まとめていきます。
※本文中の人数などの数字は、2025年11月27日時点の海外報道をもとにしています。今後も変わる可能性があります。
香港火災は「どこ」で起きたのか?一言でいうと…
まず、いちばんシンプルに答えを書くと、今回の火災は
香港・新界(しんかい)地区の「大埔区(タイポ/Tai Po)」にある
公営住宅団地「宏福苑(ホンフクユン/Wang Fuk Court)」
で起きた火事です。
ニュース映像で、緑色のネットに包まれた高層マンションが炎に包まれている様子を見た方も多いと思いますが、あの場所がまさに宏福苑(Wang Fuk Court)です。
どのエリア?香港のざっくり地図イメージ
香港は、大きく分けると次の3つのエリアに分かれます。
香港島(Hong Kong Island)
- ビクトリア・ピーク、セントラル(中環)などがある、いわゆる「香港の中心地」
九龍(Kowloon)
- 尖沙咀(チムサーチョイ)や旺角(モンコック)など、観光客にもおなじみの繁華街エリア
新界(New Territories)
- 香港の北側。中国本土との境目(深圳方面)に近い、住宅地や郊外が多い地域
今回の火災が起きた大埔区(Tai Po)は、このうちの「新界」にある区です。
つまり、観光の中心地から少し離れた、郊外寄りの住宅地エリアにあたります。
「大埔区(Tai Po)」ってどんなところ?
香港の北側にある住宅と自然のエリア
- 場所:新界の北東側
- 人口:約30万人ほどとされる住宅エリア
- 特徴:
- 高層マンションが多いベッドタウン
- 少し足をのばすと、海辺や山など自然もある
香港の中心部(中環・尖沙咀)と比べると、観光客向けというより「地元の人が住んでいる場所」というイメージに近いです。
交通のイメージ
観光客が泊まることの多い尖沙咀(九龍)や中環(香港島)から見ると、
- 電車(MTR)+バスで
おおよそ約40〜60分前後かかるような距離感です(乗り換えや交通状況による)。
つまり、香港の「都心」から少し離れた、郊外の住宅地で大火災が起きた、というイメージで見てもらうとわかりやすいと思います。
宏福苑(Wang Fuk Court)はどんな場所?
公営住宅の団地(ハウジング・エステート)
- 名称:宏福苑(Wang Fuk Court)
- 形態:公的な支援を受けられる分譲型の住宅団地
- 棟数:31〜32階建てクラスの高層棟が8棟並ぶ大きな団地
- 戸数:約2000戸ほど
- 住民数:4,600人前後が住んでいたと報じられています。
日本でいうと、
「郊外のニュータウンにある、
30階建てクラスの分譲マンションが8棟ずらっと並ぶ団地」
というイメージに近いです。
いつごろ建てられた団地?
報道によると、建設から約40年以上たつ、比較的古い部類の高層住宅団地です。
そのため、ここ数年は
- 外壁のひび割れ・老朽化
- 防水・配管などの問題
などが指摘されており、大規模修繕工事(外壁の全面やり直しなど)が行われている最中でした。
つまり、
「外壁を直すために、8棟すべてのまわりを
竹で組んだ足場と緑色のネットでぐるっと包んでいた」
その状態で、今回の火災が起きてしまった、という流れです。
火災現場を地図でイメージする方法
ここからは、読者の方が自分で地図アプリやGoogleマップを見るときのコツをまとめます。
検索キーワードはこれ
地図アプリで場所を探すときは、つぎのように入力してみてください。
- 「Wang Fuk Court Tai Po」
- 「宏福苑 大埔」
- 「Wang Fuk Court Hong Kong」
漢字と英語どちらでもヒットしますが、英語表記(Wang Fuk Court)のほうが地図では見つけやすいです。
周辺の目印になる地名
地図を開くと、次のような地名が近くに見えるはずです。
- Tai Po(大埔)
- Tai Po Road(大埔道)
→ 香港でも重要な幹線道路のひとつで、今回の火災で一部区間が通行止めになりました。 - 隣には住宅団地や学校、ショッピングセンター など
ニュースでは、近くのショッピングセンターに多くの住民が避難したとも報じられています。
香港全体で見たときの位置
地図を少し広くして、次のように見るとイメージがわきやすいです。
- まず香港島(Hong Kong Island)を表示
- そこから北に視線(地図)を動かすと、九龍(Kowloon)エリア
- さらに北側に行くと、新界(New Territories)
- その中の北東寄りに「Tai Po(大埔)」がある
「繁華街から見て、地図のうえで“少し上(北側)”にある住宅地」
と覚えておくと、ニュースを見るときにもイメージが湧きやすくなります。
竹の足場と「場所」の関係
今回の火災では、ニュースで何度も
- 竹の足場(Bamboo Scaffolding)
- 緑色の防護ネット
という言葉が出てきます。
香港では「竹の足場」はよくある光景
香港では、ビルの外壁工事をするときに、
- 金属ではなく竹を組んで足場にする工法
が昔から使われてきました。
街を歩くと、高層ビルの外側が竹とネットで覆われている光景をよく見かけます。
宏福苑も例外ではなく、
8棟すべてが、外壁修繕のために竹の足場とネットで
「巨大な繭(まゆ)」のように包まれていた
その状態で火が出たため、足場とネットを伝って一気に炎が広がったと見られています。
「郊外だから安心」というわけではない
今回のケースは、
- 都心から少し離れた住宅地
- 公営住宅の団地
- 全面的な外壁工事中
という条件が重なった場所で起きた火災です。
「観光エリアとは離れているから、自分には関係ない」というよりは、
「高層住宅が立ち並ぶエリアなら、
こうした火災リスクはどこでも起こりうる」
という目線で、ニュースを受け取ったほうがいいのかもしれません。
旅行者は何に気をつけておくべき?
最後に、これから香港に行く方や、すでに現地にいる方に向けて、場所の把握という意味での注意ポイントを簡単にまとめます。
自分のホテルや滞在先の「エリア名」を知っておく
- 「香港島の〇〇駅周辺」
- 「九龍の××エリア」
- 「新界の△△区」
など、自分がどのエリアに滞在しているのかを、ざっくりでも把握しておくと安心です。
ニュースで「大埔区」「荃灣区」「油尖旺区」などの区名が出てきたとき、
「あ、自分はそこから遠い(or 近い)んだな」
と、すぐに距離感をつかむことができます。
地図アプリに「よく行く場所」を登録しておく
- 宿泊先のホテル
- よく行くショッピングモール
- 友人宅やオフィス
などを地図アプリに保存しておくと、ニュースで出てきた場所と自分の位置の距離をすぐに確認できます。
今回の火災のように、
- 特定エリアの道路が封鎖
- バスや電車のルート変更
などが起きると、移動の予定にも影響が出るため、「距離感」「ルート」を早めにチェックしておくことが大事です。
まとめ:香港火災は「新界・大埔区の宏福苑」で発生
この記事の内容をまとめると、ポイントは次のとおりです。
ニュースを見るとき、
「香港島・九龍・新界」という3つの大きなエリアの中の
どこで起きた火事なのか?
を意識して地図を見ると、「遠いのか、近いのか」「観光地との関係は?」がずっと分かりやすくなります。


