「1箱580円のタバコのうち、いくらが税金なの?」
「結局“二重課税”なんでしょ?ふざけるなって感じなんだけど…」
X(旧Twitter)を見ていると、こんなモヤモヤがたくさん流れています。
この記事では、
を整理していきます。
※税率・金額は、財務省や自治体が公表しているデータ(令和7年=2025年4月時点)をもとにしています。今後の増税で数字が変わる可能性があるので、最新情報は財務省や自治体のサイトでも確認してください。
たばこ1箱には「4種類+消費税」の税金が乗っている
まず、“たばこ税”とひとことで言っても、実際にはいくつかの税金の集合体です。
代表的な紙巻きたばこ1箱には、次の税金が含まれています。
- 国たばこ税(国税)
- 地方たばこ税(都道府県たばこ税+市区町村たばこ税)
- たばこ特別税(国税)
- 消費税(+地方消費税)
つまり、
本体価格 + 国たばこ税 + 地方たばこ税 + たばこ特別税 = 消費税の「土台」
となり、その合計金額に対して さらに10%の消費税 がかかります。
この構造のせいで、「二重課税じゃないの?」「税金の上にまた税金かけてるじゃん」と言われるわけですね。
具体例:580円のたばこ1箱だと、税金はいくら?割合は?
ここからが一番知りたいところだと思います。
例:20本入り・580円の紙巻きたばこ
福岡市や徳島県、東京の区役所など、複数の自治体が
「1箱20本入り・580円のたばこ」の内訳を公開しています。
そのデータを整理すると、だいたい次のようになります。
たばこ1箱(20本入り・580円)の内訳(令和7年4月時点)
- 国たばこ税 … 136.04円
- 都道府県たばこ税 … 21.40円
- 市区町村たばこ税(市たばこ税・区たばこ税) … 131.04円
- たばこ特別税 … 16.40円
- 消費税・地方消費税 … 52.73円
- 原材料費・メーカーの利益など … 222.39円
- 合計 … 580円
このうち、「税金」だけを合計すると…
- 136.04
- + 21.40
- + 131.04
- + 16.40
- + 52.73
= 357.61円(約357.6円)
となります。
税金の「割合」はどれくらい?
1箱580円のうち、税金は約357.6円。
ということは…
357.6 ÷ 580 ≒ 0.617 → 約61.7%
つまり、
580円のうち、およそ6割ちょっとは税金
“たばこ本体+メーカーの利益”は残りの約4割弱
という計算になります。
「なんか高いな…」と思っていた人も、数字にするとかなりエグいのがわかるはずです。
1箱あたりの「たばこ税」割合を計算する手順
さっきの具体例を、もう少し“計算の流れ”として見てみましょう。
ステップ1:消費税を分けて考える
税込580円のうち、消費税は10%です。
計算のイメージはこうです。
税込価格 = 税抜価格 × 1.10
なので、
税抜価格 = 580 ÷ 1.10 = 約527.27円
ここで、
- 税抜価格 527.27円(本体+たばこ税の合計)
- 消費税 52.73円(10%)
に分かれます。
実際、自治体が公表している内訳でも、消費税は約52.73円となっています。
ステップ2:税抜価格の中身を分ける
税抜価格 527.27円の中身は、
- 原材料費・メーカーの利益など … 222.39円
- 国・地方たばこ税+たばこ特別税 … 304.88円(136.04+21.40+131.04+16.40)
です。
ここまで整理すると、
- たばこ関連の税金(たばこ税+たばこ特別税+地方たばこ税)
→ 304.88円 - 消費税
→ 52.73円 - 本体+メーカー利益など
→ 222.39円
ステップ3:「割合」を出してみる
①“全部の税金”の割合
税金合計357.61円 ÷ 580円 = 約61.7%
→ 「1箱のうち、だいたい6割が税金」
②“たばこ税だけ”の割合(消費税を除く)
たばこ税等304.88円 ÷ 580円 = 約52.6%
「580円のうち、半分ちょいは“たばこ税系”」「さらに約1割が消費税」
というイメージです。
自分の銘柄で「だいたいの税金」をざっくり計算する方法
「いや、自分の吸ってるのは580円じゃないんだけど?」という人も多いですよね。
実は、普通の20本入りの紙巻きたばこであれば、
- 国たばこ税
- 地方たばこ税
- たばこ特別税
の部分は、「1,000本あたりの税率」で決まっています。1,000本(50箱)当たりの合計は 15,244円 とされています。
15,244円 ÷ 50箱 = 1箱あたり304.88円
つまり、
- どの銘柄でも「たばこ税+たばこ特別税+地方たばこ税」は、ほぼ1箱304.88円で固定
- そこに「本体価格+利益」が乗って、最後に消費税10%がかかる
というイメージです。
ざっくり計算のコツ(紙巻きたばこ・20本入りのケース)
- どの銘柄でも、たばこ税等は約305円と覚えておく
- 税込の販売価格から逆算して
- 消費税 … 「税込価格 ÷ 11 × 1」くらい(※厳密には10/110)
- 本体+利益 … 残り
たとえば…
例1:1箱580円
- たばこ税等 … 約305円(固定)
- 消費税 … 約53円(580 ÷ 11 ≒ 52.7)
- 本体+利益 … 580 − 305 − 53 = 約222円
例2:1箱600円(ざっくり)
- たばこ税等 … 約305円
- 消費税 … 600 ÷ 11 ≒ 約54〜55円
- 本体+利益 … 600 − 305 − 55 = 約240円
といった感じで、「1箱の半分ちょいがたばこ税、1割が消費税」という構図は、ほとんどの銘柄で大きくは変わりません。
「二重課税?ふざけるな!」と言われる理由
では本題の「二重課税」です。
どこが“二重”なのか?
構造はこうです。
(たばこ本体価格 + たばこ税 + たばこ特別税 + 地方たばこ税)
に対して 消費税10%
つまり、
- たばこ税そのもの
- たばこ特別税
- 地方たばこ税
これらを含んだ金額に対して、さらに消費税がかかっているわけです。
このため、
「たばこ税にも消費税がかかっている」
→ 「税金にまた税金をかけている=二重課税だろ!」
という不満が出てきます。
実際、弁護士ドットコムなどの解説記事でも、「たばこの販売価格には4種類の税金が含まれ、その合計に消費税が課税されている」と説明されています。
法律上は「二重課税ではない」という理屈
じゃあ、なぜこれが“合法”とされているのか。
国税庁の解説では、酒税やたばこ税などの「個別消費税」は、メーカーなどが納税義務者となって負担する税金であり、その販売価格の一部にすぎないとされています。
そのうえで、
「販売価格に含まれるコストの一種である以上、その合計金額に消費税をかけても“二重課税”には当たらない」
というのが、税務当局の見解です。
- たばこ税 → メーカーなどが納める個別消費税
- 消費税 → 最終消費者が負担する一般的な消費税
と、税の種類・納税義務者が違うからOK、というロジックですね。
ただ、私たち消費者からすると、
「メーカーが払ってるって言っても、その分は値段に乗せてるでしょ?」
「結局、全部まとめて“こっちが払ってる”んだから、体感的には二重課税じゃん」
となるので、「ふざけるな!」という感情になるのも当然だと思います。
なぜここまで高い?たばこ税が重い3つの理由
「そこまで絞り取らなくても…」と思う一方で、たばこ税が高いのには、いちおう“公式な理由”もあります。
① 歴史的に「戦費や財源」をまかなうための税だった
たばこ税の歴史をたどると、日清戦争や日露戦争の戦費をまかなうための財源として使われてきました。
現在でも、国・地方の貴重な歳入の一部であり、たばこ税等の合計は年間約2兆円規模とされています。
② 「健康への悪影響」がある嗜好品だから
健康被害や医療費の増加を考えると、
- 喫煙者から多く税金を取ることで「吸いにくくする」
- その税収を医療や福祉などに回す
という考え方もあります。
実際、各自治体は「地方たばこ税は貴重な財源」と明記しつつ、受動喫煙防止や分煙設備の整備などに取り組む必要性を訴えています。
③ 地方自治体にとっては「安定した収入源」
市たばこ税・区たばこ税は、市区町村の税収の一部になります。
自治体のサイトを見ると、
- 「区内で買ってもらうと、区の収入になります」
- 「たばこ税は住民サービスの財源です」
といった書き方をしているところも多いです。
つまり、
「たばこ税を大きく下げる=自治体の予算が減る」
という問題があり、政治的にも簡単には減らせない、という事情もあります。
年間で見ると、たばこ税はいくら払っているのか?
1箱あたりの金額だけだと、ピンとこないかもしれません。
なので、「1日1箱」のケースでざっくり計算してみましょう。
1日1箱・580円のたばこを吸う場合
- 1日:580円
- 1か月(30日換算):580 × 30 = 17,400円
- 1年(12か月):17,400 × 12 = 208,800円
このうち、税金は約61.7%なので、
- 208,800 × 0.617 ≒ 約128,800円
1年で約12万8千円が税金
(そのうち約9〜10万円が「たばこ税等」、残りが消費税)
というイメージになります。
「二重課税ふざけるな」と感じるのも、かなり説得力のある金額ですよね…。
「ふざけるな!」と思ったときにできる3つの選択肢
怒りやモヤモヤは当然として、じゃあ私たちはどうするか?
選択肢はざっくり言えば3つしかありません。
① それでも吸い続ける(割り切る)
- 「ストレス解消になるから」
- 「もう仕方ない」
- 「税金払ってるんだから文句言わせない」
こう割り切って吸い続けるのも、一つの選び方です。
ただし、その場合は
「1箱のうち6割は税金なんだよな…」
「年間10万円以上を“タバコ関連の税金”として払っている」
という事実は、頭の片隅に置いておくといいかもしれません。
② 本数を減らす・安い銘柄に変える
- 1日1箱 → 0.5箱に減らす
- 580円 → 540円など、少し安い銘柄に変える
それだけでも、年間の税金額はガクッと変わります。
例えば「1日0.5箱」に変えるだけで、
- 1年の支出が半分 → 約104,400円
- 税金もほぼ半分 → 約64,000円
になります。
③ 思い切って禁煙する
「二重課税ふざけるな!」と本気で思うなら、もっとも強力な“抗議”は禁煙です。
- 年間20万円近くの支出がゼロ
- そのうち12〜13万円の“税金”もゼロ
- 健康リスクも下がる
という、かなりインパクトの大きい選択です。
もちろん、禁煙は簡単ではありませんが、
- 「とりあえず1日だけ吸わない」
- 「平日だけ減らしてみる」
- 「医療機関の禁煙外来を使う」
といった段階的なやり方もあります。
まとめ:数字で見ると「ふざけるな」と言いたくなるレベル
最後に、この記事のポイントをもう一度整理します。
数字を冷静に並べてみると、
「二重課税?ふざけるな!」と言いたくなる気持ちも、かなり現実味を帯びてきます。
ただ、制度そのものはすぐに変わりません。
だからこそ、
- 吸い続けるなら「税と付き合う覚悟」を決める
- 本数を減らす/銘柄を変える
- いっそ禁煙して“税金ごと卒業する”
このどれを選ぶのかは、最終的には自分の人生とお財布との相談です。






