2025年12月26日、静岡県三島市にある横浜ゴム三島工場で、多くの人が衝撃を受ける事件が起きました。
報道によると、工場内で刃物や液体が使われ、従業員15人がケガをしたとされています。
この事件で、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたのが、
小山雅貴(おやま まさき)容疑者・38歳です。
ニュースやネット上では、
- 「小山雅貴容疑者と横浜ゴム三島工場の関係は?」
- 「なぜあの工場が狙われたのか?」
- 「元従業員って本当なの?」
といった疑問や、さまざまな憶測が飛び交っています。
ただし、最初にとても大事なことをお伝えしておきます。
2025年12月27日時点で、「なぜ事件を起こしたのか」という明確な動機は、
警察から公式には発表されていません。
つまり、私たちが今できるのは、
- 報道で事実としてわかっていることを整理する
- 「こうだったに違いない」と決めつけず、一般的な背景や問題点を考える
というところまでです。
この記事では、
- 事件と容疑者について今わかっている事実
- 小山雅貴容疑者と横浜ゴム三島工場の「関係」
- 「なぜ起きたのか?」について、わかっていること・わかっていないこと
- こうした事件の裏側で、よく指摘される背景(一般論)
- 憶測で人を傷つけないために、私たちが気をつけたいこと
をまとめていきます。
横浜ゴム三島工場事件の概要を整理する
いつ・どこで起きたのか
報道によると、事件は次のように伝えられています。
- 日時:2025年12月26日(金) 午後4時30分ごろ
- 場所:静岡県三島市南二日町・横浜ゴム三島工場
- 内容:
- 工場内で男性が刃物で次々と刺された
- 液体(漂白剤とみられるもの)がまかれた
- 被害:従業員ら15人が負傷
- そのうち複数人が重症とみられるが、全員意識はある
現場では、消防や警察が多数出動し、工場周辺は一時的に物々しい雰囲気になりました。
容疑者について報じられていること
静岡県警は、現場にいた男を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕しました。報道によると、
- 名前:小山 雅貴(おやま まさき)容疑者
- 年齢:38歳
- 住所:静岡県三島市(自称)
- 職業:無職と報じる媒体もある
とされています。
また、海外メディアや国内の一部報道では、
- サバイバルナイフのような刃物を所持
- ガスマスクのようなものを身につけていた
- 漂白剤とみられる液体をまいた
と伝えられています。
かなり準備された犯行のようにも見えますが、
これだけでは「なぜ」という部分まではわかりません。
小山雅貴容疑者と横浜ゴム三島工場の「関係」
今回のタイトルにもあるように、多くの人が気になっているのは、
「なぜ、数ある場所の中で“横浜ゴム三島工場”だったのか?」
という点だと思います。
報道で分かったこと:元従業員だった
地方紙の報道などによると、
小山雅貴容疑者は、以前この横浜ゴム三島工場で勤務していた「元従業員」である
と、関係者への取材から分かったと報じられています。
つまり、
- まったく縁もゆかりもない工場をいきなり狙った
……というよりは - 過去に自分が働いていた職場を狙った可能性が高い
ということになります。
とはいえ、
- いつからいつまで働いていたのか
- 正社員だったのか、派遣・契約社員などだったのか
- どの部署にいたのか
など、具体的な雇用の中身までは、まだ公表されていません。
現在は「無職」と報じるメディアも
一方で、逮捕時の状況として、
- 「無職の男」
- 「職業不詳」
と報じている媒体もあります。
このことから、
- すでに工場は辞めていた
- 事件時点では従業員ではなかった
ということは、ほぼ確実だと考えられます。
ただし、
- 退職からどれくらい時間がたっていたのか
- 自主的に辞めたのか、解雇・契約終了だったのか
- 辞める際にトラブルがあったのか
など、肝心な部分はまだわかっていません。
「工場の中に入れた」という事実の重さ
今回の事件では、
- 元従業員とみられる人物が
- 刃物・液体・ガスマスクのようなものまで用意し
- 工場内に入り、次々に従業員を襲った
と報道されています。
ここから考えられるのは、
- 工場の構造や出入り口の位置
- 防犯体制や人の動き
- どこに人が集まるか
などについて、ある程度の“土地勘”があった可能性です。
もちろん、これもあくまで一般的な見方であり、
「こうだったに違いない」と言い切れる段階ではありません。
それでも、
「全く知らない場所を狙った犯行」ではなく、
「過去に働いていた場所を狙った犯行」だった可能性が高い
という点は、この事件を理解するうえで重要なポイントです。
「なぜ事件は起きたのか?」今わかっていること・わかっていないこと
警察も「動機は捜査中」としている
国内外の主要メディアによると、
警察は小山容疑者を殺人未遂の疑いで逮捕しましたが、
事件の動機については、まだ明らかにされていない
と報じられています。
「なぜそんなことをしたのか」
「何をきっかけに犯行に至ったのか」
私たちが一番知りたいところですが、
現時点では、はっきりした公式情報は出ていません。
ネット上で広がる「こうだったに違いない」
それにもかかわらず、
ネット上ではすでに、いろいろな“説”が飛び交っています。
- 「工場をクビになって恨んでいたのでは」
- 「人間関係のトラブルがあったのでは」
- 「メンタルに問題を抱えていたのでは」
こうした話は、
「もしかしたら、そうかもしれない」と感じやすいものですが、
どれも現時点では“憶測”の域を出ません。
中には、勝手な「経歴」や「家族関係」を創作している記事もあり、
事実と想像の境目があいまいになっているものも見られます。
犯行の準備から見えるもの
報道から読み取れる、事実に近い部分としては、
- サバイバルナイフのような刃物を用意していた
- ガスマスクのようなものを身につけていた
- 漂白剤とみられる液体を持ち込んでいた
という点があります。
これらを見ると、
- 思いつきでその場の感情だけで暴れた
というよりも、 - ある程度、事前に準備された犯行
という印象を受けます。
しかし、だからと言って、
- 「計画的だから〇〇な動機だ」
- 「元従業員だから恨みがあったに違いない」
と短絡的に結びつけるのは、やはり危険です。
「準備していた」という事実と、「なぜ準備したか」という理由は別物だからです。
こうした事件の「背景」としてよく語られること(一般論)
ここからは、小山容疑者“個人”の話というより、
「元職場への襲撃事件」全般について、一般的によく指摘される背景を整理してみます。
※ここから先は、あくまでも「一般論」であり、
今回の事件にそのまま当てはまるとは限りません。
職場トラブル・解雇・人間関係のこじれ
元勤務先に対する襲撃事件では、
- 上司とのトラブル
- 同僚とのいじめ・ハラスメント
- 解雇・契約打ち切りへの不満
- 給与・待遇への不満
などが背景にあるケースが、過去の事件で指摘されてきました。
ただし、ここで大事なのは、
不満やトラブルがあった人のほとんどは「事件を起こさない」
という事実です。
不満やストレスを感じながらも、
- 相談したり
- 環境を変えたり
- 新しい職場を探したり
という方向にエネルギーを向ける人が圧倒的に多いのです。
事件にまで発展するケースは、
あくまでもごく一部です。
孤立・生活不安・メンタルの悪化
一般論として、
重大な事件の背景としてよく挙げられるのが、
- 失業や経済的な不安
- 社会的な孤立
- 強い孤独感
- うつ状態や精神的な不調
といった要素です。
特に、
- 一人きりで悩みを抱え込む
- 誰にも相談できない
- 「自分は誰にも必要とされていない」という感覚が強まる
などが重なると、
現実感が薄れ、極端な行動に出てしまう人もいます。
もちろん、だからといって
「メンタルに問題がある人=危険な人」では決してありません。
多くの人は、つらさを抱えながらも、誰かに相談したり、
少しずつ環境を変えたりしながら、なんとか日々を生きています。
事件を“心の問題”だけに原因づけするのも、
また違う偏見を生むことになります。
「自分だけが被害者だ」という思い込み
元職場への攻撃が起きるケースでは、
- 「あいつらが自分の人生をめちゃくちゃにした」
- 「自分だけが一方的な被害者だ」
という強い思い込みが背景にあることもあります。
その結果、
- 「やり返してやる」
- 「注目させてやる」
という、ゆがんだ“正義感”のようなものに結びついてしまう場合があります。
こうした考えに飲み込まれてしまうと、
自分がどれだけ他人を傷つけるか、冷静に考えられなくなってしまいます。
「なぜ起きたのか」を考えるときの注意点
ここまで読むと、
「じゃあ、やっぱり解雇とか人間関係が原因なんじゃないの?」
と感じた方もいるかもしれません。
しかし、ここで一番大事なのは、
「それっぽい理由」を勝手に当てはめて
“わかったつもり”にならないこと
です。
1つの事件を「わかりやすい物語」にしてしまわない
人間は、複雑な出来事を見ると、つい、
- 「AがあったからBが起きたんだ」
- 「この人はこういう過去があったから、こうなったんだ」
という、シンプルな“物語” にまとめたくなります。
しかし、現実の人間の行動は、
- 性格
- 過去の経験
- 家族関係
- お金の問題
- 健康状態
- 偶然の出来事
など、たくさんの要素が複雑に絡み合って生まれます。
「元従業員だったから恨んでいたに違いない」
といった短いストーリーで片づけるには、
人の心も、人生も、あまりにも複雑すぎます。
「加害者像」を作りすぎると、見落とすものが増える
もう一つ気をつけたいのは、
「こういうタイプの人が事件を起こすんだ」
という“テンプレ的な加害者像”を作ってしまうことです。
そうしてしまうと、
- そのイメージに当てはまらない人の危険なサインを見落とす
- 逆に、何もしていない人を「怪しい」と決めつけてしまう
というズレた判断につながります。
事件をきっかけに社会の課題を考えることは大切ですが、
「犯人像」を単純化しすぎると、
本当に必要な対策から遠ざかってしまうこともあります。
私たちができること:憶測で人を傷つけないために
ここまで、「なぜ事件は起きたのか?」という疑問に対して、
あえて“わからない部分が多い”という話をしてきました。
それでも、私たちができることはあります。
SNSで「決めつけ」を拡散しない
特に気をつけたいのは、X(旧Twitter)などで、
- 「こういう過去があったらしい」
- 「元同僚がこう言っている」
- 「家族構成はこうらしい」
といった 出どころのあいまいな情報 を、
面白半分・正義感半分で拡散してしまうことです。
もしそれが誤った情報だった場合、
- 無関係の人が「事件と関係ある人」扱いされる
- 家族や知人が攻撃される
- 一度ついたイメージは、後から訂正しても消えにくい
という深刻な二次被害 が起こります。
「わからない」と認める勇気
ニュースを見ていると、
「結局、何が原因なの?」
「スッキリする答えがほしい」
と思うのは、自然な感情です。
ですが、現状では、
- 小山容疑者がどんな気持ちで犯行に至ったのか
- 横浜ゴム三島工場と、どんなトラブルや感情のもつれがあったのか
は、まだわかっていない部分が多いのが現実です。
そんな中で、
「今の時点では、まだわからない」
「続報を待ちながら、事実だけを追う」
と自分に言い聞かせることは、
とても地味ですが、大切な態度だと思います。
被害にあった人に思いを向ける
そして何より忘れてはいけないのは、
- 刺されたり、液体をかけられたりして
大きな恐怖と痛みを経験した15人の被害者 - その家族や同僚、友人たち
が今もなお、不安な時間を過ごしているということです。
事件の「真相」よりも先に、
まずは被害者の命が守られ、
心と体の回復に向かえる環境が整うことが最優先です。
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
「なぜ事件は起きたのか?」という問いは、
これからの捜査や裁判の中で、少しずつ明らかになっていくかもしれません。
けれど私たち一人ひとりにとって、
もっと大事な問いは、
「このニュースを前に、自分はどんな態度でいたいか?」
なのかもしれません。
- 怒りや恐怖に流されて、誰かを“犯人扱い”してしまうのか。
- それとも、わからないことは「わからない」と認めつつ、
被害者や社会全体のことを冷静に考えようとするのか。
横浜ゴム三島工場での痛ましい事件をきっかけに、
私たちが「情報との向き合い方」や「人との距離感」について、
もう一度見つめ直すことができれば――
それは、同じような悲しい出来事を少しでも減らすための、
小さな一歩になるのかもしれません。


