結論から言うと、「飛鳥・藤原の宮都」は奈良県の明日香村・橿原市・桜井市にまたがる遺跡群です。
そして2026年7月26日、ついに世界遺産に登録されることが決まりました。
国内では27件目の世界遺産です。
「宮都(きゅうと)」というのは、簡単に言えば「天皇のいた都」のこと。
飛鳥時代(6世紀末〜8世紀はじめ)に、日本という国のかたちができていく様子を、宮殿跡・お寺の跡・古墳という3種類の遺跡でまるごと確認できる、世界的にも珍しい場所なんです。
この記事では、初めて訪れる人向けに「結局どこを見ればいいの?」がわかるよう、見どころ5つとまわり方をまとめました。
「飛鳥・藤原の宮都」は、奈良盆地の南のほう、明日香村を中心に橿原市・桜井市に広がる19件の遺跡から成り立っています。
宮殿の跡、お寺の跡、天皇や豪族のお墓(古墳)の3タイプがセットで残っているのが特徴です。
ひとつのお城やお寺が単独で残っているのではなく、「国づくりの過程」が地域まるごとで見えるというのが評価されたポイントです。
難しく聞こえますが、実際に歩いてみると「田んぼの中に急に古墳がある」「畑の横に石造物がある」みたいな、のどかな里山を散策する感覚に近いです。
2026年6月6日、ユネスコの諮問機関イコモスが「登録が適当」という勧告を出しました。
そして2026年7月26日、韓国・釜山で開かれていた世界遺産委員会で、正式に世界文化遺産への登録が決まりました。
これで日本国内の世界遺産は、文化遺産22件・自然遺産5件の合計27件になります。
ちょうど今、注目度が一気に高まっているタイミングなので、混雑する前に訪れておきたいという人が増えています。
19件もある構成資産の中から、初めて訪れる人でも「なるほど」と感じやすい代表的な5か所を選びました。
飛鳥観光の代名詞ともいえる古墳です。
土がすっかりなくなり、巨大な石だけがむき出しになった姿は、写真で見るよりも実物のほうがずっと迫力があります。
石室の長さは約19メートル、天井石は数十トンにもなると言われていて、当時の人がどうやって積み上げたのか想像すると気が遠くなります。
石室の中にも入れるので、ひんやりした空気を感じながら古代の空間を体感できます。
藤原京は、日本で初めて中国の都にならって整備された本格的な都です。
今は建物こそ残っていませんが、だだっ広い草原が広がっていて、季節によってはコスモスや蓮が咲き誇る景色が見られます。
遠くに大和三山(畝傍山・耳成山・天香久山)を眺められるロケーションも魅力で、「何もない広さ」を楽しむタイプのスポットです。
日本最古の本格的なお寺のひとつで、6世紀末から7世紀初頭にかけて建てられました。
本尊は「飛鳥大仏」として親しまれている釈迦如来像で、1400年ほど前からほぼ同じ場所に座り続けているとされています。
近くで見るとお顔立ちが少し独特で、現代の仏像とは違う古代の空気感を味わえます。
1972年に発掘され、極彩色の壁画が見つかったことで大きな話題になった古墳です。
壁画には男女の人物像や、青龍・白虎などの四神、星空の様子が描かれていました。
ちなみに、埋葬された人物が誰なのかは今もはっきりわかっていません。
本物の壁画は保存のため公開が予約制になっていて、次の公開は2029年以降とされています。
その代わり、すぐ隣の「高松塚壁画館」で精巧な模写と原寸大の石室模型が見られるので、こちらだけでも十分見ごたえがあります。
高松塚古墳と並んで有名な壁画古墳です。
天井には星座を表した「天文図」が描かれていて、これは現存する中で世界最古級の天文図のひとつとされています。
隣接する体感型施設「キトラ古墳壁画保存管理・体験館 四神の館」では、実物の壁画や出土品を見ることができます。
| スポット | 見学の目安時間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 石舞台古墳 | 20〜30分 | 石室に入れる、迫力の巨石 |
| 藤原宮跡 | 30分〜 | 広大な原っぱと季節の花 |
| 飛鳥寺 | 20〜30分 | 日本最古級の飛鳥大仏 |
| 高松塚古墳・壁画館 | 30〜40分 | 極彩色壁画の模写を展示 |
| キトラ古墳・四神の館 | 30〜40分 | 世界最古級の天文図 |
最寄り駅は近鉄吉野線の「飛鳥駅」または「橿原神宮前駅」です。
大阪や京都からは近鉄電車で1時間半前後、奈良市内からも1時間ほどで到着します。
エリア内は施設同士がそれなりに離れているため、駅前のレンタサイクルを利用する人がほとんどです。
🚲 移動手段のポイント
- 徒歩:主要スポットのみなら可能だが、5か所すべてまわるには距離がある
- レンタサイクル:飛鳥駅周辺に複数の貸し出し店があり、電動アシスト付きもある
- 路線バス・コミュニティバス:本数は多くないので時刻表の事前確認がおすすめ
時間が限られている場合は、次の順番でまわるのが効率的です。
🕒 半日コース(飛鳥駅発・レンタサイクル利用)
- 飛鳥駅でレンタサイクルを借りる
- 高松塚古墳・壁画館を見学
- 石舞台古墳へ移動して見学
- 飛鳥寺で飛鳥大仏を拝観
- 飛鳥駅へ戻って解散
1日かけられるなら、ここに藤原宮跡とキトラ古墳・四神の館を追加すると、宮都のスケール感まで含めてしっかり味わえます。
藤原宮跡は他のエリアからやや距離があるので、時間配分には少し余裕を持たせておくと安心です。
屋外を歩く時間が長いので、歩きやすい靴は必須です。
夏は日差しを遮るものが少ない場所も多いため、帽子や飲み物を用意しておくと安心です。
藤原宮跡は季節の花が見どころのひとつなので、花の時期に合わせて訪れる人も多いです。
世界遺産登録決定の直後は特に注目が高まりやすいため、土日祝日は駐輪場やレンタサイクルが混み合う可能性があります。
Q. 高松塚古墳の壁画は本物を見られますか?
A. 保存のため予約制での限定公開となっていて、次回は2029年以降とされています。現在は隣接する壁画館で精巧な模写を見ることができます。
Q. 石舞台古墳やキトラ古墳は誰のお墓かわかっているのですか?
A. 石舞台古墳は蘇我馬子の墓ではないかという説が有力ですが、断定はされていません。キトラ古墳や高松塚古墳の被葬者も特定には至っていません。
Q. 車がなくても観光できますか?
A. 可能です。近鉄飛鳥駅からレンタサイクルを利用するのが最も一般的な方法です。
Q. 1日でどこまでまわれますか?
A. レンタサイクルを使えば、今回紹介した5か所を1日でまわることは十分可能です。
飛鳥・藤原の宮都は、奈良県の明日香村・橿原市・桜井市にまたがる遺跡群です。
2026年7月26日に世界文化遺産への登録が正式に決定し、国内27件目の世界遺産になりました。
初めて訪れるなら、石舞台古墳・藤原宮跡・飛鳥寺・高松塚古墳(壁画館)・キトラ古墳(四神の館)の5か所を押さえておけば、宮都の雰囲気をしっかり感じられます。
最寄りは近鉄飛鳥駅で、レンタサイクルを使えば半日から1日で効率よくまわれます。
注目度が高まっているタイミングだからこそ、混雑を避けつつ気持ちよく歩ける計画を立てて出かけてみてください。





