「最近あんまりニュースで見ないけど、まだ強いの?」「今シーズンはどんな成績?」
スキージャンプファンなら、一度はこんな疑問を持ったことがあると思います。
この記事では、
2025-26シーズンのW杯成績とジャンプ週間(Four Hills Tournament)の結果をもとに、今の小林陵侑がどれくらい“強い”のかを、整理していきます。
今シーズン(2025-26)の小林陵侑をざっくり一言でいうと…
結論から言うと、
「全盛期級の爆発力を持ったまま、“安定感”もかなり高い、世界トップ2の一人」
というイメージです。
事実として、
- 2025年11月の開幕戦・リレハンメル(ノルウェー)で今季初優勝
- 12月のエンゲルベルク(スイス)でも優勝し、プレブツの連勝をストップ
- ヴィスワ・クリンゲンタール・ルカなどでも2位・3位・5位と上位を連発
- ジャンプ週間後のW杯総合ランキングは2位(ポイント822)で、首位プレブツ(1214ポイント)を追う立場
という状態です(2026年1月12日時点)。
では、もう少し細かく今シーズンの流れを見ていきましょう。
W杯2025-26シーズン前半の成績まとめ
開幕からいきなり優勝:リレハンメル(11月)
シーズンは、2025年11月のノルウェー・リレハンメルからスタートしました。
- 開幕戦の団体戦で日本チームとして優勝
- 個人戦では、11月23日のリレハンメル・ラージヒルで今季初優勝
昨季はシーズン初優勝が2月と遅めだったのに対し、
今季は「シーズン序盤からトップフォーム」で勝ちを取ってきたのが大きな違いです。
フィンランド・スウェーデン・ポーランド遠征で“安定の強さ”
その後の試合をざっくり追うと、
- フォールン(スウェーデン):6位・7位あたりのトップ10フィニッシュ
- ルカ(フィンランド):5位と好成績
- ヴィスワ(ポーランド):
- 12月6日:3位
- 12月7日:2位
→ 2日連続で表彰台に乗る活躍
と、
優勝だけでなく、「だいたい表彰台か、悪くてもトップ10」にいるレベルの安定感を見せています。
ジャンプは風など外的要因に左右されやすい競技ですが、
それでもこれだけ上位に居続けているのは、純粋に「地力が高い」証拠と言えます。
クリンゲンタール&エンゲルベルク:プレブツとやり合う構図
12月中旬のドイツ・クリンゲンタールでも、
- 3位
- 5位
と好調を維持。
そして大きなターニングポイントになったのが、
スイス・エンゲルベルクでの勝利です。
- 12月21日のエンゲルベルクで、
首位を走っていたドメン・プレブツの連勝を止めて優勝
ここまで、プレブツがW杯で連勝を重ねて完全に“主役”の流れだったところに、
小林が勝利することで、「いやいや、シーズンの主役争いはまだ終わってないよ」というメッセージを叩き込んだ形です。
ここまでのW杯総合ランキング
ジャンプ週間直後のW杯総合ポイント(男子)は、
- 1位:ドメン・プレブツ 1214ポイント
- 2位:小林陵侑 822ポイント
- 3位:アンツェ・ラニシェク 717ポイント
という状況です。
数字だけ見ると、プレブツが少し抜けていますが、
- まだシーズン半ばであること
- 小林は優勝2回・表彰台多数・ほぼ毎回ポイント圏内という安定した戦いを続けていること
を考えると、
「プレブツが一歩リードしているが、小林はしっかり“追う立場”にいる」
と言えます。
ジャンプ週間(Four Hills 2025-26)の小林陵侑
続いて、多くのファンが一番気にしているであろう
ジャンプ週間(Four Hills Tournament 2025-26)の成績を見ていきます。
4試合それぞれの順位
2025-26シーズンのジャンプ週間は、例年どおり
- オーベルストドルフ(ドイツ)
- ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)
- インスブルック(オーストリア)
- ビショフスホーフェン(オーストリア)
の4試合で行われました。
小林陵侑の結果を並べると、
- オーベルストドルフ:6位
- ガルミッシュ・パルテンキルヘン:5位
- インスブルック:10位
- ビショフスホーフェン:3位(表彰台)
という形です。
最後のビショフスホーフェンでは、
オーストリアのダニエル・チョッフェニクが優勝、ドメン・プレブツが2位、小林が3位で表彰台に乗りました。
総合成績は「5位」——これは強いのか?
4試合の合計ポイントで決まるジャンプ週間総合成績では、
- 1位:ドメン・プレブツ(初優勝)
- 2位:ヤン・ホール
- 3位:ステファン・エンバッハー
- 4位:二階堂蓮(日本)
- 5位:小林陵侑
という結果でした。
「え、優勝じゃないの?」と物足りなく感じるファンもいるかもしれません。
たしかに、過去に3度ジャンプ週間を制している“怪物”として考えると、5位は少し物足りなく映るかもしれません。
しかし、全4戦でトップ10から一度も落ちていないこと、
そして最後の試合でちゃんと表彰台に戻してきていることを考えると、
- 「総合優勝には届かなかったけれど、常に優勝争いに絡む位置で戦い続けた」
という見方のほうが、今季の小林の実力を正しく表していると思います。
全盛期とのジャンプ週間比較
小林は、これまでに
- 2018-19シーズン
- 2021-22シーズン
- 2023-24シーズン
と、3度ジャンプ週間総合優勝を経験しています。
特に2018-19シーズンは、
- ジャンプ週間4戦すべて優勝
- W杯総合優勝
- フライング総合優勝
- Raw Air・Willingen Five・Planica7など、
シーズン中に取れるタイトルをほぼ総なめにした“伝説的シーズン”でした。
その“全部乗せの怪物シーズン”と比べてしまうと、
どんな成績も見劣りしてしまいます。
しかし、今シーズンの小林も、優勝2回+上位常連+ジャンプ週間総合5位という数字を見る限り、
「全盛期から一段落ちたベテラン」というより、
「まだしっかり世界のトップグループにいて、
ちょっと噛み合えばいつでも総合タイトルを狙える位置」
にいると言ってよさそうです。
数字で見る「小林陵侑は強い?」
ここからは、もう少し“数字”に寄せて、小林がどれくらい強いのかを整理します。
通算成績:W杯優勝37回、ジャンプ週間3回制覇
まずはキャリア通算の実績から。
2026年1月時点での主な記録は、
- W杯個人優勝:37回
- W杯総合優勝:2回(2018-19、2021-22)
- ジャンプ週間総合優勝:3回(2019、2022、2024)
- スキーフライング総合優勝:1回(2019)
- 北京五輪(2022)ノーマルヒル金メダル など
となっています。
スキージャンプの歴史全体を見ても、
W杯通算37勝・ジャンプ週間3勝という選手はごくわずかで、
「歴史に残るレジェンド級」の数字です。
今シーズン前半の“安定感”
今シーズン(2025-26)に絞っても、
- 優勝:リレハンメル、エンゲルベルクの2勝
- 2位・3位などの表彰台多数(ヴィスワ2位&3位、クリンゲンタール3位など)
- ほとんどの試合でトップ10フィニッシュ
と、「悪くてもポイント圏の上のほう」にいる試合が多く、
調子の波はかなり小さい印象です。
W杯総合2位という“今の立ち位置”
さきほども触れましたが、
ジャンプ週間終了時点でのW杯総合順位は、
- 1位:ドメン・プレブツ 1214pt
- 2位:小林陵侑 822pt
- 3位:アンツェ・ラニシェク 717pt
となっています。
ポイント差だけ見ると、「けっこう離されているな」と感じるかもしれませんが、
- プレブツが今季“覚醒レベル”で勝ちまくっている
- それでも小林がしっかり2位につけている
という構図なので、
「一人だけ突出しているプレブツ」と「それを追いかける小林」という図式だと理解しておくと分かりやすいです。
なぜ今シーズンも小林陵侑は強いのか?
ここまで成績を見てきましたが、
「じゃあ、なんで30歳を超えても、こんなに勝ち続けられるの?」
という疑問も出てきます。
細かい技術的な話は専門家に任せるとして、
ファン目線で分かりやすいポイントをいくつか挙げてみます。
ベテランならではの“試合運びのうまさ”
若手時代の小林は、
- とんでもない大ジャンプでぶっちぎり優勝する一方で
- 風にやられて大きく崩れる試合もある
という「爆発力型」の選手でした。
それが30歳前後になった今では、
- 「無理に突っ込まない」冷静さ
- 風やゲートの条件を見たうえで、「ここは抑える」「ここは攻める」の判断
がとても上手くなっていて、その結果が
「優勝もするし、崩れても10位前後でまとめる」
という今シーズンの安定感につながっているように見えます。
独立後の体制「Team Roy」によるサポート
小林は、かつて土屋ホーム所属でしたが、その後自らのチーム「Team Roy」を立ち上げて活動しています。
- 自分に合ったスタッフ構成
- 細かい用具のチョイス
- 海外遠征のスケジュール管理
など、自分のパフォーマンスを最大限に出すための環境づくりにこだわっていることも、長く高いレベルで戦えている要因の一つでしょう。
“勝ち方”を知っているメンタル
一度でもW杯で優勝するのは、とてつもなく大変なことです。
小林はそれを37回も経験しています。
- 「どういうメンタルで試合に入ればいいか」
- 「1本目が少し失敗気味でも、2本目で逆転するにはどう立て直すか」
といった“勝ち方のイメージ”を体で知っているので、
少々の不利な状況でも、あっさり挽回してくることが多いです。
今シーズンのリレハンメルやエンゲルベルクの優勝も、
まさにその「勝ち方を知っているベテランの強さ」が光った試合でした。
これからの見どころ:逆転の可能性と五輪への流れ
最後に、今後のシーズンや、ファンとしての楽しみどころを整理しておきます。
W杯総合逆転は現実的か?
プレブツとの差は約400ポイントありますが、
W杯はまだシーズン半ば。今後、
- 1試合での優勝=100ポイント
- 2位=80ポイント
- 3位=60ポイント
という配点が続くことを考えると、
「プレブツが少し失速」+「小林が2〜3勝追加」
という展開がくれば、逆転の目は十分にあります。
もちろん、プレブツの勢いも相当なので簡単ではありませんが、
「シーズン終盤までW杯総合タイトル争いに絡み続ける小林」
という構図は、十分期待していいと思います。
ジャンプ週間4度目の制覇はまた見られるか?
今季のジャンプ週間は5位に終わりましたが、
歴代で3度ジャンプ週間総合優勝した選手はごく少数で、それだけでも異常な実績です。
年齢的にもまだ30歳前後ですから、
- 2026-27シーズン以降
- あるいはミラノ・コルティナ五輪前後のシーズン
で、4度目のジャンプ週間制覇を狙えるだけの実力は残っている、と考えるのが自然でしょう。
2026年ミラノ・コルティナ五輪へ向けて
そして、もう一つの大きなポイントは、
2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪です。
- すでに北京五輪で金メダルを取っている
- まだW杯で優勝を重ねている
- 2025-26シーズンでも、W杯総合2位とトップグループを維持している
という状況を見ると、
「五輪の年に、もう一度ピークを合わせてくる可能性」
はかなり高いと考えられます。
まとめ
最後にもう一度、この記事のテーマに戻りましょう。
Q. 小林陵侑は強い?今シーズンはどう?
という問いに対する、現時点(2026年1月)での答えは、
A. 間違いなく、今も“世界トップレベルに強い”。
2025-26シーズン前半だけ見ても、
優勝2回・表彰台多数・W杯総合2位・ジャンプ週間総合5位と、
「いつ総合タイトルを取ってもおかしくない位置」にいる。
と言ってよさそうです。
- 若手時代のような“すべてを薙ぎ払う怪物シーズン”ではないかもしれません。
- それでも、「勝つときはきっちり勝ち、崩れても上位でまとめる」ベテランの強さを見せています。
これからシーズン後半に向けて、
- プレブツとの総合争いがどうなるか
- 日本勢として、二階堂蓮ら若手とともにどんな戦いを見せてくれるか
- そしてミラノ・コルティナ五輪にどんな形でつながっていくのか
ぜひ、今シーズンの成績を頭に入れつつ、
一つひとつの試合を楽しんでいきましょう。





