「栗村凌って、大学に進むの?それともいきなり実業団?」
陸上ファンのあいだでは、ここ最近ずっと話題になっていたテーマですよね。
この記事では、
- 栗村凌の進路の結論
- どんな選手なのか、これまでの経歴・記録
- 選んだ進路先である中央大学の特徴
- 「もし実業団に行っていたら?」という仮定の話
- これから4年間でどんな活躍が期待できるか
を整理していきます。
結論:栗村凌の進路は「中央大学への進学」で決定
まず一番気になる進路の結論から。
2025年12月9日、陸上専門メディア「月陸Online」が
中央大学男子陸上部のスポーツ推薦合格者を発表する記事を公開しました。
その中で、長距離ブロックの新入生として
栗村凌(学法石川・福島) 5000m13分34秒38
が、正式に中央大学に合格した選手のひとりとして名前を連ねています。
記事内では、
- 広島インターハイ5000m3位
- 高校歴代8位となる13分34秒38の自己ベスト
- 全国高校駅伝1区6位、都道府県対抗駅伝5区2位とロードでも強い
と、栗村凌の実績にも触れながら「大学での活躍も期待される」と紹介。
つまり、
「大学か実業団か?」という問いに対しては
⇒ 2026年度から中央大学に進学することが決定
というのが、現時点での公式情報になります。
高校卒業後すぐに実業団に進むわけではなく、
まずは大学で4年間じっくり力を伸ばしていく道を選んだ、という形ですね。
栗村凌ってどんな選手?ざっくりプロフィール
学法石川の「Wエース」の一角
スポーツ系ブログ「OYAJI SPORTS」や陸上専門メディアの記事を整理すると、
栗村凌はこんな選手として紹介されています。
- 名前:栗村 凌(くりむら りょう)
- 所属:学法石川高校 陸上競技部(福島)
- 出身:福島県・会津若松第四中学校
- 種目:1500m、2000m、5000m、駅伝の各区間など「中長距離」全般
- 特徴:
- 中学時代から1500mで全国トップクラス
→ 全中1500mで2位、福島県中学記録を樹立 - 高校では5000m13分台前半、U20クロカン優勝などトラックもロードも強いオールラウンダー
- 同じ学法石川の増子陽太とともに「Wエース」と呼ばれる存在
- 中学時代から1500mで全国トップクラス
ざっくり言うと、
「スピードもスタミナも持っている、勝負強いエース」
というイメージの選手です。
主な自己ベスト・実績
OYAJI SPORTSなどの整理によると、現時点で分かっている主な記録はこんな感じです。
数字だけ見ても、
- 1500m〜2000mの速いスピード
- 5000m〜駅伝区間をこなすスタミナ
- クロカンやアップダウンの多いコースでも勝てる適応力
をあわせ持った「バランスタイプ」だと分かります。
「大学か実業団か」で、なぜ大学を選んだのか?
ここからは、あくまで一般的な流れや背景から考えられる理由です。
栗村選手本人が口にした言葉ではない点は、先におことわりしておきます。
① 日本の長距離界の「王道ルート」だから
日本では、男子長距離のトップ選手の多くが
高校 → 大学(箱根駅伝) → 実業団 → 世界大会・マラソン
というステップを踏んでいます。
高校からすぐ実業団に行く選手もいますが、
これはごく一部の超エリートルートで、
多くは大学駅伝を経由して実業団に進む形が多いです。
栗村凌クラスの選手であれば、
- 箱根駅伝で経験を積み
- 5000m、10000m、ハーフ、マラソンと距離を伸ばし
- その上で実業団に進む
というルートの方が、全国的にも王道で安全な成長パターンと言えます。
② 箱根駅伝という「巨大な舞台」がある
中央大学は、箱根駅伝で14回の総合優勝を誇る名門校。
最近も、
- 第101回箱根駅伝:総合5位
- 全日本大学駅伝:2025年大会で2位と好成績
と、優勝候補の一角として名前が挙がるチームになっています。
そんなチームに入れば、
- 全国から集まったエース級の仲間
- 走り込み量、合宿、トレーニング環境
- 大舞台での経験(出雲・全日本・箱根)
をフルに活用でき、
将来の実業団・日本代表を目指すうえで最高の「中間ステップ」になります。
③ 中大の長距離ブロックの雰囲気・実績
中央大学の長距離ブロックは、
ここ数年で再び力を取り戻してきた「復活した古豪」という位置づけです。
- 10000m27分台の選手が複数在籍
- 出雲駅伝・全日本大学駅伝でも表彰台争い
- 箱根では「優勝を狙える位置」にいる
というチーム状況のなかに、
高校トップクラスの栗村凌が加わるわけですから、
「チームとして箱根優勝を狙いながら、自分も成長できる」
という環境になります。
これは、高校卒業後すぐに実業団へ行くのとはまた違うメリットといえそうです。
中央大学に入ると、どんな役割が期待される?
ここからは少し、「もしこうなったら」という話も交えた見立てです。
① 1〜2年目:スピードを武器に中距離&駅伝の中盤区間へ?
栗村選手は
- 1500m〜2000mのスピード
- 5000m13分34秒台というトラックの強さ
を持っているので、
大学1〜2年のうちは、
- 5000m、10000mでの自己ベスト更新
- 出雲・全日本・箱根での中盤〜後半区間担当
あたりがまず期待されそうです。
特に箱根駅伝では、
- 3区(スピードのある選手が多い区間)
- 7区・8区(流れを変える区間)
などとの相性が良さそうなタイプと見ることもできます。
もちろんこれは、チーム事情や監督の方針しだいなので、
あくまで「相性が良さそうな区間」というレベルの話ですが、
ロードもトラックもこなせるタイプなので、起用の幅はかなり広いはずです。
② 3〜4年目:エース区間を任される存在へ?
高校時代から
- 高校駅伝1区6位
- 県駅伝で区間新
- U20クロカン優勝
など、大舞台での勝負強さは証明済みです。
順調にいけば、大学3〜4年のころには
- 箱根駅伝2区・3区・9区などのエース区間
- 全日本大学駅伝での重要区間
- チームの主将・副主将クラスの精神的支柱
といった役割も見えてくるかもしれません。
もちろんケガや調子の波もあるので断定はできませんが、
ポテンシャル的には「チームの柱」候補であることは間違いありません。
「実業団に行く可能性」は完全になくなったわけではない
タイトルにある「大学か実業団か?」という問いに戻ると、
現時点では
高校卒業後すぐの進路 → 大学(中央大学)で決定
ですが、
大学卒業後の進路 → 将来の話なので、まだこれから
です。
栗村選手のレベルであれば、
- 大学で記録を伸ばす
- 箱根やトラックで結果を出す
ことができれば、
実業団チームからのオファーが来る可能性はかなり高いと考えられます。
ニューイヤー駅伝上位常連のチームは、
- 箱根で活躍した選手
- 10000mやハーフで実績のある選手
を積極的に採っていますから、
中央大学での4年間は、実業団への準備期間とも言えます。
もし高校からすぐ実業団だったら?という仮定の話
「いや、それでもやっぱり実業団に行った方がよかったんじゃない?」
と思う方もいるかもしれません。
ここは完全に仮定・たらればの話ですが、
高校からすぐ実業団に行く場合、
- 練習の質・量はトップクラス
- すぐに社会人として給料をもらえる
- 上にはオリンピック選手級の先輩がいることも多い
というメリットがあります。
一方で、
- 10kmやハーフマラソンなど、いきなり距離の長いレースに対応しないといけない
- 会社員としての責任も増える
- 箱根駅伝という「全国区の注目を浴びる舞台」を経験できない
といったデメリットもあります。
栗村選手のように
- まだまだ記録を伸ばせる年齢
- スピードとスタミナのバランス型
- 学法石川→中央大学という「駅伝エリートコース」に乗れる
という選手にとっては、
「まずは大学で4年、その後に実業団やマラソンへ」というルートの方が
長期的にはプラスになるケースが多いと言えます。
中央大学でどこまで伸びる?今後の「伸びしろ」ポイント
最後に、今後4年間で注目したい「伸びしろ」を簡単に整理しておきます。
① 5000mから10000mへのステップアップ
高校時代の目玉は、なんといっても
- 5000m 13分34秒38(高校歴代8位)
ですが、大学や世界の長距離シーンでは
- 10000m
- ハーフマラソン
- 将来的にはマラソン
が重要になってきます。
中央大学には、すでに10000m27分台の選手も在籍していますから、
その環境でトレーニングを積めば、
「5000mのスピードを保ったまま、10000mでも世界に近いタイムを出す」
という成長パターンも十分考えられます。
② ロード・クロカンでの「勝負強さ」を箱根に生かせるか
すでに
- U20クロカン優勝
- 県駅伝区間新
- 全国高校駅伝1区好走
と、ロード・クロカンでは抜群の実績を残しています。
箱根駅伝のコースは
- アップダウン
- 気温・風
- 駅伝特有の駆け引き
など、純粋なトラックの速さだけでは勝てない要素がたくさんありますが、
クロカン・駅伝で鍛えた「対応力」と「粘り」は、まさに箱根向きの武器です。
③ メンタル面・チームでの立ち位置
学法石川でも、増子陽太とのWエースとしてチームを引っ張ってきた栗村選手。
中央大学に入れば、
今度は全国から集まったエースたちと肩を並べることになります。
- チーム内での競争
- 箱根や全日本など大舞台でのプレッシャー
- 上級生になったときの「引っ張る側」としての責任
といった点で、メンタル面の成長も大きなポイントになりそうです。
まとめ
ここまでの内容を、最後にシンプルにまとめます。
これから数年、
箱根駅伝やトラックシーズンのスタートリストに
「中央大・栗村凌」の名前が並ぶはずです。
高校駅伝やクロカンで見せてきたあのラストスパートが、
今度は箱根路や大学駅伝の大舞台でどんなドラマを生むのか――。
陸上ファンとしては、
「中央大学を選んだ栗村凌が、ここからどんな4年間を過ごすのか」
じっくり追いかけてみたいところですね。

