大谷翔平選手や山本由伸投手の活躍で、ロサンゼルス・ドジャースと日本人選手の関係がよく話題になりますよね。
その「ずっと前の時代」に、
ドジャースと日本の野球をつないだ日本人スタッフがいました。
それが、
生原昭宏(いくはら・あきひろ)さん
英語名・通称:IKE IKUHARA(アイク・イクハラ)
です。
彼は選手ではなく、
球団スタッフ・オーナー補佐として日米野球の“裏方”を支えた人 です。
アイク生原について調べ始めると、
- どんな人だったのか
- どんな働きをしたのか
- どうしてそんなに高く評価されているのか
を知りたくなって、本を探す人も多いと思います。
ところが、いざネットで検索すると、
- 本人が書いた本
- 奥さんが書いた本
- 親族が書いた本
- 絶版・中古のみの本
などが入り混じっていて、
「結局、どれから読めばいいの?」
と迷ってしまいがちです。
そこでこの記事では、
「アイク生原を知るなら、まずこの2冊!」
として、
- 『競争に生き残る男』生原昭宏 著(主婦と生活社)
- 『ドジャースと結婚した男 夫・アイク生原の生涯』生原喜美子 著(ベースボール・マガジン社)
を中心に、
- それぞれどんな内容なのか
- どういう順番で読むと理解しやすいか
- 他にチェックしておきたい関連書籍
まで紹介していきます。
アイク生原ってどんな人?ざっくりおさらい
本の紹介に入る前に、主人公であるアイク生原本人について、サクッと整理しておきます。
- 本名:生原 昭宏(いくはら・あきひろ)
- 愛称:アイク・イクハラ(IKE IKUHARA)
- 生年:1937年
- 没年:1992年(55歳で逝去)
- 出身:福岡県
- 主な経歴:
- 早稲田大学野球部でプレー
- 社会人野球チームを経て、亜細亜大学硬式野球部監督
- 27歳で単身渡米し、ドジャース傘下チームの用具係からスタート
- その後、ロサンゼルス・ドジャースのオーナー補佐・国際担当として、日米野球交流の中心人物となる
ポイントは、
「スター選手」ではなく、
スターを支える“裏方”として歴史を動かした人
だということです。
そんな彼が、
- 自分の経験からまとめた本
- その妻が書いた伝記
を残してくれているのは、じつはかなり貴重です。
まずこの2冊をおすすめする理由
今回とりあげる2冊は、こんな組み合わせです。
- 『競争に生き残る男』
→ 本人が書いた、「メジャーの現場で学んだ勝ち残りの考え方」の本。 - 『ドジャースと結婚した男 夫・アイク生原の生涯』
→ 妻・喜美子さんが書いた、「夫の人生を家族目線から振り返る」本。
この2冊を続けて読むことで、
- アイク生原本人の“仕事観”
- それをそばで見ていた家族の“人生観”
という、まったく違う2つの視点から、同じ一人の人間を見ることができます。
たとえるなら、
- 『競争に生き残る男』:
→ 「プロの仕事術」「大リーグ流の勝ち方」を中心に語るビジネス書寄りの1冊 - 『ドジャースと結婚した男』:
→ 「家族」「夫婦」「病と死」「人間としてのアイク生原」を描いたヒューマンドキュメント
というイメージです。
では、それぞれの本の中身を、もう少しくわしく見ていきましょう。
1冊目:『競争に生き残る男』はどんな本?
基本情報
- 書名:『競争に生き残る男 最強プロ集団が教える 大リーグの熾烈な闘いで何が相手に差をつけるか』
- 著者:生原昭宏
- 出版社:主婦と生活社
- 発行:1984年(21世紀ブックスシリーズ)
今から見るとかなり昔の本ですが、
書かれている内容は、今のビジネスにもそのまま通じる本質的な話が多いと言われています。
ざっくり内容|メジャーの「当たり前」をビジネスに落とし込んだ本
本のタイトルどおり、この本は
「熾烈な競争の中で生き残るために、
メジャーのプロたちは何を考え、どう行動しているのか」
を、現場を知り尽くしたアイク生原が解説した1冊です。
たとえば、こんなテーマが語られているとされています:
- メジャー選手たちが「結果を出すために、誰にも見えないところで続けている準備」
- レギュラーとして残る選手と、すぐ消えてしまう選手の違い
- チーム内競争が当たり前の世界で、どうやってメンタルを保つのか
- フロント(経営側)が選手や監督をどう評価しているのか
これらは「野球の話」でありながら、そのまま
- 会社員のキャリア
- 経営者・リーダーの視点
- 自分のスキルを磨きたい個人
にもつながる内容になっています。
読みどころ①:プロの「基準」がとんでもなく高い
この本を読むと、まず感じるのが、
「メジャーリーグで生き残る“基準”の高さ」
です。
日本人から見ると、メジャーリーガーは「選ばれた天才」ですが、
現地では、
「選ばれた天才たちの中から、さらに勝ち残った人だけが“スター”」
という世界です。
その中で、選手たちは、
- 日々のコンディション管理
- データと自己分析
- ライバルへのリスペクト
- 結果が出ないときの切り替え方
などを、当たり前のようにやり続けています。
アイク生原は、ドジャースの現場でそうした姿を見てきた立場から、
「プロとは何か」「勝ち続ける人はどこが違うのか」を、具体例を交えながら語っています。
読む側としては、
「あ、自分は“プロ”って名乗れるほどやり切れてないな……」
と、いい意味で反省させられる本でもあります。
読みどころ②:チーム文化=“ドジャーウェイ”の片鱗
アイク生原には、もう一冊
『ドジャーウェイ アメリカ大リーグの経営戦略』(エイデル研究所、1985年)
という著書もあります。
こちらはタイトルの通り、「ドジャース流の経営や組織づくり」にフォーカスした内容ですが、
『競争に生き残る男』の中にも、
- ドジャースの選手育成の考え方
- フロントと現場の関係
- 長く勝ち続けるチームの「空気」づくり
といった話が出てきます。
つまり、
『競争に生き残る男』=“個人”目線のメジャー論
『ドジャーウェイ』=“組織”目線のドジャース論
という感じで、お互いを補い合う関係になっています。
こんな人におすすめ
『競争に生き残る男』は、こんな人に向いています。
- プロ野球やメジャーが好きで、「裏側の話」を知りたい人
- スポーツ選手のマインドセットを、自分の仕事に活かしたい人
- 管理職・リーダーとして、チーム作りのヒントが欲しい人
- アイク生原本人の「考え方」に直接触れてみたい人
「伝記」というよりは、
“メジャーの現場経験をもとにした、実践的な仕事論”
として読むと、とても学びが多い1冊です。
2冊目:『ドジャースと結婚した男』はどんな本?
基本情報
- 書名:『ドジャースと結婚した男 夫・アイク生原の生涯』
- 著者:生原喜美子(いくはら・きみこ)
- 出版社:ベースボール・マガジン社
- 発行:1997年/約300ページの伝記本
タイトルからも分かるように、この本は
「妻が語る、夫・アイク生原の人生」
です。
出版社の紹介では、
- 55歳で病に倒れたこと
- ドジャースと共に生きた夫の姿
- 家族として見た“アイク生原”
などが描かれていると説明されています。
ざっくり内容|「仕事人アイク」と「家族アイク」の両方が描かれる
『競争に生き残る男』が、仕事やメジャーの話を中心に語る本だとすれば、
『ドジャースと結婚した男』は、
仕事の裏で、どんな思いで生きていたのか
家族はどう支え、何を感じていたのか
という、人間ドラマにぐっと踏み込んだ本です。
中身をざっくり分けると、イメージとしてはこんな構成です(あくまで概要レベル):
- 日本時代(早稲田〜社会人野球〜亜細亜大学監督)
- 単身アメリカへ渡った決断
- ドジャースでの雑用係時代の苦労
- オーナー補佐として日米を飛び回る日々
- 病に倒れるまでの仕事ぶりと、人間関係
- 家族との時間、そして別れ
特に印象的なのは、オマリー家との深い絆です。
- 「家族は別々に暮らすものではない、妻と子供をアメリカに呼びなさい」という言葉
- そして、アイク生原がオマリー家の墓の隣に眠っている、という事実
などからも、
単なる「社員」ではなく、家族同然の存在だったことがわかります。
読みどころ①:妻にしか見えない「素のアイク」
職場では有能なスタッフでも、家に帰れば普通の夫・父親です。
この本では、
- 家族の前で見せた表情
- 悩んでいたときの様子
- 病と向き合う姿
- 子どもたちへの想い
といった、妻にしか書けない“素顔のアイク生原”が描かれています。
『競争に生き残る男』だけを読むと、
「すごくストイックでタフな人」
というイメージになりがちですが、
この本を読むと、
「弱さも含めて一人の人間として、ものすごく魅力的な人だった」
という印象に変わっていきます。
読みどころ②:「家族も一緒にドジャースと生きた」という視点
タイトルにある
「ドジャースと“結婚”した男」
という言葉には、
実は妻自身の気持ちも重なっているように感じます。
- 夫がドジャースで働くということは、家族もアメリカで生きるということ
- 夫の仕事を支えるということは、家族の生活もまたドジャースと共にあるということ
この本は、ある意味で、
「一家でドジャースと人生を共にした記録」
とも言えるかもしれません。
こんな人におすすめ
『ドジャースと結婚した男』は、こんな人向きです。
- 生原昭宏という“人間”そのものに興味がある
- 家族・夫婦の物語が好き
- 裏方として生きる覚悟や、その支えになった家族の目線を知りたい
- 『競争に生き残る男』を読んで、「この人の人生そのものを知りたくなった」
先に『競争に生き残る男』を読んでから、
「もっとこの人を人間として知りたい」と思ったタイミングで読むと、心に刺さりやすい1冊です。
「ほか」に押さえておきたい関連書籍
タイトルにある「ほか」の部分として、
アイク生原を立体的に知るために、ぜひチェックしてほしい本を2冊だけ紹介します。
『東京オリンピック野球復活・陰の立役者 アイク生原の知られざる生涯』
- 著者:生原伸久
- 出版社:幻冬舎(幻冬舎plus+)
- 形態:電子書籍(Kindleほか)
内容紹介では、
- 1984年ロサンゼルス五輪で野球が競技として採用されるまでの舞台裏
- その実現に情熱を燃やした「一人の日本人スタッフ=アイク生原」の存在
- 27歳で単身渡米し、雑用係からオーナー補佐まで登りつめた人生
などに焦点が当てられています。
この本の良さは、
「オリンピック」という大きなテーマの中で、
アイク生原の生涯をもう一度整理してくれている
ところです。
『ドジャースと結婚した男』が家族目線なら、
こちらは「国際大会・オリンピック」という視点から見たアイク生原、といったイメージです。
『ドジャーウェイ アメリカ大リーグの経営戦略』
- 著者:生原昭宏
- 出版社:エイデル研究所
- 発売:1985年/約255ページ
こちらは、
「組織としてのドジャース」
「メジャーリーグの経営戦略」
に焦点を当てた一冊です。
- 長く強さを維持する球団の仕組み
- ファーム(マイナー)とメジャーの連携
- スカウト・育成・ビジネスをどう組み合わせているか
などが語られているとされています。
『競争に生き残る男』が「個人」に近い視点なら、
『ドジャーウェイ』は「組織・チーム」を扱った本、という位置づけでセットで読むと理解が深まります。
※この本は現在、中古市場でもかなり高値になっていることが多く、
入手ハードルは高めです。
今から読む人のための「おすすめ読書ルート」
ここまで紹介した本を、どういう順番で読むと理解しやすいか。
おすすめのルートを2パターンだけ書いておきます。
パターンA:仕事視点から入りたい人向け
- 『競争に生き残る男』
→ メジャーのプロ意識・仕事術を知る - 『ドジャースと結婚した男』
→ その仕事を支えた家族の視点で、同じ人生を見直す - 余力があれば
『東京オリンピック野球復活・陰の立役者 アイク生原の知られざる生涯』
→ オリンピックというフィールドでの役割を知る - さらに深掘りしたくなったら
『ドジャーウェイ アメリカ大リーグの経営戦略』
→ 球団経営・組織論として読む
パターンB:人間ドラマから入りたい人向け
- 『ドジャースと結婚した男』
→ まずは家族目線で、人間ドラマとして読む - 『競争に生き残る男』
→ 「このとき、本人はこう考えていたのか」と重ねながら読む - その後に
『東京オリンピック野球復活・陰の立役者〜』を読むと、
アイク生原の生涯が「一本の線」としてつながって見えてきます。
入手のコツ|絶版本と電子書籍をどう組み合わせるか
ここまで読むと、きっとこう思うはずです。
「読んでみたいけど、古い本だし手に入るの?」
そこで、ざっくり入手性も整理しておきます(2026年時点の情報ベース)。
- 『競争に生き残る男』
→ 紙の本はほぼ中古市場のみ。ネット中古書店・フリマアプリ・図書館などで探す形になります。 - 『ドジャースと結婚した男 夫・アイク生原の生涯』
→ 新品はほぼ流通がなく、中古本として出ていることが多いです。 - 『東京オリンピック野球復活・陰の立役者 アイク生原の知られざる生涯』
→ 電子書籍(Kindleなど)で購入可能なので、今から読むにはかなりアクセスしやすいです。 - 『ドジャーウェイ アメリカ大リーグの経営戦略』
→ 絶版で、中古価格がかなり高騰しているケースもあります。まずは図書館検索サイト(CiNii、国会図書館、地元図書館)などで所蔵を確認してから動くのがおすすめです。
現実的なステップとしては、
- まずは手に入りやすい
『東京オリンピック野球復活・陰の立役者〜』で全体像をつかむ - そのうえで、
中古や図書館で『競争に生き残る男』『ドジャースと結婚した男』を探していく
という順番でもOKだと思います。
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
アイク生原の名前は、選手のように派手に取り上げられることは多くありません。
それでも、彼がいなければ、今の「日本人メジャーリーガーの当たり前」は、きっと少し違う形になっていたはずです。
もしあなたが、
- 「裏方として生きる覚悟」に興味がある
- 「家族と仕事、どちらも大事にしたい」と思っている
- 「世界の一流に触れて、自分の仕事にも活かしたい」と感じている
なら、
今回紹介したまずこの2冊は、きっと心に残る読書になると思います。
本が手元に届いたら、
ぜひゆっくりページをめくりながら、
“アイク生原”という一人の人間の人生に触れてみてください。



