大学4年生になると、陸上長距離の選手は大きく2つの道を考えます。
1つは実業団に入って走りを続ける道。もう1つは一般就職をして、仕事と両立しながら走る道です。どちらが正解、ということはありません。自分が一番力を出せる環境を選ぶのがいちばんです。
この記事では、城西大学の高橋葵(たかはし・あおい)選手の走りの特徴や近年の実績をふり返りながら、どんな進路が合いそうかを「根拠のある情報」と「競技の現実」に沿って整理します。
なお、執筆時点(2025年9月28日)で、本人や所属から公式な進路発表は確認できていません。本記事の「候補先」は、あくまで適性とチーム傾向から見た“有力候補”という位置づけです。
まずはここをおさえる:高橋葵選手の“現在地”
要するに――10000mとハーフに強みがあり、「勝負レースでまとめる力」「逆境から立て直す力」を持つ選手、というのが今の高橋選手の像です。
進路の選択肢は大きく2つ
① 実業団で走り続ける
企業に所属し、給料をもらいながら練習・試合に集中できる道です。サポート(コーチ、治療、栄養、用具)も手厚いチームが多く、駅伝(クイーンズ駅伝)やトラックで日本トップを目指すことができます。
- 実業団の“顔”とも言える大会がクイーンズ駅伝。JP日本郵政、積水化学、資生堂、第一生命、パナソニック、エディオン、岩谷産業、しまむらなどがシード常連として名を連ねています(年度で入れ替えあり)。
② 一般就職+競技継続(クラブ・地域チーム)
企業でフルタイム勤務をしながら、地域のクラブチームや陸協登録で走り続ける道。サポートは限られやすいですが、仕事と競技の両立という生き方ができます。ロードレース中心に戦う例も多いです。
どちらも立派な選択。やりたい競技の方向性(トラックかロードか)、体のケア体制、チームの練習環境、将来のマラソン挑戦など、自分の優先順位で決めるのがコツです。
高橋葵選手の“適性”から見ると、何が向いている?
この3点から考えると、「駅伝とロード、将来のマラソンも視野に入れるチーム」がフィットしやすい、と言えます。
タイプ別・有力候補先はココ!(※“適性×チーム傾向”からの仮説)
ここから先は公式発表が出ていない段階の“候補案”です。各チームの最近の駅伝出場状況・女子長距離の育成実績をベースに、高橋選手の強みと重なるポイントが多い順に並べています。
A. 「駅伝で優勝争い&ロード強化」型の強豪
JP日本郵政グループ、積水化学、資生堂、第一生命グループ、パナソニック、エディオン、岩谷産業、しまむら
B. 「伸びしろ重視で育てる」型の中堅〜新興
ルートインホテルズ、京セラ、豊田自動織機、日立、デンソー、三井住友海上、ユニクロ、ダイソー
C. 「地域密着・ロードに強い」型
天満屋、肥後銀行、コモディイイダ など
※最新の出場チーム一覧やシード状況は、TBS「クイーンズ駅伝」や日本実業団陸連・陸上競技専門メディアの発表で毎年更新されます。候補検討の際は直近シーズンの顔ぶれを必ず確認してください。
実業団を選ぶときの“チェックリスト”(失敗しない見方)
- 競技方針:トラック中心? 駅伝・ロード中心? 自分の伸ばしたい種目と一致しているか。
- メディカル・ケア:治療・栄養・用具のサポート体制。過去の不調からの復活を考えると、ここは重要度が高い。
- 練習環境:冬期の合宿地、起伏コース、トラック設備。10000mとハーフの両立ができる地形・環境があるか。
- チームの“出場機会”:駅伝・GPシリーズ・主要トラック大会への出場枠や競争の厚み。
- 先輩・同世代の流れ:出身大学の選手がどの実業団で伸びているか。城西大は男子で富士通など強豪への進路例が見られ、トップ指向の気質は女子にも通じる(組織としてのつながり・求められる姿勢の話)。
- 生活設計:勤務地、社員区分、寮や通勤、競技引退後のキャリアまで見えるか。
一般就職+競技継続という選択肢
もし仕事を第一に考えるなら、クラブチームや市民レース中心という道もあります。
最近は企業スポーツの形も多様化していて、働きながら全国レベルで戦う例も増えています。地方実業団や自治体クラブと組み合わせる形もあります。
メリットはキャリアの安定と選択肢の広さ。デメリットは、練習・遠征時間の確保やサポート不足が起きやすい点。ここは職場の理解がカギです。
高橋葵選手×進路マッチング早見表(筆者見解)
いずれの選択でも、10000mとハーフの実績は大きな信用。「試合でまとめられる力」は、どのチームでも歓迎されます。
よくあるタイムライン(目安)
※年度やチームで前後します。最新情報は大会公式やチーム発表で要確認。
まとめ:最終的に大事なのは「自分の伸び方」と「人」
高橋葵選手は、10000mとハーフにしっかり強みがあり、大舞台で粘れる勝負勘を持っています。ロードでの手応えも十分。駅伝で伸ばす道(実業団)との相性は高いと見ます。
一方で、長い競技人生を考えると、メディカル体制や指導哲学が合うか、人間関係や生活のリズムが自分に合うかが、とても大切です。ここが合えば、どの道でもちゃんと伸びます。
結論(現時点の仮説):
- 「駅伝・ロードで頂点を目指す」志向なら、まずはクイーンズ駅伝常連の強豪が有力。
- 「主力として場数を踏みたい」志向なら、中堅〜新興での挑戦もあり。
- 「仕事と両立」志向なら、一般就職+クラブでロード中心に磨く道も十分に価値がある。
最後にもう一度。公式な進路発表はまだ確認できていません。新しい情報が出たら、チーム名・コメント・起用方針(駅伝/トラック/マラソン)を合わせてチェックしましょう。
参考にした主な公的・信頼ソース
- 関東インカレ10000m 日本人トップ2位の報道(4years.:朝日新聞社)4Years
- 日本学生女子ハーフマラソン 3位(1:12:28) 大会レポート・部の記録(城西大学公式)城西大学
- 世界陸連アスリート登録(World Athletics) World Athletics
- クイーンズ駅伝 出場チームの顔ぶれ(日本陸連/専門メディア/TBS特設)月陸Online
- 女子実業団チームの近年動向(補強・加入)の例(ダイソー女子駅伝部などの発表)広島ライフ