「長袖をください」って、初めて聞いた人には
「え?ただのお願いじゃない?」って感じですよね。
でも今、「新語・流行語大賞2025」の候補にも入り、SNSでは
何度もネタにされる“バズワード”になっています。
そして、その裏側には『水曜日のダウンタウン』(TBS)の人気企画
「名探偵津田」と、謎のピン芸人「ひょうろく」の存在があります。
この記事では、
を解説していきます。
「長袖をください」はどこから生まれた言葉?
元ネタは『水曜日のダウンタウン』名物コーナー「名探偵津田」
「長袖をください」は、TBSのバラエティ番組
『水曜日のダウンタウン』の企画「名探偵津田」の中で生まれたフレーズです。
「名探偵津田」は、お笑いコンビダイアン・津田篤宏さんが主役のドッキリ企画。
- ある日、津田さんが“ある事件”に巻き込まれる
- 視聴者は「真相」を知っている
- でも当の本人・津田さんだけが、何も知らないまま必死に推理
という、「本人だけガチで混乱している」タイプのドッキリです。
元々この企画は人気が高く、
シリーズ化されている“水ダウ名物コーナー”のひとつですね。
収録翌日は「沖縄のCM撮影のはず」だった…?
問題の回での設定は、ざっくり言うとこんな感じです。
- 津田さんは
「翌日はCM撮影で 沖縄 に行く」と聞かされていた - だから 荷物は“半袖中心”
- ところが番組の仕掛けで、実際は 寒い新潟 に行く展開に
- 途中で状況を察した津田さんは
「さすがに寒いから長袖がほしい」とスタッフにお願いする
ここで出てきたのが、
あの有名な一言――
「長袖をください」
というセリフです。
しかしスタッフは、企画の都合上そのお願いを却下。
そのまま半袖で寒い土地へ向かう津田さんというオチにつながります。
この一連の流れが、視聴者のツボに入りました。
SNSで一気にバズる
放送後、X(旧Twitter)ではこんな反応が相次ぎました。
- 「名探偵津田の『長袖をください』が頭から離れない」
- 「あの“考えてからの一言”の間(ま)が最高」
- 「長袖あげたってくれってテレビに向かってツッコんだ」
つまり、
- シリアスに推理してたはずが
- 急に 生活感MAXのお願い をし始めるギャップと
- その “切実さ” が、視聴者にとってたまらなくおもしろかった
結果、「長袖をください」は、
企画の内容を象徴する“決めゼリフ”的なフレーズとして広まりました。
なぜ「長袖をください」は、ここまでウケたのか?
ただのお願いに見えるこの一言が、
なぜここまで話題になったのか。
ポイントを3つに分けて整理してみます。
① シチュエーションの残酷さ×生活感のギャップ
まず一番大きいのは、
「沖縄だと思っていたら、新潟だった」
というシチュエーションのギャップです。
- 南国リゾート → 寒い地方
- 半袖でOKなはず → いや、むしろ長袖必須
この期待とのズレ自体が、もうすでにおもしろい状況。
そこで津田さんが放ったのが、
カッコつけたセリフでも、鋭い推理でもなく、
「長袖をください」
という、超・日常的で、
人間味あふれるひと言だった、という落差が笑いを生んでいます。
② 言い方と“間(ま)”が秀逸だった
ネットでもよく言われているのが、
「あの“考えてから言う感じ”が、じわじわくる」
というポイントです。
名探偵として状況を整理しようとしているのか、
頭の中でいろいろ考えたあと――
少し間をあけて、
はっきりした口調で「長袖をください」。
この“考え抜いた末の答えがそれかい!”という
ツッコミどころが、視聴者のツボを押しまくったわけです。
バラエティって、言葉そのものだけじゃなく、
- いつ言うか(タイミング)
- どんなテンションで言うか
- 前後の流れとの対比
で笑いの大きさが変わります。
「長袖をください」は、その3つがきれいにそろっていて、
“言い方込み”でバズったフレーズと言えますね。
③ 誰もが共感できる「寒さ」のリアルさ
もう一つ、地味に大きいのが共感性です。
- 「え、明日そんな寒いとこ行くのに半袖しかないの?」
- 「いや、そりゃ長袖ほしいよね…」
と、視聴者側も “自分事”として想像できてしまうんですね。
- めちゃくちゃ変なワード
というよりは - 「気持ちはわかるのに、口に出すと面白い」タイプの言葉
だからこそ、SNSで日常のネタとして使いやすいんです。
- 寒い日 → 「長袖をください」
- クーラー効きすぎのオフィス → 「長袖をください」
- ライブやイベントで待機中 → 「今まさに長袖をください状態」
みたいな感じで、
使いどころが多い“軽いミーム”として広がっていきました。
そもそも「ひょうろく」って誰?どんな人?
さて、この記事のタイトルにも入っている
「ひょうろく」も、同じく水ダウで大きく注目された人物です。
基本プロフィール
公式情報をもとに、ざっくりまとめるとこんな人です。
- 名前:ひょうろく
- 本名:白澤 直樹(しらさわ なおき)
- 生年月日:1987年7月7日
- 出身:鹿児島県(生まれは奄美大島)
- 身長:177cm前後
- 元コンビ:ジュウジマル(〜2020年解散)
- 元所属事務所:浅井企画 → 現在はフリーのピン芸人
- 代表的な出演番組:『水曜日のダウンタウン』
ちなみに、過去には高専を卒業し、
建築会社で設計や営業をしていた“普通のサラリーマン”時代もあったそうです。
年収も安定していたものの、
- 仕事では“窓際族”扱い
- ミスも多く、謝罪メールだけは異常に早い(笑)
というエピソードも紹介されています。
そこから一念発起してお笑いの世界に飛び込んだ、
けっこうドラマチックなキャリアの持ち主です。
見た目とキャラがとにかくクセ強め
ひょうろくさんの特徴といえば、
- スキンヘッド
- 細身の体
- 年齢不詳な雰囲気
- ちょっと何を考えているかわからない表情
といった強烈なビジュアル。
U-NEXTのコラムなどでも、
「異次元のキャラ」「今いちばん目が離せないピン芸人」
といった評価がされています。
ただ見た目が奇抜なだけでなく、
- 台本か素なのか分からない“妙な間”
- 人間性が試されるようなドッキリでのリアクション
などが、視聴者の間でじわじわ話題になっています。
水ダウでの「ひょうろく」伝説
「キャラ作ってるんじゃないか説」
ひょうろくさんが一気に注目されたのが、
『水曜日のダウンタウン』の
「ひょうろく、キャラ作ってるんじゃないか説」
という企画です。
- 普段テレビで見せている“ヤバそうなキャラ”は、本当に素なのか?
- 実は“キャラ設定”でやっているだけなんじゃないのか?
という疑いを検証するために、
- プライベートに近い場面
- 昔の姿との比較(髪型や雰囲気など)
を追いかける内容でした。
その結果、
- 昔は普通の見た目で、今とはかなり印象が違う
- でも、リアクションの“ズレ方”や考え方は、やっぱり独特
ということがわかり、
「結局よくわからないけど、目が離せない人」という評価が
さらに強まった形になりました。
人間性を試される系ドッキリでも存在感
他にも、
- 困っている人を見てどうするか
- お金や仕事の話をされたときにどう反応するか
といった“人間性ドッキリ”系の企画にもよく登場し、
- 「優しいのか、怖いのか、分からない」
- 「素なのか演技なのか、マジで読めない」
と、視聴者のざわざわを生み続けています。
この“説明しづらい魅力”が、
ひょうろくさんの一番の武器と言っていいかもしれません。
「長袖をください」と「ひょうろく」が、流行語大賞候補に!
新語・流行語大賞2025の候補にWでランクイン
2025年、「T&D保険グループ 新語・流行語大賞」の
ノミネート30語が発表されました。
その中に、
- 「長袖をください」
- 「ひょうろく」
がそろって入っています。
ラインナップには他にも、
- 朝ドラの名セリフ「ほいたらね」
- アイドルグループM!LKの楽曲由来のワード など
2025年のテレビ・音楽・ネットを象徴する言葉が
ずらりと並んでいますが、その中で
バラエティ番組発のフレーズ&芸人の名前が
そのまま候補入りしている
というのは、かなりインパクトがありますよね。
テレビとSNSをつなぐ“水ダウの力”
今回のノミネートは、
- ひとつの番組の企画から
- フレーズ(長袖をください)
- キャラクター(ひょうろく)
の両方が同時に流行する、という
珍しいパターンでもあります。
背景には、
- 『水曜日のダウンタウン』自体の話題性
- 放送直後にSNSでハッシュタグが盛り上がる文化
- 切り抜き動画や感想ポストがどんどん拡散される環境
があります。
SNS全盛の今だからこそ、
「テレビで生まれたワードが、
ネットを通して一気に“共通言語”になる」
という現象が起きやすくなっているんですね。
「長袖をください」は、これからどう定着していく?
日常で使える“ちょいネタ”として残りそう
「長袖をください」は、
- 政治や社会問題を表す言葉ではなく
- 誰でも使える“ちょっと笑える日常フレーズ”
というタイプの流行語です。
だからこそ、今後も
- 冬になったらSNSでネタとして使われる
- 寒いロケやイベントで、芸人さんやアイドルが言う
- ファン同士の“合言葉”みたいに使われる
といった形で、じわじわ生き残っていく可能性があります。
「ふてほど」(=『不適切にもほどがある!』)みたいに、
タイトルの略語として定着した流行語もありますが、
「長袖をください」はそれよりも、
もっと“ゆるい日常ワード”として生きていきそうなイメージです。
ひょうろく本人のブレイクにも追い風
そして、もう一つ大きいのが
「ひょうろく」という名前自体の認知が一気に広がったこと
です。
- 「流行語大賞の候補で名前を初めて知る」
- 「水ダウのひょうろく回が気になってTVerや配信で見る」
- 「そこから他の回やトーク番組にも興味が出る」
という流れが起きれば、
ひょうろくさん本人の仕事の幅も広がっていきます。
“クセが強い芸人”は、きっかけさえあれば
一気にドラマや映画、CMなどに広がっていく可能性もあるので、
今まさに“要注目のタイミング”と言っていいでしょう。
まとめ
最後に、この記事の内容をサクッとまとめます。
ただの“変な言葉”に見えるかもしれませんが、
「自分の身を守るために、とりあえず長袖はほしい」
という、人間のリアルな感情がぎゅっと詰まった一言でもあります。
これから冬が来るたびに、
あなたも心の中で、あるいはSNSで
「長袖をください」
と言ってしまうかもしれませんね。
そのときはぜひ、
水ダウの名探偵津田と、謎すぎる芸人ひょうろくのことを
思い出してニヤッとしてもらえたらうれしいです。
