「パリ五輪にも出た立命館大の競歩選手・柳井綾音、卒業後の進路はどうなるんだろう?」
そんなふうに気になっている方は多いと思います。
世界の舞台で戦うレベルの選手になると、「実業団に進むのか?」「普通に会社員として就職するのか?」は、ファンにとっても、大きな関心ごとですよね。
この記事では、
- 柳井綾音選手ってどんな選手?
- 陸上選手の「実業団」と「一般就職」の違い
- 柳井綾音選手の実際の進路(結論)
- もし一般就職だったら?という“たられば”話
をお話ししていきます。
柳井綾音ってどんな選手?
まずは、簡単にプロフィールから整理しておきましょう。
- 名前:柳井 綾音(やない・あやね)
- 種目:競歩(主に20km競歩)
- 出身:福岡県北九州市
- 出身校:北九州市立高等学校
- 所属:立命館大学・女子陸上競技部(食マネジメント学部)
高校から競歩を本格的に始め、高3のときにはインターハイで優勝。
大学に入ってからも勢いは止まらず、
- 2022年 U20世界陸上 10000m競歩で銅メダル
- 2023年 世界陸上ブダペスト 女子20km競歩で日本代表
- 2024年 パリ五輪 男女混合競歩リレーに出場
- 2025年 東京世界陸上 20km競歩 日本代表
と、学生のうちから、すでに“世界のトップレベル”で戦っている選手です。
また、大学では「食マネジメント学部」でスポーツ栄養学も学んでいて、
「食」と「スポーツ」をつなぐ分野にも強い興味を持っています。
さらに、立命館大の女子駅伝メンバーとして、富士山女子駅伝などにも出場。
「競歩だけの選手」というより、
競歩も駅伝もこなす、タフで器用な“二刀流ウォーカー”
というイメージの選手と言っていいでしょう。
陸上選手の進路は大きく2つ:「実業団」か「一般就職」か
では、そんなトップレベルの陸上選手が、卒業後に選ぶ道はどうなっているのでしょうか。
ざっくり分けると、選択肢は大きくこの2つです。
- 実業団(企業の陸上部)に入る
- 一般企業に“ふつうの会社員”として就職する
それぞれ、もう少しイメージしやすいように説明しますね。
「実業団」ってそもそも何?
「実業団」というのは、企業が持っている陸上部に所属して、
その会社の社員として働きつつ、陸上競技を続けていく形です。
- ユニフォームには会社ロゴが入る
- 企業の名前を背負ってレースに出る
- 練習時間や遠征費、コーチ、合宿などを会社がバックアップしてくれる
といった特徴があります。
もちろん、部によっては社業(デスクワークなど)をする時間もありますが、
トップクラスの選手になってくると、
「ほぼフルタイムで競技に集中できる環境」
が用意されるケースも少なくありません。
一般就職を選ぶ選手もいる
一方で、あえて実業団には入らず、一般企業へ“普通の就活”をして働く選手もいます。
- 昼は会社員、仕事が終わったらクラブチームで練習
- 地元の企業で働きながら、地域のクラブで競技を続ける
- 競技レベルは落として、趣味としてマラソンや市民ランナーに移行する
トップレベルから一歩離れて、
「競技も続けるけど、生活のベースは別の仕事」
というスタイルを選ぶ選手も多いです。
柳井綾音レベルになると「実業団のオファー」が来る世界
ただし、柳井綾音選手のように、
- 世界陸上代表
- オリンピック代表
- 日本インカレ優勝、学生記録レベル
といった実績を持つ選手になると、
ほとんどの場合、
実業団から声がかかる(むしろ複数社からオファーが来る)
レベルです。
ここまで来ると、
- 「どこの実業団に入るのか?」
- 「どんなチームカラーの会社を選ぶのか?」
という“豪華な悩み”になってきます。
では、柳井綾音選手の場合、実際はどうなったのでしょうか。
結論:柳井綾音の進路は「実業団・富士通」に決定
さっそく結論からお伝えします。
2025年11月、富士通が2026年度の新加入選手として、
柳井綾音選手(立命館大)を迎え入れることを公式に発表しています。
つまり、
柳井綾音の進路は「実業団・富士通」
⇒ 企業所属のトップアスリートとして競技を続ける
という答えになりました。
富士通は、男子400mハードルの日本トップ選手・小川大輝選手とともに、
柳井選手を新戦力として迎え入れることを発表しており、
記事内では、柳井選手の高校〜大学の実績や、世界大会での活躍にも触れられています。
タイトルにあった
「実業団か?就職か? 有力候補先は?」
という問いに対して言えば、
- 実業団ルート:選択
- 一般就職ルート:少なくとも表に出ている情報では選んでいない
- 有力候補先:富士通に決定
というのが、現時点での公式な姿です。
なぜ富士通なのか?チームの特徴から考えてみる
「でも、なんで富士通なんだろう?」
そう思った方もいるかもしれません。
もちろん、最終的な決断の理由は本人と関係者しか分かりませんが、
公開情報やチームの特徴から、“それっぽい理由”を考えてみましょう。
(ここから先は、あくまで“推測”の話です)
世界大会常連の“強豪実業団”という環境
富士通は、陸上界では言わずと知れた強豪実業団チームのひとつです。
- オリンピックや世界陸上の代表選手を多数輩出
- 長距離・マラソン・トラック・フィールド種目で安定した実績
- ハイレベルなチームメイトと日々競い合える
という、トップ選手にとっては理想的な環境のひとつです。
柳井選手自身も、すでに世界大会の常連となりつつある存在ですから、
「世界と戦い続けるための“当たり前の環境”が整ったチーム」
を選んだ、と考えるのは自然でしょう。
競歩選手としての成長余地がまだ大きい
柳井選手の20km競歩の自己ベストは1時間30分25秒(2025年3月・アジア選手権)。
世界では、1時間20分台前半〜中盤のゾーンがメダル争いのタイムになってくることを考えると、
まだまだ伸びしろがあるタイムです。
大学という限られた時間の中でも世界と戦ってきましたが、
実業団でより専門的なサポートを受けられれば、
「世界の表彰台を狙うレベルへのステップアップ」
も、現実味を帯びてきます。
“走れる競歩選手”という個性も活かせる
柳井選手は、大学では駅伝メンバーとしても活躍してきました。
- 競歩が本職
- でも走力も高く、駅伝でチームに貢献できる
という「走れる競歩選手」という強みがあります。
富士通のような強豪チームなら、
- チームの長距離陣との合同練習
- スピード強化
- 将来的にはロード種目への挑戦
といった、新しい可能性も広がってくるかもしれません。
もちろん、まずは競歩一本で勝負していくと思われますが、
“駅伝で鍛えた走力”が競歩にも良い影響を与えるのは間違いありません。
もし「一般就職」だったら?という“たられば”話
ここからは、完全に「もしもの話」です。
「実業団ではなく、普通の会社員になる」という進路だった場合、
どんな道が似合いそうだったかを、ちょっとだけ妄想してみましょう。
スポーツ栄養×アスリートの経験を活かす道
柳井選手は、立命館大学の食マネジメント学部でスポーツ栄養学を学んでいます。
そのため、一般就職の道としては、
- スポーツ飲料やサプリメントのメーカー
- アスリート向け食品・栄養補助食品の会社
- クラブチームやフィットネスジムでの栄養サポート
といった、「食」と「スポーツ」を結びつける仕事は、
かなりマッチしていたのではないかと思われます。
トップアスリートとしての実体験と、
大学で学んだスポーツ栄養の知識を組み合わせれば、
「現場が分かる、説得力のあるスポーツ栄養の専門家」
としても、十分に活躍できたはずです。
教育・指導の道も十分ありえた
もう一つ考えられるのは、
- 将来の指導者
- 学校やクラブチームのコーチ
- 競歩の普及活動
といった、「教える側」にまわる道です。
競歩という種目は、陸上の中でもまだまだマイナーで、
ルールや見方を知らない人も多い競技です。
柳井選手のような“結果を出している選手”が、
わかりやすく競歩の面白さを伝えられる立場になれば、
「競歩って、実はめちゃくちゃ奥が深くて楽しいんだよ」
ということを、もっと多くの人に広げられたかもしれません。
……とはいえ、こうした“たられば”を全部まとめて、
「ぜんぶ将来の選択肢として取っておけるのが、実業団ルートの強み」
でもあります。
実業団に入ったからと言って、“普通の就職”の道が完全に消えるわけではありません。
むしろ、競技での実績と知名度は、引退後のキャリアでも大きな武器になります。
ファンとして、これからどこを楽しみにすればいい?
柳井綾音選手の進路が「富士通の実業団」に決まったことで、
ファンとしては、これからどんなポイントを楽しみにすればいいでしょうか。
世界大会での“リベンジ”と飛躍
すでに、柳井選手は世界選手権・オリンピック・東京2025世界陸上の代表として、
何度も世界の舞台を踏んでいます。
ただ、本人のコメントを読んでいると、
- 「悔しいレースも多かった」
- 「もっとやれるはずなのに、出し切れなかった」
という思いを抱えてきたことが伝わってきます。
実業団での環境を得て、ここから
「世界の表彰台を本気で狙いにいく数年間」
が始まる、と考えると、
ファンとしてもワクワクせずにはいられません。
富士通のユニフォームで歩く姿をチェック
富士通に加入すれば、
- 全日本競歩能美大会
- 日本選手権
- アジア選手権
- 世界陸上や五輪の代表選考会
など、重要レースで「富士通」のユニフォームを着た柳井選手の姿が見られます。
これまでは「立命館大学」のユニフォームでしたが、
ここからは企業の名前を背負って戦うことになります。
ユニフォームが変わると、「いよいよ社会人アスリートになったんだな」という実感がわく
というのも、陸上ファンあるあるですよね。
SNSや大学・チームの発信も要チェック
柳井選手自身のSNSや、
立命館大学・富士通陸上部の公式サイトやSNSでは、
- レースの振り返り
- 普段の練習の様子
- チームメイトとのエピソード
などが発信されることもあります。
競技結果だけでなく、
そうした“裏側のストーリー”を追いかけることで、
「ただの記録」ではなく、「一人の人間としての柳井綾音」を応援していく楽しみ
も生まれてきます。
まとめ
ここまでの内容を、最後にもう一度整理しておきましょう。
タイトルでは
「実業団か就職か?有力候補先は?」
という問いを立てましたが、
実はこの問い自体に、少し“トリック”があるのかもしれません。
なぜなら――
実業団に入るということは、
「企業に就職しつつ、トップアスリートとして競技を続ける」という選択肢
だからです。
つまり、
- 実業団=就職でもあるし、競技継続の道でもある
という、ある意味“おいしいとこ取り”のルートなんですね。
