2025年10月1日スタートの新・水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』は、1984年の渋谷を舞台に、若者たちの夢と挫折と恋を描く青春群像劇。
脚本は三谷幸喜(民放GP帯の連ドラ脚本は約25年ぶり)、主演は菅田将暉。主題歌はYOASOBI「劇上」(10月2日配信)。
まずは公式情報を押さえた上で、ロケ地・撮影体制の全貌と、放送前から“巡れる”関連スポットの歩き方まで、徹底解説します。
まずは“公式確定”情報:物語と撮影の土台
- 放送枠/開始日:フジテレビ系「水曜22時」枠、2025年10月1日開始(初回拡大)。番組表にも初回案内が掲載済み。
- 物語の舞台:1984年(昭和59年)の渋谷。渋谷駅から徒歩“八分”にある架空の歓楽街「八分坂」と、その中の“とある劇場”を中心に展開。
- 制作の目玉:千葉県茂原市に“1984年の渋谷”を再現した巨大オープンセットを建設。街並み・劇場・アーケード・飲食店などを包括的に再現し、連ドラとしては異例のスケール。主要シーンはここで撮影されることが明言されています。
- 第1話あらすじ(要点):演出家志望の青年・久部三成(菅田将暉)が、追放先で迷い込むのがネオン瞬く「八分坂」。ここから“舞台(表)”と“楽屋(裏)”が交差する群像劇が始まる。
- 主題歌:YOASOBI「劇上」。テーマ“この世界は舞台、人は皆役者”に寄り添った書き下ろしで、Ayaseがヴォーカル参加する特別編成。
以上から本作は、実在の渋谷での点在ロケよりも、茂原のオープンセット=“八分坂”での連続的な街撮りを軸に撮影が組まれているのが最大の特徴。復元精度と撮影自由度を両立させ、シーズン通して一貫した“街の物語”を描く狙いが見えます。
ロケ地・撮影場所の分類(放送前時点)
①【確定】千葉・茂原市「1984年の渋谷」巨大オープンセット
- 概要:令和の郊外に“昭和の渋谷”を再建。ポスター・広報写真の背景もこのセットで撮影。
- 再現エリア(広報から読み取れる要素):アーケード商店街、劇場外観、雑居ビル、ストリップ小屋のネオンサイン、ジャズ喫茶「テンペスト」など。
- 見学の可否:一般公開・見学は案内なし。オープンセットは基本的に非公開・関係者専用です。周辺での無断立ち入りは厳禁。
- ファン目線の楽しみ方:
- 放送後に映像キャプチャと広報写真を突合し、店名看板・広告・街路照明の意匠を観察。
- “渋谷モチーフ”の実在地点(のちほど紹介)と照らし合わせ、「参照元」を推理する。
- 美術部の仕事を“間違い探し”で讃える――これがこのドラマの醍醐味の一つ。
②【有力】首都圏の点在ロケ(目撃・メディア言及ベース)
- 文京区・大塚:SNSで菅田将暉の撮影目撃談が複数流通。まとめ記事も登場。ただし公式未確認のため、参考情報として扱いましょう。
- 埼玉方面・都内各所:SNSや一部記事で“埼玉でのロケ”といった記述もあるが、詳細や公式裏取りはまだ。放送後に特定が進む見込み。
放送前のロケ地記事で重要なのは、「確定」と「噂・目撃」を明確に分けること。当ガイドでも、確定は公式・大手メディア・番組表で裏をとり、目撃は“参考”表記に徹します。
“八分坂”を読み解く:セットに込められた1984年の渋谷
八分坂(はっぷんざか)という架空の街は、「渋谷駅から徒歩8分」という語呂の比喩で、当時の渋谷にあった「近いのに濃い」歓楽と文化の混淆を凝縮したモデルとみられます。
広報写真・第1話あらすじに出てくるアーケード商店街、ストリップ小屋、小劇場は、80年代の渋谷周辺に実在した景観類型(百軒店、のんべい横丁、並木橋・円山町周辺の雑居ビル街など)を想起させます。
“舞台(表)/楽屋(裏)”の対比は、本作のテーマそのもの。
照明・看板・音(拡声)で写真的に“舞台化”された表通りと、蛍光灯の白い光が冷たく回る裏階段・踊り場・稽古場の廊下のコントラストが要所になるはず。
第1話の導入で「八分坂」に迷い込む三成の動線は、強いネオン→暗がり→小劇場という光量のグラデーションで描かれると予想します。
セット撮影の利点は、時間を跨いだ連続性。雨天→晴れ→夜という気象・時間変化を“街の人格”として積み重ねられるため、週ごとに街が主人公の内面の影を形にしていく――そんな“街ドラマ”の手触りに期待です。
放送前から楽しめる:“ゆかりの地”参考ウォーク(※ロケ地ではなく参照元の可能性)
ここで紹介するスポットは実際の撮影場所ではなく、八分坂セットの参照元になっていそうな実在エリア。当時の空気を安全に追体験しましょう。
- 渋谷・百軒店(ひゃっけんだな)界隈
細い導線、看板の重なり、古い業種の混在という“80年代の香り”が今も残る一角。雑居ビル2〜4階の低層密集感は、セットに反映されやすい要素です。 - のんべい横丁
行燈(あんどん)型照明と木製建具がつくる暖色の「表」。営業前後の静けさを“楽屋”の空気に見立てるのも一興。 - 円山町〜道玄坂裏手
ラブホテル、ライブハウス、小劇場文化が混ざる地帯。昭和の“夜の業態”の名残という観点で、看板形状・階段位置・非常口ドアなどディテールが参考になる。 - 渋谷PARCO・SHIBUYA109(外観)
広報でも触れられている80年代の象徴的ランドマーク。ヒロインや青年たちの“表の顔”を演出する背景として、建築のラインと人波のベクトルを観察しておきたい。
これらの“参照散策”は聖地巡礼とは別カテゴリ。飲食・住民・通行の妨げにならない時間帯・立ち位置を選び、無断撮影・無断立入はしない――という基本マナーを徹底しましょう。
写真・動画で“舞台/楽屋”を切り取る撮影ヒント
- 光の分業
- 表通り=ネオン・看板のミックス光。露出–0.3〜–1.0EVで黒を締めるとドラマティック。
- 裏通り・階段=蛍光灯・ナトリウム灯の単色に寄せ、ホワイトバランス固定で“冷たさ”を残す。
- 構図の二段活用
- 正面ワイド(街のポートレート)→斜めのリードライン(通路・手すり・アーケードの梁)で視線を物語の“奥”へ。
- 縦写真は看板の垂直反復に強く、横写真は人物の関係線(対角)を描きやすい。
- 音を集める
- 表=拡声器、客引き、車のエンジン。裏=換気扇、蛍光灯のジー音、誰かの鼻歌。10〜20秒の環境音が、編集時に記憶を呼び戻す。
- ディテールの連打
- 台本の角、粉のついたチョーク、舞台用テープ跡、化粧前の豆電球――小物連写で“楽屋の温度”が出る。
「楽屋」を感じるための観察術(五感チェックリスト)
- 匂い:古い木、煙草、化粧品、照明の熱。
- 温度:表の冷たい夜気/裏のこもる熱気。
- 音圧:人通りのざわめき→扉一枚で静寂。
- 手触り:階段手すりの金属、舞台床の微細な粉。
- 光:スポットの輪郭/蛍光灯のフラット。
本作は“舞台=見られる場所/楽屋=素に戻る場所”の往還が主題。視聴時も「どの光の下にいるか」で登場人物の心理温度を測ると、一段深く楽しめます。
放送後に“確定ロケ地”を素早く見抜くコツ
マナーと法令:ロケ地巡りの“鉄則”
- オープンセットは非公開:茂原のセットは一般立入不可。周辺での撮影・ドローン飛行・長時間滞留は迷惑/違法の恐れ。
- 私有地・店舗前での撮影は許可:営業妨害・通行妨害は避ける。
- 住民配慮:住宅地での早朝・深夜の立ち止まり撮影は控える。
- SNS投稿:住所の断定記載・私邸の特定写真は避ける。未公開情報の拡散はトラブルの元。
YOASOBIの主題歌「劇上」――“街のリズム”として聴く
YOASOBIが掲げる「小説を音楽にする」という方法論が、今作では“街(八分坂)の小説性を音楽にする”方向で発揮されそう。
Ayaseのボーカル参加は、登場人物=役者たちのコーラスに対し、街そのものの声を象徴する役割として響く……そんな聴き方もおもしろい。
初回視聴時は、イントロでどのカットが置かれるかに注目したい。
早見リスト:現時点で押さえるべき“実用情報”
- 主要撮影拠点:千葉・茂原市の巨大オープンセット(非公開)。
- 物語の地理イメージ:渋谷駅から徒歩八分の歓楽街「八分坂」。
- 初回放送:10/1(水)22:00〜(初回拡大)。
- 第1話の導入舞台:アーケード街/小劇場(セット内)。
- 主題歌:YOASOBI「劇上」(10/2配信、Ayase歌唱参加)。
放送後の“更新予告”:こう拡張します
- 話数別ロケ地MAP(撮影許可の取れる公共施設・商店のみ)
- “八分坂”美術ディテール辞典(看板のフォント、街路灯、配線の取り回しなど)
- 再現さんぽコース(渋谷の実在風景で“気分”をなぞるルート)
- セリフ×風景の読み解き(表=舞台/裏=楽屋の切り替わり点を時刻・光で検証)
本記事は放送前の確定情報+一次ソースの示す範囲で構成しています。
まとめ:舞台と楽屋の距離は“八分”
『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』が提示するのは、人の表と裏が路地一本でつながっているという事実。八分坂という名が暗示するのは、駅からの物理距離だけでなく、舞台から楽屋までの心理距離かもしれません。
セットという“架空の渋谷”を敢えて選んだことで、街が物語の主役へと格上げされる。その街を駆ける役者の息遣い、ネオンの熱、蛍光灯の白。1984年の温度に今の私たちが触れたとき、きっと自分の中の“楽屋”の在りかも見えてくるはずです。
参考ソース(主要一次情報)
- フジテレビ 公式サイト/イントロ・第1話ストーリー・ニュース。TNC
- フジテレビ ニュースリリース(ポスター&茂原オープンセット)。フジテレビ
- スポニチ(茂原オープンセット報道・写真ギャラリー)。スポニチ Sponichi Annex
- 毎日新聞(茂原オープンセット報道)。毎日新聞
- タワーレコード ニュース(YOASOBI「劇上」・配信日・Ayase歌唱)。タワーレコード オンライン
- 公式X/Instagram(広報カット・短尺告知)。X