ラッパー晋平太と呂布カルマの関係を一言でまとめるなら、
「めちゃくちゃバチバチやり合ってきたけど、同時に深くリスペクトし合っているライバル同士」です。
この記事では、
- ふたりのプロフィール
- MCバトルでの「因縁」と名勝負
- 『フリースタイルダンジョン』や鼎談での共演
- お互いへの発言・リスペクト
- そして、2025年の「死亡説」騒動と呂布カルマの投稿
まで、順番に整理していきます。
まずは2人の簡単プロフィール
晋平太(しんぺいた)
- 本名:非公表
- 出身:東京都東村山市
- 代表的な実績:
- 2005年「B-BOY PARK MC BATTLE」優勝
- 2010年・2011年「ULTIMATE MC BATTLE(UMB)」全国大会で史上初の2連覇
- 2012年「戦極MC BATTLE」初代王者
- 2017年『フリースタイルダンジョン』で史上初の全ステージクリア
MCバトル全盛期を作った「レジェンド級バトルMC」です。
呂布カルマ(りょふカルマ)
- 本名:三嶋裕也(みしま・ゆうや)
- 出身:兵庫県西宮市、生まれ
- 拠点:愛知県名古屋市
- 学歴:名古屋芸術大学・美術学部卒
- 特徴:毒舌・辛口コメント・皮肉たっぷりのライム
- 実績:
- 戦極MC BATTLE第12章優勝など、主要大会で多数のタイトル
- メディア出演や書籍『鋼鉄の心臓』など、カルチャーアイコン的な動きも
一言でいうと、「頭のキレと毒舌がエグい哲学系ラッパー」です。
最初の接点は「バトルの世界」──UMBと戦極の時代
ふたりの関係は、最初から「仲良し」というより、
ガチガチの“戦う相手”としてスタートしています。
2-1.UMBでの存在感
UMB(ULTIMATE MC BATTLE)は、日本のMCバトルを代表する大会です。
- 晋平太:2010年・2011年と2年連続で日本一を獲得し、「バトルサイボーグ」と呼ばれるほどの安定感
- 呂布カルマ:愛知代表として何度も本戦に出場し、独特の毒舌スタイルでコアなHIPHOPファンから評価
晋平太は自身のX(旧Twitter)で、
「UMB愛知代表は呂布カルマ。3度目の本戦。カルマから『俺は性格めちゃくちゃ悪いからな、バトルめちゃくちゃ強えぞ』というコメントをもらった」
と投稿しています。
つまりこの時点で、
「アイツは性格悪いけど強い」
という、“悪口っぽいけど最大級の褒め言葉”みたいな認識があったわけです。
戦極MC BATTLEでも結果で絡む
戦極MC BATTLEは、UMBとは別の大きなMCバトル大会です。
- 第1章:晋平太が優勝
- 第12章・第17章など:呂布カルマが優勝・準優勝と上位に食い込む
同じ大会シリーズで、違う章とはいえ歴代王者リストにどちらの名前も出てくる。
この時点で、2人は
- 同じ「トップクラス」のステージにいる
- 直接当たらなくても、お互いを意識せざるを得ない
という関係になっています。
テレビでの因縁:『フリースタイルダンジョン』での対決
2人の「因縁」を語る上で外せないのが、
テレビ朝日『フリースタイルダンジョン』です。
“最後の刺客”としての晋平太 vs 呂布カルマ
『フリースタイルダンジョン』5th seasonでは、
「最後の刺客として晋平太が登場! 呂布カルマとの因縁の対決」と紹介されています。
番組側もわざわざ「因縁の対決」と煽っているので、
- ふたりはこれまでの大会や発言で、すでにライバル関係として見られていた
- テレビ的にも「因縁」「ガチ勝負」として期待されていた
と考えられます。
実際、ダンジョン関連の映像や記事では、
- 呂布カルマの鋭い毒舌
- それを受け止めて返す晋平太の「王者目線の返し」
という構図が何度も取り上げられています。
「Monsters War 2017」で同じチームに
一方で、対決だけでなく共闘したこともあります。
2017年の特番「フリースタイルダンジョン Monsters War」では、
「呂布カルマ×R-指定×晋平太」という夢のチームが結成されました。
- 対戦相手は、輪入道、DOTAMA、MU-TONなど、これまたトップ級のMCたち
- 第3ラウンドでは、呂布カルマが「若干の忖度OK」と毒を吐き、
それを受けて晋平太が「若手若手若手…やがて若手じゃなくなった時に分かれ」とラップする名シーンが語られています。
ここでは
- 「敵としてだけじゃなく、味方としても最高にやれる相手」
- 「同じチームにいても、それぞれが主役級」
という関係性がよく出ています。
バトル外での共演:鼎談・トーク・解説
2人の関係は、バトルだけで終わっていません。
その後はトークや対談での共演が増えていきます。
よよよちゃんとの鼎談(LIFULLの企画)
2023年ごろ、LIFULLのメディア企画で
「晋平太・呂布カルマ・よよよちゃん」の鼎談が公開されました。
テーマは「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)」や
「人を傷つける言葉」といった社会的な話題。
ここでの2人は、
- 晋平太:若い女性の生きづらさについて「生きてるだけで大変なんだな」と共感的に語る
- 呂布カルマ:娘とのエピソードを出しながら、「自分も無意識の偏見を持っているかもしれない」と冷静に分析
といった具合で、バトルの毒舌キャラとは違う一面が見えます。
この鼎談の後編では、
- 「MCバトルで名勝負を繰り広げた晋平太と呂布カルマの関係」
- 「ラップの持つ力」
などについても語られており、
メディア側も2人を“因縁のライバル”かつ“語れる大人のラッパー”として扱っています。
解説者としての呂布カルマ × 主役としての晋平太
YouTubeコンテンツでは、
- 「R-指定 vs 晋平太」のバトルを、呂布カルマが解説する動画
もあります。
ここで呂布カルマは、晋平太のバトルスタイルに対して、
- 構成のうまさ
- 話の展開力
- 観客を巻き込む技術
などを分析し、かなり高く評価しています。
また、切り抜き動画では、
「口喧嘩祭での晋平太はさすが」
といった、リスペクトを含んだコメントも紹介されています。
つまり、
- バトル中は容赦なくディスる
- けれど、終わってみれば「ラッパーとしてはマジで尊敬している」
という、ヒップホップらしいライバル関係が見て取れます。
お互いの発言に見える「因縁」と「リスペクト」
晋平太 → 呂布カルマへの視線
先ほど触れたように、晋平太はX上で
「UMB愛知代表は呂布カルマ。
カルマから『俺は性格めちゃくちゃ悪いからな、バトルめちゃくちゃ強えぞ』とのコメントをいただきました」
と投稿しています。
これは、
- キャラ的には「性格悪い」と茶化しつつ
- 実力については「めちゃくちゃ強い」と認めている
という、ラッパー同士の愛のあるイジり+尊敬です。
呂布カルマ → 晋平太への視線
一方の呂布カルマも、バトル解説や質問箱の中で、
- 「バトルの構成力がある」
- 「さすがだわ」と感嘆する場面が切り取られています。
毒舌で有名な呂布カルマが、
ここまでハッキリ褒めている相手は多くありません。
つまり、内心ではかなり“マジのライバル”として認めていると考えられます。
2025年の「死亡説」騒動と、呂布カルマの投稿
2025年11月、SNS上で
「晋平太が亡くなったのでは?」という死亡説が一気に拡散しました。
- 仲間ラッパーの“追悼っぽい投稿”
- 過去の躁うつの噂や、活動休止の情報
も相まって、ネット上では大きな話題になっています。
呂布カルマの「何やってんだよ馬鹿野郎が」
この騒動の中で注目されたのが、
呂布カルマの
「何やってんだよ馬鹿野郎が」
という投稿です。
この一文だけでも、
- 本気で怒っている
- そして同時に、深く悲しんでいる
という感情が伝わってきます。
ニュースサイトでは、
- 「この投稿を受けて、『やっぱり自殺だったのか』と推測する声が出ている」
- 「呂布カルマの悔しさに満ちた投稿で、事実性が増したように感じる人が多い」
といった形で報じられています。
※ここで大切なのは、
まだ公式な確定情報がすべて出そろっているわけではないという点です。
噂だけを断定的に信じるのは危険なので、常に「公式発表」を確認する必要があります。
この言葉ににじんでいるもの
呂布カルマの
「何やってんだよ馬鹿野郎が」
という言葉には、単なる怒りだけでなく、
- 長年、同じ現場で戦ってきた相手への感情
- 「もっとバトルしたかった」「まだ一緒にやれることがあっただろ」という悔しさ
- 仲間を失ってしまったかもしれない喪失感
がギュッと詰まっています。
バトルの中では、
お互いをボロクソにディスってきた2人ですが、
その土台にはいつも深いリスペクトがあった――
そのことを、この短い一文が証明しているように感じます。
まとめ
ここまでの流れをざっくりまとめると、
晋平太と呂布カルマの関係は、
- UMBや戦極などの大会で、
お互いを意識し続けたトップバトルMC同士 - 『フリースタイルダンジョン』で
- 因縁の対決を繰り広げる「敵」
- 同じチームを組んで戦う「味方」
を両方経験した関係
- 鼎談やトーク企画では、
社会問題や言葉の力について一緒に語る“語り部”仲間 - お互いの実力を、
バトル解説やSNSで公にリスペクトしてきた相手 - そして、2025年の騒動では、
呂布カルマの短い一言が、
「ただの対戦相手以上の存在だった」と感じさせてくれた
と言えます。
ヒップホップの世界では、
- ライムでディスり合う
- SNSで毒舌を吐く
のは日常ですが、
その裏側には「同じカルチャーを背負っている仲間意識」があります。
晋平太と呂布カルマもまさにその典型で、
バトルでは全力で殴り合う。
でも、根っこでは深く尊敬している。
という、理想的なライバル関係だったのではないでしょうか。



