報の流れ」を追うだけで、疑う相手が増えます。
伏線③:犯行が“見立て”っぽいのに、動機が単純に見えすぎる問題
第9話で動機が語られ、“復讐劇”として筋が通ったように見える。けど、最後に残る疑問として
- なぜ同窓会まで待った?
- なぜわざわざタイムカプセルを掘り起こした?
- なぜ顔を塗りつぶした?
みたいな「やり方の凝り方」が、動機の割に“手が込みすぎ”に見えるんです
この“ズレ”が、最終回の「真犯人、だーれだ?」につながる匂い。
伏線④:キングだけ“最後まで残っている”違和感
第9話で宇都見がキングの前に現れて自白しつつ、その場でキングを殺さず去る流れになります
普通に考えると「復讐」なら、ここがクライマックスでも良さそう。
なのに、そうならない。
この“残し方”は、意図的に見えます。
伏線⑤:「カノン」=曲名/花音=名前 の重なり
予告や9話タイトルが「カノン」で、娘の名前が花音。ここが偶然に見えない、と視聴者がザワつく流れが出ていました
作品が「言葉遊び」を仕込んでくるタイプなので、ここは最終回でもう一回刺してきそう。
宇都見が疑われた理由(そして9話で…)
まず宇都見って誰?を整理します。
- 宇都見啓は「イマクニ」の常連っぽい顔をして、実は刑事、という立ち位置
で、疑われた理由は大きく3つ。
理由①:情報と動きが“警察”の範囲を超えて見えた
「ただの刑事にしては存在感が強すぎる」
こういう声は、視聴者側でもかなり強かった(読者アンケでも上位に入る)
理由②:「小山だけ失敗のまま」発言が、刺さりすぎる
第9話に向けた時点で、宇都見が小山に対して「なぜあなただけ“失敗”したまま?」と迫る描写が強調されていました
これ、言い方がもう「犯人目線」に聞こえるんですよね。
理由③:第9話で“自白”と“動機”が語られる
そして第9話で、宇都見は一連の事件を自白し、紫苑の死とキングの行動が引き金になったことを語る流れになる
ただし、ここで終わらない可能性がある。
だからこそ最終回が「真犯人」という言い方をしているわけで、視聴者も「宇都見=実行、じゃあ“真”は?」と考え始めます
東雲が疑われた理由(むしろ“疑われるように作られてる”)
次に東雲。
東雲晴香は園子の同僚記者です
で、東雲が疑われる理由は、作品側がちゃんと“疑わせる材料”を用意してるから。
理由①:視聴者アンケで「一番怪しい」1位になった
シネマカフェの読者アンケートでは、東雲が1位。
理由として「紫苑=東雲では?」「紫苑と関係があるのでは?」という声が多く挙がっています
理由②:園子の行動を“止める”立場にいる
東雲が園子に「もう無茶するのはやめて」と釘を刺す流れがありました
もちろんこれ自体は「心配してるだけ」にも見える。
でもミステリーでは、こういう“安全側に寄せる人”が、
- 真相に近づいてほしくない
- 誘導したい
- 情報をコントロールしたい
側に見えることがあるんですよね。
理由③:情報に触れやすい“記者”ポジションが強い
記者は「調べる・嗅ぎ回る」が仕事。
そしてこの作品は「情報が武器」なので、東雲みたいな立場は 犯行の計画にも、隠蔽にも、誘導にも使える。
つまり、東雲は
怪しいというより“怪しく描ける最強の職業”なんです。
9話まで見た今だから言える「伏線の見方」コツ
ここから最終回まで、考察を楽しむならコツは1つ。
「誰が犯人か」だけじゃなく、
“誰が火をつけたか(きっかけを作ったか)”で見る。
第9話で動機が語られても、違和感が残るのはそこ。
実行した人と、始めさせた人が違うパターン。
あるいは、罪の重さが「法律」では割り切れないパターン。
タイトルが『良いこと悪いこと』なので、最後はたぶんそこを突いてきます。
まとめ:9話までの“怪しい”はこう整理できる
最後に
ここまで伏線を真面目に追ってきたあなた。
おそらく今、こう思ってますよね。
「……寝る前に読んだのに、考察が止まらん」
そして“真犯人”は誰か。
真犯人は──あなたのスマホです。
(次の考察記事を開かせて、睡眠時間を奪っていくという意味で)
おやすみなさい。カノンを子守唄に。

