まずは、ニュースで報じられている「ざっくりした全体像」から確認しておきます。
逮捕されたのは誰か
逮捕されたのは、
- 名前：古川 広志（ふるかわ ひろし）
- 年齢：64歳
- 立場：徳島県議会議員、公明党徳島県議団に所属、公明党会派の会長（報道による）
- 選挙区：徳島市などを含む選挙区で当選3回目
という地方政治家です。
どんな容疑で逮捕されたのか
報道によると、容疑の内容は次のようなものです。
- 日時：2025年11月28日 夜（20時半〜21時ごろ）
- 場所：東京都港区赤坂のビジネスホテル
- 相手：派遣型風俗店（デリバリーヘルス）の20代女性従業員
- 容疑：女性と性行為をしている最中、スマートフォンで、相手の裸など「性的な姿」を無断で動画撮影した疑い
- 適用された法律：性的姿態撮影等処罰法違反（いわゆる「撮影罪」）
古川容疑者は、仕事のために徳島から上京し、この赤坂のホテルに宿泊していたと報じられています。
警視庁への取材に基づく記事では、
「スマートフォンで撮影したことに間違いありません」
と、容疑を認めているとされています。
事件はどうやって発覚したのか ― 核心部分
今回のタイトルのポイントである「なぜ発覚したのか」を、報道ベースで整理していきます。
現場はホテルの一室
状況としては、
- 古川容疑者は、派遣型風俗店に女性を呼ぶ
- 女性は、赤坂のビジネスホテルの一室に派遣される
- 部屋の中でサービス（性行為）を提供している最中に、スマホで盗撮された疑い
という流れが伝えられています。
つまり、「駅の階段」や「電車の中」のような人目の多い場所ではなく、完全な個室であるホテルの部屋。その中での行為が問題になっている、という点が特徴です。
決定的だったのは「スマホの音」
では、その密室の中で、どうして盗撮がバレたのか。
時事通信などの報道によると、
とされています。
最近のスマホは、
「カメラのシャッター音」や「録画開始・停止の音」を消せない設定になっている機種も多く、
それが逆に“証拠”になってしまった形です。
女性→店→警察というルートで発覚
ANNニュースや地方局の報道を総合すると、発覚の流れは次のように整理できます。
- 女性がスマホの音で「盗撮されている」と気づく
- 女性が、勤務先の派遣型風俗店に「客に隠し撮りされた」と連絡
- 店側が状況を確認し、別の従業員が警視庁赤坂署に相談・通報
- 赤坂署が事情を聴き、動画の有無や状況を確認
- 2025年11月29日、性的姿態撮影等処罰法違反（撮影）の疑いで古川容疑者を逮捕
つまり、「女性がその場で気づいたこと」と「店がすぐ警察に相談したこと」が、今回の逮捕につながったことがわかります。
逮捕までの時系列を整理してみる
ニュースを見ていると、日付や時間がバラバラに出てきて、
「結局いつ何が起きたの？」と分かりにくくなりがちです。
報道を元に、ざっくりとした時系列にしてみます。
11月28日（木）夜：ホテルの部屋での出来事
- 20:30〜21:00ごろ
- 東京・赤坂のビジネスホテルの一室
- 出張で上京していた古川容疑者が、派遣型風俗店の20代女性を呼ぶ
- 性的行為の最中に、スマホで女性の裸などを撮影した疑い
- 撮影をやめようとしてスマホを操作
→ 動画停止などの「音」が鳴る
→ 女性が「盗撮されている」と気づく
同じく11月28日夜：店→警察へ
- 女性が勤務先の店に「隠し撮りされた」と相談
- 店の別の従業員が、警視庁赤坂署に通報・相談
- 警察が、ホテルの状況やスマホの中身などを確認し、捜査を開始
11月29日（金）：逮捕が明らかに
- 29日 午後
- 警視庁赤坂署が、性的姿態撮影等処罰法違反（撮影）の疑いで古川容疑者を逮捕
- 捜査関係者の話として「スマートフォンで撮影したことに間違いない」と容疑を認めている旨が報じられる
- 同日夕方〜夜
- 各テレビ局・新聞社のニュースサイトで「徳島県議の男を盗撮容疑で逮捕」という速報
- 名前、年齢、所属政党（公明党）、徳島県議会議員であることなどが順次明らかになる
こうして、密室での犯行とされる行為が、
「女性の気づき → 店経由の通報 → 警察の捜査」という流れで表に出てきました。
性的姿態撮影等処罰法（いわゆる「撮影罪」）とは？
今回のニュースで、聞き慣れない法律名が出てきます。
性的姿態撮影等処罰法違反（撮影）
これは、2023年に施行された比較的新しい法律で、
盗撮など「性的な姿を勝手に撮る行為」を全国一律で取り締まるために作られました。
どんな行為がアウトなのか
弁護士サイトや法務省関連の解説をまとめると、
「性的姿態等撮影罪」（いわゆる撮影罪）は次のような行為を処罰の対象にしています。
- 正当な理由なく、ひそかに人の「性的な姿」（裸、下着、性行為中の姿など）を撮影すること
- 相手が抵抗できないような状態にあるのに、そのすきをついて撮影すること
- 「性的なものではない」と誤解させたり、「特定の人にしか見せない」と信じさせて撮影すること
- 子どもの性的な姿を撮影すること（年齢や年の差による条件あり）
今回報じられているケースは、
「性的な行為そのもの」や「裸の姿」を、相手の同意なく撮影した疑い
という形に当たると見られています。
どれくらい重い犯罪なのか（法定刑）
この撮影罪の法定刑（刑の「上限」）は、
3年以下の拘禁刑 または 300万円以下の罰金
とされています。
以前は、盗撮の多くが「都道府県の迷惑防止条例」で扱われていて、
地域によって刑の重さが違う状態でした。
それがこの法律によって、
- 全国一律で
- 以前より重い刑も科せるようになった
というのが大きなポイントです。
※ここでの「3年以下」「300万円以下」はあくまで上限であり、
実際にどの程度の刑になるかは、
- 初犯かどうか
- 反省の有無
- 撮影の回数や悪質性
など、さまざまな事情を見て決められます。
古川容疑者の立場から見た「事件の重さ」
同じ盗撮事件でも、「誰がやったか」によって社会的な意味は大きく変わります。
今回のケースが大きく報じられているのは、
単に「盗撮だから」というだけではなく、
- 現職の徳島県議会議員であり
- 公明党会派の会長であり
- 党の看板として「倫理」「人権」「福祉」を掲げてきた人物
が容疑者となっているからです。
選挙の際には、
「市民の声を聞く」
「困っている人に寄り添う」
「人権を守る」
といったメッセージを掲げていたとされ、
まさに“クリーンさ”や“誠実さ”を売りにしてきたタイプの政治家といえます。
その人が「性的な盗撮」の容疑で逮捕された、という事実だけで、
有権者や支援者のショックはかなり大きいでしょう。
公明党の反応と、今後の「党としての処分」
公明党側も、この事件をかなり重く見ています。
西田幹事長のおわび談話
公明党の高橋秀行・八千代市議のブログなどによると、
2025年11月29日、公明党の西田実仁（にしだ まこと）幹事長が、次のようなおわび談話を出しています。
要点をかみ砕くと、
という内容です。
考えられる「党の処分」
現時点で「どのレベルの処分になるか」は、まだ正式には発表されていませんが、
公明党の内部規定などからすると、次のような可能性が考えられます（一般論）。
- 除名（党から完全に追放）
- 離党勧告（自ら離党を求める）
- 党員資格停止
- 役職の解任（徳島県本部代表、会派会長など）
特に今回は「撮影を認めている」と報じられていることもあり、
軽い注意や口頭での注意で済むレベルではない、と見るのが自然です。
議員としてはどうなるか
政党の処分とは別に、
徳島県議会議員としての古川容疑者がどうなるか、という問題もあります。
一般的には、
- 本人が辞職願を出し、議会が許可する → 議員辞職
- あるいは、議会が「辞職勧告決議」や「問責決議」を出す
- 最悪の場合、地方自治法に基づく「失職」「出席停止」なども議論される
といったコースがあります。
ただし、これらはまだ決まっていない未来の話であり、
現時点では「厳しい批判と、処分を求める声が上がっている段階」と言えます。
刑事事件としては今後どう進むのか
では、この後、刑事事件としてはどんな流れになるのでしょうか。
一般的な盗撮事件の流れをベースに説明します。
大まかな流れ
盗撮事件では、初犯で反省が強く、被害者との示談も成立している場合、
罰金刑や執行猶予付きの判決になるケースも少なくありません。
ただし、今回は「現職県議」「公職者」であることが、
どのように量刑に影響するかは、実際の裁判を見ないと分かりません。
法定刑のおさらい
もう一度、撮影罪の法定刑を確認しておきます。
- 性的姿態等撮影罪（今回の容疑に該当）
→ 3年以下の拘禁刑 または 300万円以下の罰金
ここでいう「拘禁刑」とは、
これまでの「懲役」と同じような、自由を奪う刑罰だとイメージすればOKです。
実際にどの程度の刑になるかは、
- 初犯かどうか
- 撮影時間・撮影内容・回数
- 被害者の精神的ダメージ
- 示談の有無
- 反省の度合い
などを総合的に見て、裁判所が判断します。
今回の事件から見えること
最後に、このニュースをどう受け止めるか、
大人の目線で整理してみます。
「密室だからバレない」は通用しない
今回のケースは、
- 完全な個室であるホテルの一室
- 相手は仕事として来ている風俗店の従業員
という、「外から見えない場所・関係性」で起きたとされる事件です。
それでも、
- スマホの音
- 被害者の違和感
- 店の迅速な通報
によって事件が明るみに出ています。
「バレないだろう」「この程度なら…」という甘い考えは、
今の時代、簡単に崩れます。
性的な撮影に関する法律は、かなり厳しくなっている
2023年に施行された性的姿態撮影等処罰法により、
盗撮や性的な撮影行為に対する規制は、全国一律で厳しくなりました。
スマホの普及で、
- 「つい出来心で撮った」
- 「記念に残しておきたかっただけ」
といった軽い感覚でやった行為が、一気に人生を狂わせるレベルの事件になる。
そういう時代だということを、あらためて意識させられます。
「公人」である政治家の責任の重さ
最後に、一番大きなポイントはここかもしれません。
- 法律を作る側に近い立場の政治家
- 「人権」「倫理」「福祉」を掲げる政党の議員
が、性的な盗撮行為の容疑で逮捕された。
これは、単なる「一個人の性モラルの問題」にとどまらず、
政治への信頼や、政党への信頼そのものを揺るがす出来事です。
9．まとめ
ここまでの内容を、最後に3点に絞ってまとめます。
- 事件の発覚のきっかけは「スマホの音」と被害女性の気づき
- ホテルの一室での行為だったが、動画停止の音などをきっかけに女性が「盗撮」に気づき、店を通じて警察に相談したことで発覚した。
- 適用されたのは、2023年に施行された新しい「撮影罪」
- 性的姿態撮影等処罰法に基づく撮影罪は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金という重い法定刑が定められている。
- 公明党徳島県議会議員としての立場から、政治的責任も極めて大きい
- 現職県議、公明党会派会長という立場での逮捕であり、公明党本部も「極めて非倫理的で、人権を侵害する重大な犯罪容疑」と厳しく批判。今後、党としての処分や議員としての進退が大きな焦点になる。
裁判が始まると、
- 実際の撮影の状況
- 動画の扱い
- 被害者の心情
など、もう少し具体的な事実が明らかになってくるはずです。
私たちとしては、
「スキャンダル」として消費して終わりにせず、
- 性的な撮影に関するルール
- 公人の倫理
- 被害者の権利の守り方
といったテーマについて、落ち着いて考えるきっかけにしていきたいところです。
