映画『おおかみこどもの雨と雪』を観ていると、どうしても気になってくる場所がありますよね。
それが、花と雨・雪が暮らしたあの古民家――ファンの間で「花の家」と呼ばれている家です。
今回は、
- 花の家のモデルになった「聖地」はどこにあるのか
- 実際にどうやって行けばいいのか
- 行く前に知っておきたいマナーや注意点
をじっくりガイドしていきます。
「花の家」ってどんな場所?
まずは、映画の中の「花の家」と、現実にある「花の家」の関係を整理しておきましょう。
映画の中の「花の家」
- 花が都会を離れて、雨と雪と一緒に暮らし始める山あいの古民家
- ボロボロだけれど、どこか温かくて、見ているだけで胸がじんわりする家
- 田んぼや森、山に囲まれた、自然たっぷりの環境
この家は、ただの家ではなく、
- 花が「母親」として成長していく場所
- 雨と雪が「人間として生きるか」「おおかみとして生きるか」を考える場所
として、とても大切な舞台になっています。
現実にある「花の家」
実はこの家、完全な「架空の建物」ではありません。
富山県中新川郡上市町(かみいちまち)浅生(あそう)という場所に、
映画のモデルになった古民家が実在します。
- 築130年以上の古民家
- 映画スタッフが実際に訪れ、家の雰囲気や間取り、周りの棚田や山の景色を参考にしたと言われています
- 現在は「おおかみこどもの花の家」として一般公開されていて、中に入ることも可能です
中に入ると、
- 映画のパネル展示
- 来場者がメッセージを書けるノート
- のんびりくつろげる畳の部屋
などがあり、「映画の世界に入ってしまった」ような気分を味わえます
聖地「花の家」はどこにある?
住所と場所のイメージ
おおかみこどもの花の家(古民家 花の家)
- 住所:富山県中新川郡上市町浅生18〖公式〗富山県の観光/旅行サイト
地図で見ると、立山連峰のふもとにある、山あいの小さな集落です。
映画の中のように、周りには田んぼや森が広がり、遠くに山が見える、のどかな風景が広がっています
営業時間・料金などの基本情報
観光スポットとして整備されているので、ある程度の「決まりごと」があります。
- 開いている時間:朝9:00〜夕方17:00
- 休み:基本的になし(ただし、最新情報は公式サイトで要確認)
- 入場料:無料
- トイレ:洋式トイレあり
- 飲食:室内で飲食OK(ゴミは必ず持ち帰る
- Wi-Fiあり(作業や写真の共有にも便利)
さらに、この家は
- 地元の方
- NPO法人(保存のために作られた団体)
によって大切に守られています。映画公開後、国内外から2万人以上が訪れている人気スポットですが、今後も長く残せるよう、ファンのマナーがとても大事になっています
行き方の全体像:まずは「富山」「上市」を目指す
花の家は山の中にあるので、いきなり「花の家」だけを目指そうとすると、少し迷いやすいです。
ざっくりとした流れは、こんな感じです。
- 新幹線や飛行機で「富山」へ
- 富山から電車で「上市(かみいち)駅」へ
- 上市駅からタクシー、または「大岩山日石寺(おおいわさんにっせきじ)」経由で徒歩
順番に見ていきましょう。
行き方①:公共交通機関+タクシーがいちばんわかりやすい
もっともシンプルで迷いにくいのが、
富山地方鉄道・上市駅 → タクシーで花の家
というルートです。
ステップ1:まずは富山駅へ
東京・大阪方面から行くなら、
- 【東京方面】
- 北陸新幹線で「富山駅」まで
- 【関西方面】
- サンダーバード+北陸新幹線、または高速バスで富山へ
飛行機なら「富山きときと空港」からバスで富山駅へ向かうパターンもあります。
ステップ2:富山駅 → 上市駅
富山駅に着いたら、今度は「富山地方鉄道(富山地方鉄道本線)」に乗り換えます。
- 「電鉄富山駅」から「上市駅」まで約30分〜40分ほど
- 本数はそこまで多くないので、事前に時刻表をチェックしておくと安心です
ステップ3:上市駅 → 花の家(タクシー)
上市駅から花の家までは、
- タクシーで約20分
公式の観光情報でも「上市駅からタクシー利用」と案内されています。
山道で細い道もあるため、土地勘のない人が車で入り込むより、タクシーの方が安全でスムーズです。
行き方②:大岩山日石寺から歩いて行く「プチ登山」ルート
もうひとつ、ファンによく使われているのが、
大岩山日石寺 → 花の家まで徒歩
というルートです。
大岩山日石寺ってどんな場所?
- 上市町にある歴史あるお寺
- 大きな岩に刻まれた「不動明王」の石仏で有名
- そうめんや湧き水でも知られる、地元の観光スポット
観光としても楽しめる場所なので、
日石寺を観光 → 花の家にも寄る
というセットプランが人気です
日石寺 → 花の家の徒歩ルート
観光サイトや公式情報では、おおよそ次のように案内されています。
- 所要時間:徒歩20〜40分ほど(体力や季節によって変わります)
- 道のイメージ:
- 途中から山道になり、坂も多め
- 分かれ道はいくつかあるが、「左に進む」と花の家に着くと案内されている
ただし、観光サイトでも、
- 山道なので歩きやすい靴・服装が必要
- 夏場は虫よけ・熱中症対策が必須
と注意喚起されています。
「軽いハイキング」くらいの気持ちで準備しておくとちょうどいいです。
車で行きたい人への注意点
「レンタカーで行きたい」と思う人も多いと思いますが、ここが少し重要なポイントです。
基本的には「自家用車は遠慮してほしい」場所
上市町の観光サイトなどでは、
- 花の家の周辺には駐車場がない
- 花の家までは「徒歩」か「タクシー」で来てほしい
- 自家用車・レンタカーで直接上まで上がるのは控えるように
と案内されています
理由はシンプルで、
- 道が狭い
- 地元の生活道路でもある
- 無理な路上駐車は、近所の方の迷惑になる
からです。
車を使うなら「日石寺」までにしておこう
もしどうしても車を使いたい場合は、
- 車やレンタカーは「大岩山日石寺」周辺の駐車場まで
- そこから先は徒歩で花の家へ
という形がおすすめです
「聖地巡礼」は、ファンと地元の人との信頼関係があってこそ続けられるものなので、
マナーを守って楽しみたいですね。
花の家でできること・見どころ
では、実際に花の家に着いたら、どんな楽しみ方ができるのでしょうか。
① 外観をじっくり味わう
まずは、映画で何度も見たあの外観。
- 横に長い木造の古民家
- 軒先の感じや窓の配置など、「あ、ここだ…!」となるポイントがたくさん
- 周りの山や田んぼの景色も、映画そのもの
古民家は、映画と同じく「山あいにぽつんと建っている」ような雰囲気で、
写真を撮ると、ポスターの一場面のようなカットが簡単に撮れます
② 室内の見学
中も自由に見学できるようになっており(開館時間内)、
- 昔ながらの土間や板の間
- 畳の部屋
- 映画に関するパネル展示
などが設置されています
「ここで花がご飯を作っていたのかな」
「雨と雪が走り回っていたのはこのあたりかな」
と想像しながら歩くと、作品の記憶が一気によみがえってきます。
③ ファンのメッセージノート
室内には、全国・世界から来たファンのメッセージノートも置いてあることがあります。
- 作品への思い
- 花や雨・雪へのメッセージ
- 自分の人生と重ねた感想
などがぎっしり書かれていて、読むだけで胸が熱くなります
自分も一言書き残してくれば、「聖地に来た証」になりますね。
④ のんびり休憩する
花の家は、
- 飲食OK
- トイレあり
- Wi-Fiあり
という、とてもありがたい環境になっています
歩いて汗をかいた後、畳の部屋でお茶やお弁当を楽しみながら、
窓の外の棚田や山をぼーっと眺める時間は、まさに「花の時間」です。
行く前に知っておきたいマナーと注意点
聖地巡礼を長く続けていくためには、ファン側のマナーも大切です。
① 最新情報を必ずチェック
- 開館時間や休館日、イベントなどは変更されることがあります
- 行く前に、公式サイトや富山県・上市町の観光サイトで最新情報を確認しましょう
特に、天候や災害などで急な変更がある可能性もゼロではありません。
② ゴミは必ず持ち帰る
- 飲食OKだからといって、ゴミを置いていってしまうのは絶対NG
- 山の中なので、ちょっとしたゴミでも環境への影響が大きくなります
小さなビニール袋を持って行き、「持ち込んだものは全部持ち帰る」を徹底しましょう。
③ 近隣住民への配慮
花の家の周りには、普通に生活している人たちもいます。
- 大声で騒がない
- 私有地に勝手に入らない
- 路上駐車をしない
など、基本的なマナーを守ることが、作品へのいちばんの「リスペクト」です。
④ 山道ならではの注意
日石寺からの徒歩ルートを使う場合は、山道ならではのリスクもあります。
- 雨の後は滑りやすい
- 夏は虫が多い
- クマよけの鈴が設置されている場所もあるほど、自然度が高いエリア
- 歩きやすい靴(スニーカーやトレッキングシューズ)
- 帽子・飲み物・虫よけ
- スマホの地図アプリ(オフラインでも見られるようにしておくと安心)
などを準備しておくと、安全に楽しめます。
せっかくなら「聖地巡礼セット」で楽しもう
花の家だけ行って帰るのももちろんアリですが、
せっかく富山まで行くなら、他の「おおかみこども」スポットも合わせて楽しむのもおすすめです。
聖地巡礼のサイトや旅行ガイドでは、
- 東京:井の頭恩賜公園周辺(花が通う大学のイメージ)
- 富山:立山連峰・みくりが池など、山のシーンのモデルになった場所
なども紹介されています。
旅の流れとしては、たとえばこんなプランもありです。
- まずはもう一度映画を観直す
- 東京周辺の聖地(井の頭公園など)を少し回ってみる
- その後に富山に行き、ハイライトとして「花の家」に行く
映画の物語を追いかけるように旅をすると、
自分自身の人生や選択についても、少しゆっくり考えたくなるかもしれません。
まとめ:花の家は、「物語に触れ直すための場所」
最後に、この記事のポイントをまとめます。
花の家に行くことは、単なる「観光」ではなく、
自分の生き方をもう一度見つめ直す、ちょっとした「旅」
でもあります。
映画を観て胸が熱くなった人ほど、あの家の土間に立った瞬間、
「来てよかった」としみじみ感じるはずです。
もしあなたが今、
- 仕事や将来についてモヤモヤしている
- 家族との時間を見直したい
- 一度、静かな場所で、自分のペースを取り戻したい
そんな気持ちが少しでもあるなら、
富山の山あいにある「花の家」を、次の旅の候補に入れてみてください。
その道のりそのものが、花や雨・雪の物語と、
あなた自身の物語を、そっと重ねてくれるはずです。



