「ばけばけ」第14週で話題になった、ヘブンの一言――
「カゾク、ナル、デキナイ」。
これ、ただの“怒りのセリフ”に見えて、実はヘブンの価値観と、トキとの関係の核心を突いた言葉なんです。結論から言うと、ヘブンは “家族=安心して本音を出せる関係” だと思っているのに、目の前にあるのが “嘘と隠し事で形だけ整えた家族ごっこ” に見えてしまい、心が限界になった――それが一番大きい理由です。
「カゾク、ナル、デキナイ」はいつ・どこで出た?
この言葉が出たのは、トキとヘブンの結婚に向けた流れの中で行われた、両家の顔合わせ(結婚披露パーティー的な場)です。松野家(司之介・フミ・勘右衛門)と、雨清水家(タエ・三之丞)が集まり、錦織も見守る中で挨拶が進んでいきます。
ところが、その場の空気は“和やか”というより、「本当のことを言ってはいけない空気」が漂っていました。たとえば雨清水家の立場や、三之丞の状況など、みんなが“都合のいい説明”で整えようとしていた部分がある。そこにヘブンの不信感が積み重なり、ついに口から出たのが「カゾク、ナル、デキナイ」だった、という流れです。
なぜヘブンは「家族になれない」と言ったのか
理由は大きく3つに分けると理解しやすいです。
①「知らないフリ」をさせられるのが耐えられなかった
ヘブンはすでに、錦織などから“事情”を聞いています。なのに顔合わせの場では、トキ側がその事情を伏せたまま話を進めようとする。つまりヘブンは、
「知っているのに、知らない顔をして、その嘘に参加して」
という役割を求められてしまった形です。
これはヘブンにとって、かなりきつい。なぜならヘブンは「家族」になろうとしているのに、最初の一歩が“嘘の共同作業”に見えてしまうからです。
②「信頼されていない」と感じた
隠し事そのものより、ヘブンが一番刺さったのはここだと思います。
- つらい事情があるのは分かる
- でも、結婚する相手に “本当の事情を言えない” のは、信頼されていないのと同じに見える
実際、記事でも「なぜ隠すのか」を気にしていた、というポイントが強調されています。
ヘブンの中では、本音を出し合える=家族。
なのにトキが本音を飲み込み続けるから、ヘブンの心は「自分はまだ外側の人間なのか?」と揺れていきます。
③ヘブンは“嘘”に特別な痛みを持っている
第14週に入る少し前から、ヘブンの過去(結婚生活での過ち)が語られる流れがあります。
詳しい中身は視聴で受け取るのが一番ですが、少なくとも公式系の記事でも「過去の結婚生活」「過ち」という要素が触れられていて、ヘブンは“関係が壊れる怖さ”を知っている人物として描かれています。
だからこそ、小さな隠し事でも“裏切りの入口”に見えてしまう。
ヘブンの「カゾク、ナル、デキナイ」は、怒鳴りたいというより、怖さと悲しさが混ざったSOSに近いと感じます。
「ヘブンの本当の気持ち」は何?(結論:トキを責めたいわけじゃない)
ヘブンの本音を、できるだけ短い言葉にするとこうです。
「本当のあなたで、家族になりたい」
ヘブンは“完璧な家”を求めているわけじゃない。
お金がない、家が複雑、立場が苦しい――そういう事情があってもいい。
でも、ヘブンが欲しいのは 「事情」よりも「正直さ」です。
正直に言えば、2人で受け止めて、2人で考えられるから。
「みんなの前で、嘘の台本を演じる結婚はしたくない」
顔合わせの場は、本来なら「これから家族になります」のスタート地点です。そこが“嘘の舞台”になってしまった瞬間、ヘブンは「ここから始めたら、いつかもっと大きく壊れる」と直感した。
だから口から出たのが「家族になれない」。
これは、トキを捨てたい宣言というより、“このまま進んだら2人が終わる”というブレーキです。
錦織が説明した「建前」と、すれ違いの正体
ヘブンの混乱をさらに大きくしているのが、日本の「建前」文化です。
錦織はヘブンに対して、本当の気持ちを隠して関係を壊さないようにする“建前”という考え方を説明し、トキが真実を話すのを待ってほしい、と伝える流れが紹介されています。
ただ、ここがポイントで――
建前は“相手を守る優しさ”にもなるけれど、ヘブンには「距離を置かれているサイン」にも見える。
- トキ側:家族を守るため、場を壊さないための建前
- ヘブン側:自分が信頼されていない/嘘の輪に入れられている
同じ行動が、真逆の意味に見えてしまう。これが第14週の苦しさです。
トキは悪いの?
視聴者としては「トキ、言えばいいのに!」と思う場面もあります。
でもトキはトキで、
- 家を守る
- 雨清水家の事情も背負う
- 誰かを傷つけないように場を整える
…そういう責任を抱えすぎている。だから“正直に話す”ができない。
大人の目で見ると、これは善悪というより、背負い方の違いです。
- ヘブン:正直に向き合うことで、2人の関係を守りたい
- トキ:波風を立てないことで、周りも含めて守りたい
守りたいものは同じなのに、方法が違うからぶつかる。
ここからどうなる?
第70回の予告・あらすじでは、ヘブンの不満が爆発するような描写が続きます。
ここから先で大事になるのは、たぶんこれです。
- トキが「全部を一気に言う」必要はない
- でも「隠していた理由」と「本音」を、順番に渡していく必要がある
- ヘブンも「建前=悪」ではなく、“文化の違い”として理解し直す必要がある
つまり落とし所は、“正直か、建前か”の二択じゃなくて、「正直をどう出すか」なんだと思います。
まとめ
最後に、今回の答えを1行でまとめます。
ヘブンが「カゾク、ナル、デキナイ」と言ったのは、嘘で整えた関係のまま家族になるのが怖くて、「本音で家族になりたい」と願ったから。
もしこの言葉を、単なる怒りとして処理してしまうと、ヘブンの“本当の優しさ”を見落とします。
ヘブンはトキを責めたいんじゃない。2人の未来を守るために、いったん止まった――そう見える回でした。

